歴史は好きだけど、性転する世界が嫌いだ   作:黒崎一黒

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今回の話で、少し日常編に戻ります。登場キャラも一気に増えましたし、少しずつ紹介したいと思います。


第六話:翌朝。

 翌朝。

 

 

 襲撃者に襲われ、簡単な医療処置を受けて、気付いた時、日が特に沈んでしまいました。そこで天海さんの提案を受け、孫竹たちは仕方なく診療所内で一夜を過ごした。

 

 その翌朝になって、いつも早起きとする孫竹は部屋の中で軽い程度の筋トレをする。

 

 普段は明命と一緒に運動したり、ジョギングしたり、武術修行をするのですが……今回は仕方なく一人で体力を鍛え上げる。

 

 毎回の恒例行事なんだから、彼はかなりいい身体ができた。そのおかけで、彼は昨日の激戦の中で運良く生き延びた。

 

 

 「さて、こんなところか」

 

 

 体感から、そろそろやめる時間になると感じた孫竹は筋トレをとめて、服の着替え準備をする。

 

 とはいえ、流石に予備服を持ってないから仕方なくここの服を借りた。

 

 天海さんによると、偶に患者さんたちから感謝の礼としてもう必要ない服を送ってくる。普段は服を買う余裕がない貧乏生活を過ごしたらしい。

 

 まぁ……入院料が無料だから収入も赤字だってこともわかります。むしろ、天海さんが口にした医者さんは患者さんたちに優しすぎるのだ……。

 

 それから、濡れたタオルで汗塗れた身体を拭いてから服を着替える。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「おはよう。起きるのは早いわね。」

 

 

 準備が整ったあと、診療所のフロントに行った。そこには一人の女の子がいました。

 

 緑色の長い髪を細い三つ編みにし、その上には黒を基調とした四角い帽子を被っている。

 

 金色に光る大きな瞳は鋭く、紅色フレームの上部分の縁が無い眼鏡をかけていた。

 

 白を基調とした服の袖口は黒く、その両端に白いラインが入っている。また、胸元には紅いリボンが付いていた。

 

 肩には、黒いケープみたいな羽織を身に着けていて、端は波の様な形の白い模様になっている。

 

 黒が好きなのか、プリーツスカートもタイツもブーツも黒を基調としていた。

 

 彼女の名前は教われなくてもわかる。彼女は恋と同じ、前世の時からよく知るキャラなんだ。

 

 

 「賈駆(かく)さん、おはようございます。」

 

 「おはよう。白湯様たちはまた寝ている?」

 

 「うん。それにしても賈駆さんも早起きの体質なんですね。」

 

 「ええ、早起きは悪いことではない。それに、ゆっくりと本を読めますから」

 

 

 そう言って、彼女はずっと背を壁に寄せる体勢で、本を読んでいる。

 

 そんな彼女を見て、僕も彼女のことについて思い返す。

 

 

 賈駆文和(かくぶんわ)、真名は詠という少女。

 

 彼女は僕が知る正史では、離間の策を極めた名策士です。

 

 歴史有名な曹操と五虎将の馬超は彼女の策によって大敗を喰らわれた。当時の曹操はまだ有名ではないが、曹操の実力を見抜いた上で当時の主君に曹操の背後を奇襲するように建言した。その後は配下に入ったけど。

 

 それから潼関の戦いで、西涼有名な猛将・馬超も彼女の離間の策によって本来勝つべき戦いで曹軍に敗れた。

 

 これほどの輝く功績があって、彼女は僕の軍師への印象の中でかなり強かった。

 

 因みに彼女は元々董卓の参謀なんだ。…ただ有名になったのは董卓死後の話。

 

 そしてこの世界にて、彼女は恋と同じ、董卓に忠義を尽くす家臣だ。

 

 

 「……ボクの顔に何か付いてる?」

 

 

 どうやらジッと見過ぎていたようで、賈駆は僕を睨み付ける様に見ながらそう尋ねる。

 

 これはちょっとまずい。早く話題を変えよう。

 

 

 「いや、ただお前の怪我を気にしているだけだ。…もう大丈夫なのか?」

 

 「このくらいじゃ平気よ。………と言いたいけど、天海という医師に暫く走らない方がいいって助言された。」

 

 「そうか。……ごめんなさい。もし僕たちがもっと早く助けに行けば……」

 

 「ううん、アンタたちのせいじゃない。悪く言うなら、アンタらを巻き込んだボクたちのほうが悪い。まさか、一般人までこちらの事情に巻き込まれて襲われたなんて……面目ない」

