百足神   作:岩床体

1 / 3
ピャッて書いて

絶対に何話か後でイチャイチャさせます


い(ち話目って適当になるよね)

実家の裏にある山で遭難した

 

 

 

 

実家があるのはある県にある地方中枢都市からほど近い(と言っても1時間程掛かるが)山あいの村にあり、ゆったりした時間や、昔ながらの建物を売りにした人口200人ほどの観光村落だ

 

観光村落と言っても普通に人は活気溢れる生活をしている。

電線やケーブルはある程度は埋設されており、周辺地域は環境保全地区として保全されているため、山が荒れることも無く、過ごし易い環境となっている為、別荘があったりもする。

 

夜は電灯もちゃんと点くが、新しく開発された電灯を用いる事で、星空が綺麗なままになっている

 

小さいながら由緒正しい神社と寺があり、どちらの建物も県の重要文化財に指定されている

 

村落地域と都市部の繋がりを強めつつ、過開発を抑えて、自然と共存してきた村落地域の魅力を残して地方を賑やかにするという方針の県知事の働きにより、かなり自然が残っている土地だった

 

知事曰く「木は根が腐れば幹も腐り、倒れる。よって村落地域を活性化させる事で中心部の市街が潤うのだ」という事らしい

 

 

 

村とはいえ、清潔感が保たれた宿泊施設もあり、小さいながら診療所があって、派遣されて来た医師が何時も最低1人は居る

 

よって、野外活動などの学校行事の為に子供が来たり、休暇を過ごす為にやって来る人がそこそこ居る

 

また、軽率な移住による近隣住民とのトラブルを防ぐため、お試し期間としてひと月その地域で暮らし、村の人と関わり、移住を決定する方式を採用している

 

その中でもこの地域はこの県の中でも特に歴史が古く、しかも珍しい事に、ひとつの事項を除き非常に開放的な地域だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は県外の大学に通っている。大学が終われば実家へ帰らねばならないし、家業を継ぐことになっているので、ツテや繋がりの構築の為に通っている様なものだった

(とは言っても卒業後5年ほどはバイト等で社会経験を積むが)

 

 

実家は村の相談役のような存在で、先祖がこの村を興した1人らしい

 

なんでも先祖が土着の神のような存在に、味が気に入られて色々教えてもらい、なんやかんやあって村の発展に繋がったという事だ

 

爺様は私が小さい頃に

「あの方はそれはそれは美しい姿をしておいででなぁ。しかし恐ろしいのでな、裏の山には近寄っちゃあならんぞ?深く関わったら詰みじゃ。」と言っていたはずだ

 

 

その爺様が先日死んだ

 

畑への道中で倒れていたそうだ

 

 

死因は熱中症

 

作業の時に何時も持って行っていたお茶と塩昆布を偶然忘れたらしい

 

 

 

奇妙な事に、事切れた爺様の身体の上に何匹かの巨大な百足が丸まっていたらしい

 

「百足神...か。」ポツリと呟く

 

 

百足神。

 

先祖の肉の味を気に入った存在だ

 

と言っても人を喰らうのでは無い。

 

 

 

神隠しは起こすが

 

そして大体帰ってきたら異常な程衰弱しているが

 

爺様は

「言い伝えによりゃあ婿代わりになればひと月に1度、少し噛まれて血を吸われるだけじゃったらしい」

 

と言っていた

 

「お前はあの阿呆みたいに外の娘っ子を娶るなや。そういうしきたりやけ。許嫁と仲良うしんさいな」

 

と言うのが口癖だった

 

しかし、許嫁は大学生となった今まで知らされていない


 

 

親父はこの家に産まれ、大学で彼女を作り駆け落ちしたらしい

 

母親の顔は知らず、父親の顔は学生の頃に撮ったという写真でしか見た事がない。

 

叔父に引き取られ、この村へやって来た

 

 

そんな親父の息子だと言うのに村の人や祖父母、親戚の人は自分達の子供のように育ててくれた。

 

 

父親の元許嫁には、家族全員で頭を下げて許しを乞うたそうだ

 

勿論自分も1人で頭を下げに行った

 

