独り身で寒い夜を過ごしている男が故郷で飼ってた犬を思い出してペットを飼おうとするけど、何かの間違いで獣耳幼女奴隷を飼うことになったお話   作:語部創太

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 今日が……!
 今日が終われば……!!
 年末……!!!
 そう、お休み……!!!!
 至福の6連休……!!!!!

 頑張るぞぉ!!!!!!(゚∀゚)


 日曜日にも仕事あったわ(血涙)


5. 奴隷商人ゴビーの誤算

 どうしてこうなった。ゴビーは思わず天を仰いだ。

 

 冒険者マットを見かけたのは僥倖だった。町でも指折りの実力を持つ冒険者は、普段ギルドに寄せられた依頼を達成するために東奔西走している。

 休養日にも朝早くからの鍛練を欠かさず、町に出ても武具屋か日用雑貨店くらいにしか行かない。

 そんな彼が、珍しく繁華街からも離れたこの通りを歩いていた。

 

 この近くに店を構えており、今日も朝の散歩がてら自宅から店へ向かっていたゴビーは、躊躇いなくマットに声をかけた。

 好機と見れば躊躇いなく行動に移す。ゴビーが豪商にまで登り詰めた秘訣の1つである。

 

 その直感は大当たり、マットは愛玩用の奴隷が欲しいと言ってきた。ベッドも共にするとは、なるほど英雄も溜まりに溜まっているらしい。

 女を買ったといった噂も聞かない。なかなか奥手なのだろう。そういったムッツリな者ほど性奴隷に手を出すものだ。

 

 ここで自分が最高の奴隷を見繕ってやれば、町でも指折りの冒険者から信用を得ることが出来る。毎回、商隊の護衛依頼を受けてくれるかもしれない。マットほどの実力者であればどんの盗賊も怖くない。

 何より冒険者ギルドとの太いパイプを作る足掛かりになるかもしれない。ゴビーは打算を働かせ、マットを奴隷商店へ案内することに決めた。

 

 マットの希望はベッドを共にする──つまり性奴隷、それも犬耳族。加えて見た目は幼い方が好みときた。

 まさか筋肉で全身武装したような男がケモミミ好きのロリコンだったとは。ゴビーは内心、意外に思った。

 はてさて、要望に当てはまる奴隷は……。

 

(アレは……さすがにない、か)

 

 いま処分中の薄汚い奴隷を思い浮かべるが、すぐに意識の外へ押しやった。

 偶然にもマットの要望に一致してはいたものの、あんな不良品を押し付けてみろ。マットの機嫌を損ねてはせっかくの好機を逃してしまう。

 

 それにしてもしぶとい奴だ。他の奴隷は1週間も前に全員処分し終わったというのに。農村の口減らしで差し出された赤ん坊が何をそこまで必死に生きようとしているのか。

 

 いっそのこと高級奴隷として教育し直しても言いかもしれない。本来は血統がハッキリしているモノしか教育していないのだが、あれだけの精神力を持っているなら高級奴隷から格落ちさせて少し安く売ればすぐに買い手は見つかるだろう。

 

 奴隷を薬漬けにして壊すことが好きな貴族にでも売り付ければ良いだろう。せっかく教育した高級奴隷が数日で壊されていくのはもう勘弁してほしい。

 

 マットの買い物が済んだらすぐにでも教育係に言い付けよう。そう考えながらゴビーは檻の中で動かなくなった最後の一般奴隷を一瞥する。

 

 そう。だから、これはほんの冗談だったのだ。

 

「ほら、例えばこの娘なんかどうです? まあここにいるのは安価な奴隷なので、お気に召さないとは思いますが――」

 

 あえて状態の悪いモノを先に見せることで、本命を見せた時により良い商品に見えるようにする、いつも他の客にもしている冗談だったのだ。

 

「買います」

 

 だからこそ、マットの口から出た言葉は予想外も良いところだった。

 

「ですよね。ここからしばらく奥に行けば高級奴隷たちが待っておりますので、今しばらく…………はい?」

 

 まさか誰が思う?

 

「この子を買います」

 

 冗談を真に受ける奴がいるなんて、誰が思うのだ……!?

