フェイクマンと名乗った敵の首魁と対峙するロックは彼の全身より感じられる異様な気配に息を呑む。
先も言ったが彼の使っているボディはロボットポリスで使用されている一般的な警官ロボットのそれだ。
「食らいたまえリボルバーバスター!!」
ズドドドドドドドドドッッ!!
六連式のバスターが火を噴き銃弾が次々とロックに目掛けて飛んで来る。
速度は早いが軌道その物は直線的な極めて単純なものだ。
目聡く銃弾の軌道を見極めたロックはそれらを回避するやバスターを動き始めたフェイクマンの移動先を予測してバスターを放つ。
「・・・なに?」
己が動いた先にバスターの光弾が飛んで来た事もあってフェイクマンは目を見開く。
鼻先を掠める形で光弾を回避したフェイクマンだが結果としてその動きが止まる。
唸る間も無く間合いを詰めたロックの拳をモロに顔面に食らってしまう。
「・・・離れてくれないか!?」
バスターではない空いた腕に収納されていたスタンガンを振るいロックから距離を取るフェイクマン。
「予想通りとは言えやるじゃないか」
薄笑みを浮かべるフェイクマンだが、その瞳には明らかな怒りの念が宿る。
刺す様なその視線にロックは別の人物の姿を脳裏に浮かべる。
「君は・・・一体何者なんだ?」
「私かね?私は・・・そうだな。とりあえず君の敵なのは確かだ」
ロックの問いにフェイクマンは不敵に笑う。
「先程も言ったが今、私は私の本体・・・即ち本来のボディを取り戻す為に動いていてね。今回に至るまでの一連の事件はそれらの布石だった訳なのだが」
「フィーネちゃんが迂闊だったせいでまだ目的が達する前に僕達と対峙する事になったと」
「そう言う事だ。あの馬鹿・・・あれ程、勝手に動くなと言ったのに」
己の目的を再度ロックに語る彼だが、仲間に引き入れた少女のやらかしを指摘され頭を抱える。
底の知れぬ相手ではあるがその人間味溢れる姿に思わず笑いそうになるが、相手が一連の事件の首謀者である事を思い出しそれらの感想を頭の隅に追いやる。
「私は常に疑問に思っていた・・・」
片腕のバスターから銃弾を放ちつつ口を開くフェイクマン。
「何故間に合わせの戦闘用ロボットに過ぎない君にワイリーナンバーズの阿呆共が勝てないのか・・・カタログスペックで言えば君はどの戦闘用ロボットにも劣る」
今度はフェイクマンがロックへと肉薄する。
片腕に仕込まれたスタンガンを振るうフェイクマンだがそれらは悉く空を切る。
「その強さの理由は稼働年数から来る経験か?それともライトが君に与えたウェポンチェンジシステムの恩恵か?君は非常に興味深い存在だ・・・故に」
言いかけたフェイクマンの足をかっさらう様にロックのスライディングが決まる。
宙を舞ったフェイクマンに追撃のロックアッパーが強かに決まる。
一方的に話す相手に対し戦いの最中と言う事もありロックの方も遠慮は無い。
「このボディの性能も本来のそれよりもかなり強化しているのだが、君には手も足も出ないな」
肩を竦める様に両手を広げるフェイクマンにロックは無言でバスターを向ける。
「今すぐこんな馬鹿な事は止めるんだ。これ以上戦うと言うんだったら」
「私を破壊するかねロックマン?それはそれで構わんがね・・・君を倒す事も私の最終目標の一つなのだから」
薄笑みを浮かべリボルバーバスターの銃口がロックへと向けられる。
互いに武器を向けあう両者の間で緊張が走ったその時だった。
ズドドドドドドドドドドッッッ!!
