友人の配信にお邪魔しよう   作:名無しの権左衛門

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進撃の巨人

「で、どこまでできたんだい?」

 

 先生が小休憩中に聞いてくる。

 

「できたって?」

「人工知能と人工無能が合わさり最強に見える茜ちゃん」

「あー」

 

 まだできてないんだよなー。

 

「まだCの素材と俺の素材を関連付けてる最中だよ。

肝心の人工知能と人工無能は、まだ理論づけされてない」

「おいおい、いつできんだよー」

「C、楽しみなのはわかったから。とにかくEとひざを突き合わせて構想を練ったから、

こいつが完成するまで無理!」

「Eさ、俺と茜ちゃんが一緒に、配信できるように半年をめどに頑張ってくれー!」

「だから仲間と頑張ってんだよ」

 

Bが先生と話を展開し始めた時に、俺達は今の進捗状況を伝え合う。

人工知能と人工無能が合わさり最強に見える茜ちゃんは、中身のAIとか

テキストデータとの関連付けはされているけれど他の部分はまだ。

Cが作ってくれた2D・3Dモデルを、次々とやっているけれどEの機械がないとできないところもあるからなぁ。

 Cの作った素材は、すごくリアリティがあって2Dもぱっと見3DCGに見えて、

色彩の妙味を味わえるんだ。

味わってないで続きをやれって?

だから無茶云うんじゃねえよ。

 

 今は無理だからということで、以前Bの視聴者が言っていたシムアースや

最近ハマった進撃の巨人をやろうと思う。

吸血鬼ものはって?

吸血鬼のための予行演習のようなものだから心配しなくていい。

 進撃の巨人は、FoLのイベント・キャラAIというものを流用できるし、なにより

世界地図を使える。3Dや2Dの技術も流用できるし、技術の仕様に関してもエスコンや

FoLのものをもう一度使える場所が多い。

 そして進撃の巨人を作る場合の技術的利点は、人間の空中においての三次元移動を作ることができるということ。

BやEが求めているソシャゲもの吸血鬼は、3Dで作ってほしいというもの。

2Dはすでに【For of Legends】が、色々技術面において可能にしている。

 

 この色々というものは、地中での3次元航行やラピュタの再現、海底都市等現実ではありえない物事を、天啓で開発できるようにしている事を指している。

つまり、マギアのことだな。

テレポーテーションによる、三次元戦闘とかすでにできるようになっている。

 

 2Dは大丈夫なんだよなぁ。

3Dがむしろ心配するレベル。

なおCがアニメで進撃の巨人を見て、ひそかに作っていた立体機動装置の3Dモデルを作っていたので、それを拝借して1週間で立体機動を再現できるようになった模様。

 まじで偶然だったが、ありがたく使わせてもらったぞ。

というかゲーム性の調整をしていないだけで、ゲームとして遊べるようになってるぞ。

KOEI?まあほぼKOEIだな。

 

 違いは強いて言えば、リヴァイ同年代かエレン同年代に生まれて3年間訓練して、

憲兵団・駐屯兵団・調査兵団に入って苦難の人生を歩んでいくことかな。

主要メンバー以外は、ランダムに容姿と性別、能力、ドイツ姓名とたまに日本姓名を与えられてこの壁内に投げ込まれるようになってる。

 そこから文春砲やクーデター等が、ランダムに発生して政権交代を行って海外進出を行ったりとか。

適当に考えたイベントが、ドミノ式に雪崩うって発生していくのが面白いぜ。

 

「お、それ、新しいゲームか?」

「そうだけど、ゲーム性がちょっとなぁ」

「面白そうじゃん、あとでやらせてみようぜ」

「じゃあ、体験版で出すか」

 

 なお、ゲーム性。

 

 ちなみに3Dです。容量は10TB。フリーゲームという設定で出してもらおうかな。

時代は第一次世界大戦である1914年か、第二次世界大戦である1940年を選べるぞ。

時代経過年数により、核兵器や中性子爆弾、ステラリスでいうコロッサスも出るぞ。

それとKOEIとアニメのおかげで、音声合成素材が集まりまくってるから自然な会話が自動生成されるようになっているし、好感度システムとかオリジナルキャラとか……。

 どうみてもハーメルンの進撃の巨人RTAの影響です、本当にありがとうございました。

面白いんだもん、仕方ないじゃん。

 

