まじで話数間違えてました。今回はミモリと謎の少女の話です。
1万字超えちゃった...まさかここまでになるとは思いませんでした。
「新メニュー新メニュー...チーズ!じゃあ、チーズはどうだ!間違えないだろう!」
「うーん分かるけどさ、ありきたりじゃんね。」
「まあなぁ。」
「まあなじゃないよ、どれだけゲテモノにするつもりよお前ら。さっきの激辛とかならまだしもチーズだってわりと変わり種の部類だろ、それを超えたらただのゲテモノ料理だって。」
「「確かに...」」
朝のHR前、カズキの実家である食堂で出される新メニューのラーメンを考えている...のだが唐揚げを入れるとこから始まりハンバーグを入れる、納豆を入れる、挙句の果てに燃えるという訳が分からない料理が出てくるのである。
「うーん...お、おはようミモリ。」
「よう!」
「うぃーす。」
「おはよう。あのね、今日私なんか違わないかな?」
そう言ってミモリくるっと回る。なにか髪型が変わった様子は見受けられないが、クローバーの髪飾りがつけられている。
「てかさ!ミモリならいいアイデアあるかも!」
「お!そうだな!カズキが母ちゃんにまるふじ食堂の新メニュー決めろって宿題出されてるんだって。」
「ミモリ、なんかいいアイデアない?」
「う、うーん...」
しかし残念ながら変わったところに気づいて欲しい気持ちに気づかないおバカ2人組。無視してミモリに新メニュー開拓についてのアドバイスを求めた。
「斬新で、美味しくて、パーッと派手なやつ!」
「特別メニュー!」
「特別、メニュー?」
「まあ、付き合ってやってくれ。2人とも進捗が今無いんだ。」
「うーん、えっと、じゃあ黒いラーメンとか!」
「黒い?」
「だ、ダメかな?」
「いや、いい!すげぇぇぇ!」
「天っ才!」
「そうかなぁ。」
どうやら黒いラーメンは2人の中でハマったようで目を輝かせながらミモリを褒め称える。
「あっで、あのね。今日私ね「イカスミ練り込んだ麺に、黒ゴマスープとか?」」
「黒い具って...」
「嘘だろお前ら...」
ミモリが変わった部分に気づいて欲しそうにしているが今2人は宿題のことしか頭に無く、ミモリの奮闘は虚しく終わる。
「まああの2人は熱中すると周りが見えないからさ、許してくれよ。」
「あ、ううん。別に大丈夫だよ。」
「そう?なんか申し訳ないな。あとその髪飾りはイメチェン?」
「あ、本当!これ新しく買ったものなんだ!」
「わぁ!可愛いなぁアリスちゃん。」
放課後、ミモリたちは基本シャドバスタジアムでシャドバをしているが今回はカズキの宿題でラーメン作りをするために3人とは別で帰ることになった。その帰り道、今日は人気アイドルの黒羽アリスの特集が街あたりに映っていた。
ミモリにとってアリスとは憧れの存在であった。可愛くて、キラキラしていて、特別な存在。
「私もアリスちゃんみたいになれたらなぁ、なんてね!ってうわぁ!ご、ごめんなさい!」
アリスのパネルから離れようとした時、歩いていた女の子に当たってしまう。茶色い帽子に丸いサングラスをかけたちょっと不思議な雰囲気を出している女の子だ。
「大丈夫だよおねーさん。でも気をつけなよ?歩く時はちゃんと周りを見ないとね?」
「あっはは...ごめんなさい。」
「うん、いいよ。それよりもさ、この子、好き?」
「え?う、うん!私は大好きだよ!」
「どうして?」
少女はミモリに黒羽アリスがなぜ好きなのかが気になるようだ。ミモリにとってはアリスが好かれていることは当たり前のこと。だから動揺しながらも答えた。
「どうしてって、可愛いし。」
「可愛いかなぁ?作ったみたいな笑顔だし。」
「ッ! アリスちゃんは可愛いよ!!!」
ミモリの反応は予想していなかったのか、少女は面食らったような反応をする。ミモリは自分が想像以上に熱くなっていることに気づき、慌てて謝罪する。
「ご、ごめんなさい。」
「いいよいいよ。でも、ほんとに好きなんだ?」
「う、うん!そうだね。」
「じゃあさ、会ってみたい?」
「…え?」
ミモリはこの少女が何を言ったのか一瞬理解できなかった。何故ならこの流れでその言葉を受け取ればこの子は黒羽アリスの知り合いということになる。
「私この子のことよーく知ってるんだよね〜。会いたい?」
