Rockman 偽りの野望   作:グルルre

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vol11 異常気象都市

<世界中で発生している組織的なロボットの暴走。果たしてこれはワイリー軍団の仕業なのでしょうか?>

テレビの向こうでワイドショーのコメンテーターらが話をする中、滞在先の旅館の一室で寝ころびながらテレビを見ていたエンカーは『無い無い』と突っ込みを入れつつ手にした茶菓子を口に含んでいた。

「暴れてるのはうちらに合流予定の奴らだけど、ワイリー博士からは何の命令も出ていねえ。そもそも計画を実行するっていうなら俺達がこんな所で休暇を取っていねえっての」

各地で被害の状況が伝えられる中、エンカーは我関せずとばかりに大きく伸びをする。

エンカーとパンクは一連の事件の後、休暇と言う名目でニホンなる地に旅行に来ていた。

当然だが、この地に来るのを決めたのはエンカーである。

「・・・・・・」

彼の隣で正座をしながらテレビを見つめるのはラ・トール。

実質的に起動間もない事もあって彼は人間社会を学習するという名目でエンカーらの休暇旅行に付き合っている。

「気にすることはねえ。理由は分からねえが奴らは俺らの指示も聞かずに勝手に暴れてるんだ。とにかく俺らは休暇をゆっくり・・・」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッッ!!

 

無口ではあるが何となく感情の揺らぎの様な物を生じさせたラ・トールにエンカーがそう言った時であった。

遠くで雷雲が音を生じさせたと思った瞬間、滞在する旅館の電源が落ちる。

「・・・あ?」

テレビに何も映らなくなり不機嫌そうな声を上げるエンカー。

彼はニュースを見終えたら旅館の有料放送で見れる時代劇の鑑賞を楽しみにしていただけに、突然の停電に思わず舌打ちが出る。

「おいおいおい・・・停電なんて聞いてねえぞ」

昨夜はカブキマンの公演を見て上機嫌だった彼の顔に浮かぶ明らかな怒りの感情。

元より偏屈な性格で知られる彼がここまで機嫌が良かったのも珍しかっただろう。

いずれにせよ何時もの様に険しい顔となったエンカーが、映らなくなったテレビから磁気カードを引っこ抜く。

滞在している旅館内で有料放送が見れる今時レトロ過ぎる備品だが、エンカーにはこれが逆に良いらしい。

仲居さんが食事を運んでくるのも喜んでいたが、設備を含めたサービスも若干の古臭さを感じるとラ・トールは思った。

まあ思うだけで一切口にしない辺り、まだラ・トールは弁えていると言えよう。

「・・・時代劇が見れない」

ぼそりと呟くラ・トールにエンカーは唸りながら急須から注いだお茶を飲み干す。

「テレビが見れないなら散歩に行った方が良いと思う」

「確かにテレビが見れないなら仕方がねえ。市内の観光でもするか」

ラ・トールの言葉にエンカーは渋々旅館の外をうろつく事を決めるのだが。

 

ザアアアアァァァァァァァァァ!!

 

「まあこうなるよな」

旅館のロビーから土砂降りの雨を見てエンカーが渋い顔となる。

フロントでは停電の苦情を言いに来た観光客への対応に追われている番頭達の姿が見える。

流石にその苦情を言う者達の輪に加わる事はしなかったが、折角の旅行に水を差されエンカーの不機嫌さは増す。

 

ガラガラガラッッ!!

