「おい、兄ちゃん。手荒な真似をしないでもらいませんかね?俺たちは無関係者を殺す暇がないんだ。」
「そうだぜ。こっちも手荒な真似はしないからさ、要求を飲んだらお前とお連れさんだけ見逃してやるぞ〜?」
一目から悪人ぽい顔の四人組の男たち。彼らから、こっち側にいるピンク色髪の女の子を渡せば見逃してやるとそう提案した。
なんか漫画やアニメとかでよく見た雑魚クズたちが言うセリフみたいだね。とはいえ、この世界の住人になった以上、あまり彼らを舐めないほうがいい。
何にしろ、ここは自分が暮らしている平和の日本ではない。加えて彼らが持つ武器はどう見ても本物だ。当てられたらただじゃ済まない。
それでも彼らの動きから武術の素人ぽく見えるので、そんな相手には負ける気がしない。
「おや?俺らの要求を飲まないのか?」
「痛い目に遭うぞ!」
後ろにいる三人を背中に隠すように、立つ位置を移動し、更に悪者たちに向けて箒を構う。
誰がどう見ても、彼は徹底抗戦する様子を見える。
それを知った悪者たちはさらに脅威する。しかし彼は脅かされても、怯えなくそこに立ち続ける。
「……フッ、そんなに死にてぇのか。いいだろう!殺れっ!」
「「「おうッ!」」」
四人の中の一人が統率して他の仲間達に指示を出す。遂に、部下らしい雑魚三人は殺気を抱かえて彼に斬り掛かって来る。
いよいよそういう危険な場面になって、彼の後ろにいる三人はもちろん、彼の安否を心配していた。けど、それも彼の次なる行動によって綺麗に消えていた。
「そりゃあ!」
「喰らえ!!」
「てりゃあぁぁ!」
「………」
「ぐはぁ!」
「うぐっ!」
「がはぁ…!」
ただの一瞬、彼は自分より体躯が大きい男たちの攻撃を余裕そうに避けて、次々に箒の末部分で返り討ちにする。
それは第三者から見たら、孫竹の振るう箒の速さに目が追いついておらず、三人の仲間が一斉に襲いかかった次の瞬間には地面に倒れていた、という光景だ。
「……」
「……」
「……」
孫竹の強さに唖然としてしまい、流れる状況に見とれているだけだった郭嘉、程昱と謎の女の子三人。
彼がこれ程までの実力者だったとは予想していなかったし、出会った時にも一切その実力に気づいていなかったから、非常に驚いていた。
「……お、おい!な、何が起きているんだ!?」
さっき指示した男も一瞬に起きたことに反応して来なかった。
何せ、ありえないことが起きている。
本来あの箒を武器にする愚かな子供と連れ者を軽く殺して、狙いの女の子を取り返すつもりだけど。なのに、仲間たちが一瞬でやられた。
「こんなところか。さて、残ったのはお前だけだね。教えてくれないか?仲間の居場所とお前たちが追うこの子の友達のことを」
「……あ、ありえない。ただのガキの分際で元山賊の人間を打ち倒すなんで……ありえない!」
息が荒れ始めた男。彼は目の前にいる孫竹のことを恐れている。
まぁ、無理もない話だ。大人の三人が一瞬で子供に倒されたから、そういうありえない現実は受け入れ辛いのだろう。
……それより、あの雑魚たちは元山賊か。なんで普通に町にいるのかともかく………そんなに弱かったのか?山賊たちは。
敵の正体が予想よりやばいのを知ってしまってちょっとびっくりしたけど、最もびっくりするのはその弱さだ。元々は賊を倒すために鍛え上げたのですが……予想より弱かった。
「色々ツッコミたいところがあるけど……。そんなことより、早く僕が欲しがる情報を教えてくれるかな?それと、この子のことを諦めて帰って欲しい」
「ぐっ……!誰か諦めて帰るか!ちょ、調子乗るんじゃないぞ、ガキ!」
「……お前の方こそ一人でお前の仲間三人を仕留めた僕にどうする気なんだよ。それに声が震えてる癖に」
「う、うるせぇ!このまま帰ってあの人に殺られるより、何とかしてお前の後ろにいる女を取り返すしかない!」
なぜか僕への戦意が高ぶって、雑魚たちのボスみたいな人がいよいよ自ら僕の方に攻めてきた。彼が持つ武器は巨大の鉄棒だ。
そういう武器は一般的に力者が扱うもの。その特性は使用者の腕力が強ければその威力も馬鹿みたいに強くなる。
