内容的には少しJOJO的になるような気がしなくもない
連載形式になので、のんびりお付き合いいただけたらなーと思います。
【プロローグ】
「えっ、今回の主役はあたしなの?」
「お前も一応サブヒロインの1人なんだからそんな意外そうな顔するなよ・・・」
「一応とかいうな」
氷堂美智留。サークルの音楽担当。ガールズバンドのリーダー。スポーツ万能で無駄にいろんな分野に才能がある。従姉妹キャラだ。
実に健康的な魅力でちょっとお色気担当なのだけど、あまりエロさを感じさせない。何よりもサブヒロインとして正妻戦争に参加しなかったところがなんとも現実的なキャラだと思う。
「で、なんで参加しなかったの?」
「トモ、いくらなんでもその質問はないんじゃない?」
「でも、キャラに失敗したとか、人気ないとか言われるの悔しくない?」
「別に~」
とまぁ、こんな感じでそっけない。もともとさっぱりした性格もあってどうも泥臭い恋愛には合わなかったようだ。
「だからさ、美智留の本気を見てみたい気がするんだよ」
「でも、結局ふられるんでしょ?そういうのあたしは嫌だな~」
「じゃあ、俺からはふらないよ」
「えっ?」
そう、俺の推測が正しければ、氷堂美智留は加藤恵に絶対に勝てない。彼女の持つメインヒロインの能力を打開するだけの能力がないことが原因でない。
氷堂美智留の性格があまりにもまっすぐで純粋であるがゆえに、ハーレム型主人公を奪うことができない。
二人の関係を・・・トモと加藤ちゃんの関係を見抜いているがために、サポートに周ってしまい、ちょっかいを出してからかうものの、応援せずにはいられなかったから。
「まぁ、やれるだけはやってみるよ」
「ああ、俺は絶対にお前を選ぶよ」
「でもさー、やる以上は本気でやるよ?色気でトモを寝取るよ?18禁とか関係ないけれど、構わないの?」
「美智留、お前は加藤の本当の強さを知らない」
「何それ・・・」
こうして、美智留が正妻戦争に参加することになった。
この物語は氷堂美智留の魅力を描く話ではない、加藤恵の本質的な強さを描き出すこと話である。
【第一章】
詩羽先輩と英梨々が抜けたサークルもなんとか軌道にのってきた。
3年の1学期も終わろうかという時期。
「ほんと、この場面にぴったりだねー」
イヤホンを耳に当てて美智留の新曲を聞いているのがメインヒロインこと加藤恵。
「いやー。もっとほめてほめてー」
と嬉しそうなのが従姉妹の美智留。
今、俺こと安芸倫也の家には俺と加藤と美智留の三人がいる。時間があるときはこうして集まって活動しながらお互いの意見を交換している。穏やかに時間がすぎる。・・・今までは。
「でさ、加藤ちゃん、メインルートの序曲なんだけど、どんな感じがいいの?」
「それは、まだシナリオもぜんぜんあがってこないし、わかんないよ」
「そうじゃなくて、この主人公って加藤ちゃんなんでしょ。だから今の気持ちはどうなのかなぁって。あんなに怒ってたのに、結局またトモとサークル活動してるし」
「それはやっぱり悔しかったっていうのもあるよ」
「他には?」
「他って?」
「だからさ、加藤ちゃんのトモに対する気持ちのことだよ」
「そんなこと突然いわれても・・・どうしたの氷堂さん?」
「大事ことだよ。澤村ちゃんもセンパイもいなくなって、二人の間が発展するかなってこっちは思っているのになー」
「それってどういう意味?」
「あのぉー、お二人も何をさっきから話をしているのでしょうか・・・」
訂正する。いつもの穏やかさが消えてしまった。美智留のやつが今日は妙にからむ。一体なにがあったのか。
「あー、なんかこうじれったいんだよねー」
美智留の収まる様子がない。
一方、加藤の方は表情が固まったままだ。
「センパイも澤村ちゃんもいないしさー、盛り上がらないっていうか、くっつくならくっついちゃえばいいんじゃないのー?」
「・・・あのね氷堂さんがさっきから何をいっているのか、わからないのだけど」
「そう、そうやって誤魔化すんだ?」
「誤魔化すとかそういうんじゃないんだけどなー」
困った様子の加藤。
「じゃあさ加藤ちゃん、あたしとトモがくっついても別にいいんだ?」
「くっつくて・?」
「付き合うってことよ」
「・・・それは。わたしがどうこういうことじゃないと思うのだけど」
「そう。わかった。あたしは・・・」
なんだかぼんやりしている間にヒートアップしてしまった二人を成すすべもなく眺める鈍感主人公な俺。こういうドロドロ系をリアルでやられると正直どうしていいかわからない。
美智留はコップを手にとってオレンジジューズを一気に飲み干すと、ベット上に立ち上がって、加藤を指してこう宣言した。
「あたしも正妻戦争に参加する!」
プロットはあるので短編完結まではしっかりやります。