 

停電した影響でロビーの自動ドアが開かなくなった事もあって、手動でドアを開けて溜息を吐くのは二人組の男女である。

「よう二人で市内観光どうだったか?」

見知った顔と言う事もありエンカーは一見すると人間の様にしか見えないパンクとアースに声をかける。

突然の大雨に傘の用意などしていなかったのか、二人ともびしょ濡れの状態である。

まあ途中でパンクが着ていたコートをアースに被せた様で若干、彼女の方が濡れていない。

潔癖症のアースが他人の衣類を被る行為もそうだが、二人とも手を握っているのを確認しエンカーは『成程』と頷く。

「大丈夫ですか?只今当旅館では停電が発生しておりご迷惑をおかけします」

仲居の格好をしたロボットがアースの下に歩み寄る。

「お着替えの方はございますでしょうか?このままでは風邪を引いてしまいます」

「いや風邪など、確かに服が濡れてしまって不快だが」

心配するロボットにアースは困った様な顔で答えるのだが。

「現在エレベーターは使えませんが温泉の方は使用可能です。さあさどうぞ」

「お・・・あ、いや私はロボ・・・で風邪は」

半ば強引な仲居に引っ張られアースの方は『女湯』と書かれたのれんの奥に連れられて行ってしまう。

思うにここで騒ぎを起こさなかっただけアースの方も丸くなったと言うべきか。

「・・・でどうだったんだ?何時ぞやの遊園地デートじゃ観覧車が止まって大変だったんだろう?」

胸を肘で衝きながらエンカーはパンクをからかうように言う。

対してパンクの方は『むう』と唸ったきり、腕を組み思案するように天井に視線を向けていた。

「あの時よりかはまだマシだ。だが漸く楽しめそうだと思ったらこの雨でな」

お堅い二人が出かけた所で一線を超える事は無いだろうとエンカーは思っていたが、思った以上にデートの方は上手く行かなかったらしい。

パンクの言葉通り雨に打たれる程度で済んだだけマシとは言えようが。

因みにと言うか今回の旅行はラ・トールの教育もあるが、フィーネの一件で傷心のパンクを慰める為の慰安旅行も兼ねている。

まあそもそも前回のアースとのデートもそれに当たったのだが、閉所恐怖症の彼女が観覧車に乗った所、機械のトラブルで観覧車の中に閉じ込められる事案が発生しとてもではないがデートどころでは無くなったのもありお口直しと言う事もある。

と言うか姫誘拐事件の際に閉所恐怖症である事は知っていたと言うのに何故に観覧車に乗ろうとしたのやら。

実際パンクは違う乗り物に乗ろうとしたのだが、プライドの高い彼女が乗ると言い張り乗った結果がそれなのだから救われない。

「まあ市内の方はある程度観光が出来た。私はアースが出てくるまでロビーで待つ事にする」

「そうかい。俺らは生憎の天気だが、悪天候も悪天候で風情があると考えて出かけるとするぜ」

ロビーにあるソファーに腰掛けるパンクを残し、エンカーとラ・トールは土砂降りの中、市内観光を行うべく外へと出る。

 

バサッッ!!

 

「こんな事もあろうかと昨日の内に買っておいて正解だったぜ」

ニヤリと笑みを浮かべ和傘を広げるエンカー。

ラ・トールの方は無言でビニール傘を差していた。

「よしこうなりゃちょいと遠いがイナミテンプルに行くぞ」

「・・・・・・」

エンカーの言葉にラ・トールはコクリと頷く。

「こういった天気にもワビサビってのがあってだな。雨の中の寺社ってのもそれはそれで・・・」

同じナンバーズの兄弟にはあまり理解されないニホンの文化を一方的に話し出すエンカー。

対するラ・トールも稼働間もないからなのかそれとも彼が無口過ぎるのか合間合間に相槌を打ちつつ一行は進む。

国からも重要文化財に認定されているイナミテンプルに辿り着いた時点であれ程、荒れ放題だった天気が晴れた事もありエンカーは上機嫌となる。

だがそれ故に彼は普段であれば気付く様な違和感を感じる事は無かった。

エンカーが異変に気付いたのは市内郊外のイナミテンプルから再び市内へと戻りかけた時の事だった。

 

ドパアアァァァァァァ!!

