新学期が始まって数日後、IS学園では学園祭に向けての準備が進んでいた。因みに一夏達のクラスの出し物はラウラの提案によりメイド喫茶に決まった。最初は一夏達男性陣をメインにした出し物が数々あったが、当然反対を受けた。ブーイングがあったがリョウセンとアンジュの睨みつけで全て黙らせた。特にアンジュは自身の恋人である劉備もといリュウトを好き放題されるのを黙って見られるわけがなかった。
アンジュ「全くもう!リュウトを何だと思ってるのよ!」
リュウト「まあまあ。」
シャルロット「気持ちは分かるけど。」
フクリュウ「ですが少しはこの学園生活を楽しめていますね。」
アンジュ「・・・そうね、私こういうの初めてだし。」
セシリア「そうなんですか?」
リュウト「実はアンジュは箱入りだったんだ。」
ラウラ「なんと。」
箒「そうだったのか。」
アンジュ「だからこういうイベントとかには憧れてたの。」
シャルロット「ヘェ〜。」
リョウセン「そろそろ休み時間になるから今のうちにできることをしておくぞ。」
一夏「おっと、いけない。」
箒「そうだった。」
リョウセンに諭され一夏達は学園祭の準備を再開するのだった。
昼休み 食堂
昼休みになると一夏達は刀奈やいつものメンバーを加えて昼食を摂っていた。
鈴「ふーん、あんた達のクラスはメイド喫茶なんだ。」
アンジュ「リュウトの執事姿楽しみだわ。」
ソウエイ「我々のクラスは中華料理店となった。」
センネ「我々のクラスでは更識簪の提案で遊戯広場となった。」
簪「小さい子供でも楽しめるテーマを出したかったんだ。」
刀奈「流石私の妹ね♪」
リュウト「本当に仲のいい姉妹だな。」
アンジュ「・・・そうね。(姉妹か。)」
リュウト「あ、ごめんアンジュ、俺・・・。」
アンジュ「いいのよ気にしなくて、大丈夫だから。それに私にはリュウトがいるし、今が楽しいわ。」
リュウト「アンジュ。」
簪「2人って仲がいいんですね。」
アンジュ「まあね。」
リュウト「最初は色々あったけどな。」
一夏「そう言えばさ。」
リュウト「ん?」
一夏「劉備、じゃなくて!リュウトはアンジュさんとどんな形で出会ったんだ?」
リュウト「あれ?言ってなかったっけ?」
一夏「ああ。」
鈴「そう言えば・・・。」
セシリア「確かにそうですね。」
リョウセン「この際だから話したらどうだ?アンジュと出会った時の話。」
シャルロット「僕も聞きたい!」
刀奈「私も興味があるわ。」
簪「是非聞かせてください。」
リュウト「そうだな・・・あれは俺達それぞれがライダーの力を手に入れて次の世界に向けて旅を続けていた時だったな。」
リュウトは当時のことを話始めた。
リュウト(俺達はライダーの力を手に入れたのは良いものの、その力を使う者としてはまだまだ未熟だった。だから孔明にこう提案された。)
劉備「修行?」
孔明「はい、次の世界に辿り着いた時にそれぞれの場所で修行するのです。」
曹操「成程、我々はライダーの力を手に入れたのはいいが、まだ完全に使いこなしていない。」
呂布「それでは宝の持ち腐れだからな。使いこなせるように鍛えるということだな。」
孔明「そうです。」
孫権「どれくらい期間の予定なんだ?」
孔明「最低でも2年ですね。」
張飛「2年か~、長いな。」
関羽「だが修行のための期間としては十分だ。」
趙雲「そうですね。」
張遼「確かに。」
孫尚香「やってやろうじゃない!」
陸遜「姫様~、決して無茶だけはしないでくださいよ~!」
貂蝉「少し不安のあるのもいるが大丈夫だろう。」
曹丕「余も父上の背中を追うだけではなく、自分で道を切り開けるようにもっと精進できるチャンスを活かせねば。」
劉備「よし、行くぞ!」
こうして要塞型移動基地で次に辿り着く世界で修行に入ることにした。だがその世界で劉備は運命の出会いをすることをまだ知らなかった。
劉備「それじゃあ皆、2年後にまた。」
趙雲「はい。」
関羽「劉備殿もお気を付けて。」
張飛「俺達も兄貴に負けないように強くなるぜ!」
孔明「では、行きましょう。」
それから暫く経ち、修行のためにやって来た世界に劉備は一足早く基地のコンピューターが選んだ無人島で降り立ち仲間と別れたのだった。
劉備「さて、先ずは野宿できる場所を確保しないとな。」
劉備はこれから修行するにあたり、この無人島で野宿できる場所を確保するために島の奥へと向かった。そして数分後、寝床に良さそうな洞窟を見つけた。
劉備「ここならいいな。それじゃあ念には念を入れて。」
劉備は懐から装置のようなものを取り出すとそれのスイッチを押した。するとその装置から何かが上空に飛び出すと島をドーム状に包み込んだ。そして何もなかったかのように元の島の見た目に戻った。
劉備「よし、カモフラージュ完了。これでどれだけ騒ぎが出たとしてもこの島の外からは何もないように見える。」
準備を整えた劉備は早速基地のコンピューター修行内容を確認して本格的に始めるのだった。
アンジュ「ふぅ、今日の仕事も片付いたわね。」
一方、劉備と出会う前のアンジュは現在所属しているとある組織の任務でロボットに乗って移動していた。
アンジュ「さて、そろそろ帰り・・・ん?」
帰還しようとしたアンジュはとある島に目が移った。そこは劉備の修行場所の無人島である。実は劉備がカモフラージュした瞬間を偶然目撃してしまったのだ。
アンジュ「何、今の?」
アンジュは気になりつつその島に向かった。
アンジュ「特に変わった所はないわね。この島に入る時一瞬ポワンってしたけど・・・。」
島の海岸に降り立ったアンジュは機体から降りて何が起きているかを確かめるために奥へと進んでいった。
アンジュ「大分奥に進んだわね。ここで一体何が・・・。」
シュン!
