それは今日かもしれないし明日かもしれない。
いつか分からない。でも必ず訪れる日。
其れが【いつかの日】
ちゃんとハッピーエンドで終わらせたかった。物語はここで閉幕とさせていただきます。これが最後の1ページです。皆様、ぜひ楽しんで。
「はっ!!」
何回目なんだろうか。あの地獄のような夢を見たのは。
「……なんの……嫌がらせなんでしょうね。ほんとに。」
神がいるなら私は問い質したい。これは見せしめなのだろうかと。あの時、手を伸ばせなかった私にとっての戒めなんじゃないかと。
「おはよう。姉さん。」
「また魘されてたけど大丈夫?」
「う、うん。大丈夫。」
大丈夫な訳が無いのにそう言う。でもきっと姉さんはお見通しなんだろう。わざと気づいていない振りをして朝食の準備をする。それが姉さんなりの優しさなんだと思う。昔から私を知っているからそうしてくれているんだと思う。
「また下級生に告白されたんだって?モテるわね。」
「まぁ断ったけど。」
周りが見ているのは【いい子】の私だ。でも本当の私は【いい子】でもなんでもない。みんなは【いい子】の私を見ている。
「……私はたった1人のために今も生きてるから。」
「いつも夢に出てくる人?」
「……ん。そう。」
姉さんの前とあの人の前だけで私は本来の私になれる。自分に甘くて弱々しい私に。
「あの人に。まだ死ぬなって言われてるみたいで。………もしまた会えたなら。」
まだ伝えられていない想いを伝えたい。いざ言おうと思ったら凄く恥ずかしかったたった一言を。彼に謝ってまた一緒に笑いたい。
「……って。考えるだけ……無駄か。」
きっと私の存在意義は彼と隣にいることで初めて証明されるんじゃないかと思ったりもする。
「駄目ですね。そろそろ認めないと。もう。彼はいないって。」
この世に生まれてほかの人たちは見てきた。でも、彼だけまだ私は見ていない。彼はまだ来ていないのかもしれない。もしかしたら彼だけが居ないのかもしれない。
私は弱い。それでも前を向いて歩いていかないと行けない。偽りの笑顔でも笑わないと。きっと私は生きていけない。直ぐに時代の荒波に飲まれてしまうと思う。
「あっ。今日あなたのクラスに転校生くるわよ。」
「……そうなんだ。行ってきます。」
「うん。行ってらっしゃい。」
足取りが重い。週に1度必ず見る悪夢のせいで寝起きから気分が最悪だった。周りからの期待や周囲からの目線やらでストレスが積もっているのも要因なのかもしれない。生きることに活力も何も感じなかった。いつも通りスマホでニュースを確認しながら電車に揺られる。普段の代わり映えのしない在り来りで憂鬱な時間。気分転換に外の景色でも見ようかと思い、ふと上を見上げた。
「……えっ。」
座っていたから気づかなかったが人混みの奥に見覚えがある『日輪の』耳飾りが見えた。
まるで壁に頭をぶつけたかのような衝撃が走った。
「……嘘。」
同じ高校の制服。確か姉さんは転校生が来るって言っていた。
そのもしかしてだった。私が見間違えるはずがなかった。ずっと彼をそばで見てきた私だから。いつもずっと隣にいた私だから見間違えるはずが無い。あの顔にあの雰囲気。あの耳飾り。そして、
「ありがとね。優しいのね。」
「いえ。とんでもないですよ。当然ですから。」
あの心の底から落ち着ける優しくて甘い声が聞こえた。
「…………。」
彼は私に気づいていない。それもそのはず、私は身長が低い。今も前世もそこは全く変わっていない。だから周りには気づかれにくい。一瞬声をかけようかと思ったがここは電車の中。大声を出したら迷惑になる。それぐらいの常識を理解できる程の理性はまだ残っていた。
「降りないと。」
