鎧武、ゴースト、ドライブは千冬と再会した。
千冬「やっと見つけたぞ!」
ゴースト「また会ったな、白騎士。いや、今ではブリュンヒルデか。」
鎧武「一体何の用だ?」
箒「え、え?」
箒は混乱して分からなかった。
ドライブ(千冬姉)
今のドライブの心は複雑だった。今すぐ変身を解いて話をしたいがやりづらかった。
千冬「私の弟の織斑一夏のことで用がある! 一夏は本当に死んだのか?」
箒「!?」
千冬の言葉に箒は驚愕した。
箒(何を言っているんだ千冬さんは? 一夏が生きていることを知らないのか?)
ゴースト「確かに俺はあの時既に死んでいるかもしれないとは言った。だがそれは可能性の話だ。」
鎧武「生きてるよ。」
千冬「本当か!?」
ゴースト「だが、会えたとしても奴が貴様の元に戻るかどうかは分からんが。」
千冬「どういうことだ!?」
鎧武「彼は周りから『出来損ない』『劣等品』『恥さらし』と言われ続け、苦しい思いをしてきたと言っていた。彼にまた同じ苦しみを与えるつもりなのか?」
千冬「ち、違う!? 私はそんなつもりは!?」
箒「・・・・」
箒は心当たりがあったのか何も言えずにいた。
ドライブ(もしかして2人は。)
ドライブは何かを察した。
ゴースト「それに奴は自分の真実を知ったからな。」
千冬「何の話だ!?」
鎧武「プロジェクト・モザイカ。」
千冬「!?」
その言葉を聞いて千冬は硬直した。
箒(プロジェクト・モザイカ?)
ゴースト「織斑一夏から聞いた。別名『織斑計画』。遺伝子操作によって意図的に『最高の人間』を造り出すためにある謎の組織が計画した一大プロジェクト。その中で1000体目で初めての成功体が織斑千冬、貴様だと。」
鎧武「そして、そのデータを基に量産に適して生み出されたのが彼だと言うことも。」
箒(一夏が作られた存在!?)
箒は言葉を失った。
千冬「一夏は何故それを!?」
ゴースト「奴を誘拐した連中から話を聞いたそうだ。」
鎧武「今のアンタに姉として彼の傍にいる資格はあるのか?」
容赦ないゴーストと鎧武の言葉攻めに千冬は沈黙した。そして口を開いた。
千冬「確かに私は一夏には苦しみしか与えなかったかもしれない。私は姉失格だ。・・・だが私は一夏を・・・・・アイツを本当の家族として愛していたんだ! それには何の偽りもない!!」
千冬の心の叫びを聞いたゴーストと鎧武はもういいなと理解した。
ゴースト「それが貴様の気持ちか。」
鎧武「だと言ってるよ、一夏。」
そう言ってドライブの方を向いた。
千冬「何!?」
ドライブ「・・・。」
クリム<Nice Drive!>
ドライブは変身を解いて一夏に戻った。
一夏「千冬姉。」
千冬「い、一夏!?」
一夏「久しぶりだな、千冬姉。」
千冬「お前が赤い奴だったのか!?」
一夏「正直言って俺は千冬姉にとって邪魔な荷物にしかならないと思っていた。千冬姉の顔に泥を塗っているのかと。」
千冬「! だから、あの時逃げたのか?」
一夏は無言で頷いた。
一夏「誘拐されたあの時、俺なんかいなくなった方がいい、そう思っていた。」
これが一夏の本当の気持ちだった。それを聞いた千冬は一夏に近づいて抱きしめた。
千冬「バカ者。私はお前を邪魔だと思ったことなど一度もない。例え血の繫がりがなかろうとお前は私の大切な弟だ。寧ろあの時呑気に試合に出ていた私が悪い。本当にすまない。本当は棄権して助けに行くべきだった。」
一夏「千冬姉。」
千冬「寧ろ迷惑かけているのは私の方だ。」
一夏「こんな俺でも一緒にいていいのか?」
千冬「勿論だ。」
一夏に一筋の涙が流れる。
箒(よかったな、一夏。)
箒ももらい泣きした。
鎧武とゴーストも安心した。
鎧武「こっちは大丈夫そうだな。」
ゴースト「ああ。」
戦極ドライバー<ロックオーフ!>
ゴーストドライバー<オヤスミー!>
2人は変身を解いた。一夏は2人に振り向いた。
一夏「2人共ありがとな。」
呂布「? 何のことだ?」
一夏「俺と千冬姉のためにわざと芝居してくれて。」
劉備「って、気付いていたのか。」
一夏「まあな。」
千冬「芝居だと!?」
箒「あれ芝居だったのか。」
千冬「って、ガンダムとトールギスだと!?」
呂布「今頃か(汗」
劉備「取り敢えず、場所を変えないか? ここじゃ説明しづらい。」
千冬「そ、そうだな。」
呂布「篠ノ之束の妹、貴様も来い。」
箒「あ、ああ。」
