開いた口が塞がらない。
「は……?」
基地に戻ってフェラスを探そうとしたけど、その前に衝撃的なことを言われた。
「フェラスが同行したってどういうこと?」
「ジンを確実に送れる人は、彼の他にいませんでしたから。それに、ゲレラは貴女を拒否するでしょうし……」
モスマにそう言われて、否定できなかった。
私の悪評は銀河中に知れ渡っている。ソウ・ゲレラも、私を嫌っているはずだ。最近知ったことだけど、帝国ができて私が死んだという話を、彼だけは信じなかったと言うくらいだから。
本当に鋭い男だ。
「スカイウォーカー将軍」
「あんたいつ将軍になったの?」
「反乱軍に入ってからだ。それで、何か任務ですか?」
「彼女を本当に味方と捉えてもよろしいのですね?」
「ええ。僕が保証します。」
2人を交互に見るけど、何の話かさっぱりだった。
「任命には、貴女の同意が必要です。」
「え?何の?」
「将軍位を与えます。反乱軍の戦力となっていただけますか?」
「将軍位……?あはははっ!」
「ネル……?」
思わず笑ってしまった。
嫌われ者の私に将軍位を与えるなんて、反乱軍も切羽詰まっているらしい。規模も大きくなって、数人の将軍じゃ事足りなくなったんだ。これが笑わずにいられるわけがない。
「クローン戦争の時みたいになるなら、軍事顧問の方がいいと思うけど?」
「では、拒むということですか?」
「そういうこと。私はジェダイとしてもシスとしても戦わない。私はエレノア・クラウドとして、戦場に立つ。」
「分かりました。」
将軍位は断り、私とアナキンは別の任務へと向かった。
依頼された任務は、帝国軍の捕虜を救うことだった。その捕虜は、“アミダラ元議員”。アナキンが皇帝に従わなくなったことで、アミダラ議員の安全が保証されなくなったからだった。
だけど、パドメは反乱軍にいる。
つまり、サーベの救出任務となる。
「何、その残念そうな顔。」
「将軍位を断るとは思わなかったんだ。」
「私には夢の計画があるの。組織に縛られたくない。」
「その割には、計画の中身を教えてくれないな。」
「聞いたら卒倒するから、やめた方がいいよ。」
私達はシャトルに乗り込み、船はハイパースペースへと入る。
向かう先は、因縁の星であるムスタファーだ。サーベはそこで軟禁されている。当然、警備は厚いはずだ。
「いいか、ネル。なるべく殺すな。ライトセーバーはなし、ブラスターもスタン・モードにするんだ。」
「私に死ねって言ってる?」
「そうじゃない!君はすぐに殺すだろ。だから、」
「アニー、止むを得ない時はどうするの?」
アナキンに優しく聞くと、彼は口を閉じてしまった。それは肯定でもあり、アナキンも私と同じように懸念しているということだ。
「あんたと私がいなくなったのに、皇帝がこのままにするわけないでしょ。」
「分かっている。」
そして、アナキンは衝撃的なことを言う。
「ネル、ジェダイの技を鍛えるんだ。」
「は?」
「ドゥークーからジェダイの技を叩き込まれたはずだ。今のままじゃ、君は未熟だ。」
「喧嘩売ってる?」
「そういうところを直せ。僕が鍛えるから、ジェダイの技をしっかり、おい!何をするんだ!」
あまりに腹が立って、私は赤いライトセーバーでアナキンに切りかかる。アナキンは慌てて防御し、距離を取った。間合いを詰める私に、彼は怒りを抑えるように宥めてくる。
「ジェダイの型は使えないんじゃなくて、使わないの。」
「だったら、」
「私の性格には合わないし。これでも10年の潜伏期間で、模範的ジェダイを演じたんだよ?キット・フィストーから教えを受けてるんだから。」
「君は、使うのが怖いだけだろう?」
そう言うと、アナキンはフォームⅤで向かってくる。私は後退して、格納庫に追い詰められた。格納庫でプラズマの刃をぶつけ合い、アナキンはフォームⅤからド・ジェムソに切り替えて攻めてくる。
フォームⅤの改良型で、私はライトセーバーに押されてハッチに背を付けてしまった。
「一度も使わなかったな。」
「馬鹿にしてんの!?」
「事実だ。シスの型を使い続けて、ジェダイの型に使い慣れていないと思って怖いんだろう?」
「どんな型でも勝てばいいでしょ!今更覚える気はない!」
勝てばいいだけだ。どんな型、どんな力でも、勝てば何も関係ない。勝利こそ全てなのだから。
「ネル、ジェダイに勝ち負けは重要じゃないんだ。」
「じゃあ何が重要なの?」
「生き残ることだ。」
「………」
シスとは根本的に考えが違う。
シスの教えは、力が全て。感情を糧に、力を得て支配するんだ。ジェダイの教えを全て否定している。
私はジェダイの教えを無視して、シスの教えに従った。
だからこそ、戦いの答えがアナキンとは違う。
「生きるんだ。ジェダイの教えを思い出せ。」
「っ!ちょっ、アニー!!」
唐突に抱き締められ、気を抜いてしまった。その隙にライトセーバーを取り上げられて、私は座らされる。私の前に屈み込み、アナキンは微笑む。
「そろそろ着く頃だ。」
「あ、うん……」
力無く返事すれば、アナキンは颯爽とコックピットへ戻っていく。
「あれがアナキン……?」
アナキンが最強のジェダイと言われた理由が、何となく分かった気がする。選ばれし者とか、予言とかそんなの関係ない。
なんであんなに意志が強いんだろう。
きっと子供達も強くなる。
アナキンの強さが羨ましい。