 一応、本当に一応だけど、完結までいけるから。

まだ原作が終わってないから、何が終わりかわからないけど自分がいいと思った時点か、

プレイヤーキャラが死ぬまでプレイすれば終わるから。

それとオンラインじゃなければ、好きに能力ぶち込めるし。

 まあそれで死なない訳じゃないから、気休め程度だぞ。

というわけだから、飽きるまでやってねと。

 

 それとTA要素もあって、各9つの巨人のヘイトが向いた時点からタイムが測定されるようになる。

撃破時間が早くていいわけでもないけれど、いいこともあるから頑張ってね。

 

 また注意事項だけど、このゲームのゲーム性がない最大の理由は、

どんなに放置したり歴史の修正力(笑)をしたとしても、漫画通りの動きにはならないこと。いきなりコロッサスぶち込まれたり、核兵器の標的にされたり細菌兵器(炭疽菌)の試験場にされたり、橋頭保にされたり……。

色んなBADENDが襲ってくるから、安心できることが全くないぞ。

 どんなに頑張っても、グルカ兵とか外国人部隊とかいう肉壁にしかならないぜ。

まったくこの世は地獄だぜ。

 

 

 やばい、原作厨は無理だろうなぁ。

外には自由があると思ったか? 

死傷者1億人規模の戦争があるんだけど、君たちもまざってかない?(暗黒微笑)

 

 

 そうそう、進撃の巨人の他にもシムアースがあるんだけど、すでにシムアース単体で

完成されてるんだよねぇ。だからゲーム自体の設定とかを解析しつつ、

俺の勝手に作っていける力を使って3Dシムアースと2Dシムアース改を作ってやる。

後は空気中の成分や地中の断層形勢等、今までできなかったところを作っていく。

そして人類が出てきてからは、経済ではなくて技術的な部分だけを見て地球への影響を

描いていく。

 これは地球のシミュレータ。だから、経済は必要ない。

鉄の時代は、木々が倒されてはげ山になった。

そして産業革命になったら、山を崩して石炭を集めてその過程で汚染が発生。

石油の時代になったら、鋼鉄のためにさらに土地が拓かれる。

高度経済成長は、汚染物質が大量に発生し大気汚染も深刻化。

原子力時代は、天災で放射能汚染が発生する。

情報デジタル時代は、異常気象が大量発生。繊細なイデオロギーの相対で、偶発的な小規模紛争が発生する。

量子哲学時代は、統率された圧政と相互監視の時代になり、両極端な事象が発生する。

 そしてエクソダスを起こして、地球外に脱出するんだ。

残るのはロボットという介護システムくらいかなぁ。

 

 あとは色んな生物を出そうかな。

トリクロ先輩が、ほ乳類を奴隷にする展開しかないけど他の生物も知能指数が上昇して、

人類のような集団生物がでるようにしようかな。

あとはたった1種のみの知能生物だけが、発展させるようなことは避けたいな。

 二種の生物が進化した結果、地球にどんなことをおよぼすのか。

これらを見てみたいってのはある。

 

 それと隕石で簡単に、アイスボールにするとかかな。

 

 あとはシムアースの地球上の全体MAPを作って、考えた設定を作っていく。

基本的に2Dだから非常に作りやすいぜ。

それと情報を抜き出して、一部だけ3Dにするという【賢者の窓】という機能もつける。

更に気に入った時代の地形データをエクスポートして、【For of Legends】のMAPに流用させる。

 この場合歴史が一番最初からになって、植民というものから開始される。

つまり、SPOREの第二フェーズみたいなことから始まっていくんだ。

 

