今回はカイとシレンの過去の話からです。
伊集院カイは天才であった、あらゆるテストで常にトップ。クイズ大会等の頭を使う大会では負け知らず、もちろんシャドバでも負けたことは無かったそうな。
夜那月ルシアに会うまでは。
「僕は負けました。悔しいと言うよりも、嫌になりました。それでも、諦める道を選べない。そう考え再びシャドバスタジアムでバトルしていた時に」
僕は北シレンに出会いました。
僕はシャドバをしにシャドバスタジアムに足を踏み入れた時、ある噂を聞きました。曰く、スタジアムでのバトルで無敗を誇るシャドバプレイヤーがいると。その人の名は北シレン。僕は夜那月ルシアに勝つため、彼にバトル申し込み自分の糧にしようとしていました。
『あなたが今噂になっている無敗のシャドバプレイヤーの北シレンですか?』
『何それ?北シレンは俺だよ。俺はそんな噂知らんし無敗でもないけどな。』
『なるほど、噂は所詮噂。このような人が無敗のはずもないか。』
『あ?何お前、初対面でよくもまあそんな失礼なことが言えるな。』
『いえ、失礼しました。噂では無敗なんて尾鰭がついているのでどんなプレイヤーかと思いましたが、このようなプレイヤーのはずもないと思っただけです。』
『お前なんなんだよ、てか名前は?』
『伊集院カイ、超天才シャドバプレイヤーです。』
『マジか、超天才って自分でつけて恥ずかしくないのかよ。』
『事実ですので、さてでは僕はそろそろ』
『待てよ、カイとやら。シャドバ、やろうぜ?』
『シャドバですか?』
『ああ、お前そんな噂で探してるってことは強いやつ探してんだろ?安心しろ、俺無敗ではないけど強いから。』
『そうですか、ではやりましょう。超天才の実力、お見せしましょう。』
『あのグラサンのガキといい最近のガキ共は躾がなっとらんな。ここは一度、心をへし折るために本気の一端をお見せしよう。』
『そうですか...では宣言しましょう。あなたは8ターン目で敗北する!』
『へえ、8ターン目が来ると思いで?足掻いて見せろよ。』
バトルが始まり、相手はウィッチクラスと分かり順調だったのは3ターン目まで。
5ターン目になった時彼の切り札が現れました。
『うっ、ああ』
『まったく、
『我こそ五行 『雑魚は消えろ』ってね』
負けたのはその次のターンですが、実際は5ターン目で勝負は決まってました。
あの時、僕は抵抗なんてしようとも起きませんでした。夜那月ルシアと同じぐらい、もしくはそれ以上の敗北です。
僕はそれからずっと続けていたシャドバをやめてしまいました。あの時の負けが脳にこびりついて苦しかったからです。やめた数日間はとても楽だった。あの時の苦しみを忘れられたから。でも僕はそれでも戻ってきました。
「僕にとって、あの日を思い出すことより楽しかったシャドウバースを忘れるほうが苦しかった。」
「なあシレン...」
「何?カズキ。」
「お前カイに対してどんなデッキ使ったんだよ...シャドバやめたくなるようなデッキって、どんなデッキじゃんね。」
「あぁ、まあ思い出したけどさぁ、あんなに綺麗に回ったのは久しぶりだったなー。」
あの時はそうとうイラついてお灸を据えてやろうと同じウィッチでクオンを軸に、さらにアンリミテッド*1で勝負したからな、相手にならんかった。
「ま、性格変わってないし意外と大したことないんじゃね?」
「そ、そういうものなのかな...」
「ああ、挫折は人を狂わせる。そして、それを乗り越えられ成長する人もいればそのまま何も出来ず終わる人もいる。そういうもんさ。」
「「・・・」」
「頼んだぜドラゴンウォーリア、進化だ!ドラゴンウォーリアは進化した時、相手のフォロワーに3ダメージを与える!」
ベビーウィッチ・エミル 2/2→2/0
「そして、鉄鱗の竜人をプレイ。鉄燐の竜人は自分の場に進化したフォロワーがいる時相手フォロワーに2ダメージを与える!」
クレイゴーレム 2/2→2/0
「そして燃やせ、ドラゴンウォーリア!」
刃の魔術師(進化) 4/4→4/0
