虹×夢カラフルデイズ   作: 龍也/星河琉

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読んでいただきありがとうございます。2章も残り僅かとなりますが、引き続きよろしくお願いします。


第36話 今の俺にできること

「んっ……やべ、意識飛んでた」

 

 フェスティバル開催まで残り5日。大方準備は済んで空き時間が増えてきた。そんな中俺は皆より早く部室に来て、作詞の為にルーズリーフと睨めっこしている。

 

 夜通しで作詞してるからどうしても眠くなってしまうのでコーヒーやエナジードリンクが必要不可欠だ。エナドリの缶に口を付けながら筆を進めていると、部室のドアが開いた。

 

「おはようございます! つむぎさん!」

 

「おはようせつ菜さん。珍しいな、今日は全員お揃いなのね」

 

 せつ菜さんだけじゃなく、今日は皆一斉に部室に来た。もう皆会場設営は済んでるっぽいし、暇になってきた頃かな。

 

「そうですが……つむぎさん、この散らかりようは一体……?」

 

「あぁ悪ぃ。ちょっと作詞しててな。あとで片付けとくから気にしないで」

 

 机には現状書いてる紙とかただ単語を羅列した紙、地面には気に食わなくてくしゃくしゃにして捨てたルーズリーフが大量に落ちてる。なんかなぁ、自分が納得いくモン作るってなったらちょっと気に入らないとすぐボツにしちまうんだよな……。

 

「作詞!? どうしてつむぎ先輩がっ!?」

 

「皆にはまだ伝えてなかったな。これが俺のやりたいこと。俺の『夢』なんだ」

 

 

 

 

 一通り皆に俺の夢を話して、これからどうするのかも伝えた。皆、素直に喜んでくれた。反対されなくて安心したぜ。

 

「それで作詞してたんだねぇ〜(つむぎ)ちゃん。すごく良い夢だと思うよ〜?」

 

「すごい……これら全部、つむぎさん1人で書いたんですか? 曲名もたくさん……」

 

 彼方さんとしずくが置いてある紙を手に取りながら俺に話しかけた。

 

「そうそう。単語は頭に浮かんでくるんだけど上手く纏められなくてな。あ、そこら辺に落ちてる紙はボツだから捨てて大丈夫よ」

 

「単語がびっしり……! つむぎ先輩、これをボツにするのもったいないですよぉ! せっかくこんなに書いてあるのに!」

 

「皆の為の曲なんだ。ハンパなモンにしたくないからもっと突き詰めていかねぇと……」

 

 フェスティバル当日に間に合わせるつもりはサラサラ無いから急がなくて良いんだけどさ。そんなゆっくり作ってもいられないからこうして作詞してる。やると決めたからには、できる限り完璧にしないといけないからな。

 

「おっと、曲名にこれ付け足すの忘れてた。こうしとこう」

 

(つむ)ちゃん、曲名はもう決まってるの?」

 

 歩夢が今書いてる紙を覗き込みながらそう尋ねてきた。

 

「ああ。『これだ!』ってやつが思い付いたから曲名は決まり。あとは歌詞さえなんとかできりゃ良いんだけど……」

 

 今までの事を思い出しながら曲の名前や歌詞を考えてた時、パッと浮かんだ単語を当てはめてできたのがこれだ。そこに歩夢との思い出もいくらか入れてみようかと考えて、曲名の間にある記号を付け足した。

 

「あっ、もうこんな時間じゃねぇか! 俺、最後の仕上げに行ってくるから! じゃあな皆!」

 

「忙しいわねぇ。頑張ってね、(つむぎ)

 

「おう、さんきゅ! 行ってきますっ!」

 

 今日やる筈の仕事を始める時刻からもう20分以上経ってたのに気付き、俺は急いで椅子から立ち上がり、皆に手を振って部室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 夕方になり、今日の仕事終了。そのまま真っ直ぐ帰ろうと思ったけど、部室にカバンと作詞の途中のルーズリーフを置いてったことに気付き、部室に戻る。急いでたから荷物持つの忘れて出て行っちまった。まぁしゃあなし。

 

「おっ、あったあった……ってあれ?」

 

 カバンとペンケースはそっくりそのままあったんだけど、あんだけ散らばってたルーズリーフが跡形もなく消えていた。

 

「そっか、せつ菜さん達が片付けてくれたのか」

 

 気を利かせて皆が片付けてくれたと見た。めちゃくちゃ助かる。机に1枚だけ残った曲名が記されたルーズリーフをしまってからカバンを背負い、部室のカーテンを閉めた。

 

 

 




懸けろ、駆けろ、架けろ




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