元許嫁の方にも夫となった人からも刺されても良い覚悟で遺書をさらさらと書いて行った

 

2人とも特に怒ってはいなかった

何故か2人に抱きしめられ、「辛かったね」「大丈夫だから」等言われたがなぜかは分からなかった

 

 

 

親父の許嫁だった人は綺麗な人だった

 

恋愛結婚だったらしい

 

親父の話を聞いた

 

聞かなきゃ良かったと後悔した

 

 

 

親父はどうしようもない野郎だった

 

 

しかし顔も知らない親2人には自分を産んでくれたことの感謝はしている

 

 

 

 


 

 

 

「憶えている。この分かれ道を左に行って巨石の後ろの道の端を歩けば辿り着く」

 

 

 

 

爺様の告別式の次の日、気付いたら山の入口にいた

 

思考はひとつの事で埋め尽くされふわふわとして心地よい

 

 

置き手紙を(したた)め、お祓いをした井戸の水を被り身体を清め、盃1杯の日本酒を飲んだ記憶がほわんとした夢見心地の頭に残っている

 

岩洞の先へ行かなければならないという考えが頭を埋めつくしている

 

"家に帰らないと"という思考をしようとすると猛烈な不快感が身体全体へ絡み付いてくるように感じる

 

大量の脚がある細長い生き物が大量に這い上がってくる感じだ

 

 

 

前へ足を踏み出す

 

不快感が少し和らいだ

 

 

少しばかりの心地良さと安らぎが身体を包んでいる

 

 

行っても家人は特に何も感じないだろう

 

置き手紙には

「明日には帰ります。必ず」

とだけ書いて居間の机の上に置いている

 



遭難したが、どうにか見覚えのある場所へ辿り着いた

 

 

大岩の前に辿り着いた時だ

 

 

 

「久しぶりじゃないか。少年...いや、青年か。身体はそこまで大きくならんかったが熟れた良い匂いを出す様になったじゃないか。」

 

背後から懐かしい声が聞こえた

「身長が伸びてない事には触れないで下さい。あと、いきなり背後から話しかけないで下さい。びっくりします。」

 

墨染の衣をほんのり着崩した美女が立っていた

「すまんすまん。お前には随分会ってないのでな、ちょっと驚かしてやろうと思ったのさ。お前もそういう事をされたくなかったら早く我に娶られるか私に着いて来て欲しいと願えば良い。」

 

下半身は百足になっているが、それが彼女の妖艶さを引き立てている。

 

「貴女は昔っからそうですね。私の方が貴女より早く死ぬのに何故そのような事を言うのです」

 

「そんなもの簡単。縁で縛れば良い。縛ってしまえばお前は他のヒトよりずっと長生きする事ができる。肉体と精神の限界が来れば産み直せば良い。だから我に娶られよ。それとも我がお前に告白すれば受け入れてくれるのか?」

 

彼女の口からつむぎ出される言葉が脳を侵蝕して行く

従えば絡み取られ包まれる様な安心感が得られる事は分かっている

 

「まだその時では無い。然し覚悟は決めている。分霊を作り出しておいてくれ。完成したら家に呼びに来てくれ。その時貴女の婿となろう。」

 

「分霊を作り出し、其れを祀らせて私の代わりにするのだな?然し君、分霊は1年毎に作り直さないといけないのだよ?1年に1つ程度なら全く影響は無い故特に問題は無いのだが、この村へ帰ってくる事になるぞ?」

 

問題は無い。1年に最低でも1回は帰る事にしているもの

 

 

「またな。貴女の迎えを家で待っている」

 

「お前には外の娘っ子の血が流れている。素晴らしい事だ。お前は誰にも渡さんよ。だから3日後には迎えに行く。」

 

「無理だけはしないでくれよ」

 

「あいわかった。あぁ、そうだ。私が迎えに行くまで自慰はするなよ?」

 

「貴女の婿となるのだから嫁の言う事にはできる限り従うさ。支配されるのは嫌いじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

家へ戻る

 

祖母と叔父からは少し心配された

 

「叔父様、お祖母様、折り入ってお話があります」

 

 

そう、切り出した




別の作品も頑張るぞい

2021/03/13 変と感じた部分を編集
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。