あれに喰らったら、今の身体は確かに持たない。
「おらおらおらおら!」
「危ない!気合だけさっきの三人よりマシなんだね。」
僕は冷静で彼の攻撃パターンを観察しながら、振ってきた攻撃を全て回避する。
その武器の弱みは重いゆえに攻撃速度が遅い。加えて攻撃パターンが単純で、当たりにくいという致命的な弱点がある。まさに欠点だらけの武器だ。
それでも使用者の腕が十分優秀の場合は、例えそんな武器でも必ず良い表現が出るはず。
現在僕と対決しているおっさんは、まさにその一人だった。
彼が振り回した鉄棒はまるで風を切り裂くように強力のものだった。確かに一定の実力が持っている。
「ぐぅ……!何なんだよ、お前は!なんでそんな余裕そうに俺が全力振った攻撃を避けるんだよ!当てられるのを怖くないのか!?」
「もちろん怖いよ。ただ、お前の攻撃なんかより孫呉の将の方が怖いのよ!」
けど、今の僕にとって相手の攻撃はまだまだ対応できる範囲内だ。明命と比べたら、あいつは大したやつではない。
「……なんだと!」
「ほら、隙だらけなんですよ!」
「うぐっ……!」
隙を狙い、要害に突く。
孫竹の攻撃によって彼は数歩も後ろの方に退けられて片足が地面に崩した。
あっという間に、悪者たち全員倒した。
「悪くない棒振りだけど、ただ相手が悪すぎだ。」
「ぐっ……!なんでこんな子供に……!」
地面に片足が崩した彼は悔しそうな顔で僕のことを睨む。大人が子供にボコボコされるのは、よほど不愉快なんだろう……。
けど、これも僕の努力の結晶だ。
毎度、明命に負けた経験を深刻反省し、改善する。それで自分をどんどん強くにする。今の身体じゃまだ前世の頃と比べないが……それでもこの幼い体は確実に経験を吸収して成長している。
「さて、もう無意味の抵抗をやめよ。大人しく情報をーー」
「………ク、クソ!こんなことにして、ただ無事じゃ済まないぞ!」
「なに?負け犬の吠える声?」
そろそろ彼からあの子の友達の情報を聞き出すと、彼は唐突に吠えるように大きな声をする。
多分悔しがっていて、後で復讐しに来る発言なんだろう……。とりあえず、面倒ことになる前に郭嘉たちと一緒に彼と彼と組む連中をまとめて牢屋に送ろうか。
「あの娘の価値……そして、それを狙う連中はどれほど危険なのか、お前は何もわかっちゃいない!」
「………ん?価値?」
「そうだ!あの小娘自身がまだ自覚ないけど、彼女が何かしらの理由で洛陽から出ることによって、もう止められない両方の争いが始まってしまった!」
「待って待って、なんの話?復讐の話ではないのか?」
「うふふっ、だからガキの考えは甘いんだよ!」
そしてまた勝手に僕のことを嘲笑う。本当に何なのよ……この人、喧嘩売ってるのか?
「忠告しておくよ。早くその小娘のことを俺たちに渡さなければ、いつか早い死になるのは貴様やその周りにいる人だ!」
「いや、そういう恒例の脅かしは僕に効かないよ。それに、お前たちは彼女を捕まるつもりなんでしょう?そういう誘拐みたいなことは犯罪だぞ!しかも彼女はあんなに幼い女の子なんだぞ!ロリコンなのか?お前ら」
「ふん、ガキの分際でよう大人の口で言うわね。だが、俺が言ってるのは事実だ!今喋っているうちでもあの白い連中も俺らのことを探している。早くその娘を手放さなければ、俺やお前たちはただ死ぬという道しか残せないぞ!」
「……それは見殺しと言いたいのか?あんな幼い子を」
「ああ……あの子と関わると、残すのは死ぬという道しかねぇ。だから、手遅れる前にその子を俺らに渡せ!」
「………」
あいつの目を見ると、嘘をついてないことがわかった。多分、このおっさんが言っているのは事実だと思う。
あの子の服装からも、平民ではないのを知ってる、狙われる点も納得できる。しかしおっさんの口だとすると、この子の価値は僕が思った以上に高かった。
ただ商人の娘や貴族の娘なんかではない。なら、この子は一体……。
「………」
少し頭を後ろの方に向くと、そちらにいるのは程昱と郭嘉二人に守られていた幼女。
彼女はおろおろの目でこっちを見る。多分こっちのことを心配しているのだろう……。