 

「・・・は?」

元より荒れ放題なのは知っていたが市内を流れる川が増水し今にも溢れそうになっている光景にエンカーは面食らう。

昨今ではゲリラ豪雨や台風などを始め、地球全体の異常気象が叫ばれるが幾ら何でもここまで川が増水するのはあり得ないと。

「おいおい排水ポンプはちゃんと動いてんのか?なにっ・・・動いてるけど処理能力が超えそうだ?てかこっちの川も危険水位が超えそうだぞ」

顔をしかめるエンカーの前でボディに取り付けられたポンプが特徴的なロボットが端末を手に何やら話し相手に声を荒げていた。

「なんていうかよこの雨、おかしくねえか?なんでキョートシティの中心部だけが降ってんだ。気象コントロールセンターは何やってる!?」

イライラしながら相手に話しかけるロボットに作業用と見て分かるロボット達が駆け寄ってくる。

「ポンプマンさん!!今、プラグマンさんが放送設備のある市庁舎に辿り着いたみたいです。雷で故障した設備を修復して市内への放送が出来そうです」

「よし、じゃあ俺らもスピーカー持って市内を走るぞ。ったくトルネードが休暇じゃなきゃあいつに頼んで調べてもらうんだがな」

ポンプマンと呼ばれたロボットは軽トラックの荷台に乗り込むや運転する仲間達と共にその場を走り去っていく。

地元にいる彼らの言葉もあったが、既にエンカーは事の事態を察していた。

そもそも今日の天気予報は晴れだった筈である。

予報は予報であり外れる事はあれどここまで長時間天候が荒れるのは異常すぎる。

「まるで博士が気象装置でも使って起こしたみたいな天気だな・・・」

と言いかけた所でエンカーはハッとなる。

「ラ・トール。観光マップ出してくれ」

「・・・・・・」

エンカーの言葉にラ・トールが端末を操作し市内の立体映像を浮かび上がらせる。

「そういや半年ぐらい前にキョートシティ近くに気象コントロールセンターが出来たとかなんとかニュースでやってやがったな。そもそもある程度気象をコントロール出来るんだからこんな天気はおかしいんだ」

現在連邦政府は都市部を中心に快適な暮らしを実現する為に気象コントロールセンターを次々と造り出す計画を実行に移している。

人為的に天候を操作すると言うある種、神の領域にも踏み込んだ行いだが異常気象に苦しむ市民からすれば一つの希望でもある。

今回観光に来ているキョートシティにも試験的に導入が決まった事をエンカーは、今更の様に思い出したのである。

「市民の皆さん・・・現在、川の水位が危険水位まで上昇しています。付近にいる皆様は高台への避難を・・・」

遂には市民への避難勧告が市内全域へと出される始末。

とは言え市内は停電しているのでそれを知らせて回るのはスピーカーを手にした観光案内用のロボット達である。

「ラ・トール。ちょいとコントロールセンターまで行くぞ」

「・・・分かった」

エンカーの言葉にラ・トールは言葉少なに頷くのであった。

 

 

 

「ゴロゴロゴロゴロッッ!!」

「ピューピュー!!」

一方気象コントロールセンターはエンカーの予想通り、暴走したロボット達によって占拠されていたのであった。

「フハハハハ!!嵐だ!!」

「地震!!雷!!火事!!親父~!!」

例にもよって全身より蒸気を噴出させながら叫ぶのは風神と雷神を模したロボット。

フウオーマンとライオーマンである。

極東の政府軍に所属する両者は手勢を率いて気象コントロールセンターを瞬く間に占拠するや、自身らの力を使いキョートシティに豪雨をもたらし始める。

本来は施設の消化用に用いられるショットマンらのコントロールも奪われ、彼らに追いやられる形で人間の職員達は一室へと閉じ込められる事となる。

「カミナリゴロー、マタサブローの配置は完了したか?」

「既に完了しております」

ライオーマンの言葉に職員のロボットが虚ろな表情で答える。

「まさか完成したばかりのこの施設が占拠されているなど誰も思うまいて」

ニヤリと笑みを浮かべながらフウオーマンは近隣の住民から寄せられる苦情に事務的に答える職員を横目に見る。

この異常気象に『気象コントロールセンターは何をしているのか』と苦情の電話やメールが殺到しているのだが、まさかこの気象コントールセンターが異常気象の原因とは誰も気づくまい。