ドラゴンウォーリア(進化) 4/5→4/1
「なあカイ。俺たち、同じだと思わないか?」
「僕とあなたが同じ、ですか?」
「ああ!シャドバが大好きで、夜那月ルシアに借りがあって、シレンとのバトルを望んでいる。だからさ、似てると思わないかって。」
「そうですね、僕たち案外似た者同士かもしれませんね。ですが!借りを返し、彼に再戦するのは僕の方です!見せてあげましょう、時の魔術を!いでよ、クロノウィッチ!」
出てきたのは大きな杖を持ち、白い髪、白い髭を生やしザ・魔法使いって感じの服を着た老人。恐らくはカイの切り札だ。
「なんだそのカードは!元のコストが13もある!」
「このカードはスペルブーストの数だけ自らのコストを下げることが出来るのですよ。」
「でもそれだけではありません。進化です、クロノウィッチ!さあ、時間を巻き戻れ!」
カイが進化権を切ったとき、クロノウィッチがみるみる若返っていく。そしてクロノウィッチの背後に時計が現れ針がどんどん巻き戻っていき時が戻ったように前のターンに破壊されたフォロワーが蘇生されていく。
「クロノウィッチが進化した時、直前の相手ターンに破壊されたニュートラル以外のフォロワー全てが場に出ます。」
「嘘だろ!?」
「全て計算通りですよ、いけ!クロノウィッチ!」
鉄鱗の竜人 2/3→2/0
クロノウィッチ 4/4→4/2
「さらに刃の魔術師でリーダーを攻撃!」
「ぐわぁぁぁ!」
ヒイロ 6/20→2/20
「そして最後にゲイザーをプレイ。これでターンエンドです。」
「ッ!やるなカイ!」
「そう簡単に諦められないのは僕も同じですからね。さあ竜ヶ崎ヒイロ、次が8ターン目。あなたは必ず敗北します!」
「負けねぇよ!勝つのは俺だ!」
「カイのやつ、俺に勝っただけあってやっぱりすっげぇつええじゃん!」
「ヒイロくん大丈夫かな...?」
「俺はヒイロを信じるじゃん!頑張れ!ヒイロ!」
「・・・」
カイの切り札のレジェンド...思ったより弱くね?
蘇生対象が進化状態を引き継ぎなのが面白いとこではあるけどデメリットが目立つな。
・進化権使わないとただのバニラ
・蘇生対象が前のターンのウィッチフォロワー
・素のコストが13のため序盤に引かないとほぼ機能しない
進化権さえあれば盤面展開が1枚で完結する点はいいけど相手ターンに破壊されないといけないから相手依存でもあるからこれは一長一短だな。
これドロシーで良くない?*2
まあ実際俺が使えるならドロシーのサブプランになるのかな。本当に使えない訳では無いし進化状態で蘇生されるからおもちゃにはなるでしょ。
まあこんだけクロノウィッチをバカにした訳だがヒイロは大ピンチ。残り体力2、ハンドも少ない。絶体絶命もいいところ。
「お前に勝てば俺はもっと強くなれる。そんな気がするぜ!俺のターン、ドロー!」
このピンチの状況での運命のドロー。普通なら負けを考え降参を選ぶ人も多いいだろう。だが残念、このゲームの
「吼えろ!イグニスドラゴン!」
1枚で簡単にひっくり返る
「イグニスドラゴンは手札が2枚以下なら進化する!さらに攻撃時攻撃力を5上げ、相手フォロワー全てに3ダメージを与える!」
「そんな!?」
「いっけぇぇぇ!」
クロノウィッチ 4/2→4/0
ベビーウィッチ・エミル 2/2→2/0
クレイゴーレム 2/2→2/0
ゲイザー 3/4→3/1→3/0
刃の魔術師(進化) 4/4→4/1
イグニスドラゴン(進化) 5/7→5/4
「まだまだ!手札から大嵐のドラゴンをプレイ。このフォロワーは覚醒状態の時疾走を持つ。大嵐のドラゴン、ドラゴンウォーリアと一緒に攻撃だ!」
刃の魔術師(進化) 4/1→4/0
大嵐のドラゴン 2/1→2/0
カイ 12/20→8/20
「俺は強くなりたいんだ、あいつを越えられるぐらい、そしてシレンに勝てるぐらいに!だから俺は負けない!」
「イッ、イグニスドラゴン!?そ、そんな馬鹿な!?この状況を打開できる確率は、ほとんどない!」
僕が、負ける?
