皆さ〜ん、お待たせしました〜!
全国大会予選を勝ち抜いた戦士たちが!今!まさに!入場ですよ〜!
Mr.シャドウバース!竜ヶ崎ヒイロ選手〜!
猪突猛進!進藤カズキ選手〜!
右も!左も!強者揃い!
死闘!激闘!大、決、戦!
燃える闘士が火花を散らします!
え!?グランドマスターまで参戦しちゃうんですか〜!?
兎にも角にも始まります!究極のプレイヤーによる究極の戦いです!
アルティメットコロシアム、開幕!(大嘘)
シャドバ全国大会、2日目
この日は前日行われた8000人の勝ち抜きバトルから勝ち抜いた16人による決勝トーナメントが開催される。そして現在に至るまで誰が勝ち抜いたか公表されていない。今、スタジアムはライトが消えており、中央に集めまれた選手一同の顔は見えない。それは選手も同様で、今ここで選手達は対戦相手の顔がわかる。
『それでは!ご紹介しましょう!』
照明が一斉に中央へ集まり、選手の顔ぶれが観客、そして選手に伝わる。
『どうですかこの顔ぶれ!過酷な予選を勝ち抜いてきた本物のシャドバプレイヤー達です!彼らがいったいどんなバトルを見せてくれるのか、ひっじょぉぉぉに楽しみです!』
(さて、あいつらは...カイはなんか精神統一してんな。お、カズキとミモリは勝ち上がって来たか。やるな。あとは...!)
「まあそうだよな。ヒイロ、ルシア。」
探してみれば知り合いは全員決勝トーナメント進出。有象無象も何人かいるがやはりプロプレイヤーも何人かいるようだ。
『それでは!ここで決勝トーナメントの対戦表を発表させていただきます!』
中央モニターに映しだされるトーナメント表。AグループとBグループに別れており、Aの勝ち残りとBの勝ち残りが決勝で戦う形となっている。俺シレンはBの最初、Aの第1試合はヒイロのようだ。
「さて、Bグループにいるのは...なるほど初っ端から身内争いか。」
Bグループは分かる範囲で言えばミモリとカズキ、さらにプロとルシアがいる割としんどいマッチングとなっている。Aグループはヒイロとカイがいるため他の人間の強さは分からないが2人が無難に勝ち抜けばどちらかが俺の敵になるだろう。
『それではここで小休憩を挟みまして、決勝トーナメントに進んでまいります!』
「なんか4人で決勝トーナメント出てるなんてさ、すっげえよな!」
「な!まさかここまで上がれるとは思ってなかったじゃんね!」
「私もそうだよ!えっへへ、ちょっと運が良かったかな。」
待機室でシレン、ヒイロ、カズキ、ミモリはこの決勝トーナメントまで上がってこれたことを喜び称えあっていた。
「いやいや、実力だって。」
「そうそう、それに2人ともランクで考えれば上の人間としかマッチングしない大会に出てるんだ。運とかデッキキャリーとかはあるのかもしれないけど、それも含めて実力だ。誇るといいぞ。私は強い奴らを倒してここに来たって。」
「…うん!そうだね!」
面食らった表情のミモリだが、直ぐに顔を引きしめた。そもそもデッキの強さ関係なく純粋なプレイングだけでしか勝てないならシレンはグランドマスターなんて立場にはいないのだ。
『あーテステス。ただいまから、決勝トーナメント第1試合を行います!選手の方は準備の方、お願いします!』
「確か第1試合って」
「ああ、俺だ!」
そうこうしているうちに司会から第1試合の開始の案内が放送された。第1試合はヒイロのバトルだ。もう待ちきれない様子が声や仕草からも溢れている。
「えっと、相手って誰だっけ?」
「いーしーあい、えー...とか何とか?」
「うーん、Ecila。エシラ?エクイラ?聞いたことない単語だな。」
そう話していると黒ずくめのフードとマントといかにも怪しい格好をした人が立ち上がり会場に向かっていった。呆けた反応をしたヒイロ達だが、すぐに気を取り直して気合いを入れる。
「まぁどんな相手でも全力でバトルするだけだぜ!」
「だな!行ってこいヒイロ!俺たち応援してるじゃんね!」
「いってら〜。」
「サンキュー!」
そう言ってヒイロはコートに向かっていった。そうしてる中、ミモリは1つ疑問を抱いていた。
(ヒイロくんの対戦相手のエシラって、逆さに読むと)
「Alice?」
「ん?どうした?」
「う、うーうん、な、なんでもない。」
(まさか、そんな訳ないよね。)
『お待たせしました!まずは第1試合、竜ヶ崎ヒイロ選手の登場です!』
司会の宣言で選手入場口の階段から降りてくるヒイロ。水に囲まれたスタジアム、入場口からタイルが順番に浮かんで来る。ヒイロは堂々と出来上がった道を歩いてスタジアムに立つ。
『そして対するは!