「! うん!会いたい!」
「じゃあさ、会わせてあげるからちょーっとお願いがあるんだけど、いい?」
「う、うん。えっと、何をすればいいの?」
「それはねー、シャドバ!」
「私ちょうど暇してたからさ、シャドバする相手が欲しかったんだよね〜。」
ミモリはこの少女にホイホイ着いて行き黒羽アリスに会うため、シャドバをするためにシャドバスタジアムに来た。
「そうなんだ。でも、ここに来れば相手はいくらでもいるんじゃないかな?」
「うーん、そんなんだけどね。私ここで色んな人にシャドバ挑んでるから常連の人とは顔見知りなんだよね。」
「え、そうなの?」
「でも戦いすぎちゃって対戦してくれる人減っちゃったんだよね〜。今じゃ初対面以外戦ってくれる人いないんだよ。酷くない?」
「へ、へ〜。」
戦うのを拒否するぐらい挑んだというのかこの子はと思ったミモリであった。
「シャドバ好きなんだね。でもそんなにバトルするなんて、強くなりたいの?」
「…うん、私ね。1回も勝ててない人がいるんだ。」
「え?」
「その人はね、色んなデッキを使うの。だから色んな人とバトルすることでクラスの強み、弱点、デッキとカードの種類を覚えて「知らなかったから負けた」が無くなるようにしてるんだ。いつか必ず勝つために。」
「…」
さっきまではずっと楽しそうな顔をしていた子がその話をしてる間、ずっと真剣な顔をしていた。そこの子の目に映っていたのはただ勝ちたいという欲だけだった。ミモリはその目を見たときに怖いと思った同時に少し
羨ましいと思った。
「さてっと。なんかバトルする前に暗い雰囲気しちゃってごめんね?」
「う、ううん!でもすごいね、そこまで夢中になれることがあるなんてね。」
「そうかな〜。おねーさんはどうなの?」
「私?私は特にないかな?シャドバは好きだけど夢中って程じゃないかな。」
「ふーん、じゃあこのバトルで私が夢中になれるようにしてあげるよ。」
「え、えぇ!?」
「大丈夫!白熱するバトルはそれだけで夢中になれるもんなんだよ!それにね」
「私って強いからさ、強い人に勝てるかもってなったらすっごい熱くなれるよ。」
一方その頃。
「黒いラーメンを作るからっていくらなんでもチョコはダメだろお前ら!」
「でもさシレン!美味いものと美味いものが合わさったら美味いかもしれないじゃんか!」
「そうだぜシレン!まずはやってみなくちゃわかんねぇだろ!」
「ふざけんな!俺は絶対食わねえからな!」
シレンは試作ラーメンでチョコを入れようとする2人を止めようと必死であった。
「あ、そういえばあなたの名前は?」
「教えな〜い!それは私に勝ったらね。」
ミモリが少女の名前を知らないことに気づいて聞いてみたが、少女は自信満々に買ったら教えると言いはった。どうやら相当自信があるようだ。
「うん!わかった!じゃあ勝ってあなたの名前、聞かせてね!」
「わお!じゃあ始めよっか!」
「「バトル!シャドウバース!」」
「私から行くよ!ブレイブフェアリーをプレイ!これでターンエンドだよ。」
ミモリ 20/20 手札3 PP0/1
ブレイブフェアリー*1
「ブレイブフェアリーか〜。つまりおねーさんはエルフクラス使いだね。」
「うん、そうだよ。」
「へー、じゃあ私もいくよ。スカルビーストをプレイ。」
「うぅ...」
スカルビーストを見た瞬間顔を引き攣らせたミモリ。オバケのような怖いものが大の苦手なのか、スカルビーストのような比較的可愛らしいものもダメなようだ。
「ふふっ、ワンっワン!次のターンでおねーさんのフォロワーを食べちゃうぞ?ターンエンド!」
少女 20/20 手札4 PP0/1
スカルビースト
「ふふ、ネクロマンサークラスなんだ。私のターン、エルフの少女・リザをプレイ。リザの能力で私の場のフォロワーは次のターンまで効果によるダメージを受けないよ。」
リザの持つペンダントから光が溢れ自分の場のフォロワーが光に包まれる。このカードは初の攻撃以外のダメージカットさせるカード、素のスタッツも標準でありながら味方全体に付与できるため枠さえあれば入得レベルのカードであった。
「へぇ、ブレイブフェアリーといいリザといいおねーさん守るの好きなんだね。」
「そうでもないけど、性格かな。ブレイブフェアリーでリーダーを攻撃!」
