ん、寝ちゃったか。白鷺さんに迷惑かけたなぁ、謝らないと。
『桜?起きたかしら。物凄く気持ちよさそうに寝ていたわよ』
「なんかそう言われると恥ずかしいなぁ」
『ふふっ、じゃあもっといってあけましょうか?』
「や、やめっ、やめてください」
また笑い更に頭を撫でてくる。くすぐったい、けどこの暖かさにずっと触れてたいと思えた。そして俺はハッと気付いた。
「こんな遅くまで居てもいいんですか?明日月曜日ですよね」
『あら、知らないの?明日は創設記念日よ』
なんかクラスで言ってたんだろうな、初めて知ったけど。普段から聞いてないのが悪いけど。
『さあ、桜。近くにこころちゃんの別荘があるらしいから行きましょ?』
「え?やっぱアイツやばい」
『そんな事言っちゃダメよ』
そう言い微笑む白鷺さん。ダメなのに、この人に甘えたくなってしまう。どうしたらいいのか、わかんない、怖い、怖いこわいコワイコワイコワイ…んっ!!暖かい、お母さんの暖かさだ。凄い懐かしい、いつ振りなんだろう、人の奥底にある暖かみに触れたのは。
『大丈夫、大丈夫よ。私は貴方から離れない、だから安心して』
「白鷺さん…ごめんなさい、俺まだ信じられない」
『そう…別にいいのよ、今すぐ私を信用しなくても。時間をかけて頼ってくれればいいのだから』
なんでこの人は俺の為にこんなに優しくしてくれるのだろうか?
「ごめんなさい、行きましょうか」
『そうね、行きましょうか。こっちよ』
〜弦巻家・別荘〜
別荘って?湖の近くにコテージみたいなのを想像してたんだけど、なんだこれ?普通の豪邸、流石弦巻。
『こんな大きいとはね。私もこのサイズは予想外よ』
「弦巻の概念がわからない」
『ふふっ、それもこころちゃんらしいわね』
「弦巻っぽさか。面白いな」
『‼︎貴方そんな顔もできるのね』
そんな顔って、どんなキャラなんだよ俺。白鷺さんの驚いた顔も意外だったけど。
『サクラ!千聖も来てくれたのね。中に入って』
「なんで驚く、お前が連れてきたんだろう」
『驚くよりも感動してる、の方が近いかもしれないわね』
感動……俺の知ってる意味と違うかもしれない。弦巻だからしょうがないのか(諦め)大人しく入るか。
『千聖ちゃん、東堂くん。今日は忙しい中来てくれてありがとう』
『花音に頼まれたらいつだって飛んでくるわよ』
「………どうも、こんばんわ」
必死に声を絞り出すが、このぐらいの声しか出す事ができない。駄目…だよな、こんな弱くちゃ。
『大丈夫、桜。花音は味方よ」
「いや、違くて……その……ごめんなさい」
『⁇?どうしたの?2人とも。あ、着いちゃった。今からご飯なんだけど食べれる?」
『食べれるわ。桜は?』
「俺も大丈夫です」
と、返事したがしっかりと食べれるだろうか?食欲なんて物とっくに捨てたような気がするし、あったとしても女性の前でガツガツ食べるのは礼儀的にどうなのだろうか。
『予想はしていたけれど、やっぱり凄い豪華わね』
白鷺さんが唖然としてる。やはりそのくらい凄いのだろう、俺はパラメーターが振り切りすぎてよくわからない。でも、美味しそう。肉に魚に野菜、色とりどりでどれも目移りしてしまう。
俺は肉が入ってるサラダをとろうとした。理由はこれが1番食べやすそうだからだ。それで豪勢なトング(?)を掴んだ。けど…隣から松原さんの声が聞こえて振り向くと俺のとったサラダを名残惜しそうに眺めていた。
アフリカの大地で母親とはぐれた子供のような目を俺に……俺の持っているサラダに向けている。何故だ?と思って見てみると、サラダがもうなかったのだ。そりゃそうか、じゃあしょうがない。
「あの、いりますか?俺いらないんで」
『ちがっ、違うんです。気にしないでください』
と言いつつも目を離さない。不覚にもその姿にめを奪われてしまった。そのことに後悔しつつお皿を松原さんに渡す。
『ふえぇ?東堂くん、どうしたの?東堂くんまだ何も食べてないでしょ?男の子なんだからいっぱい食べないと倒れちゃうよ』
「なんで…それを?」
『東堂くんが入って来た時涙の痕が見えてね。それで心配になって見ちゃってたの。ごめんね、変だよね』
「え、いや、嬉しいです。俺の事心配してくれたんですもんね」
ふぇっ?と言って顔を赤らめる松原さん。その表情に目を惹かれる…駄目だ、俺は人を好きになってはいけないんだ。また失ってしまう。また……また、また、なんで俺ばっか。
なんで俺ばかり不幸せが巡ってくるんだ。
タイトルの(仮)は外すか否か。
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そのまま『笑顔は迷子と共に』
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タイトル一から考えろやァァァ。