不意に一室が大きく揺れ壁をぶち破る形で無数のドリルが飛んで来る。
「これは・・・」
「スプレッドドリル・・・グランドマンの武器か?」
ロックとフェイクマンがそれぞれ声を上げる中、飛び出す様に姿を現すのは漆黒のアーマーに身を包んだ少年。
「おらあぁぁぁ!!」
現れるなりフェイクマンに飛び蹴りを決めるのは言うまでも無くあのフォルテだ。
「フォルテか・・・私と彼の戦いを邪魔しな・・・」
苛立つフェイクマンだがその言葉を遮る様にフォルテが次々と光弾を撃ち放つ。
速射性に優れた光弾の弾幕にフェイクマンは後退せざる得ない。
「いきなり登場していきなり攻撃とか酷いとは思わないのかね?」
「てめえは俺らの敵だろ?」
「まあそういう事になる」
「だったら死にやがれ。それで話は終わりだ」
顔を歪めるフェイクマンにフォルテは問答無用で攻撃を仕掛ける。
そんな彼に対しフェイクマンは大きく溜息を吐く。
「君・・・もう少し外連味って言うのも」
文字通り眼中に無いと言う事か。
フェイクマンに対した興味も沸かないのかフォルテの容赦無い攻撃は続く。
バキッッ!!
フォルテに対しスタンガンを仕込んだ腕を振るうフェイクマンだが、逆にその腕を掴まれ根元から強引に引き抜かれる。
「アイテテテ・・・本当にじゃじゃ馬だねえ。多少なりとも配慮はして欲しいものだ」
続けざまにフォルテブラスターを胸元に決められフェイクマンは背後の壁に吹き飛ばされる。
「待ってフォルテ」
「・・・何だよ」
ロックの制止の声にフォルテは面倒臭げに振り返るのだが。
そんな中、強引にフォルテに押し切られたフェイクマンはゆっくりと立ち上がる。
「あのね。一応私はこんなナリだが今までの事件の・・・ってもう説明するのもアレだな」
己の立場をフォルテに説明しようとしたフェイクマンだったが、その事にフォルテがどう反応するのか察したのか深々と溜息を吐くと彼は壁に隠されたスイッチを押す。
ガゴゴゴゴゴゴッッッ!!
周囲の壁がせり上がり壁の向こうから鬼の顔をしたメカが複数体現れる。
「出来ればもう少し時間を稼いでから投入したかったのだが。君達はスパイクプッシャーズと遊んでいてくれたまえ」
そう言ってフェイクマンは壁の向こう側へと姿を消してしまう。
「待ちやがれ!!」
フォルテがフェイクマンが消えた壁に向かってスプレッドドリルを撃ち放つが相手に当たった様子は見られない。
「あの野郎・・・」
とフォルテが憤る中、スパイクプッシャーズが鉄球を投げ放ってくる。
「フォルテ、今はこの場を何とかしないと」
「うるせえ。俺に指示するんじゃねえ!!」
相も変わらずなライバルに苦笑いをしつつもロックはフォルテと共に鬼の顔をした防衛システムへと挑むのであった。
「このタイミングでフォルテが現れるとは・・・予想外だったねえ」
隔壁を次々と下ろしながらフェイクマンは廊下をひた走る。
彼自身も今の仮のボディでロックを倒せるなどと言う甘い考えは抱いていない。
当面の間の時間稼ぎが主目的であり、フォルテの乱入と言う展開は想定外であったが彼らの足止めは出来たと考える。
「まあ後は勝手に小娘や他の愉快な連中が足止めをしてくれるだろう」
片手に持った端末で施設内の状況を整理しつつフェイクマンはほくそ笑む。
フォルテ達と一緒に施設内に侵入した面々はガルバダリオやコロサッスと遭遇しその場で動けなくなっているのが分かる。
正面の方もソローやアルゴスが抑えている。
自身のボディを戒めから解き放つまでの時間は確保出来たと結論付けた時であった。
まるで己を待ち受けていたかの様に通路の壁に背を預け、一人のコートを着た青年がその場に佇んでいた。
「おや?まさか君もわざわざこんな所に来ていたのかね?」
屈託なく笑みを浮かべつつフェイクマンはブルースに声を掛ける。
対してブルースの方からは反応は特になく、バイザーに隠された鋭い視線が向けられるのみ。
「出来れば私の邪魔をしないでもらいたい。君の境遇に関しては私も把握している・・・いやはやオリジナルが君に行った仕打ちに対してはこの場を借りて謝罪を・・・」
