「って、トモが部屋にこなーい!」
そう、危険を察知した俺は自分の部屋へはいかず、リビングのソファーで寝ることにした。触らぬ神に祟りなし。健全ハーレム型主人公の取るべき行動はチキンの一択である。が、階段を駆け下りてくる音がする。もちろんここは狸寝入りで対抗する。
「ふっー」
甘い吐息を耳元に感じた。
「トモー。いくらなんでもそれはチキンすぎるんじゃないのー?」
「ぐーぐーぐー」
「そんなひどい狸寝入りしていると、こうだぞー」
なにやら、やたら柔らかいものが顔にあたる。何これ怖い。
「だぁー!」
俺は慌てて起き上がる、危うく天国に連れていかれるとこだった。
「ふふん♪」
小悪魔的な笑顔をこちらに向ける美智留はバスタオル一枚の姿。薄暗い部屋の光がその完璧な容姿を浮かび上がらせる。
「・・・服、着ろよ・・・」
「えっー、脱がすところからしたいの?」
「そうじゃねーよ!」
あの、これ一般小説だから。こういう描写をあんまり詳しくしちゃいけないらしいよ?
「だいたい美智留。ここはリビング。そういうことをする場所じゃない」
「そういうことってどういうこと?」
もはや直視できず、不自然に顔を横にそむける。
「・・・とにかく、食事したり、アニメみたり、談笑したりする場所なんだよ。そういう気分にはなれない」
「ふーん」
場所が大事だ。ベッドの中でいちゃつかれたら自制できないかもしれない。まっ、経験ないんでよくわかりませんが。
「でもね、トモ。あたしにはとっておきの能力があるんだよ」
「なんだよそれ・・・」
美智留がパチンッと指を弾いた。
BGMにムーディな音楽が流れる。静かでどこか艶めかしい。
「これがあたしの能力。背景音楽変更よ」
「どんな力だよ!」
そういえばなんかイベントが起こるたびに何やらBGMが流れていたけれど、これって誰かが脳内に流していたのかな?
もし、美智留が背景音楽を操れるなら、確かに微妙な能力とはいえ侮れない。あと原理とか深く追求しない。いいね?
「ねぇ、トモ・・・しよ?」
「急にしおらしくなるなよ・・・」
「あたしじゃダメ?」
「・・・そういうことじゃ、ねぇんだよ」
これはやばい。音楽が加わるだけでリビングの持つ生活感と明るさが失われ、そこは背徳の舞台にふさわしい場所になっていた。
「トモはやっぱり加藤ちゃんが気になる?」
「・・・加藤は関係ないだろ・・・」
「でも、トモは加藤ちゃんが好きでしょ?」
「おまえ、今日はその話題にこだわるよな・・・」
会話しながらも美智留は俺に迫ってきていて・・・いつのまにか俺はソファーの上に横になり、美智留は上にまたがっている。俺は美智留を見つめる。その下の大きな・・・(規制) をできるだけ見ないようにしながら。真剣に向き合う。
「あたしね。トモが加藤ちゃんや他の子のことを好きでもいいよ。今は一番じゃなくてもいい、でもトモがあたしと一緒になったら、絶対に幸せにするよ」
こんな甘言に惑わされてひとたび理性を失えば、翌日からは彼女気どりになり、職場の周りの女子は牽制するは、ツイッターで画像あけて報告するは、他の女の子との思い
出の品は捨て始めるは、まぁろくなことにならない。って別に俺が経験したことじゃないけど。
「だからさートモ。しよ。トモだって結婚するまで我慢して、その後生涯1人だけを愛し続けるような、どこぞの敬虔な信者じゃないんでしょ?」
そういいながら美智留の手が俺の・・・(規制)
「高校生にもなった健康な男女がだよ、お互いに好きで、しかも女の子がすげぇ可愛くて、しかもせまっているのに、しないなんて・・・」
やばい、キャーやめて。そして俺の(規制)
※ 作者がR15とR18の規制について検索しているのでしばらくおまちください。
・・・
・・・
・・・
「ふむふむ。美智留だめなようだぞ?」
「ん?どれどれ・・・えっー」
「困ったぞ、ここまで書いたのに」
「何がー?だからしちゃえばいいんじゃん?」
「そうだなするか」
「じゃあ、七並べ・・・」
こうして俺らはR15だかR18だかの規制によって健全性を守られ、朝までトランプに興じるのであった・・・
「って、トランプなんかするかー」
「落ち着け美智留」
「さぁ続編よ続編!R18いくよ!」
「それ以上はダメだって!」
「そうだなタイトルは『エッチなヒロインの育て方』で」
「センスないの気にしているから、そこらへんはそっとしておいて・・・」
ああ、美智留が止まらない。
『その辺でよしなさい氷堂さん』
『そうね、今のあんたじゃ無理よ』
詩羽先輩と英梨々の声が聞こえた。おまえらどこにいるんだよ・・・
「うるさい!あたしは正妻戦争に参加した以上は絶対に勝つ!」
だから、美智留。お前は何と戦っているんだ?
何かが起ころうとしている。
心臓の音だけが聴こえた。
・・・ドクン
・・・ドクンッ
ドクンッ!
『そう。しょうがないなぁー』
加藤!?
「遅かったようね・・・」
「わたしはどうなっても知らないわよ・・・」
二人は何か知ってるの?
そして、世界が暗転した。
時が止まったかのように何も動かない。
黒い背景に白い線で描かれる家具。
美智留のようなものがぼんやりと立っていた。
ただ、その異様な光景にそぐわないような静かで優しい音楽だけが、まだ背景に流れていた。 (つづく)
R指定版と連動させてみたら面白そうねー