クリム「では早速移動しよう。」
千冬「な!?ベルトが喋った!?」
全員は篠ノ之神社の道場に入った。
千冬「ところでお前達は一体?」
劉備「ああ、俺の名は劉備。」
呂布「俺は呂布だ。」
クリム「私はクリム・スタインベルトだ。」
箒「ガンダムの姿で三国志の人物って。」
千冬「一夏、2人とそのベルトは何者なんだ?」
一夏「2人とベルトさんは俺の命の恩人なんだ。」
一夏は自分が誘拐されたこと、劉備と呂布の2人に出会ったこと、仮面ライダードライブに選ばれたこと、今までの2年間のこと全てを話した。
箒「今世界中に現れている謎の3人組は一夏達だったのか。」
劉備「まあ、そういうこと。」
千冬「お前はそのショッカーと戦う者として選ばれたのか。」
一夏「今まで黙っててごめん。」
呂布「俺もすまなかったな。あんなことをして。」
千冬「いや、あれは私にも責任がある。本当にすまない。お詫びと言ってはなんだが私にもお前達の戦いに協力させてくれないか?」
劉備「な!? 急に何を!?」
一夏「そうだよ千冬姉! 奴らとの戦いは命懸けなんだぞ!?」
千冬「分かっている。せめてお前達のサポートぐらいだ。一夏、もうお前だけに辛い思いはさせない。せめてもの償いだ。」
一夏「千冬姉。・・・分かった。でも無茶だけはしないでほしい。大切な家族だから。」
千冬「分かった。」
呂布「いいのか?」
一夏「本当は嫌だけど失った家族の時間を取り戻したいんだ。」
劉備「そうか。なら俺達は何も言わない。」
一夏「ありがとう。」
呂布「それで篠ノ之束の妹、貴様はどうしたい?」
呂布は箒に尋ねた。
箒「その呼び方はやめてくれ。私は箒、篠ノ之箒だ。」
呂布「なら篠ノ之箒、貴様はどうしたい?」
箒「勿論、私も千冬さんと同じだ。私も一夏のサポートをしたい。できることは少ないかもしれないが、一夏を支えてやりたいんだ。」
一夏「箒。」
箒「どんなに辛くても私は一夏の傍にいる。」
一夏「ありがとう。」
すると
劉備・呂布「「ん?」」
劉備と呂布は外を見た。
一夏「どうしたんだ2人共?」
劉備「今誰かに見られてた気がして。」
呂布「俺もだ。」
箒「誰もいないが。」
千冬「気のせいではないか?」
劉備「おっかしいな。」
だが気付かれないように隠れている一人の存在が、ウサ耳のカチューシャをつけて、胸元を開いたデザインのエプロンドレスを着た女性がいた。そうその女性こそISの開発者・篠ノ之束だった。先程の一夏達の会話をこっそり聞いていた。
束「いっくん、そうだったんだ。束さんも償わないと。それにしてもあの2人、勘が鋭いな。」
そう言ってどこかに去っていった。
場面は一夏達に戻る。
千冬「ところでお前達、良かったら家に来ないか?」
劉備「え?」
千冬「弟を助けてくれた恩人だ。その礼をしたい。」
劉備「どうする?」
呂布に尋ねる。
呂布「ま、いいんじゃないか。織斑の家に居候するのも悪くない。」
劉備「まあ確かに、拠点ではちゃんとした生活できなかったからな。」
一夏「俺も2人なら歓迎だよ。」
箒「私も行こう。」
それから篠ノ之神社を出て、『織斑』と書かれた家にたどり着いた一行。一行は家に入ろうとしたが玄関を開けた時に問題が起きた。
劉備「え?」
呂布「何だ、これは?」
玄関に入るとあちこちにビール缶やコンビニ弁当のゴミがたくさん入ったゴミ袋が置いてあり、酒臭いゴミ屋敷が広がっていた。劉備と呂布は思わず鼻を腕で覆う。
一夏「またか千冬姉(汗」
千冬「すまん(汗」
まさかと思い、劉備は恐る恐る一夏に尋ねた。
劉備「一夏、まさか千冬って(汗」
一夏「そっ、家事が苦手なんだ。」
劉備「やっぱり(汗」
悪い予感が的中した。
呂布「ブリュンヒルデがまさかの片付けられない女だったとは。」
千冬「ウッ⁉︎」グサッ
箒「あ、千冬さんが気にしていることを。」
劉備「お前ストレートに言い過ぎだって言ってるだろ(汗」
呂布「事実だろ。」
一夏と箒は2人の会話を見て苦笑いをする。
劉備「まあとにかく掃除して綺麗にしないとな。」
呂布「こんなゴミ屋敷では住もうにも住めまい。」
一夏「いいのか?」
劉備「居候するならこれぐらいしないとな。」
一夏「助かるよ。」
箒「私も手伝おう。」
一夏「サンキュー。」
この時一夏は初めて千冬と家族になれたと思っていた。新たな仲間も加わり仮面ライダー達の戦いはまだまだ続く。
つづく