 

 

 そう言った賈駆はすっかり暗い顔になった。

 

 意外に白湯ちゃんと同じ、僕たちを危険事に巻き込んだことを凄く気にしているみたいだ。

 

 そういえば、彼女はゲーム内でもなかなか人思いがいい人でした。ゲーム内でよく残酷な一面を見せたけど……それも、主君を守るために不可欠なものだとわかっている。

 

 彼女、実は根底からとてもいい子でした。

 

 

 「いいえ、僕も自発的に白湯ちゃんを助けたから自分を責めないでください。それに、世の中でも困っている人を助けろっていう理念があるんだ。」

 

 「………アンタ、お節介な人わね。早死になるだけだよ」

 

 「まぁ……そう育てられたのだ、僕は。それでも、文句言うなら僕をそう育ったお姉さんでも言ってください」

 

 「ふーん、変な子供ね。……なんか、ちょっと月と似てるかも」

 

 

 どうやら気分が少し治ったみたいで、彼女は何処か懐かしい瞳でこっちを見ながら、小さく笑う。

 

 

 「けど、これ以上ボクたちと関わらないほうがいいです。アンタも薄々っと気付いたと思うけど……あの子の正体は思ったより面倒なのよ。」

 

 「やっぱり、あの子はーー」

 

 「あの子をどんな方だと推測なのか知らないけど、それ以上はいけない。あの子の正体を隠しながら、その願いを叶えるのはボクたちの仕事。今は……ちょっとビンチになったけど、できるだけ知る人が少ない方がいいです。ボクが言ってる意味はわかるわよね?」

 

 「…………ええ」

 

 

 つまり自分をこの件から抜け出させるということ。まぁ……確かにこの件は僕という平民が介入する余地がない。

 

 献帝が絡まれた事件は流石に平民の身では関わるべきではない。僕も特に前から歴史を干渉しないと決めた。

 

 だが、彼女の正体を知った後、心の中はどうしても落ち着かない。

 

 想定外の歴史事件が起きた。不安定要素として献帝を誘拐する危険な連中たちがいる。

 

 もしここで献帝……白湯が何かあったら、それこそは漢王朝は最大の危機が辿り着けるかもしれない。

 

 黃巾の乱が始まる前に漢王朝が先に崩れたら、あとの歴史は想像したくないほど壊滅するのだろう。

 

 長城の北にも五胡がある。正史の記録では彼らも長年漢への侵略が止まらない。今まではずっと各北勢力……袁紹、曹操、残留した官軍たちが辺境を守ったこそ、彼らの侵略を止めた。

 

 つまり今回の件で献帝が何かあって、漢王朝が先に崩れたら、五胡に攻められるチャンスを与える。

 

 それは決して起こしたくない最悪の事態だ。元の歴史ところか、原作もそれ故に崩れちゃう。

 

 確かに自分はこの性転世界を気に食わないが……歴史が滅茶苦茶されるのは絶対に嫌だ。

 

 それに、ここで生活する人は僕以外に明命や村のみんながいる。世話された恩を返すまで、死なせたくない。

 

 

 「はぁ……ボクが言っていることをよく理解している反応だけど、顔からどう見ても受け入れなさそうだね。アンタは」

 

 「………え?」

 

 「全部顔に書いてあるわよ。まったく、月と同じこんな時だけは子供に見える」

 

 

 僕の顔を見て、大きなため息を吐く賈駆。

 

 自分はそんなに感情を顔に映せるタイプの人なのか?それと、自分は董卓に似てる?いやいや、僕はあんな良い子になれないよ。

 

 

 「いいだろう。アンタに特別、白湯様の面倒を見させてやる。白湯様も恋も昨夜で随分とアンタのことを気に入っているし、あの二人に少し甘やかしてやりましょうか」

 

 「え、それで……つまり?」

 

 「つまりボクの怪我が治るまで、白湯様の面倒を見てもいいってこと。この調子ちゃ、ボクはあの二人の足纏しかならないわ。」

 

 「そんなことは……」

 

 「それに、この旅も始まってから、あの子と恋はずっと身分がバレないように全然気が緩んでいないのよ。アンタと会う前にはね」

 

 「そう……なのか?」

 

 「ええ、恋はともかく白湯様は昔より楽観になった気がする。アンタに悪いけど、少しあの二人に付き合わせるわ。今頼れないボクより、アンタのほうがあの子達に安心させると思う」

 

 

 そう言いながら、賈駆は苦笑い顔をする。

 