少女 20/20→19/20
ミモリ 20/20 手札3 PP0/2
ブレイブフェアリー エルフの少女・リザ
「いったいな〜もう。それならこっちも!よろめく不死者をプレイ。それからわんわん!攻撃!」
ブレイブフェアリー 1/1→1/0
スカルビースト 1/2→1/1
「ふふっ、可愛い〜。」
「そ、そうかな?」
少女 19/20 手札4 PP0/2
スカルビースト よろめく不死者
「次は私のターンね!森荒らしへの報いで、ッはぁ!」
森荒らしへの報いをプレイすると同時に剣が現れミモリが剣を振りそこから斬撃が飛ぶ。そしてその斬撃はスカルビーストにあたり破壊される。
スカルビースト 1/1→1/0
「いやぁぁぁん!わんちゃん!」
「えっと、森荒らしの報いでフェアリーを手札に加えて、それをプレイ!それから...」
「…?どうしたのおねーさん。」
「ううん、ちょっと考えてただけだよ。リザで
少女 19/20→17/20
ミモリ 20/20 手札3 PP0/3
エルフの少女・リザ フェアリー
「あれ?よろめく不死者を攻撃しないの?」
「うん、大丈夫だよ、」
「ふーん、もしかしておねーさん、このカードのこと知ってるね?」
「あっはは、ちょっとネクロマンサークラスと戦う機会があったからね。」
「そっか、じゃあこのカードは知ってるかな?よろめく不死者でリーダーを攻撃。」
ミモリ 20/20→19/20
「そして、ソウルコンバージョンをプレイ!自分のフォロワーを1体破壊してデッキからカードを2枚引くよ。」
「そんな!それじゃあ」
「そう!よろめく不死者のラストワードが発動!ランダムな相手のフォロワーを1体を破壊するよ!」
よろめく不死者のラストワードに選ばれたのはリザだった、リザはよろめく不死者の怨嗟に呑まれるように消えていき破壊された。
「あ、そういえば言い忘れてた。スカルビーストのラストワードも発動。墓場を1増やすよ。」
「そんなぁ、やっぱりよろめく不死者を破壊しないのは失敗だったのかな?」
「そうだ!なんでよろめく不死者を攻撃しなかったの?」
少女は1つ気になっている部分があった。それはミモリがよろめく不死者を攻撃しなかったこと。彼女は少女から見ればまだ少ししか喋っていないが、相手のリーダーを積極的に攻撃するより丁寧に立ち回るような印象を持った。さらにはリザでリーダーを攻撃するか迷った節すらあった。
「えっと、よろめく不死者のラストワードの効果は知ってたんだけどよろめく不死者には守護を持たないフォロワーには攻撃できない能力があるから少しの間は無視してもいいって聞いたんだよね。そのカードだけじゃ自分の場のフォロワーは破壊できないからって。」
「…ふーん、その人シャドバ上手いね。」
「へ?」
「実際にそこまで考えてプレイする人、私数えられるぐらいしか見たことないからさ。」
「そうなんだね。確かに負けてるところ見たことないし、私その人にシャドバ教えてもらってからシャドバ上手くなってるから上手いのは間違いないと思うよ。」
でも練習でも勝たせてくれたことは無いけどとミモリは苦笑いしながら苦い記憶を思い出していた。
『はいダメ、不死者のラストワードで残った白狼破壊。これで勝ち筋ほぼないかな。』
『えぇ!あ〜やっちゃったぁ...』
『欲張ったね。森荒らしで不死者取ったあとフェアリーで打点をあげようとしたんでしょ?隣にフェアリーもいたからランダムではあったけどまずは森荒らし使ってから大狼を出すべきだった。』
『ネクロの特徴は豊富なラストワードと墓場を利用するネクロマンスだよ。どのデッキにも言えることだけどちゃんとフォロワーの効果は知っておかないと損するぜ?』
『うぅ、耳が痛い。』
『まぁミモリはまだ勤勉だし用心深いからまだマシな方だろ。さ、どうすんの?』
『! そうだ、まだバトルは終わってないよね。フェアリーをプレイしてターンエンドだよ。』
『はい、デスタイラントをプレイ。ネクロマンス20で攻撃力と体力を+10します。』
『+10!?それにネクロマンス20なんて』
『ちゃーんとためてんだよ。フォロワー、いっぱい破壊してくれたでしょ?これでトドメ!』
『いやぁぁぁ!』