「・・・・・・」
わざとらしく慇懃無礼な態度で頭を下げようとするフェイクマンだったが、言葉を切る様にしてその場より飛び退く。
頭を上げた彼が視線を向けたのはブルースの方ではない。
彼の後ろから気配も発さずに姿を現した精悍な顔の青年の方へと意識は向けられる。
「お前は何を考えている?・・・レプリカ」
ブルースにその名を呼ばれフェイクマンの顔から徐々に笑みが消えていく。
「私の事を知っているとは・・・驚きだねえ。私の存在を把握しているのはオリジナルだけだと思っていたのだが・・・私の存在はシャドーマン達諜報部の連中ですら知らない最重要機密なのだが」
『それ故に好き勝手やらせてもらった』と言い放ちながらフェイクマンは肩を竦め、頭上を指差す。
「私の目的はただ一つ・・・完全なる自由さ。いかなる者の思惑にも柵にも囚われない・・・ね」
「邪魔だ~!!」
難無くスパイクプッシャーズを突破したロックとフォルテの二人の行く手をイエローデビルを改良したと思われるツインデビルが遮るのだが。
強引としか言いようがないフォルテの猛攻にツインデビルは敢え無くその機能を停止してしまう。
その姿は先にピコピコくんを無視したクラッシュマンを髣髴とさせる。
「ハァハァ・・・」
スパイクプッシャーズもそうだったが本来であればある程度の苦戦を強いられる防衛システムとの連戦にフォルテも疲れの色を隠せない。
後先考えない彼の姿に何か鬼気迫るものを感じる。
「フォルテ・・・幾ら何でも飛ばし過ぎだよ」
「うるせえ。俺に指図すんな」
心配そうに声をかけるロックにフォルテの態度は素っ気無い。
「あいつらのせいで俺らの次の計画が潰されたんだ。つまりはてめえと戦う機会を奪われたって事だ。キングの時もそうだったが気に入らねえ。だから徹底的に叩き潰す・・・それだけだ」
ギリッと歯を軋ませるフォルテ。
ロックからすればフォルテ達ワイリー軍団とまた戦う事が無くなって良かったと思う所だが、打倒ロックマンを目標に掲げる彼からすればフェイクマンらの企みは到底許す事が出来ないのだろう。
『とりあえずこれ飲んで』とE缶をフォルテに渡すロック。
気に入らない様子でそれを見つめるフォルテだったが、自身の手持ちも無い事もあってかふんだくる様にしてE缶を手にするや、強引に缶の中身を喉の奥へと押し込み始める。
「俺はお前と慣れ合うつもりは全く無いからな。大体が他の連中がおかしいんだ。特にエンカーやパンク、バラードなんざ俺と同じ目的で造られているのに命令が無い時はお前と戦おうともしねえ」
フンと鼻を鳴らしながら先を進むフォルテ。
彼はロックマンキラーの面々の今のロックへの態度を馬鹿にするが。
(君は知らないだろうけど、昔の彼らには結構絡まれたんだよな)
と決して口には出来ないがロックは内心でそんな言葉を思い浮かべる。
正直エンカーやパンク達と街中で遭遇し即戦いを挑まれたのは一度や二度では済まない。
中には一緒に居たロールを人質にされる形で戦わざる得ない事もあった。
だが何度も戦いを繰り返す内にお互いに理解が深まったと言うかエンカー達が丸くなったと言うか。
まあフォルテの方もこうして一応は共闘が出来る分、当初よりかは落ち着いて来たと言えるのだろうか。
「僕は正直誰も傷つけたくない。君達は勿論、さっきのフェイクマンって名乗った彼だってね」
「キング事件の時もそんな事言ってたな。相変わらずお優しいこって・・・俺は俺の邪魔する敵だったら誰だろうと容赦しねえ。それこそ相手があのフィーネだってな」
「そんな・・・彼女は君にとっても妹に当たる存在じゃないか」
「ジジイからの許可は出ているからな一応」
その優しさが仇になる事を告げつつフォルテはフィーネの事を口にする。
彼の言葉を聞きロックの脳裏を過るのは作戦前のワイリーの言葉だ。
「あ~そうそうお主ら件の裏切り者・・・フィーネの事じゃが」