 ただ足がやられて、走れないと自分のことを足纏だと見た彼女。本当に真面目な子だね……。

 

 

 「けど、あくまでボクの足が治るまでよ!ボクはまだ月に頼まれたことを諦めるつもりはないから!勘違いしないでね!」

 

 「わかった。ありがとう、賈駆さん。」

 

 「い、いいよ。お礼を言いたいのはこっちだし」

 

 

 顔が少し赤くなった賈駆。

 

 案外、恥ずかし屋さんだな。……ただお礼を言っただけなのに。

 

 

 「あら?皆さんはもう起きていたのですか?」

 

 「天海さん……?」

 

 「ひゃあ!天海主治医さん!?お、おはようございます。朝からどこに行ったのですか?」

 

 「薬草を取りに行ったのです。町の外にはいい薬草が生えていたです。貴女の足の怪我を治る薬草もありますよ。」

 

 

 ちょうどその時、天海は外から戻ってきた。話を聞くと、朝から薬草を取りに行ったらしい。

 

 なんか大変そうだね……この時代の医師は。それにしても、さっきの悲鳴はちょっと可愛い。

 

 

 「お、お疲れ様です!わざわざ薬草を取りに行くなんて……」

 

 「いえいえ、これは普段のお仕事です。お気になさらず。それより、皆さんもお腹が空いたと思って新鮮な卵も取れたのです。これはいい朝ごはんが作れます!」

 

 「え?作るのですか?」

 

 「はい!料理の腕は多少自信があります。それに、一日三食は健康への道です。医者として常に皆さんの健康を祈っております!」

 

 「そんな……じゃ、せめてお金を」

 

 「気持ちが嬉しいのですが……私はお金を取れません。皆さんが美味しく食べていれば、私も満足です。」

 

 

 まるで女神が笑っているような笑顔。この人は外見だけではなく、内在もとても美しい。

 

 もしかすると、男性の夢でも出る理想な女性は彼女のことなのかもしれません。いや……流石に自分と年齢が離れ過ぎだから自分勝手な理想を彼女にかけないておくか。

 

 因みに、自分は既に万が一北鄉一刀を殺せなかった場合、この世界でどう過ごすかちゃんと考えていた。

 

 自分は一応男性だ、嫁一人くらいでも欲しい。けど、その対象は劉玄德のような知名度が高い平民娘 (皇室の血が持つけど)ではなく、モブ娘でいいのです。

 

 流石に北鄉一刀のような全三国人物を嫁にする度胸がない。したくない。

 

 まぁ……嫁探しも今や将来が遭うべく危機を解決したあと、考えればいい。今はどうにか、献帝を訳わからない危機から守らなければならない。

 

 彼女が無事でいれば、今後の歴史も今まで通り上手く進んで、僕も黃巾の乱以外の憂いから解放する。

 

 しかし……彼女を狙う連中の正体がわからない以上、こっちも対策を出しにくい。まぁ、こっちは僕の恋がいるし、戦力的には多分大丈夫だろ。

 

 そう思って、僕は次々と起きたみんなと結構平穏な朝ごはんタイムを過ごした。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「お兄さんが生まれ育った村はどんな村なんだろ?」

 

 

 町から離れた馬車の中で、僕の隣に少しはしゃいた白湯。

 

 朝ごはんを食べたあと、僕たちは両チームに分けた。

 

 風と禀は元々約束があって、僕の村に行く予定ができている。そして天海さんも僕の依頼を受けたから、うちの村に行く事情があった。

 

 恋たちは同じ場所に留まったら、また襲われる可能性が高いという考慮で暫く白湯をこっちに預かってもらった。

 

 その理由としては、町にいるより外にいるほうが逃げやすいと賈駆さんはそう判断してから、何より重要な白湯を先に逃してもらった。

 

 実に見事な判断だ。それを聞いた僕も思わず彼女の参謀としての腕を褒めたい。

 

 因みに、賈駆のそばには恋がいるから、例え襲われても問題ないと思う。何せ、あの人は三国最強の武者なんだから。

 

 

 「ただ普通の村だよ。白湯ちゃんは今まで見たことがあるだろ?」

 

 「ううん、ずっと馬車の中や人が多い町の中を出歩いているから、農村はまだ一度も行ったことがないです。」

 

 「そうか。じゃ、この機にしっかり見てね。うちの村を」

 

 「はい!」

 

 

 元気よく僕に応じた白湯。

 

 その幼い外見から皇帝の影が見えない。この子は本当に献帝なのか……?と思わず彼女の正体を疑う。

 