ちょっとしたトラウマを思い出し少し泣きそうになったが堪え、再び少女とのバトルに集中する。
「さて、それじゃあ再開しよっかおねーさん。スパルトイサージェントをプレイ。スパルトイサージェントの能力で墓場がさらに1増えるよ。」
「また墓場が!」
「ふふん!まだまだ始まったばかり、どうなるかは最後までのお楽しみ。どちらが勝つか、楽しんでいこうね!」
「うぇぇぇ、気持ち悪。」
「チョコレートラーメンはさすがにやばかったな〜。」
「だからやめろって言ったのに...」
カズキの実家でラーメンの試食を終えたあと、3人はシャドバスタジアムに来ていた。黒いラーメンのアイデアを元にチョコラーメンという暴挙料理を作ったが、味はあまり美味しくなかったようだ。
「ヒイロさん!シレンさん!進藤カズキ。」
「ようカイ、お前も来てたのか。」
「おっす。」
「なんで俺だけ呼び捨てなんだよ!」
「それどころじゃありません!あれを見てください!」
カズキの抗議を無視しカイは慌てながらモニターを指さす。そこにはミモリと少女のバトルが映し出されていた。
「ミモリ?相手誰だ。」
「分かりません、初めて見るプレイヤーです。でもあの少女相当強いですよ。」
「へぇ、カイの目から見ても強いって思うか。そりゃあいつも強くなったもんだ。」
「知っているのかシレン?」
「もちろん、あいつとは結構バトルしてるし。勝ち越せはしないだろうけどルシア相手でも勝てるかもしれない実力者だ。」
「あのルシアに!?」
ヒイロは少女がルシアに勝てる可能性があることに驚いているようだ。あまり信じていないようだがシレンはそれだけの実力があると見込んでいる。
「これで8ターン目、天宮ミモリのターンですが状況はあまりよくありません。」
「そうか〜?そうでもなさそうだけど。」
「いや、だいぶ劣勢だね。盤面にボーンキマイラとシャドウリーパー、それにゾンビドックがいる。」
ボーンキマイラはラストワードでスケルトンを2体出すという能力を持ち、ゾンビドックは破壊されても手札に戻るためリソースが枯れない。そしていちばん厄介なのはシャドウリーパーというカードで、2コストという軽量コストでありながら自分のフォロワーが破壊される度+1/+1されるというカードだ。そう遠くない未来で盤面展開が容易になった時代で猛威を振るいナーフされるまでに至ったカードだ。
「放っておくとマズイフォロワーなのか。」
「だな、でもこの状況なら俺は潜伏状態のシャドウリーパーを除去できないのならフォロワーを全て無視するのが1番だと思っている。」
「ふむ、どうしてそうお考えになったのですか?シレンさん」
「幸いにして個々の攻撃力は高くないし、ここから体力15を削り切るのは厳しい。一気に盤面展開して全部破壊してシャドウリーパーを除去不可能なまでに攻撃力と体力をあげるなんて要求値が高すぎる。仮に自爆しても上がるのは1体につきいる予定だったスケルトン1体分だ。1ターンだけを見れば凌げるはず。」
「なるほどなぁ。時には無視をするってことも大事なのか。」
「でもピンチなのは変わりないじゃんね!?」
「へへっ、まあ大丈夫だろ。ミモリならさ。」
「さておねーさん、ここからどうするのかな?まさかもう終わりじゃないよね?」
「うん!まだ諦めないよ、だってアリスちゃんに会いたいもん!フェアリーウィスパラーをプレイ!能力でフェアリーを2枚手札に加えるよ。そして射抜いて!エルフトラッカー!」
「エルフトラッカーの能力でランダムなフォロワーに1ダメージ。これを2回行うよ!」
エルフトラッカーが放った弓矢はゾンビドックとシャドウリーパーを居抜き破壊した。シャドウリーパーは潜伏持ちなため、破壊するならこういった対象を取らない効果で破壊するしかない。
ゾンビドック 2/1→2/0
シャドウリーパー 1/1→1/0
「へ〜やるね!ゾンビドックのラストワードでゾンビドックを手札に加えるよ。」
「ワンダーエルフメイジでリーダーを攻撃!」
「あいたっ!」
少女 16/20→14/20
ミモリ 15/20 手札5 PP0/8 EP1/2
ワンダーエルフメイジ フェアリーウィスパラー エルフトラッカー
「ふぅ、これでターンエンド。」
