独り身で寒い夜を過ごしている男が故郷で飼ってた犬を思い出してペットを飼おうとするけど、何かの間違いで獣耳幼女奴隷を飼うことになったお話   作:語部創太

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 クリスマスもお仕事な作者です。

 ( ゚Д゚)<チクショウめ!

 なんなら始発で出ないと間に合わないっていう(´・ω・`)寒いよー


2. 生き返りたい

 その日は、一段と冷え込んだ雪の降る日でした。

 

「……シルヴァ」

 

 最近では立ち上がることはおろか、身体を起こすことすら億劫になってしまいました。それでも、愛しい主人の声に応えようと、なけなしの力を振り絞り吠え声で返事をします。

 

「……シルヴァ」

 

 近寄ってきたご主人様は、私のすぐ傍に座ると、頭から背中にかけてゆっくり優しく撫でてくれます。

 愛しいご主人様の大好きなナデナデはとても心地好くて、そのまま眠ってしまいそうです。

 

「……シルヴァ」

 

 何度も、何度も。耳元で囁くように私の名前を呼んでくれるご主人様。それに応えようにも、吠えることすら満足に出来なくなってしまった私は尻尾を振ることでしか返事できません。

 

「……お前は、自慢の愛犬だ」

 

 何ですかご主人様。急に誉めてくれるなんて嬉しいじゃないですか。もっと褒めてください。シルヴァは、ご主人様からのナデナデとヨシヨシが大好きなんです。

 

「……メスでありながら、雪山を駆け周り村を脅かすモンスターを退治し続けた。お前は誇らしい猟犬だ」

 

 そうでしょう、そうでしょう。お祖父様と共に、お祖父様が寝たきりになってからはご主人様と一緒に、何度も何度も。吹雪の日でも雹が降る日でもモンスターを退治し続けた私は、そこらのオスにも負けない立派な猟犬ですとも。

 

「……雪山で足を滑らせて崖から落ちた俺を助けに来てくれたお前は、世界で1番の忠犬だ」

 

 あの時は本当にビックリしたんですよ? まだ小さかったご主人様がこっそり雪山に入って遭難してしまったんですから。崖にはいっぱいモンスターがいて、まだ猟犬として数回しか戦ったことのない私はとても怖かったんですから。血だらけのご主人様と私を見て卒倒しかけたお祖父様にちゃんと謝りましたか?

 

「……愛してる。シルヴァ、俺と共に生きてくれたお前を、何よりも愛してる」

 

 その言葉、もう少し早く聞きたかったですねぇ。こんなヨボヨボのおばあちゃんになってから愛を囁かれても困っちゃいます。

 小さい頃から布団に潜り込んだり、身体を擦り付けて匂いをマーキングしたり、発情期には腰を振ってみたり。

 あれやこれやと色んな手段で誘惑したのに、全然靡いてくれないんですから。さすがのシルヴァも、ちょっと悲しくなりましたよ? そんな意地悪なご主人様、シルヴァは大嫌いです。

 

 ……ふふ、嘘です。私も、お慕いしていますよ。ご主人様。

 

「……ありがとう。シルヴァ、ありがとう」

 

 お礼を言うのは私の方です。ご主人様と一緒に生きたこの10年、すごく楽しかったんですよ。ご主人様だって、そうでしょう?

 ……だから、そんな泣かないでください。ご主人様。

 

「俺は大丈夫。1人でも、大丈夫だから」

 

 大丈夫な人はそんなに泣かないんですよ。ほら、笑ってください。ご主人様のニカッて笑い顔、大好きなんですから。

 

「だから、先に行って待っててくれ。すぐではないけど、俺もいつかそっちに行くから」

 

 私をどこに行かせようっていうんですか。お祖父様からご主人様のこと、頼まれてるんですよ? 一人ぼっちになんてするわけ、ないじゃないですか。

 

「だから、おやすみ。シルヴァ、どうか安らかに」

 

 そう言って、涙を流しながら寂しそうに笑うご主人様の顔を見ながら。

 

 私は、眠気に勝てず目を閉じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……

 …………

 ………………

 ……………………

 …………………………いや、逝けるわけないでしょう。

 

 まったく、ご主人様は私のことをなんだと思ってるんでしょう。

 この忠犬シルヴァ、受けた恩を忘れるような薄情ではありませんよ?

 

 さあ神さま。早く私を元の世界に戻してください。愛しいご主人様が待ってるんです。

 ……は? 輪廻? 解脱? 難しい言葉を使わないでくれますか。犬畜生に哲学が理解できるとでも? 徳を積んだとか知らないんですよ。そんなのどうだっていいんです。ご主人様に会えればそれでいいんですよ。

 

 解脱するとご主人様に会えない? じゃあ嫌ですよ。私はご主人様に身も心も捧げると決めたんですから。いいからさっさと元の世界に私を戻してくまさいますか?

 

 ……記憶がなくなる? ええ、構いませんとも。私とご主人様がそんなちっぽけな繋がりであるはずがないでしょう。私たちは魂の根幹から繋がり合っているんですよ。

 

 楽しい日々の記憶をなくそうが、どんな姿に変わろうが、きっとご主人様は私を見つけてくれるし、私はご主人様に全てを捧げる。

 そう、これが『愛』の力ってやつです。

 

 分かったら早く転生させてください。こうしている間にもご主人様が泣いてしまっているかもしれないんです。私が傍で支えてあげないと駄目なんです。

 

 転生特典? 徳を積んだご褒美? まあくれるって言うならもらっといてあげましょう。

 ……何でも1つ願いを聞いてくれる、ですか。聞くだけ聞いて叶えないなんてことは……ない? ならいいんです。

 

 ……そうですね。では、前世の心残りを1つ。

 私をご主人様の子供を産める身体に──出来るならば、ご主人様のストライクゾーンど真ん中の容姿に、してくれると嬉しいです。

 

 …………ありがとうございます。

 ええ、分かっていますとも。生まれ変わったとして、この広い世界で私とご主人様が出会う確率は、広大な砂浜からたった1粒の砂を探し当てることに等しいことくらい。

 

 でもね、神さま。特に根拠も理屈もないんですけどね。私は確信しているんですよ。

 きっと、私とご主人様はまた出会って、また主従関係を結ぶんだろうってね。

 だから大丈夫です。神さまが嫉妬するくらいのイチャラブを、ご主人様と満喫してやりますよ。

 

 ……はい。我が儘を聞き届けてくださり、ありがとうございます。

 それでは、いってきます。今度は10年やそこらでは戻ってきませんから、覚悟しておいてくださいね。

 




※ 豆知識

2.シルヴァちゃんの犬種ってなーに?

 ちなみにシルヴァちゃん、犬ではなく狼だったって設定です。
 まあ、それが作中にどう影響するかは分からないんですけどね。

R18シーンも書いていいですか?

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