「気づいた時にはもう遅い。キョートシティは水の中だゴロゴロゴロッッ!!」

「ピューピュー!!雨と風で全て洗い流してしまえ」

笑いながら増水していく川の映像に目を向ける両者。

そんな彼らの笑みも施設内に鳴り響くアラーム音にかき消される。

「何者だ・・・?」

「まさかもう気づいたのか?」

思いも寄らぬ事態に驚く両者。

唸り声を上げながらライオーマンは施設の防衛装置を作動させる。

当たり前と言えるがこの手の施設には、連邦政府でも運用されている防衛兵器が運用されているのだ。

並の者では突破できまいと高を括る両者の前で侵入者は着実にこちらへと迫ってくる。

「ええい・・・何者だ?」

「まさかロックマンではあるまいな。だが奴がこんな極東の島国に来るなど」

彼らの言葉通り如何にロックが正義の味方であろうとも、こんな所にすぐに来る事はまずない。

だが彼らは失念していた。

『こんな極東の島国』と称した場所をこの上なく愛する男がいる事に。

 

 

「邪魔だ!!」

猛烈な風を吹かせ吹き飛ばそうとしてくるマタサブローのファンにバリヤードスピアを突き刺すエンカー。

無力化されたマタサブローは尚もファンを回そうとするが、エンカーはそんな彼を無視し上空から雷を放ってくるカミナリゴローを見上げる。

 

バチバチバチッッ!!

 

放たれた雷はエンカーには届かずあらぬ方向へと引き寄せられる。

その先に居るのはラ・トールだ。

彼は無数の電撃を自らの下へ引き寄せながらも平然としていた。

 

ジジジジジジジッッ!!

 

暫しの間、鍔迫り合いの様に対峙していたラ・トールとカミナリゴロー達であったが先に根を上げたのはカミナリゴロー達の方であった。

攻撃をした筈だと言うのに逆にエネルギーを吸い取られたカミナリゴロー達は次々と地面に落下し、そのまま動かなくなってしまう。

「・・・・・・」

「お前さんを連れて来て良かったぜ」

相変わらず無言なラ・トールにエンカーが笑みを向ける。

気象コントロールセンターへと辿り着いた二人であったが、そんな彼らに対し施設にいた警備用ロボット達は問答無用で攻撃を仕掛けてきた。

幾らエンカー達がワイリー軍団とは言え、施設に近寄るなり攻撃を仕掛けてくるのは異常だ。

この時点でエンカーは己の予感が的中していた事を悟る。

カミナリゴローらが沈黙したのを見てか奥の通路から次々とショットマンが出てくる。

迎え撃つ形となった都合、頭上を取ったショットマン達は次々と銃口をエンカーとラ・トールに向ける。

舌打ち交じりに身構えるエンカー。

彼らは実弾かエネルギー系の光弾のどちらかを内蔵しているが、銃弾であればエンカーの持つミラーバスターでも防げない。

いずれにせよここは被弾を覚悟する他無いと彼も腹を括ったのだが。

 

ドバアアァァァァァ!!

 

ショットマンの腕から放たれるのは大量の水。

それを頭から被りながらエンカーは苦笑いを浮かべる他無い。

「そう言えばこいつらって元々防災用ロボだったっけか?」

作業用ロボを戦闘用に改造し戦力に組み込む手法はワイリー軍団の常套手段であり、実際にワイリー軍団にいるショットマンは今の様な放水ではなく銃弾を放ってくる様に改造されている。