……流石にあんな心優しい子供を元山賊と組む連中に任せられない。
「わかった。ただし、彼女はお前たちに渡さない。彼女を託せる人が見つかったら、すぐ彼女を手放す。」
「………お前!さっきの話を本当に聞いているのか!命が惜しければ、もう俺たちに手渡す道がないのよ!」
「お前たちのような連中に渡すよりマシだ!さぁ、早くお前たちが知る情報をーー」
「ようやく見つけた」
「ーーーっ!!?」
ただ一瞬で察した異様な気配に、僕は本能で自然に後ろの方に退避する。
そうしたら、すぐ上から何者が落ちていた。
「げっ!その白色の格好……まさか、お前はじゅうーー」
僕に倒されたおっさんがそいつを見て、何か言い出そうと、喉が一瞬そいつから投げ出したナイフに刺され、永遠に沈黙された。
「一人は排除した。残りは三人。」
その者が現れた瞬間、僕はいよいよ気づいた。自分は相当厄介ことに入り込んでいた
◇
一方・町の中央エリア、大通り。
「ありがとうございます。それでは」
お礼を言い、陳登は店から出ていた。
「はぁ……今日も収穫なしですか」
そうしたら、彼女は少しため息をつく。
ここ数日、彼女は蓬莱米の情報を突き止めるためにもう何日もこの街に滞在した。しかし情報ところが、もらうのは偽情報ばかり。
闇市に流れ込んだ偽米も予想より多かったですし、その源を特定するのも結構大変だ。とはいえ、彼女が探すのは本物の蓬莱米だ。
本物を見つければ、きっとこの蓬莱米の乱を解決すると思っていたのですが……そう上手く行かなかった。
「とりあえず、もう捜査範囲の半分以上を果たしたし、今日の収穫はもう充分なんだろ。ひとまず宿屋に戻るとするか」
「あ、あの……」
「ん?」
そう思っていた彼女はその時、誰かに声をかけられた。
そっと頭を振って向くと、そちらにいるのは赤いアホ毛が生えた女の子だ。
「何の用?」
「小さい、女の子見なかった?」
「女の子?特徴は?」
「エッと……髪が長い……ピンク色。」
「ピンク色……それなら、さっきそっちの路地裏に入ったのを見た気がします。」
「うん、ありがとう。」
ちゃんとお礼を言った彼女は早速、陳登が指さした方向へと走った。
何か急用があるのか?って思わせられるほどの行動なんだけど、今の陳登にとっては無関心のことだ。
「にしても、あの子はちょっと変な格好しているわね。」
改めてあの子のことを思い返す。
その子の身長は自分と同じくらいの高さで、スタイルもバッチリしている。全体を見たら、かなり可愛い女の子なんですが……その手に持っていたでかい武器と並べるとちょっと物騒過ぎた。
そういえば、あの武器は方天戟なんだっけ?ちょっと外見が一般のと違うけど、多分改造されてる。
「まぁ……私と関係ない話だけど。孟德も鎌刀を使用しているし、この時代に使用されている武器も多様だね。」
さっき出会った女の子のことを後にし、陳登は何気なく泊まっている宿屋の方に戻した。
しかし彼女が思わなかったのは、さっき出会った小さい女の子は遠くないうちにまた自分の前に現れること。
◇
町の西門近く、『華 元化』 診療所前。
唐突に起きた殺人事件の一瞬を目撃した僕は胃から吐き出す感覚を何とか抑えた。人の死体を見たことがあるが……人が殺されるのを一度も見てなかった。
いつかそういう経験を体験すると思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった……。
そういう悪い気分を我慢した僕は何とか迎撃態勢を維持しながら、目の前に現れた殺人犯を見つめる。
そいつから感じた異様な気配は今までのと違って、とても危険な気配だ。本能からもそいつから目を逸らすなとそう言っている。
「お前は誰だ。なんで……あいつを殺した!」
「…………」
「答えないのか…!」
「………!」
「……っ!?」
僕の質問に答えず、白いフードを被っていた者はいきなり接近し、小ナイフで襲いかかる。
その攻撃速度は驚くほど早い。僕はその攻撃を避けたが……結構ギリギリだ。
早っ!この速度はもしや明命より早いかも!
