今回は短めですが楽しんでいただけたら幸いです。
それでは本編をどうぞ。
緒戦はジオン公国軍の圧勝であった。
宇宙攻撃軍は各コロニーの駐屯部隊やパトロール艦隊を壊滅させ、突撃機動軍は予定通りグラナダを攻略、基地化に着手した。
だが「ブリティッシュ作戦」はまだ始動したばかりであった。
海兵隊の活躍によりサイド2・8バンチの「アイランド・イフィッシュ」が確保された。すぐさま工兵隊によって耐熱加工、核パルス・エンジンの取り付け作業が行われ、地球への落下を始めた。
地球連邦軍は再度、後手に回らざるを得なかった。コロニーが地球への落下軌道に乗ったことを知った、ジャブローに籠もる政府高官、軍人に与えた衝撃は凄まじかった。緒戦の損害確認さえまともに出来ていないなか、ティアンム提督率いる第四艦隊に迎撃を命じる。
1月8日。両軍がついに激突する。
消耗したザクがムサイ級に帰還する。艦橋下部の着艦用ハッチにケレンは機体を進める。細かくスラスターを噴射させ、機体をモビルスーツデッキに固定させる。すぐさまメカニックたちが冷却作業を行う。機体の装備だけでは冷却しきれなかった熱が急激に冷まされていく。横を見ると僚機であるミリア機とマルティナ機も順次冷却作業に移るようであった。
一息つくためにスポーツドリンクの入ったパックへと手を伸ばすケレンだったが、そこにオペレーターから通信が入った。
「ケレン少尉、お疲れのところ申し訳ありませんが、モビルスーツ隊に出撃要請が来ています」
「…今度はどこが突破されそうなのですか?」
「左翼です。サラミス級で構成された足の速い艦隊が艦載機の援護の元、突撃してきたようです」
「C型による攻撃は?」
「C型は機体が鈍重なためか損害が多くなっており、また味方艦との距離が近いため核攻撃は難しいと思われます」
ケレンはこぼれそうになった溜息を飲み込んだ。それならば通常装備の我々に声がかかるのも無理はない。
「了解しました。機体の整備が終わり次第、出撃します」
オペレーターとの通信を切ってから僚機にも連絡を入れる。
「こちらロメオ・ワンだ。今度は左翼が不味いらしい。整備が終わり次第、左翼の援護に向かうぞ」
「右翼を助けたと思ったら今度は左翼か。こき使ってくれるじゃないか」
ロメオ・ツーことマルティナ・シュトライトがそう愚痴をこぼす。
「しょうがないでしょう。連邦軍の方が数では勝っているのだから、モビルスーツ隊が酷使されるのは当然だわ」
そうとりなすのはミリア・キルステンだ。部隊ではロメオ・スリーが与えられている。彼女らは軍学校での同期であり、背中を預けるに足る頼もしい存在だった。
「幸い、機体の冷却と弾薬、推進剤の補給のために少し時間がある。難しいだろうが、少しでも体を休めてくれ」
「そして戦闘が終わってもまた再出撃。俺は知っているんだぜ」
マルティナの言葉に苦笑するケレン。マルティナの言う通り戦闘は長期化していた。
6日に始まった連邦軍との戦闘。連邦軍は6日に威力偵察を兼ねた攻撃を行い、7日には北極、南極から迎撃ミサイルを発射。効果が薄いと見ると第四艦隊本隊による迎撃を始めた。
ジオン公国軍はほぼ全軍でもってこれを迎え撃った。当初はC型による核攻撃によって戦況を有利に進めたが、連邦軍は数に任せて攻撃を続けた。第一次、第二次攻撃を跳ね返された第四艦隊はその数を活かし、小艦隊をいくつも編成し、あらゆる方向からの波状攻撃を選択した。連邦軍にとっては戦力の逐次投入であったが、ジオン公国軍はこれに対して少ない戦力で場当たり的に対応せざるを得ず、両軍に被害が出た。
しかし、最初に耐え切れなくなったのはティアンム提督の第四艦隊であった。70%以上の損害に加え、「アイランド・イフィッシュ」が阻止限界点を超えたことにより撤退を決意、戦闘は終了した。
1月10日、「アイランド・イフィッシュ」、大気圏への突入を開始。ジオン公国は勝利を確信した。しかし、ここで予想外の事態が起こる。コロニーが大気圏突入後に崩壊を始めたのである。第四艦隊の犠牲は無駄ではなかった。コロニー前端部分はオーストラリアに、残りはバイカル湖や北米、ヨーロッパに落着した。
ジオン公国軍はジャブロー攻略に失敗した。
戦争がどうなるかは、デギン公王から戦争推移について尋ねられた時に答えたギレン総帥のこの言葉に集約されるだろう。
「ジャブローを叩く以外に我らが生き残る道はありません。ブリティッシュ作戦は継続します」
まだ忙しい時期が続くと思うので次はいつ投稿出来るかは不明です。
失踪だけはしないように頑張ります。