ヒイロに応援や歓声が飛び、それに対して手を振るヒイロ。司会から対戦相手の紹介をされるがいつまでたっても対戦相手は現れない。これには司会も困り顔で進行する。
『あれ?どうした事でしょう。エシラ選手ー?居ないんですかー?不戦敗になっちゃいますよー?』
その瞬間スタジアムが暗闇に包まれる。ライトの不調か観客もヒイロもどよめきが走る。
『会場の皆さん、落ち着いてください!何かのトラブルでしょうか!?』
スタジアムが静寂に包まれた時ライトの光が選手に当たる。先程までいなかったエシラだ。全身黒のマントとフードで隠された姿に観客に今本当の姿が晒される。
「みんな〜!アリスだよ〜!」
姿が晒されると同時に煌びやかになるステージ。現れたのは人気アイドル、黒羽アリスその人であった。
『な、なななななななんと!ヒイロ選手の対戦相手は、あの人気アイドル!黒羽アリスちゃんでした!』
「やっほ〜!」
『アリスちゃ〜ん!』
『か〜わいい〜!』
『アーリース!!!』
沸き上がる声援、早着替えで法被に着替える応援団。そしてそれに応えるアリス。スタジアムは瞬時にアリスに魅了される。そしてヒイロは突如として出てきた人間の正体に、そして一瞬で塗り替えられた空気に戸惑うばかりだ。
「うえぇ!あれって黒羽アリスちゃんじゃん!マジかよ!」
「おぉ、有名人もこういうの出るもんなんだな。」
「まさかとは思ってたけど、本当にアリスちゃんだったんだ。」
待機室では推しのアイドルが出てきたことに驚いてガラスに張り付くカズキ。有名人が大会に参加していることに驚いてるシレン。そして驚いてはいるもののミモリはアリスの参加を薄々感じ取っていたため納得が先に来ていた。
「ミ、ミモリは気づいてたのか?」
「う、うん!もしかしたらって。」
『ちなみに、この決勝トーナメントは全世界のお茶の間に向けて生配信されております。見逃せないバトルが続出すること間違いなし!SNSなどでみんなにも教えてあげてくださいね!』
一通りファンサービスを終えたアリスはヒイロに向き直る
「よろしくね、おにーちゃん!」
「お、お兄ちゃん!?」
「アリスのファンは、みーんなアリスのおにーちゃんや、おねーちゃんなの!」
そうだよね!みんなー!