 今までは、邪馬台国みたいな国のような統治組織が確立されたところから開始されていた。でもこれによって、さらに古い体制から始めることができる。

これによってAIやシステム強化を行うことで、プレイヤーが王になったりしやすくなるだろう。

今までは簡単に長になれなかったが、これだと比較的簡単に長になれる。

そして思い通りにやっていけるだろう。

 皆で作り上げたりしていた以前よりも、ワンマンプレイが強い今回のバージョン。

一応分岐して作っていることで、今まで通りのバージョンもできるようにしておこう。

 

 【For of Legends】は、常にバージョンを改善しているけれど基本的にSteamのMODみたいな追加していく系の機能をしている。

つまり自分がやりたい奴だけ選択して、遊ぶことができるんだ。

これは誰もがメインメニューから選択することができる。

Bだけの特権じゃない。

 

 あとは天候と外世界からの介入と、ランダム生成かなぁ。

植生の再生とかもやっていきたいし。

それと個々人の声とかも強化したいな。

 

 すでに音声合成ソフトを作っているから、それらを流用してセリフをしゃべらせるんだ。

これだけでオクトパストラベラーを超えられるだろう。

音声に関しては、色んな音声動画があるしそれらを使えばいい。

音声は盗聴等で刑法に裁かれるように、著作権というものが付属される。

 しかしこの音声合成ソフトを使えば、音質も声質も変化させることができるし無許可で使用だということはばれないと思う。

ばれたとしても、こちらは無料で動画を作っているしたまたまそういう音に加工されたと伝えればいい。

 

 これでだめだったらカバー曲なんて作れないんだけどね。

 

 

 それとSEやエフェクトの軽量化かつ高品質化か。

映像は完全にC任せではあるけれど、処理は完全に俺が関係する。

設定や発生方法は、基本的に一つしかない。

でもどこから取り寄せ、どんな順番で発生させるかによってPCの処理装置の速度はだいぶ変化すると思う。

勿論3D素体に関しても、処理を軽減できるようにしないといけない。

 俺達のゲームをBや他の方々にやってもらうために必要なのは、多人数マルチができること。これができるようになるには、処理を軽減し色んなプラットフォームでできるようにするのが一番簡単な発想。

 

 だけどこれをするのには、多くの手間暇がかかってしまう。

そんなことをする時間は存在しないので、完全にPCに依存するけど。

頑張ればVRくらいはできると思う。

 新しい技術を確立するために、ソニーへゲーム開発用のエンジンを購入できるように

交渉するかなぁ。

でもお金がないんだよなぁ。

 

 今でも結構の寄付金は存在するけれど、基本的にCや先生、Eの作成機器への投資に消えているんだ。

俺は俺でHDDに投資してもらったし、これ以上は流石にねぇ。

それに俺はプログラムに秀でているらしいけど、そこまで凄いわけじゃないと思う。

たった一時間で50GBのシステムを作ることができても、完成品をどこかに移すことができない。

 いつの間にか俺が考えていることができるようになったゲームは、ZIPにしても

どこかネット上に隠すことはできなくなったんだ。

一応内部処理に特化したPCを、Eに作ってもらってさらに効率よくプログラミングに集中できるようにしてくれる

らしいが、どこまで加速できるやら。

 

「その体験版、Bやるか?」

「なんでやねん。初々しい方が、視聴者にとっちゃいいだろう?」

「それもそか。じゃあ、200人PCで64bitメモリ16G以上を募集して。

操作はプレステコントローラが理想」

「ノーパソは全滅だな?」

「そだな」

 

 先生がCとEと共に話を展開し始めた時に、Bと体験版について話をしていく。

この体験版は、進撃の巨人についてだ。

【For of Legends】の機能をそのまま流用し、マダガスカルやイタリアの表記を変えて、

登場人物やイベントを再調整・アクションを前面に出した新しい要素が多い新作だ。

 内容は進撃の巨人だけど、裏を見るとそれに似通ったパチモンだけど仕方ないだろ。

このイベント関係を一つでもなくすと、それに連動したイベントが全て破綻するんだから。たぶんコロッサスを無効化するだけで、イベントや連動する情報が300萬超える。

 

 つまりコンパイルエラーを起こす。

 

 それにコロッサスが発生するということは、それを発生させるまでの行動があるはずだから、簡単に技術をなくすこともできないし。

 

