次の戦いに向けて
進路変更して、カンティーナではなくシャトルへと戻った。
私は通信機で、タナヴィーⅣとの交信を試す。
『エレノア!!』
ブリッジへ入ったのか、フェラスの声が響いた。
『ドロイドが脱出ポッドで落ちた。お前が拾え。』
「ちょっと待って!レイアを連れて逃げてよ!」
『無理だ。トラクタービームに捕まった。小さなコルベットが、スター・デストロイヤーから逃げられるわけがないだろ。』
「待ってってば!!」
通信が切れ、私はコックピットのパネルを殴る。
タナヴィーⅣが、帝国に拿捕されてしまった。船にはレイアがいる。皇帝ならあの子を殺しかねない。脅威は排除される。
「これ以上好きにはさせない……」
そこへジャワ族のサンドクローラーが現れた。
何か役立ちそうものは、
「貴女はもしや!」
「は?」
よくよく見ると、ゴールドのボディのドロイドが私を見ていた。隣にはR2型のドロイドもいる。プロトコル・ドロイドは、必死に助けを求めてくる。
「何やってんの?」
「此奴らに捕まったんです!お助けを!」
仕方ない。助けてやるか。
隣のR2-D2に設計図を持っていると言われて、助けないわけにはいかなくなった。
大事なことは先に言えっての。
「ねぇ、少し南に行ったところに“私の”シャトルがある。だからこの2体頂戴。」
「貴女のシャトル……?」
「3POうるさい。」
ジャワ族に何度か交渉して、シャトルと有り金を渡したら、渋々ドロイドをくれた。
こうなったら、行く先は一つしかない。
私はドロイド達を連れて、砂漠を歩く。
「あのー、エレノア様?どちらへ向かわれているのでしょう?」
「着いてからのお楽しみ。え?何、R2?あぁ、あんたも知ってる人だよ。」
R2-D2に誰のところへ行くか聞かれたから、再会を喜べる人ということだけ教えた。
まぁ、私は喜べないけど。
別れ方が最悪だった。彼を殺そうとした上に、私は瀕死、恨み言を吐いて気絶もした。言い訳すると、私を諦めた彼が悪い。
アナキンも怒るわけだよね。
「まだ時間がかかるのですか?」
「仕方ないじゃん。人目がないところに住んでるんだから。」
しばらく歩いて、ようやく家が見えてきた。暗示がかけてあって、家を見つけるのに苦労した。今にも崩れそうな家だ。
私はノックもせず、シスの秘術で扉をぶち破る。
「ネル!!」
「何か?」
「お前は……全く……!」
「ほら、行くよ。」
「R2、大変だったな。」
「聴こえてるから。」
ホログラムでも思ったけど、オビ=ワンは弱った。あと、老け込んだとも思った。オビ=ワンにとっても、長い19年だったと感じる。
オビ=ワンとカンティーナに入り、私達は人を運んでくれる密輸業者を探す。
ホンドーもカンティーナにいそうだけど、あいつには死んでも頼みたくない。
「ネル、すまなかった。」
「今更何の謝罪?」
「お前を諦めるべきじゃなかった。私の言動が、お前とアナキンを追い詰めたんだ。」
「あぁ、気にしてないから。」
「だが、」
「私より、アナキンの方が怒ってる。反乱軍にいるから、謝った方がいいよ?」
何と言っても、トリガーを引かせたのはオビ=ワンだ。仮にアナキンに謝ったところで、私と同じことを言いそうだけど。
「反乱軍に加わるとは、お前らしくないな。」
「これでも15年は、帝国に軟禁されてあげてたんだけど?」
「それは知らなかった。」
「みんな死んだと思ってたし、その方が都合が良いの。」
手頃な酒場を見つけ、ドロイドを外に置いてオビ=ワンと2人で中に入る。
カンティーナの酒場には、密輸業者や海賊、賞金稼ぎなど、多くのならず者がいる。もっと言えば、シンジケートやギャングの連中もいる。
私達は、その中から条件の良い運び屋を選ぶことになる。
二手に分かれて、私はカウンターへと向かう。
「強いお酒頂戴。」
「いきなり強い酒か?大丈夫か?」
「平気、」
「ダメだ。」
受け取ろうとしたショットを取られ、私は深く息を吸って、長い息を吐く。
そして何事もなかったかのように、カウンターの男に同じ注文をする。
「おい、あんた。隣のあんちゃんが睨んでるぞ。」
「えー?誰かいるー?幻覚なんていいからお酒頂戴。」
「誰が幻覚だ。」
ここにいるはずのないアナキンに担がれ、私は全力で抵抗する。
「ちょっと!止められる謂れはないよ!下ろしてよ!!」
「何か仕出かす前に、大人しくしてくれ。」
「問題なんか起こさないから!!」
とりあえず、客の視線が痛い。
私は担がれたまま、店内の隅に連れていかれる。
その席にはオビ=ワンだけでなく、ルークもいる。それからウーキーと若い男が1人、私達の様子を見ていた。
「あんたら、大丈夫か?」
「気にするな。運ぶのは僕と彼、そこの少年と彼女だ。それとドロイド2体。」
「待ってよ。なんでアナキンとルークがいるわけ?説明して。」
「タナヴィーと連絡が取れないと分かって、君を追ってきたんだ。」
何を言っているのか、すぐに理解できなかった。
「はぁ!?」
「すまんな、ソロ船長。1時間後にドッグへ向かうよ。」
「ああ、待ってるぜ。」
アナキンとオビ=ワンに連れ出され、私達は酒場を出る。
裏通りに入ると、ようやく2人は私を解放する。離されたと同時に私は2人から距離を取り、刺々しく言葉を吐き出す。
「ヤヴィンに行ったんじゃないの!?」
「言っただろう。君を追ってきたんだ。」
「アニー、私の努力を無駄にする気?」
「そのつもりはない。ただ、娘と友達を助けたいだけだ。僕は諦めたりしない。」
アナキンは最後の言葉と共に、オビ=ワンを見る。
こうなるから、アナキンに来てほしくなかったんだ。
「もういい。それで、さっきのチンピラは誰?」
「彼はハン・ソロ。あのウーキーは副操縦士のチューバッカだ。」
「ルーク」
私の怒声に引いているルークに、アナキンが声をかける。
「彼女がエレノア・クラウドだ。」
「初めまして。父から話は伺っています。」
「………」
「僕達を巻き込みたくないのは、重々承知してます。だけど、僕は黙っているつもりはありません。」
「ネル………」
「分かったよ!ただし、ルーク!オビ=ワンから訓練を受けて!」
それだけ言って、私は裏通りから逃げ出す。
残った人工尋問官が、あとどれだけいるか分からない。何より、皇帝を倒すまでの道のりが長い。準備はしておいて損はない。
タナヴィーの人達が無事ならいいけど……
最悪の場合は────────