「くふっ、いいねいいね!盛り上がってきたね!腐の嵐をプレイ!相手のフォロワー全てに1ダメージ、ネクロマンス6で1ダメージではなく3ダメージを与
えるよ!」
「腐の嵐...!」
ワンダーエルフメイジ 2/1→2/0
フェアリーウィスパラー 1/1→1/0
エルフトラッカー 4/5→4/2
「まだまだ!ボーンキマイラでリーダーを攻撃!」
ミモリ 15/20→14/20
「それからネクロアサシンをプレイ!自分のフォロワー1体と相手のフォロワーをランダムに1体破壊するよ!」
「そんな!?」
ボーンキマイラの魂と引き換えにエルフトラッカーを破壊するネクロアサシン。そして破壊されたはずのボーンキマイラの骨から新たにスケルトンが生み出される。
「ボーンキマイラのラストワードでスケルトン2体を場に出すよ。これでターンエンドだよ。」
少女 14/20 手札4 PP1/8 EP1/3 墓場8
ネクロアサシン スケルトン スケルトン
(強いなぁ、これだけ強いのになんでルシアくんみたいに有名じゃないんだろ?)
内心で少女の強さに苦笑いするしかないミモリ。ただまだ諦める様子は微塵もない。
「だけど、負けたくない!ドロー!」
ここで引いたのはミモリのお気に入りのカード。強力なカードではあるが力を発揮するにはまだカードが足りない。故にミモリは次のターンのためのカードを切った。
「フェアリーブリンガーをプレイ。フェアリーブリンガーの能力で手札にあるコスト1のフェアリーを1枚ランダムにコストを0にする!それからエルフプリンセスメイジをプレイ!」
「そのカードは!」
「エルフプリンセスメイジを進化、能力でコスト0のフェアリーを2枚手札に加えるよ!エルフプリンセスメイジでネクロアサシンを攻撃!」
ネクロアサシン 3/3→3/0
エルフプリンセスメイジ 4/5→4/2
「そして翅の輝きをプレイ。このターン中にプレイしたカードが2枚以上ならデッキからカードを2枚引くよ。そしてフラワーフォックス*2をプレイ。これでターンエンドだよ。」
ミモリ 14/20 手札6 PP0/9 EP0/2
フェアリーブリンガー エルフプリンセスメイジ フラワーフォックス
「さっすがー。エルフクラスお得意のコンボだったね。」
「うん、ありがとう。でもまだまだこれからでしょ?」
「さすがおねーさん、よくわかってんじゃん。わたしのターン、ドロー!」
涼しい顔をしているが実はこの少女めちゃくちゃ焦っていた。次のターンは10PP。前ターンでエルフプリンセスメイジが見えているこの状況、少女はある男とのバトル中のアドバイスを思い出していた。
『エルフクラスは単体でのパワーが強いカードってのは他クラスと比べても少なくてさ、基本コンボ前提なんだよね。でもコンボが決まると意味のわからない即死打点が出たりするから相手の手札に何があるかって予想しながらやらないと痛い目を見るんだ。特にエルフプリンセスメイジが見えたらマジで気をつけた方がいい。そのカードどんなコンボにも組み込めるし俺はそいつが見えたらもういつでも死を覚悟するね。』
『へぇ、そんな感じなんだね。ところでさ』
『うん?』
『目の前にいるフォロワーは?』
『効果ダメージカットに破壊耐性付きのクソデカフォロワーだね。』
『そんなさらって言われても意味わからないんだけど!?おにーちゃんが言った通りのコンボ要素見当たらなかったんだけど!?』
『デッキのカードをほとんどニュートラルにして手札にニュートラルを抱え込むというコンボが必要だったんだ。いやー苦労したよ。』
『そんな棒読みで苦労したように聞こえるわけないよね?なんでそんなお手軽に強いフォロワー出せるのさ!?』
『恋ではなく、これは愛だからだよ。』
『理由になってなぁぁぁい!』
あの時使われたカードのインパクトにいつも意識を持っていかれがちだがあの時のアドバイスはちゃんと意味がある。次のターン私が相手を倒すか凌げるカードがなければ確実に負ける。なぜなら相手は0コストのフェアリーが3枚、つまるところ0PPで3回カードをプレイできるのだ。そうなった場合あのフォロワーがいれば負けなのだ。しかし今この状況でトドメをさせるカードが1枚もない。ならやることは1つ。
「私は双翼の警護者とスパルトイサージェントをプレイ!」
どうにか凌ぎきってみせるしかない!
