数学科にやってきた彼女が金髪だった件 作:ゆゆゆSS制作委員会!!
恋とはやっかいなものだ。一度陥ってしまうと、それしか考えられなくなる。
帰宅してからいつも通り大学の課題に取り掛かるが、ペンが進まない。
今日出会った金髪の女性、乃木さんのことを考えてしまう。
「乃木さん、可愛かったな…」
今日はもう頭が働きそうにないので、寝ることにした。
(翌日)
俺はいつも一番に教室に着くので、電気を付ける役になるのだが、今日はすでに電気が付いていた。
「誰だ…?」
教室に入ると、最前列の席に乃木さんが座っていた。一瞬どの席に座ろうか悩むが、覚悟を決めて乃木さんの隣の席に座る。
「おはよう!」
普段よりも少し明るめの声で挨拶するが、
返事が来ない。乃木さんは目を閉じてぐっすりと眠っていた。
ちらっと寝顔を見ると、強烈に可愛かったが、何か罪悪感を感じたので見ないようにした。
「もう一度だけ…」
何だこの可愛い生き物は。
そうこうしているうちに、他の学生たちも
教室に入ってき、授業が始まった。
いつの間にか乃木さんも目を覚ましていた。
「おはよ〜、かずくん。」
眠たそうな目を擦りながら乃木さんは板書を取り出した。
俺も気合いをいれて黒板に向かった。
(授業後)
授業が終わると、俺は乃木さんに声をかけた。
「乃木さん、お昼ごはんはどうするの?」
乃木さんは左手の腕時計を見ると、
「うーん、もうすぐシェフが持ってきてくれるから、取りに行くよー。
教室で食べようかなー?」
ん…シェフ?
「乃木さんの家、シェフいるの!?」
正直、今どきシェフがいるレベルのお金持ちなんて聞いたことがない。
「うん、3人いるんよ〜。和食、洋食に中華専門料理人だよー。」
「(本物のお金持ちだ…)」
俺とは住んでいる世界が違う気がした。
「あ、今連絡がきたよ〜。大学に着いたから取りに来いって。行こっ、かずくん!」
「え!俺も行くの?」
誘われて悪い気はしないが、使用人たちに会ったらどうしよう…
と、考えている内に俺は彼女に手を引かれて走っていた。
無邪気な女子の、このような行動には気をつけなければならない。
これは誰にでもやっていることだ。
勘違いして急に告白でもしようものなら、間違いなく撃沈する。
大学の正門前に着くと
「いつもありがと〜!セバスチャンの洋食は絶品だよ〜」
セバスチャン!?
セバスチャンはこっちを向くと軽く会釈をしたので、俺も大きく頭を下げた。
「じゃあ教室で食べよっか〜」
俺たちは元いた教室に戻った。
乃木さんの弁当を見ると、それはそれは豪華なものだった。
ハンバーグからは今にも肉汁が溢れ出しそうなほどだ。
俺は通学途中のコンビニで買った焼きそばパンの封を開けた。
「かずくんの焼きそばパンも美味しそうだね〜、私焼きそば好きなんよ〜」
「一口食べる?」
「いいの〜?じゃあ、私のエビフライあげるよ〜」
俺は言ってからひどく後悔した。どうやって焼きそばパンをあげたらいいんだ?
手でちぎったのを渡すのは申し訳ないし、
直接なんてもちろん…
思考がぐるぐる回る。
そう考えていると、乃木さんがこっちを向いて、
「あーん」
口を開けてきた。