中央コンピューター施設への作戦も決まりそれぞれが動きだそうとした際にワイリーがナンバーズ達を呼び止める形で口を開く。
「あれに搭載した学習進化プログラムを失うのは正直惜しい。可能であれば確保せよ・・・じゃがそれが叶わないのであれば遠慮はいらん処分せよ」
この時、ロックはワイリーの背を見る形で聞いた事もあり彼の顔を直接見てはいない。
だがフォルテも含めた一同が息を呑んだ所から普段であれば絶対に見せない様な顔であったのだろう。
「確保の形も電子頭脳に搭載されているメモリーチップさえ手に入れられればそれで良い」
「ワ・・・ワイリー!?ほ・・・本気なのか?」
冷酷なワイリーの指示に真っ先に抗議の声を上げたのはライト博士。
「本気の本気じゃよ。先も言ったがあの小娘そのものは学習進化プログラムのおまけに過ぎぬ幾らでも替えの利く存在じゃ。ワシからすればキング事件の時の様に技術が外部に流出する方が痛い」
何時もの様に不敵な笑みを浮かべながらワイリーは顔を真っ赤にするライト博士と向き合う。
「あれはワシの造ったロボットじゃ。あれの処遇はワシが決める。部外者は黙っておれ」
大きく目を剥き己を睨み返すワイリーにライト博士は僅かに唸るも、戦いを前に自身らの間で決定的な亀裂を生じさせるのは良くないと判断したのかクルリと背を向けてしまう。
「ロックマン・・・お主にも同じ事を言っておこう。遠慮はするな」
念を押す様にロックへもそう言い放つワイリーの後ろで顔を背けるパンクの姿が記憶に残る。
「まあジジイは電子頭脳だけの状態で持ち帰ってもOKと言いやがったが。お前はそんなつもりは無いんだろう?」
「当たり前だよ。きっと彼女は騙されていると思うんだ」
「今思えばあの人畜無害な姿も演技だったって言うのに。教育係だったって言うパンクの野郎もあいつに対しては腑抜けていたみたいだしな」
そういうフォルテも一応はフィーネとの交流もあった訳なのだが、彼は彼で本能的な所で彼女の本性に勘づいていたのかも知れない。
パンクと一緒に居た事もあるが、フォルテの方はフィーネに近寄ろうとはしなかった印象がロックにはある。
「確かに演技だったのかも知れない。けど僕には・・・」
『全てが演技だったとはとても思えない』と言いかけたロックだったが、その言葉を遮る様に巨大な障壁が自身らの前に現れる。
「まあ噂をすればなんてやらだ。向こうで待ち構えているぜ」
障壁の向こうから感じ取れるのはラルゴの強大なエネルギー反応とそれに付随する大小様々な反応だ。
「・・・行こうフォルテ」
「・・・フン」
ロックに相槌代わりの鼻息を返しつつフォルテは障壁のシャッターを潜り抜ける。
・・・ズンッッ!!
広々とした空間に出たロック達の目に真っ先に飛び込むのはラルゴの巨体だ。
手にした斧を無造作に持ち上げるラルゴの周囲に黒子の姿をしたジョー達が並び立つ。
「ここまでよく来てくれたわね。あの時と違って邪魔が入りそうにないから嬉しいわ」
スタリオーが牽引するプリドゥエンの車体に腰掛けるのは漆黒のローブに身を包んだ金髪のおさげの少女。
幼い風貌に不釣り合いな笑みを浮かべる彼女だが、殺気を露わにするその空気からは鬼気迫る物を感じる。
「なんか余裕無いって感じだな。そこのデカブツをまんまと連れ帰って怒られたってか?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながらフォルテが彼女の失敗を指摘する。
その指摘に先程までの笑みが消えかかるあたり図星と言えよう。
引き攣った笑みをそのままにフィーネはクロコジョー達に指で合図をする。
無言のまま散会しラルゴを中心にして自身らを取り囲むクロコジョー達。
「こ・・・これだけの数と戦力差を前に大口を叩けるのもこれまでよ。やってしまいなさい!!」
フィーネの命令にラルゴを含めた一同が一斉に動き出した時であった。
襲い掛かる敵の大軍を前にチラリと目配せするロックとフォルテ。
まずに動いたのはフォルテ。
「ライトニングゥゥボルト!!」
バチバチバチバチバチッッ!!