アリスが観客に問いかけると再び歓声があがる。会場は完全にアリスが中心となっている。
「でも俺は別に君のファンじゃないけど...」
その言葉を聞いた後、アリスは不敵な笑みを浮かべスマホを取り出す。
「アリスのステージを見たら、絶対アリスのおにーちゃんになっちゃうもん!」
「えぇ!〜ッよろしくなアリス。いいバトルにしようぜ!」
「そうだね、おにーちゃん」
「「バトル!シャドウバース!」」
「そんじゃ俺のターンだ!まずはジュエルドラゴン!そんでターン終了。」
ヒイロ20/20 手札3 PP0/1
ジュエルドラゴン
「それじゃあアリスのターンだね!ドロー!うーん、何にもできないからこれでターンエンド、おにーちゃんのターンだよ?」
アリス 20/20 手札5 PP1/1
「おう!俺のターンドロー!手札からムシュフシュをプレイ!それから、ジュエルドラゴンでリーダーを攻撃!」
「キャッ!」
アリス 20/20→19/20
「これでターン終了。」
ジュエルドラゴンのビームを受けた衝撃でアリスは尻もちを着いてしまう。ヒイロがターンエンドの宣言をすると同時に観客からの凄まじいブーイングが飛び交う。
「やめろよ!アリスちゃんが可哀想だろ!」
「そうだそうだ!」
「え、えぇ!?」
「ファンのみんな、ありがとう!でも!おにーちゃんをいじめちゃダメだよ!アリス同じぐらい対戦相手を応援しないと。」
しかしそんなヒイロに対する批判の声を叱るアリス。対戦相手への批判はアイドル的にもプレイヤーとしてもNGだ。
「ごめんよ〜アリスちゃ〜ん!」
「アリスちゃん頑張って〜!」
「うん!みんなで私たちを応援してね〜!」
「あーあ、ヒイロやりにくそ〜。」
「うん、完全にアリスちゃんの空気って感じがするね。」
待機室で観戦中のシレンとミモリは完全にアリスムードになった会場を見て苦悶の表情。
「アリスは観衆を味方につけてヒイロはアウェイの空気に飲まれて完全に集中できてないな。プレイが濁らなきゃいいんだけど。」
ヒイロ 20/20 手札3 PP0/2
ジュエルドラゴン ムシュフシュ
「いっくよ~!ゾンビドック!ふふっかわいい~、ターンエンドだよ。」
アリス 19/20 手札5 PP0/2
ゾンビドック
「ドロー!ルフ鳥プレイして、ジュエルドラゴンでゾンビドックを攻撃!」
ゾンビドック 2/1→2/0
ジュエルドラゴン 1/1→1/0
「あぁ!そんなぁ!」
ゾンビドックとジュエルドラゴンが頭突きにより相打ちとなる。出来ればムシュフシュと相打ちにしたかったアリスとしてはリーダーを攻撃して欲しかったが叶わぬ願いだった。
『おおっとヒイロ選手!情け容赦なく、アリスちゃんのフォロワーを破壊するぅ!』
「ひっどーい!こんなに可愛いのに~!」
「し、しょうがないだろ!バトルなんだから!ムシュフシュでも攻撃!」
「きゃあ!」
アリス 19/20→17/20
「いった~い!」
「た、ターン終了...」
ヒイロ 20/20 手札3 PP0/3
ムシュフシュ ルフ鳥
「アリス悲しいなぁ、でも頑張る!ミニゴブちゃん、いってみよ~!」
ミニゴブリンメイジの魔法でカードを手札に加えるアリス*1。こちらの世界では最初から2コスト以下のカードをサーチする女である。
「もう、おにーちゃん少しは手加減してよね!ターンエンド。」
アリス 17/20 手札7 PP0/3
ミニゴブリンメイジ
「て、手加減って「そうだそうだ!」え」
「アリスちゃんはアイドルなんだぞー!」
「はぁ...俺のターン、ドロー!」
(確かにアイドルだし、小さい女の子だもんな~、くっそーやりにくいぜ。)
そう考えながらも手札を確認するヒイロ
(ドラゴンウォーリアでもいいけど、先攻だとまだ進化使えないしもったいないよな。だったらここは)
「アイラ、よろしくな!」
『出ましたドラゴンナイト・アイラです!破壊された時に
「ムシュフシュ、ルフ鳥!リーダーに攻撃だ!」
「きゃあ!!」
アリス 17/20→11/20
ルフ鳥の攻撃時+2/0の効果で6点の攻撃をもらうアリス。ヴァンパイアなら復讐が見える体力まで削られてしまう。
『ヒイロ選手!アリスちゃんの場のミニゴブリンメイジを無視して直接攻撃の連打!アリスちゃんピンチかぁ!?』