この駅は沢山の人が降りる。それもそのはずここら辺で1番大きな駅だから。人混みの中で彼を探すのには苦労した。学校に行けばあえるという話ではない。今じゃないと意味が無い。今じゃないと。この瞬間じゃないときっとダメな気がしてきた。
「……って。」
心の中が張り裂けそうになる。言葉が詰まる。緊張と興奮で変な汗まで出てきた。たった一言。名前を呼ぶだけなのになんでこんなにも言葉が詰まるのだろうか。
そのたった一言が難しい。もし私の思い違いならどうしよう。彼が私のことを覚えていなかったどうしよう。そう考えると声をかけるのも難しくなってきた。
でも、あの時みたいになりたくない。もう悔やみたくはない。
「炭治郎!!!!」
その少年の動きがぴしりと止まった。
「……はぁ。はぁ。私!!ずっとずっと待ってた!あなたとまた会えるのを。心の底からずっと。ずっっとま…。」
抱きしめられた。苦しくなるぐらいに懐かしくて安心できる匂いがした。
「……しのぶ。」
私の名前をあの声が呼んだ。ずっと夢見たあの声が。何も変わってないあの姿で。震えながら呼んでくれた。
「……ごめんなさい。ずっと謝りたかった。ずっとあなたに会って謝りたかった。」
「お前が謝ることは無い。俺こそごめん。ずっと1人にしてきて。」
「私、頑張った?すごく頑張ったよね。頑張り屋さんだったよね。」
「……あぁ。頑張った。お前は本当によく頑張った。」
きっと私はずっと彼に褒められたかったんだと思う。その声を聞いて全てがどうで良くなった。何もかもが良くなった。色々な苦しみから解放された気分になった。
「…私、ずっと前から。100年以上も前からあなたを探してた。また一緒に居てくれる?100年前のように。変わらずに。鬼がいない世界でも私は幸せになってもいいんですか?」
「……うん。もちろん。」
幸せになってもいいんだ。私。この先の未来、永遠に笑って過ごしていいんだ。幸せに生きてもいいんだ。
「……炭治郎。おかえりなさい。」
「ただいま。しのぶ。」
私は嘘偽りの無いとびっきりの笑顔で笑った。彼もそれに釣られるように昔から変わらないぎこちないけど愛おしい笑顔で笑った。
道のりはきっと長い。でも今ならちゃんと向き合えると思った。時代は変わっても。世界が変わっても。私たちの
蝶の少女と日の少年:いつかの日へ
ーーFin
はいどうもー!まずは皆様。本当にありがとうございました。私かなりの飽き性なのとこだわりが強くて何回も推敲して消してを繰り返してようやく納得のいく話がかけました(´;ω;`)
やっぱり最後はみんなハッピーがいいよねということでこれが私なりのハッピーエンドです。来世ではみんな鬼がいない世界で笑いあって生きてます。ある意味、2人が言っていた【笑い合える世界】じゃないでしょうか。
というわけで蝶の少女と日の少年、完結しました。短かったですね。プロット組んでた時点で察してました。とりあえずこっから補足のような内容をつらつら書いていきたいなと思います。
・今までの話は夢オチ?→はい。1応5話のみが夢の内容です。厳密には前世の記憶で、2人が死んだことには変わりないです。
・他の人たちは?→あの後の話は原作に色々生存者が増えて終わったよみたいなものだと考えてください。誰と結婚したかは自分の推しカプで妄想したりしてください。え?私ですか?炭治郎受けしか受け付けてないです。
・ほかの人たちの記憶は?→あります。先祖返りしちゃってます。
・鬼たちは?→みんな幸せに生きてます。え?無惨ですか?今頃鬼〇さんに扱かれてるんじゃないですかね。
というわけで終わりです。次回作は同じ系の話か。それとも別ジャンルかクロスオーバーか。分かりませんが今後ともよろしくお願い致します。ではでは( *`- ω -´)ノシ