フォルテを中心に放たれる電撃の嵐を前にクロコジョー達が反応を示し跳躍してそれらの攻撃を回避しようとする。
フィーネ同様に隠密性に優れたクロコジョー達の敏捷性は量産型のロボットとは思えないレベルで高水準だ。
紙一重で電撃を回避するクロコジョー達にフォルテが感心したように目を見開く。
もしもこの場においてフォルテ一人だけであったら、ライトニングボルト発動の隙を衝かれ痛手を被っていただろう。
「グラビティホールド!!」
続けざまに発動するロックの特殊武器に跳躍し地面に踏ん張ることが出来なかったクロコジョー達は次々と上空に打ち上げらてしまう。
勢いよく天井部に激突し、そのまま自然落下で地面に叩きつけられたクロコジョー達は哀れ一瞬の内にスクラップへと姿を変えてしまう。
この場で無事だったのはライトニングボルトの電撃にも耐え、その場に踏みとどまったラルゴと空中で受け身を取ったフィーネぐらいだ。
「やってくれるわね。でも雑魚のクロコジョー達を倒したくらいで・・・」
余裕の笑みを浮かべる彼女だが、その彼女の全身を影が覆う。
「・・・ヒッ」
小さな悲鳴を上げ彼女がその場から飛び退いたのと浮かび上がったプリドゥエンの車体が床に激突したのは殆ど同時であった。
ガラガラガラガラガラガラッッ!!
落下の衝撃で大破こそしなかったものの、己の重みに耐えきれずプリドゥエンを動かす鋼鉄の歯車の一つが外れ一室の壁まで転がっていく。
残っている方の歯車にも大きな亀裂が走り、まともな走行が無理な事が誰の目にも分かる。
「なななななな・・・!!」
大きな瞳を見開き泡を吹くフィーネの目の前で壊れた鎖を引き千切ったスタリオーが嘶き、その場から駆け出す。
「ちょ・・・ちょっと待ちなさい!!」
フィーネが慌てて呼び止めるも暴走した機械馬が止まる筈も無く走り去ってしまう。
一瞬の内にクロコジョー達ばかりかキングタンクを発展改良したプリドゥエンを操るスタリオーまで失ってしまった。
この場に残っているのは自身とラルゴに完全な置物と化したプリドゥエンだけだ。
「・・・プ。だっせぇ」
己らの連携が思いもかけない結果を見せた事で笑いそうになるフォルテ。
その姿を見てフィーネの方はますますその目を吊り上げさせる。
「こうなったらこうなったら!!私とこの木偶の坊でアンタ達を倒す!!」
全身に闇を纏い身構える少女に対しロックとフォルテからはどこか余裕が感じられる。
「初めに言っておくよフィーネちゃん。今の君の実力じゃ僕とフォルテは倒せない」
「最強の俺達が組んで勝てねえ相手は居ねえよ。少々痛い目に遭わすから覚悟するんだな」
居並ぶ二人のヒーローを前にフィーネは歯を軋ませていた。
何時もの後書きです。
さらっと読み飛ばして頂いて結構です。
〇フェイクマンについて
元のゲームの方でも中ボスラッシュの先に居る拍子抜けな面もある「え?お前?」的なボスだったので強さ的にロックらと渡り合えるけど、そこまで強くは無い程度な描写とした。
リモートボディと言う事もあって若干の動きの鈍さがみられていたらしい。
腕の中に仕込んだスタンガン付き警棒はメガミ版のポリスロボからの設定の拝借。
フォルテが現れた事で戦いの均衡が崩れ敗退に追い込まれた。
彼自身も時間稼ぎが目的の為、積極的に攻撃を仕掛けるつもりは無かった事もあってその隙を衝かれた形である。
〇彼女の扱いについて
ワイリーからする彼女の扱いがやや冷淡ではあるが、自分を裏切ったロボットに対しては基本的にこういうスタンス。
言うなれば何時もの計画で洗脳改造するロボットへの扱いに限りなく近い。
自分の過失な面があるキングやあくまでも打倒ロックマンの為に軍団を裏切ったテングマンと違い、彼女は自分の意思で軍団及び自分に仇為していると判断した為、今回の様な対応となっている。
とは言えこれぐらいの事を言わないと一見すると普通の少女の外見のフィーネに対する躊躇いが生まれ、それが原因で負ける可能性があるから敢えて厳しく言った面もある。
「フォルテも含めどうせ何だかんだで彼女を連れ戻そうとするだろうな」とワイリーは内心で考えているのだが、この辺は本音と建て前である。
因みに彼女自身は学習進化プログラムの入れ物に過ぎないと言う事とその技術の流出を恐れているのは、ワイリー自身の偽りなき本音である。
彼女との戦いについて次回の方に回す事に。
今回の後書きは以上です。
読んでくださってありがとうございます。