「専用チャンネルと保持領域10Gも持ちかけて、Twitterで流しておくぞ」

「おk。それと万が一のために、琴葉茜のボイロで逐一報告する。

それとマイク+ヘッドフォンの用意だ。通信チャンネルの変更と、協力者か。

専用のwikiでも作ってもいいかもしれん。時間は12時間はもらうか、一日3時間ごとで1か月やるか」

「……おまっ、そんな時間ないだろ」

「時間は夜に指定しようや。連続なら朝9時から夜の9時。

一時間ごとに10分の休憩。一応VRも対応可能に」

 

 無茶振りの権化。

しかたないじゃん、設定実装抑制とかテストゲームほとんどやってないんだから。

それとコロッサス関連の選択イベントは、確実にほぼ最低値にしたから安心してほしい。

また【For of Legends】のシステムを流用していても、主人公4人は出てこないから。

 

「それと実際にするのは、来月で来週までに参加者に一つのスキル名を教えてほしい。

例えば、戦闘狂みたいな。戦争ゲームだと思ってくれればいいかな。

そうすれば、各個人にそれぞれ送れるから」

「テストゲームしたのか?」

「三日しかしてない」

「ダメじゃん」

 

 それとi7は必要。コアを全力で使用するから。こっちのサーバで結果を返すけれど、処理はやって貰うことになると思う。それの関係で、コアやメモリ・画像処理等が熱くなるんじゃないか?

俺のはならなかった。

 

 

「集まるかなぁ」

「先生はとにかく、俺は参戦する。デバッグの為にも」

「俺もいいか?」

「自分も行こう」

「先生もしたいなぁ」

「全員かよ!?」

 

 そういうわけで、この後遊び終わったらB以外のやつらに俺達が作った奴をやらせてやった。なお、Cはサシャが好みらしい。

先生はアニとマルコ。

Eはファルコだという。

俺はジャン。プランナーを誰かにやってほしいぜ……。

 

 さて、一通りデバッグというなのテストプレイをした。

返ってきた言葉は、進撃の巨人じゃねえ!

だった。ですよねー。

 

 そういうわけで、最低限の物語と設定づくりをすることにした。

AI君のランダムイベント生成は、パラディ島に関係ないところでやってクレメンス。

 よし、30分で出来たら再度テストプレイだ。今度こそベルトルトに、最初の壁を蹴らせてやる。

ぶっちゃけ10回繰り返しているけれど、どれもこれもまともに訓練兵団に入団させてくれていないぞ。勘弁してくれ。

 

「「「ぎゃああああ!!!」」」

 

 いまだにSkypeで連絡を取り合っているんだけど、今回(17回目)もダメだったよ。

うーん。名前が判明していないウォールマリアの東西北部が結構壊されるなぁ。

もっとAI誘導していくぜ、オラッ。

 そうそう、固定キャラ達の設定やいろんなサイトで語られている伏線とかも入れ込んでおかないと。

これらを設定していないと、エレンが進撃できないから。

変わりにロッドレイス大型巨人が、世界に進んでいくこともあるぞ。

 

 あーあー。またやってる。

 

「あ、やばい」

「どしたん」

「やつら、超高度爆撃機できやがった!」

「あーそうか、そういうことね」

「どういうことさ」

「パラディ島に干渉できないから、マーレVS世界で技術が発展。更に【For of Legends】システムが、

天啓らしいやつを発生させたんだろ。結果、エルディア人というヘイトが溜まっているここに、爆撃しに来たんだと思う」

「一から作り直さないのか?」

「HDD足りない」

「あっ……」

 

 致命的な欠陥! それは、容量が足りないことだあ!

