独り身で寒い夜を過ごしている男が故郷で飼ってた犬を思い出してペットを飼おうとするけど、何かの間違いで獣耳幼女奴隷を飼うことになったお話   作:語部創太

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 彼女もいないどころか前後で10連勤しそうなクリスマスです。

 ( ゚Д゚)<クソが!


 お布団の中で添い寝してくれる彼女が欲しい人生だった。


1. ペットを飼いたい

 その日は、一段と冷え込んだ雪の降る日だった。

 

『すまんマット。オレたち結婚して故郷に帰ることにしたんだ』

 

『お腹の中に子どもがいてね。もう3ヶ月なんだって』

 

 5年間パーティーを組んでいた剣士の男性と魔法使いの女性。その2人から大事な話があると呼び出されて酒場へ出向けば、待っていたのはパーティー解散だった。

 

 全然気付かなかった、と言えば嘘になる。

 だってコイツらわざわざ2人1部屋で泊まるし。

祭りでは2人で指を絡ませながら楽しそうに屋台巡りしてるし。

遠征中に野宿した時なんか、俺が見張りの為に外で寒さに耐えているとテントの中からギシアンギシアンパンパンと物音が──

 

 思い出すのはやめよう。なんか虚しくなってきた。

 そんなわけで、俺はいきなり3人パーティーからソロへと環境を変えざるを得なくなった。

 必然的に、以前よりもモンスター討伐の効率が落ちる。ダンジョンや遠征任務に費やす時間は増えたし、危険性も増えた。

 

 冒険者という仕事柄、常に命の危険とは隣り合わせ。それは分かっている。分かってはいるんだ。

 それでも、クタクタに疲れた夕方に、寝床として貸し切っている宿屋の一室に帰ってくると、誰もいない冷え切った室内を見て、毎回こう思うんだ。

 

 

 

 「ああ、寂しいな」って。

 

 

 

 

 

 そうだ。ペットを飼おう。

 

 思えば、故郷では犬を飼っていた。祖父が知り合いから譲り受けてきた銀色の毛並みが美しい猟犬だ。子どもが産まれすぎてしまい、その中の1匹をもらってきたらしい。

 

 幼い俺は初めてのペットに大喜びで、その美しい毛並みを讃えるべく、古代語で銀を意味する『シルヴァ』と名付けた。

 

 ……シルヴァの性別がメスだと気付いたのが名付けた後だったのは、ちょっとしたご愛敬だ。メスだと分かっていたら、もっと可愛らしい名前を付けたのに。

 まあシルヴァも気に入ったようで、名前を呼ぶ度に尻尾を千切れんばかりに振っていたからヨシとしよう。

 

 冬の寒い日には一緒の布団で肌を寄せ会い眠っていた、愛犬シルヴァ。彼女は祖父が亡くなった次の年、一段と冷え込む雪の日に亡くなった。

 今思えば、アレが故郷を離れるきっかけになったのだろう。産まれて間もない頃に両親を亡くし、唯一の肉親と相棒の愛犬もいなくなった土地に残るには、あまりに愛着がある悲しい思い出が多すぎたんだ。

 

 旅の果てに落ち着いたこの町で冒険者稼業に勤しむこと5年。収入も安定してきたし貯蓄もある程度ならある。ペット1匹飼うくらいなら何てことないだろう。なんなら冒険のお供に育ててもいいかもしれない。

 

 よし! そうと決まればペットショップへGOだ! この寂しい独り身を癒してくれる可愛らしいペットを探しに行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ちしておりました。奴隷商店『バーバラ』へようこそ」

 

 

 

 …………あれぇ???

 




※ 豆知識

1.「バーバラ」の意味

 ギリシャ語 barbaros「ギリシャ人でない」「外国人の」に由来。
 barbaros は barbarian「野蛮人」の語源でもある(さらに怪しい人名辞典より)。



 本作では「人族でない(亜人など)」奴隷を取り扱うって意味合いで店名にしました。

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