アンジュ「ん?」
シュン!シュン!シュン!シュン!
アンジュが島の奥まで進んで大きな渓谷に着くと何かが跳ぶ音が聞こえてきた。
劉備「ふっ!はっ!」
それはこの島で修行していた劉備がジャンプして移動している音で渓谷を切り抜けていた。
アンジュ「え!?何なのあれ!?」
スタッ!
劉備「ん?」
アンジュ「!!」ササッ!
劉備「今誰かいたような・・・気のせいか。」
シュン!
一瞬誰かいたのを感じた劉備だが、アンジュが咄嗟に近くの岩の陰に隠れたことで気のせいだと思いそのまま去っていった。
アンジュ「危なかったわ。そろそろ戻らないといけないけど・・・やっぱり気になるわ。」
アンジュは劉備のことが気になりだし彼の後を追った。
劉備「星龍斬!」
ドゴーン!
渓谷の修行を終えた劉備は次は浜辺を訪れて生身で三璃紗の感覚を取り戻すことに専念していた。訓練用に出現させた大岩を2つの剣で星を描きながら切り裂いた。
劉備「大分感覚を取り戻せてきたな。だがまだまだだ・・・これからいろんな強敵に出くわすことが多くなりそうだし、もっと精進しないとな。」
そんな様子をアンジュは木陰に隠れながら見ていた。
アンジュ(見た所おかしな感じはないわね。この島で鍛えてるって感じね。それにしても・・・。)
アンジュは劉備の必死の姿に見惚れていた。
アンジュ(何なの?・・・この気持ち。)
劉備「ふぅ・・・それで、そこで隠れている君は俺に何の用なんだ?」
アンジュ「ギクッ!?」ビクッ
劉備に隠れて見ていることにバレたアンジュはこれ以上は無駄だと思い、大人しく木陰から出てきた。
アンジュ「いつから気づいていたの?」
劉備「俺がこの浜辺で修行していたら途中で視線は感じていた。」
アンジュ「そう。」
劉備「まあ兎に角、此処で見た記憶はこの記憶消去装置で消させてもらうよ。」
劉備は懐からまた違う装置を取り出した。それを劉備は記憶消去装置と言った。
アンジュ「ど、どうして!?」
劉備「あんまり此処で見られたらいけないからなんだ。悪く思わないでくれ。あくまでこの出来事だけだから。」
劉備はアンジュに向けて装置を起動しようとしたがアンジュに止められた。
アンジュ「ま、待って!」
劉備「ん?」
アンジュ「あんたのこと誰にも言わないから、記憶を消さないでくれる?」
劉備「いや、なんで?」
アンジュ「お願い!」
劉備「そもそも何故記憶を残そうとするんだ?関係ない筈なのに。」
アンジュ「そ、それは・・・なんか忘れたくないのよ、あんたのことを。」
劉備「・・・分かったよ、誰にも言わないのなら記憶は残す。だがもしバラしたら直ぐに記憶を消すから。」
アンジュ「分かったわ。」
アンジュの必死なお願いに劉備は断りづらくなってしまい、他言無用という約束で記憶を残すことにした。
劉備「自己紹介がまだだったな・・・俺は劉備、この世界とは違う世界、君から見たら所謂異世界人だ。」
アンジュ「そういうこと・・・私はアンジュ、よろしくね。」
こうしてアンジュと劉備は自己紹介した後、劉備が何故この世界に来たのかなどの話をした。そして暫くしてアンジュは劉備にまた来ると言って帰還した。
リュウト「これがアンジュとの初めての出会いだったんだ。」
一夏「へぇ〜。」
箒「しかし、いくらなんでも記憶を消すというのは・・・。」
シャルロット「うん、僕でも一夏のことを忘れたくないって思うし。」
アンジュ「まあ、その時の劉備達にも事情があった訳だし仕方ないとは思うわ。だけどあの時は何でか分からないけど忘れたくないって思いが強かったのよね。」
ラウラ「それはつまり・・・。」
セシリア「その時にリュウトさんのことを?」
アンジュ「まだ自覚はなかったけどね。」
鈴「その後はどうしたの?」
リュウト「それからは・・・。」
リョウセン「話し込んでいるところ悪いが、そろそろ昼休みが終わるぞ。」
簪「あ、本当だ。」
センネ「続きは放課後だな。」
ソウエイ「ではまた。」
刀奈「かいさーん!」
一夏達は昼休み終了が近づいたことで続きは放課後ということで食器を片付けて食堂を後にした。
つづく