ソニーやパナソニックさん、まじでがんばってどうぞ。

 

「よっしゃ、全員アッカーマンな」

「駐屯兵団から技術を奪って、武装を借りよう」

「よし、壊された。行くぞ!」

「鎧。じゃない。戦槌の巨人だと!?」

「まずい、あの背中の大砲が壁上に向けば……」

 

 だけどその心配はなくなった。

理由は巨人が、レーザー光線で引き裂かれたからだ。

【For of Legends】の天啓で取れない最後から40番目の重火器技術なんだけど。

名前を陽電子砲という。

 

「おい。なんで天啓も発生しているんだ」

「土台となる経験があったら、関連技術は天啓として発生するんだけどこのレーザー光線は知らないぞ」

「バグったか?」

「いやいやいや、そんな筈はない。膨大な電気か無尽蔵なエネルギーがあれば……ああ、

地下室の光る鉱石が原因か」

「は? じゃあ、これからも発生するのか?」

「ありえん話じゃないなぁ」

「エネルギー消せないのか?」

「ジュール表記を消すと、地下の決戦が真っ暗闇になるけど」

 

 エネルギー関連は、いちいちジュールとか持っているエネルギーを持たせている。

更に分子も構成物質の詳細も含んで、化学変化も今まで発表されている化学的見解に基づいて変化するようにしている。

そしてそれらに関する発展のAIを組み込んでいるから、ランダムにランダムがかさんでしまって理解不能な事態が発生するんだ。

 おかげでエレンがすべての巨人を吸収して、コロッサスするとかなかなか厄介なことに……。

事前にB以外のみんなとデバッグしておいてよかった!

 

 あ、銀河消し飛んだ。

ダークマターの効果も追加しておこうかなぁ。

 

 追加したら地球の正反対に、もう一つの地球ができた。

どういうことなんだ?

それとハビタブルゾーンが拡大されて、金星や火星がテラフォーミングされていくんだけど。おい、ファルコ。鳥型巨人になって、仲間と一緒に亡命すんのやめーや。

 

 適当に放置して3000年後に地球に再侵攻すんのもおかしいだろ、やめんかい。

 

「大丈夫かこれ」

「全然だめだ! もう一回根幹を直してくる」

 

 一週間後。

 

 

「おーい、A」

「どしたー?」

「200人集まったし、各人一つずつの性格?というのも募集したぞー」

「了解。txtくれ」

「はいよ」

 

 Eのところに顔を出すついでに、Bと合流して話した結果。

メモリカードをもらって、あいつの元へ向かった。

 Eがいる私立高校の機械工業科に属する工場は、人が減ったとしてもまだまだ人気があるようで

今も寡黙に組み立てるか喧騒の中で設計を行っている。

事前に学校側へ連絡し許可をもらって、実際に訪れてから事務所(教員室)に立ち寄り、

お客として校内通行が許可された。

 

 BももらってEの工場へ、ネームプレートをひっさげながら歩いていく。

結構広い。コロナのせいで、人気は少ない。

だがどこも電気がついているから、授業が行われていないわけでもないらしい。

 

「よお、来たか」

「あ、こいつの知り合いだな」

「賢そうだな」

「……」

 

 Eは三人の仲間を紹介してくれたので、俺達も紹介する。

まあそこまで難しくはないな。

 

「お前が言っていたお前専用の処理装置だ。これをつけてみろ」

「これは?」

「前頭前野の思考脳波を受け取り、自在に文字列を打ち込んでいく装置だ」

 

「専門の医用生体工学科の先生と一緒に作ったんだよ」

「わりと急ぎだから、反応悪いかも」

「無茶振り乙」

 

 聞くだけでも超技術の塊だというのが分かった。

お前ら起業しろよ。

 とにかく椅子に座って、ヘッドセットをつけて脳内で適当に文字列を打ち込んでいく。

勿論目を閉じるぞ。

そうじゃないと集中できない。主にどんなものを作りたいか想像もできないし。

 

「おい、こら! ストップ、ストーップ!」

「……ん。なんだ?」

「なんだは俺達が言いたいことだ。この文字列は、一体どういうことだ」

「何って、そりゃぁ。ヘッドセットの感受を上げるための文字列だけど」

 

 脳波が何かわからなかったから、ヘッドセットを触りながらやったんだけど……。

 

「一時間で50Gだ? 数秒で50M超えるくせに何言ってんだ?」

「あ、そこまで行ったんだ。凄いじゃん」

「凄いのは、お前の頭の構造だよ」

 

 冷静に突っ込まれたけど、Eたちも職人の化け物なんじゃない?