「………ッ!」
「ぐっ……!」
全感覚を持ち上げ、僕は本気であいつから次々の攻撃を避ける。
「………ッ!」
「うッ……!」
「………!」
「うぐっ……!」
そんな強敵と戦う中、僕が持つ箒は早速相手の刃に壊された。相手は思ったより戦闘を手慣れている……。
攻撃手段がこれでなくなったけど、今の状況的には軽く相手を攻撃するより回避したほうがいい。故に、僕は攻撃を捨て回避を集中する戦法をした。
だからと言って、ただ一方的の回避だけじゃ勝負がつかない。体力的にもこっちが消耗しやすい。
何とかそうなる前に早く対策を立たなければ……。
「ぐがはぁ…!」
数十回程の斬撃を避けた後、僕が相手に隙突っ込まれて建物の壁までに蹴り飛ばされた。
「蓮さん!」
「お兄さん!」
背中が壁に当てられて、意識が朦朧になったうちに、郭嘉と程昱の声を聞こえた。
きっとこんなにボコボコされた僕のことを凄く心配しているのだろう……。とはいえ、彼女たちの手助けが望まれない。
何せ、目の前にいるのは化物だ。姉上ほどではないが……少なくとも明命より強い。そんな相手に頭脳派の彼女たちはこの唐突状況にどうしようもならない。
「ふん、なかなか腕が優れる子供だ。さっきの蹴りも殺すつもりだったけど、上手く攻撃を要害から避けて損傷を最小限に抑えた。」
「うっ………!」
「見事な判断だ。例え気絶されるほどのダメージを食らっても、こっちの攻撃を避けずつ、何とかその壁から離れて退路を確保する。こんな戦闘向きの子供が初めて見た。」
武器を壁から抜け出し、僕がしてしまった行動を興味深々な声を上げた白いやつ。
正直こういう状況はあまり嬉しくない。だって相手は僕が壁までに迫れても容赦なくとどめを刺す人だ。非常に危険すぎる。
「正直こんな良い人材を殺すのは如何にも惜しい。だが、上からそちらにいる劉協様を捉え、その邪魔者や目撃者すべてを排除するという任務を与えた。」
「劉協……?漢の献帝……?」
「…………献帝様の名前を知ってる?……子供にしては、あまりにも知り過ぎたようだ。」
「………!」
まずい!余計な口を出したせいで、逆に相手の敵意をさらに増やさせた。
「何処からその名を知れたのは、わからないけど……ここでお前を始末する!」
ナイフを増やし、こっちに投げつけた数本の投げナイフ。
その弾幕と数じゃどう見ても全部避けられそうもない。そんな絶望的な一瞬で僕は無意識に目を閉じる。
「まだ諦めるときではないですよ。
「え……?」
そんな時、僕の脳内からある女性に優しく呼ばれた映像が流れ込んできた。その女性は何者なのかは、正直あまり覚えてない。
だが、不思議と懐かしく暖かい感覚がしてきた。そう、“直接肌が感じている今みたいに”……あれ?今みたいに……?
「お怪我がありませんか?蓮さん」
「あ……あれ?僕は……また生きてる?なんで?それにこの柔らかい感触は……?」
「そこは……私の胸です。あまりそこをすりすりしないでくださいね。」
「胸……?って、天海さん!?」
目を開き、気付いたら僕はお医者さんの弟子である天海さんに優しく抱かれていた。
よく見れば、彼女は僕のことを抱いて空に飛び上げている。
もしかして、彼女に助けられた……?
「邪魔者ですか……」
「ふぅ……。人の店外で、子供弄りなんでなかなか悪趣味ですね。良ければこれ以上の暴行はやめてもらえせんか?」
「…………」
「そうですか。そちらが戦う気なら、こちらもその気持ちを応じなければなりませんね。」
戦闘の構いを取り、相手はこの場から引かないという意志を強く示した。
天海さんが着地した後、僕を懷から降りらせた。
「暫く私の後ろに隠れてくださいね」
「え……?天海さんはあいつと戦うのですか!?駄目ですよ!あいつは滅茶苦茶つよーー」
「いいから。マ……いいえ、私の話を聞いて。いい子だから」
「あ……」
そして、彼女は僕の頭を優しくなでなでしてくれた。普段はこういう子供扱うのを好きではないけど……何だか彼女にそうされるのは不思議と嫌ではなかった。
撫でるのが終わって、彼女は僕を後ろに庇うような姿勢で相手に立ち向かう。
しかし幼い子供を庇って戦うところが、彼女本人は何の武器を持ってない様子。流石に無謀しすぎると思ってたのですが……きっと何かしらの策があると思う。
「武器無しでその子を守るのですか?」
「ええ、私は一応悪魔や“鬼”を斬る聖職者なのであなたを相手には武器など必要ありません。それにこの子の前では些かに不便だと」
「ふざけているのですか?」
天海さんから軽そうな挙動に白いフードの人から今までもない殺気を感じた。しかしそれに対し、天海さんの顔からそれを動じない。
「いいえ、私は本気です。何せ、あなたを倒すなら、あの子だけで十分ですから」
「なに?それはどういうーー!!?」
気付いた時は、すでに遅く。
白いやつの後ろから唐突に現れた赤い髪の鬼神。その者から振り出した一撃は既に回避不可能の距離までに迫ってきた。
「………っ!」
その一瞬、鬼神から振り回した渾身の一撃は確実その身体に当たって、その者を両断した。
今回の話に少し主人公のことについてネタを埋めました。その『憐』っていうのは彼が前世の名前だ。
それと、前回で言ってた恋たちがこの町で起きたことは次回で説明します。今回は戦闘のシーンだけか書きすぎちゃった……。