ある意味で彼らの方が本来のショットマンと言えるのだが、エンカーも自身が狭い範囲での常識に捕らわれていた事を認識してしまう。

「・・・・・・」

同じように水をかけられながらラ・トールが問いかける様に顔を向けてくる。

「無視だな・・・こいつらには悪いが攻撃する気にもならねえ」

エンカーらが人間であれば転倒したり吹き飛ばされたりしていたかも知れないが、大量の水をかけられて怯む様な二人ではない。

「あ~もうどけどけ」

槍を振ってショットマンらを追い散らすエンカー。

元々攻撃対象から距離を取る様に設計されている彼らは自然とエンカーらの道を開ける形で左右に広がっていく。

彼らが出てきた通路に入りながら尚も背中に水をかけてくるショットマンらを無視し、二人は先を進む。

<ゴロゴロゴロゴロッッ>

<ピューピュー!!>

暗闇に覆われた一室に足を踏み入れるなり、スピーカー越しに声が響き渡る。

<ワイリー軍団の者が何故に我らの邪魔をする?>

<気象コントロールセンターを乗っ取り人間共の街を洗い流す我らの計画。お前達にとっても悪い話ではない筈だと言うのに>

ライオーマンらの言葉にエンカーは青筋を額に浮かべていた。

「重要文化財が多く存在するキョートを水で洗い流すだぁ?聞き捨てならねえな・・・今すぐに止めてやるぜ」

バリヤードスピアを構え啖呵を切るエンカーにスピーカー越しに相手が唸るのが分かる。

<であれば仕方が無い。スパイクプッシャーズR&Bを起動する>

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!

 

ライオーマンの声を合図に一室の壁が変形し巨大な横穴が幾つも現れる。

横穴から見えるのは鬼を思わせる巨大な顔をしたメカ。

コントロールセンターの防衛兵器として配備されたスパイクプッシャーズは、恐ろし気な顔でエンカー達を見下ろしていた。

 

 

 