 僕も献帝がこんな可愛い女の子だと想定してなかった。原作でも出てこなかった。

 

 

 「お兄さん〜。さっきからずっと白湯ちゃんのことばかり見て……風のことを構って欲しい〜」

 

 

 僕の懐の中ですりすりしていた風。彼女はなぜか僕の膝に座って本を読んでいる。そして今は僕が構ってないことに不満そうな顔。

 

 

 「構って……人の膝を勝手に占領するくせに、よく言うわね!」

 

 「だって、お兄さんは風のものだから」

 

 「僕はお前のものではない」

 

 「じゃ、風をお兄さんのものに?」

 

 「誤解を招いた言い方はやめろ!」

 

 「こう見てないで、風はかなり大きいわよ?触って確認してもいいよ」

 

 「健全な男性を誘惑しないで」

 

 

 風からの攻勢に少し頭がぐるぐるしてきた。この子は僕との距離感を全然掴まないし、自らもその柔らかい体を押し駆けてくる(胸がないけど)。

 

 朝ごはんを食べるときも勝手に僕の膝の上に座る。

 

 

 「ごめんね、風がまた迷惑をかけたみたい……。後でしっかり叱るから」

 

 

 そして僕の真正面の位置に座っている禀は申し訳ない表情で風が迷惑をかけたことに謝る。

 

 彼女は今、賈駆が送った軍事相関の書類を読んでいる。二人共、同じ曹操と関わる軍師さんだ。

 

 彼女が熱心にその本を読んでいるから、僕は禀の代わりに風のわがままをそのまま受け止める。

 

 もしその本で郭嘉が今まで以上に凄くなっていたら、歴史の観測者として嬉しいです。

 

 

 「程昱さん、あまりお兄さんを困らせないでください」

 

 「おや?いい子ふりにして、実はお兄さんを独占するつもりでしょう?白湯ちゃん」

 

 「そ、そんなことないです!わ、わたしはただお兄さんに困らせたくないです」

 

 

 あ、なんか両方の言い争いが起きた。

 

 

 「ならお兄さんから離れたら、風も大人しくお兄さんから離れます。どう?賭けますか?」

 

 「……わかった。本当に離れますよ」

 

 

 そう言って、白湯は自ら僕の腕を手放した。彼女はさっきまではずっと僕の腕を抱いている。

 

 

 「さぁ、程昱さんも早くお兄さんから離れるのです!」

 

 「………仕方ないですね〜。じゃ、お兄さん……肩を貸して」

 

 「え……?」

 

 

 僕から離れていたと思ったけど、風は僕の腕を抱いて、大胆に頭を僕の肩にぽっこと置く。

 

 それを見た白湯は彼女の行為に驚く。これは彼から離れるではなく、もっと親しく食う付いていたように見える。

 

 

 「お兄さんとの肌接触は少なくなったけど、こうやるのもなかなか……」

 

 「は、離れるのではなかったのですか!……まさか、嘘をついているのですか!?程昱さん。」

 

 「嘘をついたなんて……酷い言い方ですねぇ〜。風はただ疲れたから、お兄さんの肩を借りただけで〜す。これは仕方ないことで〜す。風は身体弱い子供で〜す」

 

 

 そういう言い訳を使った風。お前は本当に子供という身分を利用して、堂々と正当の理由を付けたな。

 

 けど、そういう風は嫌いじゃない。何せ、軍師という者は元々手段を選ばない策士なんですから。

 

 

 「そんなの、ずるいです!お姉さんでもそういう嘘をしないのです!」

 

 「ふふっ、羨ましいか?お兄さんの腕は枕としては絶好調な品物ですよ」

 

 「おい、勝手に人の腕を物扱いにしないで」

 

 「む〜〜。だ……だったら、わ、私も!」

 

 「ちょっ!白湯ちゃん!?」

 

 

 風の反対側に我慢ができない白湯は彼女を真似して、つい僕の腕を枕にした。

 

 この様子だと……僕のことを風に譲るつもりがないみたいだ。同様に風も僕から離れるつもりはない。

 

 もしかして、僕は子供の中に意外に人気があるのか?