だって現状64bit。1秒間に64回打ち込むから、これは普通におかしい。

なにをやったら、ちゃんと記載されるんだ?

 

「あ、すごい。この一文ほしい」

「あー。確かに。この40行目、678項目のが欲しいな」

「……。全部でいいじゃん」

「「それな」」

「お前ら……」

 

 後でBもやってみたけど、printf("わたしげんき",%c); みたいなやつしかやれてなかった。

 

「Aの専用機だから、俺がやる意味なくね?」

「それもそうだが、まあこれもテストだ」

 

 Eが集めた三人の仲間は、医用生体工学の先生と共に脳波を感じ取って思った事を

現実に反映させようと研究したらしい。

その結果がこれだという。凄すぎだろ。

 Eはこの機械の仕組みついて教えてくれた。

 基本的にPCと同じだけれど、この脳波を感受する機械が完全な手作りなんだとか。

まずコンセプトに、超高速のプログラミングPCを作る事とした。

そしてA~Zのアルファベットを抜き取るために、それらを脳裏に浮かべた人の脳波の波形を受け取り、それらを感受する部品を作成。

 この部品は、脳の微弱な脳波を受け取れる受容体を各所に埋め込んでおり、受信や送信を各受容体とずらして反応させているんだとか。なんでも、64分の1しか反応しないので、

その間に反応が来たら受け取れない。

そういうわけで、ある機械の64分の1以下の時間の時に、他の同種部品を動かすことで、間隔をなくさせたんだと。

 

 受容体が受け取った信号はそれぞれ受信した秒と共に、多数の並列処理装置に流れていって

i7もびっくりなコアの連続使用を慣行。

このコアへの情報分けも、各種信号を受けた受容体がコンマ以下の現実時間で管理しているので、混同することはない。

 また、仕事をしていないコア・しているコアを判別して、仕事をしていないコアに処理情報を渡す。処理自体はアルファベットの解析だけなので、これを他のコアが処理した情報と組み合わせるんだ。

 

 上記の演算処理装置に情報を分散する部品は、64分の1秒以下の現実時間で常時稼働している。これを0ポイント装置というらしい。

手のひらサイズなんだけど、こいつだけて実質256bitの動きをするんだと。

簡単に言えば、プレステ3~5の処理能力のほぼ二倍といえばいいかな。

 もっと言えば、1秒間に256回追記するということ。

化け物かな? 冷却に関しては秘密だって。

ヒントは液体金属だとさ。普通に危ないんだよなぁ。

 

「使い心地は?」

「いいね。次は、脳内音楽や脳内景色、夢の具現化まで行ってほしいな」

「究極的な最終地点なんだけど」

「夢ばっかみてねぇで自分で作りやがれ」

「安定的な起動ができたら、試運転ということで貸与するけど」

「……現実みてから夢を吐こうか」

 

 君たちわりと辛辣だよね。

 

 でもまぁ、無茶振りだというのはわかっているさ。

だから人工知能と人工無能が合わさり最強に見える茜ちゃんを動かす機械を、

半年までに作り上げてくれって言ってるじゃん。

それ以外にも色々言ってるけどさ。

 

「もしも脳内描画ができるようになったら、Cの作業速度が凄いことになるぞ」

「実質お前とCの負担がものすごいからな。例の茜ちゃん?の機械と並行して作っている。

茜ちゃんの方は、あまり期待すんなよ」

「半年は待つさ」

「仕様書は確認しているけれど、これすごくない?」

「まずこの時点で、基盤の縮小に失敗しているんだよなぁ」

「……化け物かな」

 

 モデルはともかく処理に関しては、全て作り終えている。

後は実物の機械との同期とCのモデルを組み合わせて動かさないと、やりたいこともやれないんだよな。

Live2Dに関しては、すでに設定が終わっている。すでに使っているし、Aiも2Dバージョンに適応させている。

そろそろBの配信に使えそうだ。

 