「そして消えぬ怨恨をプレイ、ネクロマンス2で相手のフォロワーに6ダメージ!」
エルフプリンセスメイジ 4/2→4/0
「さらにスケルトン1体でフラワーフォックスを攻撃!」
フラワーフォックス 1/1→1/0
スケルトン 1/1→1/0
「双翼の警護者を進化させてフェアリーブリンガーを攻撃!」
双翼の警護者 5/4→5/3
フェアリーブリンガー 1/2→1/0
「最後にスケルトン1体でリーダーを攻撃してターンエンドだよ。」
ミモリ 14/20→13/20
少女 15/20 手札1 PP1/9 EP0/3 墓場7
スケルトン 双翼の警護者 スパルトイサージェント
「やばいじゃんね!ミモリピンチじゃん!」
「そうですね、この状況を打開するにはまず守護を突破しなければなりません。」
「ああ。それに仮にお互いのリソースを潰しあったあと、泥沼になった時に強いのはネクロ側だ。」
「え?どうしてだシレン。」
「ネクロ側にはゾンビドックっていう無限リソース札がいることは確認済みだ。てことは、フォロワーがいないってことはネクロ側にはないんだ。必ず作れる打点っていうのはとてつもない強みだ。」
「おいおい、大丈夫なのかよミモリは!」
「天宮ミモリの手札にフェアリーが半分を占めています。普通なら1/1のフォロワーは頼りにはなりませんが、エルフクラスならあるいは。」
「守護が2体も、それに双翼の警護者は確か」
「そう、ラストワードにネクロマンス4でランダムのフォロワーに2ダメージを与えるよ。スパルトイサージェントは体力が4もあるから破壊されにくいし、ラストワードで墓場の数を増やしてくれるからこのターン凌げれば次の一手に繋がる。私はまだ諦めないよ、おねーさん。」
「すごい、そんなことまで考えてるんだね。」
「ふふん!そうでしょ?でもおねーさんはどうするの?手札のうち4枚がフェアリーな訳だからそのカードたちだけでは突破はできない。ドロー含めて他3枚で逆転できるかなぁ?」
「…そうだね、この手札じゃ逆転は難しいかな。」
「へぇ、じゃ諦めるのかな?」
「ううん、最後までバトルする!だってあなたの名前、知りたくなっちゃったから!」
「!」
この状況を打破するカードはミモリにはない。相手にゾンビドックがいる以上手札が枯れたあとの戦いで勝ち目は無い。全てはこのドローに懸かっている!
「私のターン、ドロー!...このカードは!」
「どうしたのおねーさん?逆転のカードは引けたかな?」
「…うん、引けたよ。あとひとつ、壁を越えればあなたを倒せる!」
「わぁお、じゃあ見せてよおねーさん!あなたのキリフダを!」
「うん!行くよ、私はフェアリーを4枚場に出す!」
「フェアリーを4体も場に...?」
少女は困惑した。小出しでフェアリーを出すならまだわかるしかし、一気に出してしまっては場を圧迫してしまう。そうなってはトドメをさすのは難しいはずなのだ。
ただしそれは、あくまで少女が知ってるカードプールでの話だ
「ブリリアントフェアリーをプレイ!」
妖精と森の加護を、お願い!ブリリアントフェアリー!