「・・・ふむ」

旅館の位置が高台にあったのは一つの幸運であっただろう。

宿泊客以外の避難してきた観光客でロビーがやや窮屈になる中、パンクは座っていたソファーから立ち上がる。

あれからエンカー達から連絡は無いが、端末の位置情報によると彼らは気象コントロールセンターに向かったらしい。

「やはりこの天気は異常だな」

独り言のように呟いたその言葉にアースが顔を上げる。

「既に兄が向かっているが気象コントロールセンターで何らかの異常があったと考えるべきではないだろうか」

己の推論を交えつつパンクはアースに説明をする。

アースの方もこの天候の異常さは理解しているようで彼女は静かに頷いていた。

「私としてはこの街がどうなろうと知った事ではないが・・・」

その美貌に冷淡な笑みを浮かべつつもアースもゆっくりと立ち上がる。

「お前との休暇が潰されるのは堪らない。今すぐにエンカー達の所に向かおう」

穏やかに微笑む彼女に頷くパンクだが、外の土砂降りの雨を見るに小さく唸る。

「しかしいいのか?外に出れば雨でまた汚れたりするぞ・・・」

潔癖症である彼女を気遣って言葉をかけるパンクだが。

「また温泉に入れば良いだけの話だ。今は時間が惜しいから早く向かうぞ」

「むう・・・わ、分かった」

力強く言い放ちながら外へと出ていこうとするアースに唸りながらパンクはその後についていく。

半ば尻に敷かれる形だが、彼女の方が強いのだから文句は言えまい。

悪天候の中、外へと出ていこうとする二人を仲居のロボットらが止めようとするが。

「気象コントロールセンターで問題が発生したのかも知れん。少しだけ様子を見てくる」

アースの凛とした声に仲居達はこれ以上は制止出来ずに二人は旅館の外へ出ようとするのだが。

「気象コントロールセンターだと?」

「一体、何が起こっている?」

そんな二人の後ろから何人かのロボットが声を掛けてくる。

いずれも作業用、工業用と思われるロボット達で恐らく観光客と共に旅館に避難してきたのだろう。

「ふうむ・・・実はだな」

あまり口が達者とは言えないパンクは唸りながら己の推論に近い事を説明しようとするのだが。

それを手で制するのはアースだ。

「あくまでも私達個人の勘だが、この異常気象の原因が気象コントロールセンターにあると見た。お前達がその気なら一緒に来るか?」

簡潔に彼らに説明しつつ、彼らに同行するか否かを問うアース。

彼女の言葉通り仲間は多いに越した事は無い。

全くの初対面であると言うのにあっと言う間に彼らを従え始める彼女に、パンクは心底感心しながらロボット達を引き連れ気象コントロールセンターへと向かうのであった。




何時もの後書きです。
さらっと読み飛ばして頂いて結構です。

〇エンカー達について
前の話に書かれていたがパンクとラ・トールを連れて日本へ旅行に行っていた。アースとは現地合流だったようだ。
一応名目はラ・トールの社会学習と傷心のパンクの慰安旅行なのだが、実質エンカーの趣味丸出しの旅行となっている。
まあパンクの方も前回失敗に終わったアースとのデートのお口直しも兼ねてだったのだが、冒頭にある通り悪天候に見舞われるなどここでもついていない。

前日はカブキマンの歌舞伎を見に行ったらしいのだが他の皆はあまり興味が無くエンカーが不貞腐れたらしい。
アースの場合はそもそも異星のロボなので、日本独自の文化が理解不能となっているが温泉は気に入ったようだ。
ラ・トールは寡黙で口下手だが、文句を言わないのでエンカー的には彼を自分の趣味に染めたい思惑がある。

〇キョートシティについて
そのまんま現実の京都なのだが、イナミテンプルが近くにあったりと若干現実のそれとは違う。
イナミテンプルに関してはX6のステージで登場する建造物だが、この時点で存在していたと考えるのが自然なので登場させた。
ポンプマンをゲスト的に登場させたが、プラグマン含め仕事の傍ら己の能力を活かした消防団的な活動をしている。
余談だがポンプマンはボディの都合上、軽トラの荷台に乗っているが、道路交通法上では荷台のロボット自体が踏ん張るなりすれば乗っていても違反ではない事を付け加えておく。
良くも悪くも物体扱いとみなされるが事故の危険性も兼ね、何らかの形で固定は推奨される。
トルネードマンは休暇の為、不在だったのだが彼がいれば市内の天候の異常に逸早く気づくことが出来たことは付け加えておく。


〇気象コントロールセンターについて
これも後々の21××年代に出てくる施設だが、キョートシティにあるのは試験的に運用が始まった物と言う設定。
この時点では天候を操作するという行いに反対の声も根強いのだが、半ば強引に政府が建設を進めた事もあってあまり市民には快く思われていなかった。
テロ対策も視野に作られていたのだが、暴走したライオーマンらにあっさりと施設を占拠されるに至っている。
スパイクプッシャーズR&Bは本来ロックマン9のワイリーステージに登場するボスなのだが、政府側の防衛兵器として登場させた。
鬼の顔なので和風で場所的にもイメージに合うと思った。

本来の仕様のショットマンが実質無害だったり、カミナリゴローとマタサブロー以外はまともな戦力がいなかったりと占拠したばかりだったのが裏目に出てしまっている。
どちらにせよエンカーとラ・トールの前では突破されただろうが。
エンカーもマタサブローを無力化するにとどめたりとこの辺は彼らなりの手加減をしている。

〇ライオーマンについて
オリボス5人目となるキャラ。
リブート前はワイリー軍団に合流し極東侵略の先兵となり、その過程で同型機のフウオーマンと戦う事となったのだが。
こちらの方では二人とも揃って暴走している。ライオーマンの端末を一緒に覗いたのが原因である。
名前通り雷神、風神をモデルにしており間が抜けているように聞こえる口癖は桃太郎伝説の雷神、風神からきている。
ロボットエンザに感染したことで理由は特にないが、キョートシティを増水した川の水で浸水させようとしている。
施設を掌握したり他の職員ロボのコントロール権を奪ったりと、暴走こそしているが比較的知的な動きを見せている。
余談だがもう一体エンオーマンと言うロボットも居たのだが、彼はキング軍団との戦いで戦死している。


今回の後書きは以上です。
読んでくださってありがとうございます。
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