 この後試験運転の名目で、一時間ほど専用装置を使わせてもらった。

その間でも技術者の彼らは、必死にデータを取っては適用していった。

試験運転が終わるころには、俺の脳波解析を97%も済ませて文字列をパソコン画面上に追記していた。速い。速過ぎる。

 今すぐにでも欲しいけれど、0ポイント装置に使う冷却システムが3時間ほどで効力を無くすらしい。俺は連続で10時間使用するから、この仕様をどうにかしないと十全に扱えないだろう。

まあ三時間で10時間分を作れば全く問題ないんだけども。

毎日訪れてもいい? だめ? そっかぁ。

 

「なあE、茜ちゃんはどういう感じで進めるんだ?」

「描画優先だからな。3Dモデルの動作処理を、迅速に行いつつ描画をおろそかにしないメモリやCPU・GPUの開発に勤しむことにする。ここらは俺達の専門だ。

気にしなくていいぞ」

「おーけーおーけー、基盤はわからないから任せるよ」

「ああ、そうしろ」

 

 お昼になって昼食を食べるのだが、場所は學食で食べていいとのこと。

金額は外よりも安いとはいえ、寛容なんだな。

 食べたら先生の家に行って、CやBと共にモーションキャプチャやセンサーの調整をする予定がある。

 なので30分ほど4Dモーションキャプチャについて会話して、Eたちと別れBと共に帰る。

帰るときにBの配信状況について聞いた。

 

「そういや、登録者何人よ」

「3200人ほどから、3625人」

「増えたじゃん」

「まぁねー。でも、開発したゲームばっかり遊んでいるから、マンネリ化が叫ばれているんだよなぁ」

「じゃあ、歌ってみたは?」

「金もマイクもねぇ」

「さいで」

 

 圧倒的資金不足……!

コロナ禍のせいで、碌にバイトもできないから資金を貯蓄できない。

これにより配信環境を更新できなくなっている。

流石にゲームだけで、視聴者をくぎ付けにすることはできないか。

 今回の進撃の巨人のゲームも、一部のユーザーにとって刺激になるだろうが

他の視聴者にとっちゃやる気のない行動に見えるだろうな。

 

 実際にこの募集もゲリラ的で、一瞬で集まった人たちを囲ったら情報もろとも消したからなぁ。

後3週間だ。それまでに進撃の巨人をβ化に成功しないと。

 喫緊の問題は上がったので、エスコンのアップデートを遊んでもらうことを話した。

Bにとってこの情報はうれしかったらしく、早く夜になる事を望んでいたけれど

動画再生的にそんなにうれしくはないようだ。

 

「数字が取れない?」

「あ、ごめん。数字より、知名度だよな」

「目に見える結果は必要だろ。理由はわかっているのか?」

「【For of Legends】とエスコンしかしてないこと」

「そりゃそうだ。もっとマシュマロ?とか返しなよ」

「もしもバレたりしたら」

「大丈夫だ。俺達のやっていることは、企業がやっているようにしか見えていない。

この時代、たった数人でゲームを作れることをしらない業界素人に、勘繰られることはあるだろうが、正体までは突き止められないさ」

「いや、それがさプログラマーが裏で解析した結果を言われて、

組みが一つの癖しかないから、これはたった一人が作った奴だろうとか」

「BANするわ」

「されてるよ」

「そういうシステムだったな」

 

 以前から言っているけれど、収益化とコラボと解析は問答無用でウィルスによるプログラム破壊を行うぞ。

表では何もないように見えるけれど、シャットダウンの時”プログラムによりシャットダウンが阻害されてます”という表示中にぶっ壊している。

そしてサーバー系は、ホスト更新中の時にぶっ壊している。

 暗号化もそうだけれど、こういう系はダウンロードとかキャッシュ確保の容量提供の時に、種を仕込んでいるんだ。

そうしないと、敵のやつらを防げないからさ。

 

「実はその、BANされたプログラマーが最初期の登録者でさ」

「まじか」

「それで説明責任を果たすために、先生とつじつま合わせをして謝罪と今後について

彼にだけ説明をしたんだよ」

「……ぶちぎれたか?」

「事前にLANブリッジにハニートラップを仕掛けていたらしくて、それでウィルスを感知したらしい。おかげでバックアップを完全に取ってから、解析に臨んだんだってさ」

「そっちかぁ。強化するわ、ありがとな」

 