泉のなかからフェアリーが成長した美しい姿をしハープを持ったフォロワーが現れる。
「ブリリアントフェアリーの能力で他のフォロワー1体に攻撃力と体力を1上げる。」
「ッ!」
ブリリアントフェアリーの持つハープの音でフェアリーが強化される。そして少女は今までの戦いで得た経験*3、それで感じ取ったもの。それは
(絶対疾走持つやつだよこれ)
フェアリー 1/1→2/2
「そして、このターン中にカードを2枚以上プレイしていたなら自分の全てのフェアリーの攻撃力が1上がる!さらに、カードを4枚以上プレイしたなら全てのフェアリーの攻撃力を1上げて、疾走を与える!」
「やっぱり!でもどうするの?それじゃあ守護を突破しても私を倒せない!」
そう、今この盤面では少女の体力は削りきれない。どうにかして守護を突破しなければならない上に仮に突破しても双翼の警護者のラストワードがフェアリーに飛んでしまえば打点がさらに減る。
「そうだね、だから私は賭けに出るよ!」
「ッ!」
「攻撃力が4のフェアリーでスパルトイサージェントを攻撃!」
スパルトイサージェント 1/4→1/0
フェアリー 4/2→4/1
「そして...行って!フェアリーで双翼の警護者を攻撃!」
双翼の警護者 5/3→5/0
フェアリー 3/1→3/0
「双翼の警護者のラストワード、相手のフォロワーにランダムに2ダメージ!」
このダメージによってはミモリに勝ち筋はなくなる、そして運命は
フェアリー 4/1→4/0
ミモリに味方した。
「ッ!よし!私はフェアリーでリーダーを攻撃!」
少女 14/20→11/20
「そして自然の導きをプレイ!自分の場フォロワー1体手札に戻してデッキからカードを1枚引く!」
「まさかそのドローに全てを!?」
「ううん!もう必要なカードは揃ってるよ!今戻したフェアリーをプレイ!そして、リノセウスをプレイ!」
「…そっか」
場に現れたのは小さ頼りなさそうなゴキブリ虫。しかし別の世界では長年プレイヤーに嫌われ続けた化け物なのだ。
「リノセウスの能力が発動!このカードはこのターンに自分がプレイした数だけ攻撃力が上がるよ!このターン中プレイしたカードの数は7枚、リノセウスの攻撃力は8になるよ!」
「リノセウスは疾走を持っているよ!行って!私のフェアリー!リノセウス!」
「あーあ」
あの人以外に負ける予定はなかったんだけどな
MIMORI WIN!
「はぁ、はぁ...私、勝った?」
うぉぉぉ!
凄かったぞ2人とも!
最高だったよ!
「へあぁ!えぇっと」
ミモリはバトル中気づいていなかったが、観客は2人のバトルに釘付けになっておりかなりの観戦者がいた。2人の白熱したバトルに観戦者も2人を称える声が飛び交っていた。
そんなことも露知らず慌てるミモリ、しかしよく見るとその観戦者の中には見覚えのある人達がいた。
「ミモリ〜!」
「凄かったじゃん!」
「いいプレイングだったぞ〜!」
「わぁ!ヒイロくん!カズキくん!シレンくん!あ、カイくんまで!」
「あ〜あ、負けちゃった。おねーさん強いね。」
「ううん!あなたこそ強かった。もう負けちゃうかもって何回も思った!」
「ふふ、そうだね。今日は楽しかったな〜。じゃあ私そろそろ行くね。」
「あ、あの!約束」
「おおっと、そうだった。じゃあまず私の名前から。おねーさん耳貸して?」
「うん」
「私の名前はね」
黒羽アリス、だよ?
