虹×夢カラフルデイズ 作: 龍也/星河琉
夏空が燦々と晴れ渡る今日。俺達同好会メンバーは夏休み中も変わらず学園に来ている。
皆で行った合宿も無事に終わり、俺が考案したライブである『スクールアイドルフェスティバル』の開催許可を得る為に、今俺とかすみは生徒会室に来ていた。俺達の目の前には生徒会長モードのせつ菜さん、すぐ近くのソファには副会長と書記らしき人が座っている。
「スクールアイドルフェスティバルの申請書です!」
「承認をお願いしまぁ〜すっ!」
生徒会の人達に概要を書いた紙を渡して、それに目を通してもらっている。数分の間があった後、せつ菜さんが口を開いた。
「ふむふむ。とても面白そうな企画ですね」
「……プフッ」
「どうか、しましたか? つむ……
他の人達は初耳なのにせつ菜さんの方はライブの計画を前から全部知った上でそれ言ってるのを思うと笑いがこみ上げてきて吹き出してしまった。半ば自作自演みたいな感じになってて面白ぇな……って、そんなん考えてる場合か! 今はライブを承認される為にここに来てんだよ! 堪えろ俺!!
「い、いえなんでも……そちらに記載がある通り、スクールアイドル好き皆が楽しめるイベントにするつもりです」
「あの、すみません。私が疎いだけかもしれませんが、スクールアイドルとはどういったものなんですか?」
副会長が純粋に問いかけてきた。そりゃそうだよな……いかにも真面目そうな感じだし、スクールアイドルの存在そのものを知らなくても無理ないよな。
「元気でかわいい、かすみんのことでーすっ!」
出たよいつもの。生徒会室でそれやれる度胸すげぇなお前!? おいおい……皆かすみを凝視してるし、気まずい雰囲気にならねぇだろうな……?
「あぁ……うん?」
ほらぁ! 副会長首傾げちゃってるよ!! どーすんだよこれェ! 完全にシラケたぞ!? やばいぞこの空気!
「一般の生徒達が、学校の部活としてアイドル活動をするんです」
「そうですそうです。それがスクールアイドルです」
せつ菜さんナイスフォロー! これでおそらく理解してもらえたはずだ! でかした!
「会長、よくご存知ですね」
「えうッ! ……コホン! 生徒会長たるもの、当然です」
「なるほど……私も会長を見習って、もっと勉強しなくてはいけませんね」
一瞬取り乱してはいたが、なんとかいい感じに持ち直し、ひとまずわかってもらえたみたいだ。あぶねぇ……せつ菜さん、指摘されると弱いタイプなのか……?
「この申請書ですが、内容が余りにも漠然としていて、このままでは承認はできません」
「まず、どこの学校と合同なのか書いていません」
「もっと具体的な行動予定も欲しいところです」
「進捗状況も知りたいですね」
「ぐっ……」
副会長や書記さんにめちゃくちゃ指摘される。一筋縄ではいかないとは薄々思っちゃいたが、改善点しか出てこない。やっぱり紙切れ1枚の内容じゃ薄かったか。しくったなこりゃ。
「何より、開催地の希望を出していただかないと、こちらとしても承認しかねます」
「では、それが決まれば承認してもらえる、ということですか?」
俺が副会長にそう聞くと、こくりと頷いた。
「そうですね。もっと内容を詰めてから再度こちらに提出してもらえると助かります」
「わかりました! 善は急げですっ! つむぎ先輩!」
「だな。ちゃんと決めてからもっかい出直すか」
生徒会の人達、しっかり内容に目を通した上で何をまとめればいいのかアドバイスしてくれたし、頭でっかちって訳じゃなさそうだ。安心した。生徒会に納得してもらえるように内容を詰めよう。
「「失礼しました!」」
生徒会の人達に一礼し、生徒会室を出ることに。
「スクールアイドル好きの、皆が楽しめるお祭り……」
入り口のドアノブに手をかけようとしたところに、副会長が言葉を発する。
「……素晴らしいライブになると良いですね」
スクールアイドルフェスティバルの案に少し懐疑的だと思ってた副会長が、俺達に対してそう励ましてくれた。副会長がそう言ってくれるなら、頑張らなきゃいけねぇな。なんとしても、承認してもらわなくちゃ!
「はい! ありがとうございます!」
副会長にお礼を言って生徒会室を出て、深呼吸を1回。マジで緊張した……普段はあんまり入ることのない生徒会室に入るのはなかなか勇気がいるな……。
「さぁ! 忙しくなりますよぉ〜!」
「善は急げ、だったな。かすみ! 部室に戻るぞ!」
「はいっ! つむぎ先輩!」
皆にどうだったか報告しなきゃならんし、時間は限られてるからテキパキ動かねぇとな。夏休み中のほとんどの時間をスクールアイドルフェスティバルに使いそうだが、それでいい。皆と良い思い出を作れるように、俺がまず先導して動いていかなきゃな。見てろよ生徒会。内容詰めるだけじゃなくて、きっとすっげぇこと、考えてみせるから。