笑顔は迷子と共に(仮)   作:斉藤努

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第1話

まず、自己紹介をしようと思う。俺の名前は藤堂桜(とうどうさくら)。一見女の子の様だが、正真正銘男である。

 

突然だが、俺にはトラウマになっている事がある。内容は余り話したくない内容ではあるが今日は特別に話すことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺には幼馴染みが()()。名前は佳奈。家が隣で親同士も仲が良かったのもあって佳奈と俺はとても仲が良かった。だが俺は名前の事もあって少しだけ周りから揶揄われていたが、佳奈は名前など関係なく優しく、包み込むように接してくれた。そんな事もあってか俺は彼女にに惚れていたんだと思う。

 

でも佳奈は優しい。しかも容姿も良くて才色兼備。皆の憧れの的で俺なんか隣に居ていい筈無い。だから、いつの間にか諦めかけてた。でも諦めれなくて、佳奈との関係が壊れちゃうんじゃ無いかと思って形にすることはなかった。でも、自分の心にあるこの熱を抑えられなかったのも事実である。

 

佳奈は公園に一人で空を見るのが好きだった。それで俺が公園に行くとやはり佳奈の姿はくっきりと映っていた。今でもたまに思い出す。…感傷に浸るのはこのぐらいにしよう。

 

気持ちが焦っていた俺は公園の外から大きな声で呼んだ。今思えばそれが一番の間違えだったと思う。俺の声に気が付いた佳奈は笑顔で駆け寄って来た。そして、佳奈が道路に出た瞬間、俺は気づいたのだ。

 

 

 

 トラックが猛スピードで突っ込んでくる事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

次に俺が見た光景は真っ白な天井で、すぐにここが病院だと分かった。きっと余りのショックで気絶してしまったのだろうが、そんな事は関係なく俺の身体は病室の外に出ていた。

 

走った、何処に行くかなんて関係無かった。気付いたら佳奈のお母さんが居てすぐに俺は土下座した。何度も謝って、何度も頭を打って。許してもらうつもりはなかったのだが。勿論、許してもらえるとも思って無かった。

 

だけど、佳奈のお母さんは悲しい筈なのに俺の頭を撫でて、何度も何度も『桜くんの所為じゃない』って泣きながら叫んで、慰めてくれた。それでその後、『もうっ、そんな顔じゃ佳奈に見せる顔がないじゃない』と俺の涙を拭ってから何処かに行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は経ち、俺は高校1年生になった。これまでクラスで目立たぬ様に生活してきた筈なのに、何故かとてもめんどくさい奴に絡まれる様になってしまう。

 

 「サクラー?何故貴方は笑わないのかしら?笑うととてもハッピーになるわよ?」

 

こんな感じだ。基本的にスルーである。無視をすると2、3分したら興味が無くなるのかどこかに去ってしまう。

 

友人、親友、ましてや愛する人なんてもう作りたくない。なら人と関わらないのが一番良い。

ああそうだった、一応目の前に居る少女の解説をしようか。名前は…弦巻こころ?だったかな?なんせ『花咲川の異空間』って呼ばれてるぐらいには頭がぶっ飛んでる。因みに花咲川っていうのは俺が通ってる高校の名前だ。弦巻こころは財閥のお嬢様で最近バンドを始めたらしい。もう何がなんだか分かりもしない。

 

なんでこんなに詳しいかって?そりゃ本人が話してくれるからだよ。聞いてる訳じゃないのに。

 

 

 

 

 

 

学校での様子はもういいだろう。

 

ここで君達に質問したい。先程話した弦巻こころが正面から突っ込んできて尚且つ目の前で飛んでいる状態。どうするのが正解だ? 俺は禄に運動していないから筋肉がなければ、だからといって大量の食べ物を食べてきたわけでもない。所謂『もやし』。避けることも上手くキャッチすることだってできるはずない。

 

ドンッ、という大きな音と共に細身な俺は倒れ伏せられる。「伏せられる」ということは俺の上には弦巻こころが馬乗りになっている。……早く退いて欲しい。俺にだって勉強やらゲームやら、やることは山のようにあるのだ。

 

お、どうやら退いてくれる気になったらしい。数分待った甲斐が有る。という俺の願望は叶う訳もなく……。

 

 『私達のバンドを見ないかしら?そうしたらきっとサクラも笑顔になれるわよ!』

 

 「今日は用事があるので。すみません」

 

絶対的に避けなくてはならない。俺の第六感がそう言っているような気がした。だから条件反射で嘘がポロッとでたのだが、

 

 『じゃあ一緒に行きましょ?みーんな笑顔わよ』

 

 「だから、無理なので『東堂様』え、どなたですか?」

 

 『私達はこころ様の付き人で御座います。気軽に“黒服さん”とでもお呼び下さい』

 

百歩、いや、一万歩譲って弦巻との会話が成り立っていないのは受け入れる。しかしながらコイツは誰だ?全身黒装束にサングラス。こんなのハリウッドで作られたスパイ映画でしか見たことない。

 

 『東堂様、こちらにお乗り下さい』

 

ちょ、ちょっと?リムジンに乗らされるんだけど!あれ、もう1人女の子居る。この子、凄く静かだな。俺だけこんな大声出してみっともない。

 

 『家のこころがすみません。こうなったら何言っても通じないので…』

これは、いつもの事なんだな。ご愁傷さまです。けど俺は巻き込まれたくないから逃げる、なんて真似は勿論できない。そしてどうやら弦巻の家に着いたらしいが、家じゃない。

 

これだけでは分からないと思う。西洋にあるような宮殿を思い浮かべて欲しい。そのサイズ感だ。

 

当たり前のように家、邸宅に入ってゆくのについて行く……後どのぐらい歩けば良いだろう?誰か教えてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと着いたらしい。大広間、と言ったところか。それにしても広い。

 

人がもう3人程居る、楽器もあるしバンドってのは本当みたいだな。

 

 『こころちゃん、お邪魔してるね。美咲ちゃんはいらっしゃい。…あれ?そこの子は?』

 

 「はじめまして。東堂桜と申しま…佳奈?」

 

そう告げると、世界が傾いた。

タイトルの(仮)は外すか否か。

  • そのまま『笑顔は迷子と共に』
  • タイトル一から考えろやァァァ。
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