「ふぇ!」
その名前を聞いた瞬間ミモリの背がピンとした。自分が聞き間違えいなければこの少女は、そして今まで自分が戦ってた相手は
「みんなにはナ、イ、シ、ョ ね?」
サングラスを下ろした姿、それは紛れまない黒羽アリスだった。
「う、嘘ぉ!?」
「もう1個の約束はもういいよね?」
「うん!うん!」
「それじゃあバイバーイ!あ、あとおねーさんの髪飾り私好き!すっごい似合ってるよ!」
そう言って少女...黒羽アリスはシャドバスタジアムから出ていった。
「すんげえバトルだったなミモリ!」
「もうダメだと思ったじゃんよ!」
「あのプレイヤー誰だったんでしょうね。」
ヒイロ一同がミモリを見つけたようでミモリに声をかけた。
「…また会えるかな」
「そういやミモリ、お前いつからリノセウス入れたんだ?俺とやった時は入ってなかっただろ。」
「シレンくんとやった時に貰ったアドバイスを参考にしたんだ。」
「え?そんなこと言ったっけ?」
「ええ!?したよ!覚えてないの!?ほら!あの時!」
『ブリリアントフェアリー...ね。初めて見るカードだわ。』
『ええ!?シレンくんも見たことないの?』
『
『実はそのカードを使ったデッキを作りたいんだけどだいたいどんなデッキかは決まったんだけどまだ何枚か入れるカードで悩んでて。』
『なるほど。じゃあまずエルフプリンセスメイジとリノセウス入ってる?』
『ううん、どっちも入ってないよ。』
『マジ?だとしたらエルフプリンセスメイジはマストで入れた方がいいわ。持ってないならどうにかして手に入れて。予めどうにか7点削ってれば後攻6ターンキルも夢じゃない。遅くとも8ターン目には倒せるでしょ。』
『へぇ〜。でもリノセウスはなんで?私あのカード使える自信ないよ。あと見た目も...』
この世界でのリノセウスの扱いは強いけど難しすぎるカードだ。リノセウスはエルフらしいコンボで勝つカード。それ故に求められる計算が多くこっちでは敬遠されがちなカードなのだ。
『まあこれはただのアドバイスだからまあ入れなくてもいいよ。ただこのカードさえあればさっき言ったどうにかして与える7点を簡単に与えられる。それに』
リノ算できたらそれはもう立派なシャドバプレイヤーさ
「わり、覚えてない。」
「ええ!?覚えてないの!?」
「いやだって多分あんまり考えずに言ったと思うし。」
「酷いよ!?」
「あ、そうだ!味噌ラーメン試作品1号!完成したんだ!」
「ミモリとカイも食ってみてくれよ!」
「進藤カズキが作った料理...美味しいんでしょうか?」
「まあまあ、俺も手伝ったしよ。」
「ヒイロさんが手伝ってくださったなら大丈夫ですね!」
「お前...」
「行こ行こ!私ちょうどお腹空いてたんだ!」
「これがなかなか美味いんだよ。」
「ミモリもいいアイデア出してくれたじゃん!」
「そうかな〜。」
「そういやミモリ。髪に着けてるやつ、新しいやつ?似合ってるな!」
「え?本当!えへへ!」
「悪い先行っててくんね、すぐ追いつく。」
「お?わかった。先行ってるぜシレン。」
「おう!また後でなシレン!」
「ああ...で?いつまで隠れて着いてきてるのさ。」
そう言うと、物陰から1人。
「あれ?バレてた?いっけなーい。」
「よく言うぜ...で?なんの用?」
「…おにーさんはさ、あの試合のどこがダメだったと思う?」
「いや、お前の手札を知らないから一概には言えないが、割と最適解に近かったと思うぞ。結果論に近いが進化権はスパルトイサージェントに切るべきだったかもしれんがな。」
そう、アリスがシレンに近づいたのは反省会をするため。いつもは1人でするが今回はシレンとは違う人とやったため。それを見ていたシレンにも意見を聞いていた。
「そっか〜。でもちょっとショックだな〜。最近シレンおにーちゃん以外に負けてなかったし。」
「マジ?だとしたらめっちゃ強くなってるじゃん。やるなぁ。」
「そう?じゃあおにーさんを超えるまであとちょっとかな?」
「ハッハッハ、面白い冗談だ。」
「んもぉ!冗談じゃないよ!必ず勝っちゃうんだから!」
「まあ待っといてやるよ。」
シレンに褒められた事がちょっと照れくさくて、でもそれ以上に嬉しかった。そしてまだまだ強くあろうと決めるのであった。
いかがだったでしょうか?
アリスが割とキャラ崩壊起こしている気がしますがご容赦ください。
ミモリはカズキもそうですがシレンっていう爆弾がいるなら自然と強くなると思うんですよね。なのでデッキ強化にみんな使うと思ってたけど結局出なかったリノセウスくん入れてもらいました。いちばんびっくりなのは確認した限りではエルフプリンセスメイジすら入ってなさそうなことなんですよね。