お気に入りがいつの間にか90を超えていました。こんなこともあるんですね…。ありがとうございます。
この話、実は賛否両論が凄いあります。嫌いな人は嫌いだと思いますので、今まで読んでくれた人で本能的に無理だと察した人は無理せずブラウザバックしてもらって構いません。
大丈夫ですね?覚悟は出来ましたね?この話を読んで後悔しても私は一切の責任をとりませんのでご注意を。では大丈夫な方は最後まで楽しんでいってください。こっから2話はしのぶ視点で進みます。
追記:首がゴロゴロという表現がありましたが、実際には【しのぶの幻覚のようなもの】と考えてください。言葉足らずですみません
ーーー出会えてよかった。生きててよかった。
ありがとう。
とても楽しい人生でした。
「俺は………。死ねない。」
彼の周りには鬼に変えられた【隊士】だった人達の死体と上弦の鬼の首がゴロゴロと落ちていた。
「炭治郎。」
「大丈夫だ。俺なら。でももう【長くはない】」
「………え?どういうこと?」
「そのままの意味だ。もう長くはない。痣が発現してから体の調子がおかしかったんだ。」
痣の話は昔から聞いたことがあった。痣が発現した人間は25歳になるまで生きることが出来ないというウワサを。
「でも、炭治郎」
「でもそれは痣が発現して戦い続けなければという話。俺は痣が発現してもなお体が悲鳴をあげるまで戦い続けた。その意味、お前ならわかるよな。」
「…………ッ!?」
代謝。生命の維持のために有機体が行う、外界から取り入れた無機物や有機化合物を素材として行う一連の合成や化学反応のこと。痣が発現した人はそのスピードが早くなる分、強くなれる。
しかし、それは逆をいえば普通に生きても【25歳になる前に体が耐えられなくなる】ということ。炭治郎は15歳の時に痣が発現した。それからずっと戦い続けていた。
そのため必然的に普通に痣が発現した人間より【数倍の速さで代謝の速さが早い】ということだ。
「……え?炭治郎?」
「体。最近弱くなってな。流石に無惨相手に体がこんなにもってるのが奇跡だ。……俺。なんも無い人生だと思ってて。」
「待って。」
「でも、ちゃんと意味があった。生きてて意味があった。」
「…そんな事言わないでよ。」
問いかけても反応が無い。炭治郎は今、無惨と一騎打ちしている。前に彼は『一緒に倒そう』と言ってくれた。でも、結局わたしは足でまといに過ぎなかった。彼にとって私はただの荷物に過ぎなかった。
彼はそんなこと思ってないと思う。でもわたしは耐えきれなかった。
そんな自分が耐えきれなかった。
「あ。」
何も届きやしないのに私は手を伸ばした。
「……や……め。」
世界は案外。あっさりと。ちっぽけなものだった。
「俺なら。大丈夫だ…から。」
「ありがとう……。しのぶ。」
「もう。いいから。これ以上。」
「俺は。お前に出会えて本当に幸せだった。」
まるでこれで最後のような言い方で彼は笑った。私はそれをただただ見ているだけしかできなかった。【彼が死んでいく】その様を。行き場がない腕をじっと握りしめながら呆然と。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
ボロボロになりながら雄叫びを上げ、刀を振りかざす。刀は緋く染まり、彼の額の痣からは炎が勢いよく燃え盛る。
「これで!!終いだァァァ!!!」
【無惨】の攻撃よりも炭治郎の方が数秒早かった。炭治郎の刀が無惨の体を容赦なく串刺しにした。そして戦いの終りを告げるように、太陽が顔を出した。
「……おわ……った。」
全てが終わった。長かった1夜が。無限に続くように思えた1夜が終わった。
「炭治郎!!」
私は一目散に世界でたった1人の大切な人に向かって走った。周りの目が見えないくらい私は必死だった。
「炭治郎!………炭治郎?」
でも。世界はあまりにも残酷だった。私たちの世界は想像以上に壊れていた。世界は皮肉にも【英雄】と呼ばれる存在は直ぐに死ぬように出来ていた。
「し……の。ごフッ。」
私の中で何かが壊れるような音がした。比喩ではなく本当に。心の中で色々と壊れて行った。
「……え?ねぇ。どういうことなの。ねぇ。ねぇ!!」
何も嬉しくなかった。何一つ。これっぽっちも嬉しくなかった。嬉しいという気持ちよりも憎悪の気持ちが勝っていた。
「……どうして。あなたが……。あなたがしななければならないの。おかしい。おかしいでしょ……。そんなの。」
自分の心の中がぐちゃぐちゃになった。不思議と笑いが込み上げてきた。もう色々と限界になって気が狂いそうになっていた。
「……いや。もう、狂ってたんだ。私。」
大切な人を失った。私の世界の中心だったものを失った。そう理解した瞬間、行動は早かった。
「………………死のう。」
もう。あの人がいないなら私は死んでも良かった。生きる意味を失ったから。こうなるとは心のどこかでわかっていたのかもしれない。彼なら私が死んでも前を向いて歩いて行けるのかもしれない。
でも、私には無理だ。
私は彼のように心は強くない。
『だめだ!!お前は死んだら!』
彼ならそう叱ってくれるだろう。でもそれはただの幻聴に過ぎない。本当に私はめんどくさい。愛が重すぎるとつくづく思う。
「………ごめんなさ……い。」
この恋は、恋なんて呼ぶには遠回りであまりに穢れていた。
シリアス書く時はいつも心を完全に病ませて書いてます。具体的には自分のトラウマを自分で掘り下げさせて書いてます。かなりMですね。