「アリスちゃん負けないで!」
「大人気ないぞ!卑怯だぞ!」
「え、いや、普通にバトルしてるだけなんだけど...」
「ほ、本当にアウェイって感じだね...」
「アイドルだもんな~。」
「だとしてもあれは良くないでしょ、実況すらアリス側なの。」
控え室ではヒイロが観客から批難の声を受けている状況に哀れみの目を向けていた。ミモリとカズキに関しては自分じゃなくて良かったとすら思っている。
「けどさ、勝ってるじゃんヒイロ!場にフォロワー並んでるし。」
「果たしてそうでしょうか」
「うふぉわ!い、いつの間に」
「お、カイじゃん。おつかれー。」
「お疲れ様です、シレンさん。」
3人が会話している中いつの間に近くにいたカイが話に入ってくる。
「シレンさん、この盤面どう見ますか?」
「うーん、まあ実際ヒイロ有利で見ていいと思うよ。この環境で普通にデッキ組んだら回復出来るデッキなんてビショップくらいだし。ここで削れたダメージはちゃんと後半になったら輝く。でも」
「そうですね、ですがこのまま押し切れる程ネクロマンサークラスは弱くありませんよ。」
ヒイロ 20/20 手札3 PP1/4
ムシュフシュ ルフ鳥 ドラゴンナイト・アイラ
「アリスのターン、ドロー!」
再び場面は試合に移り、アリスのターン。
「会場のおにーちゃん、おねーちゃんたち~。アリス頑張るからみ~ててね~!」
『ウォォォォ!!!』
アリスの掛け声から湧き上がる歓声。現在後攻4ターン目、進化が可能となりここから試合は大きく動く。
「おいで!悪戯なネクロマンサー!可愛くいくよ!進化!」
悪戯なネクロマンサーが進化した時、場が2体から4体に増える。
「一気にフォロワーが増えた!?」
「この子は進化した時にゴーストを2体場に出すの。しかもゴーストには疾走も付いてるんだよ。だ・か・ら、みんなでやっちゃえ~!」
ドラゴンナイト・アイラ 2/2→2/0
悪戯なネクロマンサー(進化) 5/4→5/2
ゴースト 1/1→1/0(消滅)
ゴースト 1/1→1/0(消滅)
ルフ鳥 2/2→2/0
ミニゴブリンメイジ 2/2→2/0
ムシュフシュ 4/2→4/0
『きょ、強烈な攻撃ィィィ!』
あれだけ優勢だったヒイロの盤面が進化権で全てひっくり返ってしまう。これにはヒイロも焦りを隠せずにいた。
「アハッやったー!これでターンエンドだよ、大・逆・転☆だよね?」
(本当はアイラを破壊しない選択肢を用意したかったけどもう体力ないし、背に腹はかえられないよね。)
『アリスちゃーん!すごいぞー!』
「すげぇ、逆転された。しかも手札が全然減ってない!」
ヒイロは逆転されたこともそうだが、何より今の盤面をひっくり返っしたと同時にお互いの手札の枚数を見比べて驚く。そう、アリスの手札はほとんど減っていない。
ヒイロは1ターン目から順当にフォロワーを出せており、アリスはその対応をするためにフォロワーを出して対応をしていた。そして実際そのおかげでアリスの体力を4ターン目までに9も削れていた。
しかしアリスは破壊された時手札に戻るゾンビドック、ファンファーレで2コスト以下のカードを手札に加えるミニゴブリンメイジにより手札が全く減らずに動けている。この手札の差による択の差はいかにイグニスドラゴンがあれどじわじわと自分を蝕んでいく。
(もしかしてあの子は最初からこの状況を狙ってたんだ!)
「ッヘヘ」
「どうしたの?もしかしてアリスのファンになっちゃった?」
「いいや、俺って馬鹿だなって。」
「え?」
「アイドルだからとか、小さい女の子だからとかいろいろ考えてさ。」
「アリス!お前強えよ、めちゃくちゃ強え!だからもう、俺は全力を出すだけだ!」
その言葉を聞いたアリスは驚いたあと、不敵な笑みを浮かべる。
「…ふーん」
「アリス、バトルはまだまだここからだ!」
すみませんでした(土下座)
アリスのアイドルエミュが本当に難しくて筆が動かずエクバと最近でた星の翼に逃げてました。
気づいたらシャドバも新作出ましたね。この作品的には新作カードは基本でませんがそれはそれとしてシャドウバースFになるのはいつになることやら。
vsアリス戦の後半戦は出来次第すぐ投稿しますのでゆっくりお待ちください