宇宙に飛び立ちアタックボールの中、父から渡された物を確認した。
1つ目は、スカウター。
どうやら最新式の試作品ようだ。
資料室で見たんだが、戦闘力を数百万 計れるんだっけな。
幸いな事に試作品なので通信機能は備わってないようだ。フリーザ軍に盗み聞きとか、嫌だからな。
2つ目は、丸くて赤い実のようなもの。
ま、まさか、神聖樹の実!? しかも2つも...
まさか父が持っていたとは...
これらは大事にとっておこう。
それから暫くの時が流れ、ヤードラット星の大気圏が近づいてきたようだ。
そして無事、何も無い無人の所に着陸出来た。
外に出ると、ヤードラット星人達が集まっていた。どうやらサイヤ人だからなのか、警戒しているようだ...
「すみません、一番偉い方にお会いしたいのですが...」
俺はそう聞いた。この中に居れば良いのだが...
しかし、そう簡単にはいかなかった。
「悪いが、長に会わす訳にはいかない!」
そう言って、戦闘態勢をとったヤードラット星人。そして、突撃してきた。
俺を捕まえるつもりなのだろうか。
闘いたく無いんだけどな... 誰も話を聞いてくれなさそうだ。
ヤードラット星人達の攻撃を避けまくる。
今回は瞬間移動を教えてもらうだけだ。他のサイヤ人のように星を攻める訳では無い。攻撃なんかすると、教えてくれないかもしれないし...
とりあえず、不利な状況を作り出すのは避けないと。
すると、
「やめんか!!」
その声に誰もが振り返った。
『長!』
あの人が一番偉い人のようだ... 全員戦闘態勢を解き、かしこまっている。
「どうやら幼いサイヤ人のようだが、何の用だ...?」
「えっと... ヤードラットの人々は特殊な術を使えると聞いて、教えていただこうと思いまして。主に瞬間移動を...」
俺は要件を伝える。
まだ両親は来ていないけど、後で説明したら良いだろう...
しかし、
「なりませんぞ、長!」
とか言って、他の人達は警戒している。
「お主らの思うようなサイヤ人では無い。現にお前さん達に危害を加えて無かろう。」
「そ、そういえば...」
しかし、長は違った。
流石最長老だけあって、実力を見抜く力を持っているようだ...
「良かろう。しかし、かなりの実力を持っているようだが、なぜ瞬間移動を覚えたいのかね?」
「俺はそれを闘いに役立てたいからです。例えば、仲間がピンチの時にすぐに駆けつける事が出来ますから...」
「そうか... ただし、そう簡単には覚えられんぞ。
まあ、スピリット仕組みが分かれば必ず出来るようになるだろう。」
「ありがとうございます!」
「ところで、名は何という?」
「俺はターレスといいます。」
「そうか...」
そういえば、ここでは気の事をスピリットと呼ぶ。
悟空ってどれくらいで覚えたんだっけな... でも、そんなに急ぐ必要は無い。原作開始まであと12年くらいあるからな。
「瞬間移動は誰かのスピリットを目印にして、そこに移動するという術だ。」
最長老から説明を受ける。
原作を知っているので大体の事は分かっていた。しかし、知っているだけでは駄目だ。実際にやるのとは全然違う。
そうして、瞬間移動の修行が始まった。
それから暫くの時が流れたが、両親は一向にやって来ることは無かった。
ドドリア達に殺されてしまったのか分からないが、その数日後に惑星ベジータが爆発したのは分かった。
脱出出来たとしたら数時間違い、長ければ数日で来れるはずだが、来ないって事は...ね...
やはり、両親を失ってしまったようだ...
もっと脱出するのが早ければと思うが、あまりにも時間が無かった。前世と何か縁があるのだろうか...
・[約1年半後...]
ヤードラット星での修行を始めてから、約1年半が過ぎた。
修行以外では皆の手伝いをしていた。そのおかげか、警戒していた他のヤードラット星人達は徐々に仲良くなっていった。
「では誰かのスピリットを思い浮かべ、移動してみせよ。」
「はい!」
移動先は...フリーザの部下の誰かにしようかな。どうやら惑星フリーザに居座っているようだ。
一瞬だけにしよう。顔を覚えられたら面倒だし...
そうして、瞬間移動を実現させた。
「今行った場所はどこかね?」
「惑星フリーザです。」
「ほう... まさか、星々を移動できるようになるとは...」
という訳でやっと瞬間移動を修得できたのだ。
と思っていたら...
「ターレスよ、まだ時間はあるか?」
突然、最長老が聞いてきた。
「まだありますが...」
「お前さんに、もう1つ術を教えようと思ってな。」
え、もう1つ教えてくれるのか?
「それは何でしょうか?」
すると、長は俺に向けて手をかざした。
疲れがとれ、体が回復した...?
「回復の術だ。これは私の得意技だ。」
「本当ですか!?」
「ああ、お前さんが気に入ったからの。」
「ありがとうございます!」
どうやら、俺が熱心に取り組んでいる様子に惹かれたらしい...
回復技はナメック星で覚えようと思ったが、あれは龍族の技だからな。もしかしたら、龍族以外は覚えられないかもしれない。そう思うと、ここで覚えておいた方が良さそうだな。
「回復の術は名の通り、相手を回復する術だ。しかし回復させるには、それなりのスピリットを備わってないといかん。スピリットを大量に消費するからの。
だが、お前さんには十分のスピリットをもっておる。だから、教えようと思った訳だ。」
「なるほど...」
回復の術は、気を消費する代わりに相手を回復する事が出来るという訳だな。
そうして、次は回復の術を覚えることになった。
・[約1年後...]
あれから約1年が過ぎた。
そして、なんとか回復の術が使えるようになった。
回復の術は想像以上に難しかった。ただ単に気を相手に送るわけではないからな。それに回復の力を宿さないといけない訳だ。
「最後にこやつを回復してみせよ。」
最長老は、弱っている生き物を差し出す。
「はい!」
そして、それを回復させることに成功した。
「流石だ。よくぞここまで覚えた!」
「ありがとうございます!」
という事で、ヤードラット星で2つの術を覚えた。
翌日、ヤードラット星を出発する。
次はナメック星に行こうと思う。
「長い間、本当にお世話になりました。」
そう言って、ヤードラット星の人達に別れを告げる。
「達者でな。」
そしてアタックボールに乗る。
皆が手を振って笑顔で見送ってくれた。初めはあれだけサイヤ人というだけで警戒されていたのに。
原作開始まであと約9年...
ターレスがヤードラット星にやって来た時には、まだ スピリットの強制分離 は存在していないという設定です。