【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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切り離せないもの

プロファンディティのハンガーに着艦して間もなく、撤退命令が出された。

 

私とアナキンは真っ先に別のハンガーへ向かい、フェラスにはタナヴィーⅣへ向かわせた。今は設計図と、“子供達”が最優先だ。“レイア・オーガナ”にはフェラスが護衛に行き、“ルーク・スカイウォーカー”は私とアナキンが守りに向かう。

 

尋問官よりも先に、ルークと合流しなければならない。

 

 

「ルーク!!」

 

 

Xウィングから降りたルークに、アナキンが声を張り上げる。

 

 

「お父さん!?」

「馬鹿な真似をするな!なぜタトゥイーンを離れた!?」

「親が戦っているのを黙って見ていられるわけがないでしょう!」

 

 

2人の言い合いを止め、私は寒気のする方を見る。アナキンとルークも私の視線を追い、追い付いてきた尋問官を見る。

 

私は2人を背に、前に出る。

 

 

「アナキン、ルークを連れて行って。」

「ダメだ!」

「言わなきゃ分からない?シスの戦い方を見せたくないの。」

「っ!………分かった。だが、必ず逃げ切ってくれ。」

「もちろん。」

 

 

アナキンがルークを連れて、一番近いシャトルに乗り込む。これで、私は全力で戦える。シスの汚い戦い方を、ルークやレイアには見せたくない。

 

尋問官に向き合い、私はライトセーバーを起動させる。

 

 

「さて、覚悟はいい?」

「望むところだ。」

 

 

私と尋問官は互いを目掛けて走り、ライトセーバーを振り被る。真正面からぶつかり、私達は鍔迫り合う。私はフォースを駆使し、相手を蹴り上げ、ふらついた尋問官にフォース・プッシュした。

 

尋問官は壁にぶつかって倒れても、不気味な笑みを消すことはなかった。

 

 

「陛下が仰った通りだ。俺にはお前を殺せない。」

「だったら撤退すれば?」

「知らないふりしやがって……俺が何もなく戻れば、処分されるのは分かっているだろ。」

「知ってるよ。だからと言って、生存権を譲る気はない。」

 

 

フォース・ドレインを使い、私は尋問官の生命エネルギーを奪い取る。尋問官は倒れ、私は深呼吸した。アラートは止まず、私はハンガーに急ぐ。

 

ハンガーのシャトルに乗り込み、いきなりハイパードライブを起動する。

 

のんびり発進している暇はない。

 

 

「早く……!」

 

 

トルーパーがハンガーに来たところでハイパードライブが立ち上がり、私は即座にレバーを押す。行手を塞ごうとした2機のTIEファイターが見えたけど、止まる気はない。航行システム以外のパワーをシールドに回して、前方に集中させる。

 

次の瞬間、シャトルはTIEファイター2機を突っ切って、ハイパースペースへと入った。

 

 

「こちらクラウド。誰か応答して。」

 

 

反乱ネットワークの周波数に、私は何度も呼びかける。

 

やがて、思わぬ相手と通信が繋がった。

 

 

『……ル………』

 

 

相手の周波数に合わせ、電波を調整する。そして、ホログラムがはっきりと立ち上がり、相手の姿が見えるようになった。私はプロジェクターが映した相手に、裏返った声を上げる。

 

 

「オビ=ワンっ!?」

『久しぶりだな、ネル』

 

 

繋がった相手、オビ=ワンは真剣な目で私を見る。

 

オビ=ワンとは、ムスタファーで別れて以来会っていない。まさかここで言葉を交わすことになるとは思わなかった。それもこんな状況で、だ。

 

 

『死の淵から生き延びたようだな。』

「そんなことより、なんであんたが?」

『フォースの導きだ。相手が誰か分からなかったが、出なければならない気がした。まさかお前とは思わなかったがな。何があった?』

「レイア姫が、フェラスを伴ってタトゥイーンに向かったはずなんだよね。」

 

 

フェラスとオーガナの判断でオビ=ワンに助けを求めることになり、レイアが遣いの者として向かったとアナキンから聞いていた。タナヴィーⅣには、レイアだけでなく、設計図もある。確実に反乱軍基地へ持ち帰らなければならない。

 

 

『フェラス・オリンか?』

「そう。私はやることがあるから、反乱軍に手を貸してあげて。」

『やることだと?ネル、今度は何を仕出かした?』

「今回は違う。とにかく、遠回りして基地に帰るから。じゃあね。」

 

 

通信を切って、私はハイパードライブを切る。ハイパースペースを出ると、船はタトゥイーンの軌道に飛び出した。

 

懐かしのタトゥイーンだ。

 

この星で、私は初めてモールと会った。

 

船を着陸させ、私は2つの太陽が照る砂漠を歩く。

 

 

「っ!!」

 

 

砂漠の蛇が現れ、牙を剥いて私に威嚇する。その蛇は毒蛇だ。毒蛇は、“主”が私を殺す為に放ったあのクリーチャーを思い出させる。

 

私は毒蛇を無言で見下ろす。

 

数拍置いた後、低い声で吐く。

 

 

「失せろ。」

 

 

毒蛇は牙を引っ込めて、私から逃げていった。

 

歩みを再開し、目的地を目指す。

 

2時間くらい歩いて辿り着いたのは、何もない場所。何もないというのは、目で見たもののこと。私が探していたのは、暗黒面のフォースが強い場所だ。

 

 

「これは………」

 

 

墓らしきものに、モールのライトセーバーが立てられていた。

 

フォースを読み取って得られた情報では、モールとオビ=ワンがぶつかったことが分かる。復讐する為に追い続けて、戦いに敗れたんだ。墓を建てたのはオビ=ワンだろう。

 

暗黒面のフォースに繋がり、私はモールの墓の前で目を閉じる。

 

 

「さよなら。」

 

 

モールの墓にそう声をかけて、カンティーナへ向かおうと背を向ける。

 

 

「え…?」

 

 

私の耳が、何かの音を拾った。だけど、振り返っても誰もいなかった。幻聴か何かだろうと考えたけど、確かに聴こえた。

 

もし幻聴じゃないとしたら、私がヒントを探しに来たのは間違いじゃなかった。

 

モールもティラナスも善人じゃないけど、私に味方してくれているような気がする。彼らの宿願を果たそう。

 

 

その数分後、タトゥイーンの軌道上にタナヴィーⅣが現れたのだった。

 

その船を追ってくる艦船は、見なかったことにしたい。

 

 

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