その時、カイの中に流れたのは自身のトラウマ
『だって君、弱いし』
『超天才、ね。ま、その年じゃイキりたくもなるか。井の中の蛙もいいとこだったけど。』
ここで諦めたら、またあの時と同じ?
「いや、まだです!」
「ッ!」
「僕のターン、ドロー!」
カイの引いたカードは氷像の召喚、1ターンだけ5/5の守護フォロワーを場に出せる、いわばその場しのぎのカード。逆転の一手にはならない。しかし
「3度も負けてしまうほど、超天才は弱くない!燃やせ、フレイムウィッチ!続いて氷像の召喚プレイ!」
「フリーズゴーレムが場に出ます!フリーズゴーレムは次のターンに消えてしまいますが、このターンなら守護として僕の身を守ってくれます。」
「さらに、フレイムウィッチの能力が発動!自分がスペルカードを使う度相手のフォロワー全てに1ダメージを与える!」
ドラゴンウォーリア(進化) 4/1→4/0
イグニスドラゴン(進化) 5/4→5/3
「クッ!さすがだなカイ!」
「8ターン目はこれで終わりますが、僕はまだ諦めません!ターンエンド!」
「ああそうだな!シャドバは最後までわかんねぇ!」
「俺のターン、ドロー!だから俺も全力を出し尽くす!竜の咆哮をプレイ!相手フォロワー1体に自分のフォロワーの最大攻撃力分のダメージを与える!今俺の場にいるイグニスドラゴンの攻撃力は5!だから、フリーズゴーレムに5ダメージだ!」
イグニスドラゴンの咆哮と熱気によりフリーズゴーレムは溶けて砕けた。そして、カイを守るものはもうない
「そんな!」
「そして、イグニスドラゴンでリーダーを攻撃!イグニスドラゴンの効果でこいつの攻撃力は10になる!」
「あぁ...」
いつ見てもあいつの能力アホらしすぎる!
「これで俺の勝ちだァァァ!」
「ば、バカなァァァ!」
カイ 8/20→0/20
HIIRO WIN!
「ヒイロくんが勝った!」
「やったぜ!決まったじゃん!」
「ほー、あの場面でよくもまぁ。」
実際、ヒイロはイグニスドラゴンを引き盤面をひっくり返したが負け筋なんてカイよりも多かったはずだ。公開された情報の中でも刃の魔術師引かれるだけで負け、ルーンの貫き等の2ダメージ以上与えるスペルないしマジミサ*32枚でも負け。イグニス破壊されたらだいぶきついという負け筋のオンパレードだった。でも、勝者はヒイロだ。
「ぃよっしゃぁぁぁ!」
「やったなヒイロ、凄いハラハラしたじゃんよ!」
「私も!」
「なんなら俺負けたと思ったわ。」
「なんだよシレン!応援してくれよ!...?」
カイがこちらに歩いてきており、ヒイロが視線そちらに向ける。カイの顔を見てみれば、清々しい顔をしており
「完敗です、ヒイロさん。」
「ヒイロでいいって。強かったぜ、カイ。」
「! ありがとうございます。ヒイロさん。そしてシレンさん。」
「ん?」
「あの時はすみませんでした。僕はやはり、井の中の蛙だったようです。」
「ああいいよ別に。」
なんならカイのこと今日まで忘れてたし
「ヒイロさん、ピンチになった時のあの諦めない姿勢、感激致しました。あの姿勢、学ばせていただきます。」
「おお、なんか恥ずかしいな。」
「では、僕は失礼します。帰って今日のバトルの反省会をしなくてはなりません。」
「お、おお」
「反省会ってお前、ストイックだな。」
「当たり前です。超天才改め、天才ですから。ヒイロさん。」
「お?」
「次は負けませんよ。そしてシレンさん。」
「何?」
「僕がもっと強くなった時、あなたに再戦を申し込みます。そして、あなたを超えてみせます。」
「いいよ、待っててやる。」
「それにしても強かったなーカイのやつ。」
「そうだね〜、私すっごいドキドキしちゃったもん。」
「あの土壇場で右手光らせてイグニス引くんだからな、シャドバ上手い証拠だな。」
「右手光らせるってなんだよ。」
「概念。それよりもさ、ヒイロもそこそこ強くなったし出場してみない?」
「何に?」
「店舗大会だ。」
次話はヒイロとカズキの店舗大会です。主人公は出場させる予定ないです。無双して2人の成長の機会取っちゃうからね、しょうがないね。