[完結]FIAFormula1 WorldChampionship the new generation   作:九嶋輝

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前回も表彰台と波に乗って迎えたイギリスgp。このレースから行われる初の試みとは…


Round9 first sprint(イギリス)

前回も表彰台と波に乗って迎えたイギリス。このレースから何とF2ではお馴染みの「スプリントレース」が行われその順位が予選の順位となるというすごい試みだ。だけどあまりやる意味無いと思うんだよな。これ。F2は正式なレースとしてだけどこれ予選レースみたいなもんじゃん。だけどテールエンダーにはチャンスかもね。そして迎えたフリー走行。とにかく俺は今回ばかりはかなり保守的なセットで行く事にした。理由としてはいちいちやるのが面倒いとかではなく今回はかなり堅実に行くというのが目的だ。そしてセッション開始となりコースイン。タイムもペレスのすぐ後ろとかなりいい出だしだ。そして晴南もマシンに慣れてきたのか、何と全体トップを叩き出して周囲を驚かしていた。俺は既に決勝を見据えたセッティングをしていた為タイムなんて関係なかった。とにかく「スプリントレース」さえどうにかなれば良いと思っていた。そしてセッションは終わった。とにかくデータは取れるだけ取れた為結果オーライ。金曜は金曜でとにかく荒れた。昨日が可愛く見えるレベルだ。まず他チームのPUがトラブルを起こしストップ。これで赤旗となり一時中断。そして解除されると今度は晴南のマシンのサスペンションが突如破断してそのままタイヤバリアに直行して大クラッシュ。俺は危うく、かつてのトラウマが蘇りそうになり、慌てて無線で「晴南は無事か?!」と叫ぶとマークから「安心しろ彼女は無事だ。怪我もない。」という返事が来て「わかった。」と一安心して返事をした。すぐにアルファタウリ側は俺に「今すぐ引き上げてくれ。このままではお前も同じ目に遭う。それを避ける為だ。」と無線を送り、俺は「了解。すぐに引き上げる。それとついでにブレーキバランスを以前のよりもうちょっとだけフロント寄りにして欲しい」と伝えてピットへと戻りそのまま走行を打ち切り金曜は終わった。俺は晴南に「なんか前兆あったか?例えば身に覚えのない振動とか音とか」と言うと彼女は「何もありませんでした。ホントに、いきなりバンッ!!っていう感じで。」と言うと「分かった。」そう返事をして俺はその場を去った。この後俺は晴南の事故後までのオンボードを解析していた。そのシーンを何度も流して。その時は流石に一人ではやる事では無かったので俺の担当メカさんのカルロと晴南の担当メカさんのマークも呼びその映像を見てもらい原因を特定してもらう事に。そして映像から分かったのは、肉眼では確認不可能なクラックが入っていてそれが走行中の負荷が原因で進行してしまいサスペンションが破断したという結果が出た。言ってしまえばサスペンションの劣化という事だ。とにかく俺も晴南と同じ目に遭いたくなかったので新品に交換する事にした。そしてついでにブレーキバランスをフロント寄りにしてくれと頼みこれで元通りになった。そして迎えた予選。予選はあくまでも仮決めに過ぎなくなった。だけど良いとこを確保したいため全力でアタックして結果はトップに。晴南もニューサスペンションが威力を発揮して3番手とひとまずスプリントレースのグリッドは確保した。だけど久々のスプリントレースだから忘れかけてたけど確か1~8番手までがリバースグリッドになるから俺逆ポールやん。なんなら最初っから手を抜いときゃ良かった。だから意味無いつったのに。そんな中迎えたスプリントレース。とにかくF2時代に嫌という程経験してるがF1では初めての為すごくうずうずしていた。そしてマシンが全車グリッドに着き、シグナルがブラックアウト。俺はRSシステムをフル稼働させてロケットスタートを成功させ1コーナー前までに3台をパスして5番手で1コーナーへと差し掛かった。そしてコーナーを無事に通過してからが俺の本領発揮となった。まずは次のコーナーでアクセルを踏んで加速したまま1台抜き4位に。ほんとに周回数が17周しかないから早くやらないと後で後悔すると思いとにかく相手の隙をついては抜くを繰り返していた。そしてバックストレートで2台を抜き去り2位になった。そして次の周のメインストレートでトップを抜きリーダーとなった。そしてあとはこのまま走り切りトップでフィニッシュ。そして晴南も7位から3位と大健闘した。そして迎えた決勝。昨日はかなり楽しいレースが出来た為決勝でも良い結果を残せると自信に満ち溢れていた。マシンが全車グリッドに着き、シグナルがブラックアウト。スタートの時点で俺は最初さえ封じれば勝てると思っていた。そしてロケットスタートを成功させてトップのまま1コーナーへと差し掛かり、そのまま制圧。これで全部俺のものとなった。そして予定通りのピットインを済ませて中盤へと突入。そこでは大きなアクシデントもなかったが終盤に差し掛かった時だ。宮藤がタイヤバーストによりクラッシュ。幸い怪我もなく無事とのこと。そしてイエローが解除されたのは何と残り5周という超スプリントレースが始まる事間違いなしのときだった。そしてイエロー解除と共にフルスロットルで俺は逃げる事にした。そしてエンジンの耐久性度外視の「フォービドゥンフルーツ」を起動させてとにかく逃げる事にした。この「フォービドゥンフルーツ」というのはその名の通り「禁断の果実」であり、ドライバーが使える最後の切り札兼希望でもある。だけどこれは1度監督の許可を得ないと起動出来ないため、俺はあの時に「フォービドゥンフルーツモードの使用許可お願いします!」と無線で言うと「分かった。フォービドゥンフルーツモードの使用を許可する。全開で行け!!!」という返事が来て使えるのだ。そして残り3周位からモニターを食い入るように見ながら走行していた。そしてファイナルラップには案の定エンジン警告が表示されていたが頼むから持ってくれと祈りながら走り抜き優勝。晴南も3位とアルファタウリは両者ともに表彰台という結果になった。


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