恐怖の究極兵器
アナキンとフェラスと3人で散々話し合ったけど、私が同意することはなく、話はずっと平行線だった。更に悪いことに、アナキンとフェラスは反乱軍と共に戦うと決めた。しかも、アナキンは私の意思を尊重してくれるけど、フェラスは私の考えを変えさせようとしてくる。
何度も断ったけど、フェラスも折れることはなかった。
そんな最中、私は崖を跨ぐ丸太の上で、アナキンと組手を始めた。
「ネル、フェラスと話し合え。」
せっかく両想いになったのに、考えの相違でフェラスと顔を合わせなくなってしまった。
組手をしながら、アナキンは話し合いをするべきだと言う。
「私の意思は変わらないよ。」
「反乱軍がどう思おうが関係ない。今の君は悪人じゃない。みんな分かってくれるはずだ。」
「無理だよ……」
組手をやめ、私はライトセーバーを収める。
「記憶を失っている時、反乱軍の嫌悪する視線がとても痛かった。何も知らないのに、私は嫌われているって思ったよ。以前は何も思わなかったけど、今は居心地が悪い。」
「だから組手をしたいと言ったのか?」
「それもあるけど……」
私が居心地悪いように、反乱軍も私がいると気分が良くないと思ったんだ。何より、自分でも残酷なことをしてきたと思っている。その為に人を殺したりもした。
後悔はしていないけど、夢の為に後悔はしたくない。
フェラスと両想いになれたからといって、まだ夢は達成されていないのだから。
「夢の計画には、まだ先があるから。」
「先?」
「フェラスは愛してるけど、目標の半分しか成就してない。その為に、障害を排除する必要がある。」
「障害……皇帝のことか。」
アナキンの問いに、私は頷く。
「組手、付き合ってくれてありがとう。」
組手をしていた丸太の上から下りて、基地への帰路に就く。アナキンも後を追い、私達は会話もなく基地に戻った。基地に戻ると、いつもの様子が違った。
何やら基地が騒がしい。
「何事?」
隊員の1人に声をかけると、情報部の工作員が少女を連れてきたという。
「女の子だって?」
「なんで女の子?」
「実は、ゲイレン・アーソの娘だそうで……」
「………誰?」
「あぁ、君は知らないのか。帝国のバトル・ステーション建設の第一人者だ。」
バトル・ステーションと聞いて、ある名称が脳裏に浮かぶ。
「アナキン………それってデス・スターじゃないよね?」
「………」
「やめてよ……」
背中に嫌な汗が流れる。
アナキンに聞くと、思っていた通り肯定された。
あり得ない。あの設計図は私が切られた時に、わざわざハンルに消させたのに。ハンルが裏切ることはない。きっとデータをコピーされていたんだ。
2人の呼び止めを無視して、私は司令部へと走る。
「クラウド!何を、」
「あの究極兵器があるってどういうこと!?」
ベイル・オーガナの胸倉を掴み、腹の底から声を張り上げる。その剣幕に、司令部の面々は慌ててオーガナと私を引き剥がした。それでも私は怒りが治らず、アナキンに羽交締めにされてようやく落ち着く。
「ネル!どうしたんだ!」
「落ち着いてください。なぜ貴女が知っているのですか?」
モスマに問われ、私は溜め息を吐く。
「究極兵器の設計図は、クローン戦争前から存在してたの。」
「何だと!?」
「まさか、そんなはずがないだろう!僕があの設計図を見たのは、帝国が樹立してからだ!」
「違うね。あんたが見た設計図は、元々ジオノーシスにあったものだよ。間違いない。」
ジオノーシスで戦いが始まって、設計図はティラナスがシディアス卿に渡して、“議長”オフィスの設計図データもハンルに消させた。ムスタファーにあったデータも、アナキンが消した。データがないから、建設も無期限で中断されていたはずだったんだ。
そこまでしたのに、残っているとしたらコピーされていたとしか思えない。
「ちょっと!私は無視?」
「クラウド、彼女がジン・アーソだ。」
「よろしく。」
私はジンの前まで歩き、彼女の目の前に立つ。
「お父さんはどこ?」
「分からないわ。」
「本当に?」
「最後に会ったのは、私が子供の頃よ。」
「………嘘じゃないみたいだね。」
「一体何なの?」
「ネル!!」
司令部を無言で出て行き、アナキンの呼び止めも聞き流して基地の外へ出る。
「ネル!待つんだ!」
走って逃げようとすると、アナキンが私の腕を捕まえて木に叩き付けてくる。
「離してよ!」
「何をしようとした?」
「17年も何をしてたわけ!?データを消したはずでしょ!なんでまだ残ってるの!?」
「すまない……僕も想定外だった。コピーされるデータすらないから、油断していたんだ。」
木の根元に座り込み、思わず頭を抱える。
八つ当たりしたところで、何も変わらないのは分かっている。だけど、私もアナキンも手を尽くしたはずだ。それが実らなかったんだ。
どうしたらいいのか分からない。
「ネル、僕達も戦うべきだ。」
「嫌われてるのに、反乱軍とどう付き合えと……?」
「これからは誠実に向き合えばいい。向き合う姿勢を見せれば、周りの目も変わる。嫌われたままなのは、君が背を向けるからだ。」
そこで、突然手を引かれて立たされる。
「基地に戻ろう。」
「けど……」
「大丈夫だ。フェラスだって、君の味方だ。よく話し合うんだ。僕とパドメのように。」
「分かった……」
アナキンに連れられ、私は基地へと戻る。
さっき聞こえた話では、デス・スターの完成は間近だ。だからと言って、元凶でもある私は静観できない。このままにはしたくない。
デス・スターが完成する前に、何か手を打たなきゃ。
さもないと、全て滅ぼされてしまう。
もう一度だけ、他者の為に手を尽くそう。
ローグワン編は、オリジナル要素をたくさんぶっ込みます()