【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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友達の為に

基地内が騒がしくなって、私は通りかかったパイロットに声をかけた。

 

 

「どうしたの?」

「デス・スターがハイパースペースから現れたんてす!」

 

 

パイロットの彼は急いでベイへと向かう。

 

ステーションだから、ハイパースペースを抜けるのは当然だろう。私の予期通りだ。あとは迎え撃つだけだけど、時間との勝負になる。

 

 

「よぉ」

 

 

なぜか荷支度をしたソロが、個室にいた私を訪ねてきた。

 

どうやら戦いには参加しないらしい。

 

 

「出て行くんだね。」

「ああ。礼金はもらったからな。別れの挨拶に来たんだ。」

 

 

チューバッカは不満な顔をしている。聞く話によれば、チューバッカはソロに借りがあるという。義理深いウーキーは、こんな男でも黙って付いていくんだ。

 

私には真似できない。

 

 

「ババアなんて言って悪かったよ。」

「ねぇソロ、お金が全てじゃない。反乱軍を助けることで、お金じゃ買えないものを手に入れられると思わない?」

「そんなもので借金は返せねぇだろ。」

「小一時間くらい平気でしょ。」

「ジェダイとやらの助言か?」

 

 

ジェダイという言葉に、吹き出してしまった。

 

何度も説明してきたけど、私はジェダイじゃない。それに、助言できる程親切でもない。ソロに言っているのは、ただの勧誘だ。

 

 

「違う。誘惑してんの。」

「なっ……!?バカ言ってんじゃねぇ!」

「勘違いしないでよ。戦いへの誘惑だから。私ジェダイじゃないし。」

「ジェダイじゃないなら何なんだ?」

 

 

その問いに、私は口端を吊り上げる。

 

 

「昔はシスの暗黒卿だったけど、今はただのエレノア・クラウド。ジェダイ達から言わせれば、ダーク・ジェダイかな。」

「良い意味には聞こえねぇぞ。」

「まぁ、私善人じゃないから。」

 

 

声に出して笑ってやれば、食えない奴と言われた。

 

ここでソロが考えを変えなければ、彼とウーキーには二度と会わないだろう。

 

 

「もう行くぜ。」

「うん、じゃあね。」

「元気なガキ産めよ。」

「ありがとう。おっと、ありがとうチューバッカ。」

 

 

チューバッカに優しくハグされ、2人はメディカル・ルームを出て行った。

 

入れ違いにパドメが来て、私は寝台に横になる。

 

 

「戦況は?」

「………始まったわ。」

 

 

ルークとフェラス、アナキンもXウィングに搭乗したという。

 

デス・スターのスーパー・レーザーは、チャージに時間がかかる。照射までにリアクターを破壊すれば、ヤヴィンの壊滅は免れる。反乱軍の運命は、ルーク達の手に懸かっている。

 

 

「パドメ、司令部にいていいよ。」

「いいえ、貴女といるわ。」

「どうして?空にはアニーが、」

「忘れたの?貴女も私が妊娠している時に隣にいてくれたわ。」

 

 

嫌々だったとはいえ、確かにパドメの傍にいた。でも、あの頃の私は酒に溺れていた。パドメのように心で寄り添っていない。

 

だから、パドメが私の傍にいる必要はないんだ。

 

 

「あの頃と今じゃ状況が違う。」

「変わらないわ。フェラスは戦場にいるのよ。心細い気持ちは分かるわ。」

 

 

そうか、パドメも不安だったんだ。どんな形であれ、私が近くにいるということが重要だったんだ。1人が不安というのは、よく分かる。

 

 

「それに、私はアナキンと息子を信じているわ。貴女もそうでしょう?」

「そうだね……」

「今大切なのは、貴女よ。」

「ありがとう、パドメ。」

 

 

感謝を伝えると、パドメは私の手を取る。

 

 

「ネル、助っ人も連れてきたのよ。」

「助っ人?」

 

 

パドメが外に声をかけると、ミスマッチが入ってくる。

 

 

「ハンル!アルやディンも!」

「エレノアサマ、オ加減如何デスカ?」

「大丈夫だよ。あれ?エピは?」

 

 

ベイやグレイもいるのに、エピだけいなかった。

 

パドメを見ると、予想外の話を聞かされた。

 

 

「エピは……フェラスといるわ。」

「はっ!?」

「ドロイド・ソケットにいるの。」

 

 

私は聞き間違いをしたらしい。

 

B1バトル・ドロイドがドロイド・ソケットに鎮座?冗談だよね?バトル・ドロイドにできることは限られているのに?

 

 

「パドメ、面白い冗談だね!」

「本当よ。」

 

 

ミスマッチのドロイド達を見渡すと、本当みたいだ。

 

 

「マジで乗ってんの!?」

「ハイ。エピノ強イ希望デス。」

「信じられない……」

「ネル、エピは優秀なのよ?」

「優秀なのは知ってる……知ってるけど………」

 

 

不安要素しかない。

 

フェラスの無事を祈るばかりだ。

 

────────

 

その頃、ヤヴィン上空では激しい戦闘が行われていた。

 

ルークとアナキンは子午線トレンチに入り、リアクターを狙う。フェラスは2人を狙うTIEファイターを追っ払っていた。

 

フェラス機のドロイド・ソケットにいるエピは、急激な旋回に悲鳴を上げる。

 

 

「うわああああああっ!!」

「叫んでないで手を動かせ!!」

「だって急に旋回するから!」

「おい!右側面にシールド!」

「ハイイイイイイイイッ!!」

 

 

そこへ、動きの早いTIEファイターが現れた。

 

TIEファイターはジェレクの指示で、フェラスのXウィングを執拗に狙い、何度も撃ち込んでくる。アナキンとルークは助けることができず、フェラスはひたすら逃げ回る。

 

ところが、エピに弾が当たり、右腕が吹っ飛ばされた。

 

 

「ヒィィィィィィッ!?」

「大丈夫か!?」

「これが大丈夫に見えます!?」

 

 

エピは残された左腕だけで、シールドの配線を繋ぎ直す。シールドが戻ったXウィングは子午線トレンチから離脱して、他のTIEファイターを相手取る。

 

 

『フェラス!』

「俺は大丈夫だ。お前達はリアクターに集中しろ。」

 

 

その時、TIEファイターを誰かが撃ち落とした。

 

それは、ソロとチューバッカが乗るファルコンだった。

 

 

『こいつは俺に任せろ!』

『ありがとう!ソロ!』

 

 

ルークがお礼を言うと、彼はオビ=ワンの声に従って照準器を切る。

 

次の瞬間、弾はリアクターに届いた。

 

ルークとアナキンが離脱した瞬間、デス・スターが吹き飛んだ。

 

これで、究極兵器の脅威はなくなったのだった。

 

 

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