 

 

 「ようやく誠実になったわね。白湯ちゃん。」

 

 「せ、誠実なんか……うぅ〜〜お兄さん、ごめんなさい。」

 

 「いいよ。僕に甘えても全然怒らないから」

 

 「お兄さん……」

 

 「お前はまだまだ子供だから、年上の人に甘えるのも悪いことではない。例え白湯ちゃんは自分のことを僕に教えなくても」

 

 「お兄さん……うん。ありがとう。」

 

 

 泣きそうな白湯を優しく撫でて、彼女の心を安心させる。そうすると、彼女は安心して僕の方に身体を預けた。

 

 ますます彼女のことを脳内で想像した献帝とずれている。むしろ、この子は本当に皇帝の器があるのか?いや……そもそも曹操に操られたばかりの皇帝は器というものがあるのか?

 

 

 「さすが、お兄さん。完全にあの子を落としたみたいだね。」

 

 「だから誤解を招く言い方をやめろ」

 

 「ふふっ、これもいいことよ〜。白湯ちゃんが素直に自分の感情をお兄さんにぶつかるのはいいことです。あの子は……なんか自分を抑えしすぎるのだ」

 

 「え……?それはどういう……?」

 

 「ふふっ、風は何か言ってました?風は何も言ってないですよ〜」

 

 

 意味深な微笑みを残して、僕の肩に頭を置けた彼女。

 

 とぼけている様に見えますが、彼女の言葉から彼女の意図を少しだけ覗っていた気がする。

 

 白湯ちゃんが本物の献帝だったら、生まれからずっと自分の感情を抑える宮廷環境で育つ。それで賈駆さんが言っていたように、彼女は常に自分の感情を抑えている。

 

 なら、風がさっきわざとやっていたのは……。

 

 「待って、風……お前はもしかして……」

 

 「ふふふ、ご想像お任せで〜す」

 

 

 軽い笑い声で僕の肩をすりすりする彼女。

 

 その可愛い外見だけど、彼女は史実通りの名軍師なのかもしれない。正直、少し胸がドキドキしてきた。

 

 これぞ程昱という名軍師だ。例え性別が女に替えようとも、その測れしれない実力は本物だ。

 

 風の凄さを感心しながら、村についたまで孫竹はずっと二人に抱かれていたままだった。

 

 

 ーーどうやら、私が介入する必要がないみたいだね。

 

 

 そして馬車の先頭で馬車を操作する天海さんも仲良い三人を見て、安心した顔になった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「なるほど。事情がわかりました。では、小林おばあちゃんのことは何卒よろしくお願いします。」

 

 「はい、お任せください」

 

 

 村に到着したら、僕たちは早速ばあちゃんの家に行きました。そこで、一人の老人が僕たちを出迎えた。

 

 彼はこの村の村長です。この度、おばあちゃんが倒れたことで彼もすごく心配していた。

 

 

 「蓮もわざわざお医者さんを町から連れていてくれてご苦労じゃった。」

 

 「いいえ、自分もおばさんにたくさんお世話されましたから、これくらいは大したことじゃないです。」

 

 「ふふっ、それにしてもお医者さん以外にお連れの方も多いようですね。しかも全員は女の子。お前……周泰ちゃんのことを裏切ってないよね?」

 

 「え……っと、急にどうしたの?村長」

 

 「………いや、ただ周泰ちゃんのことをもっと見てて欲しいです。お前さんが昨日帰って来なかったことで周泰ちゃんはずっと不安でした。そのせいで今日はずっと寝不足で、今はやっと眠れたよ。」

 

 「そうか……」

 

 「あの子が起きたら、ちゃんと安心させろよ。お前のことを一番思っているのはあの子なんだから」

 

 「はい。」

 

 

 村長が僕にそう伝えたら、彼は用が済んでこの場から離れた。どうやら、ただ僕に文句を言いたいだけだ。

 

 ……にしても、ただ一日家に帰ってないからとはいえ、心配し過ぎで身体を壊すだなんて……ちょっと心配だな。様子でも見てくるか。

 

 

 「ごめんなさい、天海さん。みんなのことは暫く託してもいいのかな?僕はちょっと、うちに戻って様子を見たいです。」

 

 「え……?うん、わかりました。蓮さんがせっかく甘えてきた願いですから、程昱さんたちのことは私に任せてください」

 

 「えっと……別に甘えてもないが。まぁ…みんなのことをお願いします。」

 

 

 そして僕は暫く白湯のことを天海さんたちに任せたら、すぐ明命がいる家に戻っていく。




ここからは最近投稿が遅くなった理由について説明します。

実は四月になって、作家さんにとっても人生の一つの節目を迎えました。色々悩んだ結果、今回の話はなかなか書けませんでした……。無論この作品の連載は継続していく方針ですので、長く温かい目で見ていただければ幸いです。

それと、次回も日常編の予定です。
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