 

「しょ、正気ですか!? こんな薄汚れた亜人を!?」

 

「この子を、買います」

 

「まだ教育が済んでいないんです! 奥に行けば教育の行き届いた奴隷を取り揃えておりますから!!」

 

「この子が良いんです」

 

 譲らない。なんと言っても譲らない。頑固が服を着て歩いているような目の前の男を見て、ゴビーは舌打ちをする。

 

 たしかにコイツを処分しようとは思っていた。元々は買い手がいなかった不良品。引き取ってくれるなら二束三文で売り払ってもいい。

 ただ、冒険者ギルドとコネを作るため確実にマットの気に入る奴隷を売らなければならないのだ。教育不十分の一般奴隷なんぞ売ってみろ。どんなことを仕出かすか分かったものではない。下手すれば返品、マットの怒りを買えば打算と思惑はパーになる。

 

 仕方ない。ここは桁外れの金額を提示して諦めてもらうとしよう。ゴビーは高級奴隷の最上級、その10倍の値段を提示することにした。

 

「……それでは、白金貨10枚になります」

 

「はい、ここに」

 

 ポンと投げ渡された布袋を開けば、中には白金貨10枚。

 

 なんで持ってんだよコイツ……!?

 

 ゴビーは気を失いそうになった。貴族連中ですらこんな大金を持ってきたことはないぞ!?

 

 実際、それはマットがこれまでの人生で汗水垂らして働き得た全財産だった。

 この男、たかだかペット1匹買うためだけに自らの貯蓄を全て下ろしていたのだ。

 

 ゴビーは諦めることにした。こんな大金をポンと出せるほどベタ惚れなら、少々の粗相は大目に見てもらえるだろう。希望的観測にしがみつくしかなかった。

 

 そもそも、こんなゴミ同然の奴隷で白金貨10枚はマットと冒険者ギルドとのコネを捨ててもお釣りが来る。

 損得勘定で生きてきたゴビーは、やや不満に思いつつもマットの意思を尊重することにした。

 

「……では、たしかに」

 

「鍵を」

 

 牢の鍵を渡すと、マットは躊躇うことなく檻の中に入っていった。そしてボロ雑巾のようになった奴隷を撫で始めたではないか。

 冒険者に綺麗汚いを感じる心はないのか。ゴビーはゲンナリした。

 

 だが、次の瞬間マットはさらに汚れることとなる。

 あろうことか、奴隷がマットに抱き着いたのだ。当然、マットの着ていた服は汚れる。

 加えて奴隷は、声を漏らすように泣き出した。この奴隷が声を発したところを見たことがないゴビーは驚きに目を見張った。

 

 奴隷が主人にすがり泣き疲れ寝てしまうなどあってはならないことだが、マットはそのすべてを許容しているように笑みを浮かべていた。

 マットが寝てしまった奴隷を両腕に抱えて檻から出てくる。その胸元は、奴隷のものと思われる涙と鼻水でベットリと汚れていた。

 

「も、申し訳ありません!? せっかくのお召し物が!」

 

 初っ端からとんだ粗相をしてくれた! 大慌てで頭を下げるも「いや、大丈夫です」とニコヤカに言ってくれるマットにホッとして顔をあげれば、マットは優しく微笑んでいて――

 

 

 

 その目が、底冷えするように光っていた。

 

 

 

「ひ、ひぃ!? 今すぐ替えの服を持ってこさせますぅ!!」

 

「いや、そういうのはいいので、さっさと上に行きましょう」

 

「は、はい! すぐにでも従属契約を済ませてしまいましょう!!」

 

 冒険者──それも超一流──の殺気を喰らった哀れな商人は、転がるようにして地上への階段を駆け上がったのだった。

 




※ 豆知識

5.店主「ゴビー」の名前の由来

 小太りって見た目だけ最初に決めて、なんとなくゴブリンを想像したので安直にゴビーにしました。
 後で気になって調べたら、英語で「goby」=「ハゼ」って意味なんだそうな。



余談

 作者は小さい頃に近所の海で白キスとハゼの沖釣りをした経験があるのですが、なぜか蝦蛄(でっかいエビみたいな奴)が釣れた時はビックリしました。
 父親が丸茹でにして美味い美味いと食べていたのが良い思い出です。

 ちなみに私はエビとカニが嫌いです(≠アレルギー)。

R18シーンも書いていいですか?

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