数学科にやってきた彼女が金髪だった件 作:ゆゆゆSS制作委員会!!
俺は本田一樹(かずき)21歳。四国屈指の名門大、讃州大学に通う大学3年生だ。数学科に所属しており成績は常にトップだった。
対人関係は苦手ではなく友達もいたが、最近は自分の人生に「つまらなさ」を感じていた。
何も考えずに大学に行き、与えられた課題をこなし、夜はバイトに明け暮れる。
そんな毎日が本当に退屈だった。
新年度が始まって数週間、俺はいつも通り最前列で数学の講義を受けていた。
無心で黒板の板書を書き写している最中、
隣の席に見慣れない女子が座っていることに気づく。
一目見た瞬間に心が跳ね上がるのを感じた。
美しい金髪に綺麗な瞳、まるでどこかの国の王女様を見ているように美人な女の子だった。
数学科の女子率は他に比べて圧倒的に低い。比率で言うと男子9に対し女子1といった所か。そのこともあり、少しテンションが上がりかけたが自制した。
ただ、その金髪の女子は少し変わっていた。というか、かなり変わっていた。
数学の定理を一つ見るたびに目をキラキラさせながら、その定理をノートに書き写していた。
数学科にもそんな数学オタクは基本的にいない。それが女子となれば尚更のことだ。
気にしても仕方がないので、今は授業に集中することにした。
1コマ90分の授業が終わり、その子は立ち上がろうとした。
俺は全力で思考を巡らせる。
「(初対面の女子にいきなり話しかけてもいいのか?でも、この機会を逃すと二度と会えないかもしれない…)」
気がつくと俺はその子に話しかけていた。
「な、なあ。」
するとその子は笑顔で振り向いた。
「どうしたの?」
「な、名前は?」
心臓がバクバクする。恋愛経験がないわけでは無いが、それなりにトラウマも抱えているので、かなり女性に対しては奥手になっていると自覚している。
「乃木園子だよ〜、君の名前は〜?」
「本田一樹です!」
「一樹くんか〜、かずくんって呼んでもいい?」
いきなりのあだ名呼びに戸惑うも、断る理由もないのでOKした。
「私、今日からこの大学の数学科に編入したんだ〜。20歳までは大赦で働きながら、独学で数学やってたんよ〜。」
「大赦って、最重要機関じゃないか!すごいんだな、乃木さんは。しかも独学でここまでの数学をマスターしたなんて…」
「いや〜、それほどでも〜」
乃木さんが少し照れながら答える。
大赦がこの四国地方を取り仕切っている機関であることは周知の事実だ。廃れた四国地方を数年前から復興しようと尽力してくれている。感謝しなければならない。
「じゃあ、また明日からよろしく!」
明日から乃木さんに会える保証もできたところで、今日はお別れすることにした。
「ねえねえ!」
乃木さんに呼び止められる。
「ん?どうしたの?」
「レリッヒコンドラショフの定理についてどう思う〜?」
「……」