 まさか隠しウィルスが、LANの方にかけられていたとは。

たしかに、NOUSE関連の会社が、どこからサイバー攻撃を仕掛けられているかそういう機械を、企業や個人向けに販売している。

流石に企業だ。個人程度のウィルスを完全に把握しやがった。

 俺も本腰入れて、技術の漏洩を防がないと。

アフリカのインテリヤクザとか中国とかに抜かれてしまう。

 

 俺のPCはくまなく調べて不審なプログラムが作動したら、すぐに対応して抹消している。更に基盤に強い会社に持って行って、排除してもらってる。

ただこの排除元が、まさかのEっていう。

先生に任せてという声に騙されてしまった形になるが、あいつのスキルアップになったのならいいかなと。

 

「あー、実はな、プログラマーの彼、”風呂桶マージン”というコテハンをしているんだけど。プログラムを解析したとき、ポインターとかそういうつなぎはほぼ完ぺきそうらしいけれど、省略できる場所が多々あったらしい。

彼の見立てでは、1T当たり200Gは開けられるってさ」

「誰であろうとも、プログラムを渡せられん」

「だよねー」

 

 圧縮が足りないのは知っているし、無駄な部分があるのは承知している。

でもな、これらを誰かに任せるくらいなら、無駄な部分がありつつも俺だけでやってやる。

それに省略の仕方も、だんだんわかってきた気がするし。

意識すれば活けるかもしれないが、そうすると組む速度が圧倒的に遅くなってしまうんだよな。そういうわけだ。

 彼の目論見を達成させるわけにはいかない。

それがもし善意だろうが、俺は絶対に信じないから。

 

「そもそもウィルスで検査したが、中国製が5割超えてるじゃんか。

情報が抜かれるのがわかっていてやるかよ」

「風呂桶さんもか?」

「彼の場合はプログラマーでもなく、詐欺グループの人間だ。

暇を見てインターネットを見たらしいけど、その時にクラウドでつながっているやつら全員にウィルスを仕込んでやった。サーバーもな。個人情報も全て抜いたし、暗号も全てやった。LANブリッジで分かったとしても、ウィルスを対処しなければ何もできん」

「消せるのかよそれ」

「別の稼働していない同じ容量のファイルを抹消し、表示ファイルを適当な名前に変更して別の場所へ転移させる。細かいデータになって分散し、一部が消されても存在するものだけで実行するようにしてる。また実際はexeだろうが、表示上は適当なスクリプトの名前にしている」

「すげぇな、それ」

「バックアップや修復をされると無力だけどな」

「あー」 

「とりあえず帰ったら、奴らの存在を公にして借金まみれにしてやる。

銀行から抜くのは難しいが、借金は簡単にできるからな」

「厳しいなぁ」

「真面目な奴を食い物にするずるがしこい愚か者には、社会的制裁をくだすのが一番だってじいちゃんが言ってた」

 

 なお、じいちゃんは教育員会の上の方のポストだった。

役職の正式名称は知らないけれど、そうとう偉かったらしくて年金も結構もらってたし。

そもそも元校長なんだから、そりゃそうだともいえるけどな!

 おっと、そろそろ先生が住むタワーマンションに着くぞ。

 久しぶりに来るなぁ。

前来たのは何年前かな。

娘たちが受験のために塾へ通い詰めになった時だから、丁度一年前か。

あの時も娘達が相手にしてくれないから、遊ぼうぜ見たいなこと言ってたなぁ。

この時、遊ぶとは裏腹にPVを作らされて、ようつべや他のサイト等で荒稼ぎしてたことがわかった。

 

 まあ、あとで利用されたことに気づいて、俺達が権利を持てるように契約書書かせたからな。自業自得ってもんだ。

 なお、この契約書は娘さんたちに見つかった模様。

あほかな? 家族がかかわるといきなりポンコツにならないでほしいぞ、まったく。

 

 

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