Fate/Grand Order -AMAZON NEO REVISE- 作:古鉄の夜
仮面ライダーアマゾンネオの腕部。
あらゆる物質を引き裂く「アームカッター」を備えており、パンチ一発で厚さ約85mの岩盤を砕くことが可能。
ネオアマゾンズドライバーの機能でアマゾン細胞を武器へと変化させ、装備することもできる。
シェルスライサーブーツ
仮面ライダーアマゾンネオの脚部。
あらゆる物質を引き裂く「フットカッター」を備えており、キック一発で厚さ約100mの岩盤を砕くことが可能。
――英霊の座。そこは人類の歴史において偉業を成し遂げた者が地球の記録として登録された場所。
そこに一人の男がいた。地平線までも白く染め上げられた果ての無い空間。その場所にぽつんと存在している岩の一つに腰掛けていた。
男の左肩には紅く輝ける大剣が立てかけられている。よくよく見てみればその剣は鼓動するかの如く明滅をゆっくりと繰り返していた。まるで彫像の如く不動を保つその男。しかし……
――助けてほしい、この声を聞いてくれている誰か。どうか力を貸してくれ――
男の心に助けを求める声が響いた。それは切実な願い。
まだ年若い……少年の、声。
「――
それを知覚した男は一瞬の間も無く決断した。大剣の柄をガキリ、と装甲で覆われた
“戦士の王”――そう呼ばれるに相応しい覇気が男の全身から立ち昇っていた。
男の足元から金色に輝く光の粒子が舞い上がる。それが眼前を覆いつくさんとした瞬間――
「召喚の求めに応じて、ここに現界した。……状況の深刻さについては
「……あ、あんたが召喚されたというサーヴァント、なのか?」
「然り」
千翼は自分が召喚したという英霊――サーヴァントを目を丸くして見上げていた。
黒い詰襟の学生服に似た服装。その上から近代的なプロテクターを各所に装着している。左肩のスパイク状の肩飾りは……よく見ると浮遊している? 肩部装甲に直接、装着されているわけではないらしい。
腰には長短二刀、計四本の短剣が下げられている。
何よりも目を引くのはその顔全体を覆う仮面だろう。髪は露出しており、黒と灰に分かれた独特の短髪ヘアースタイルとなっている。
仮面の側頭部付近から短い角が伸びており、まるで黒鬼の様。仮面の両眼部、やや奥まったそこからは――煌々と輝く、蒼い螺旋状の眼光が千翼を見下ろしていた。
そして千翼が最後に目を向けたのはその男の右手に握られた大剣。見る者にどこか不吉さを感じさせる
「……す、凄いです、先輩! まさかこの大一番で“ヴォルスング・サガ”に伝わる大英雄を喚びよせてみせるなんて!!」
「そ、そうなのか? やっぱり……強い人?」
『強いなんてものじゃないよ、千翼くん!? シグルドと言えば彼が生きていた北欧世界に於いて戦士、魔術師含めた全ての人々から『彼こそ誰よりも優れた気高き王』とまで称された無双の英雄!
グニタヘイズの邪竜ファヴニールを単独で討ち倒した
この世に数多いる英霊の中でも紛れもなく最上の英霊の一人だ!! よしよし、厳しすぎる現状ではあるけど光明が見えてきたぞぅ! 良かったぁ!!』
弾ける様な笑顔を浮かべてこちらに近寄ってくるマシュに戸惑う千翼。それにロマニが興奮気味に彼がどれ程の英霊なのか熱く語ってくる。仕舞には万歳三唱まで始めてしまった。
「……まさか一発勝負で最優のクラスであるセイバーを、それもシグルド程のサーヴァントを引き当てるなんてね。
豪運というか……それとも神様が貴方の行いをちゃんと見ててくれたのかしらね……?」
大騒ぎしているマシュとロマニを余所にオルガマリーが呆れた様な、何処か納得した様な……微妙な顔でこちらに歩み寄ってきた。彼がマシュと自分を守ろうと勇気を振り絞って戦った結果、起きた巡り合わせなのでは? と思えた。
普段、神など露ほども信じないオルガマリーだが、この少年ならば幾許かの加護が与えられてもいいだろう……
「そんな……俺は只、力を貸してくれる誰かに来てほしいと思ってただけだぞ……?」
「貴殿のその願い、座にいた当方が確かに聞き届けた。……これより当方が貴殿の剣となり盾となろう。宜しく頼む“マスター”」
三人のその様子に千翼は苦笑するしかない。
自身のマスターとなる少年。その周りにいる仲間達の様子にシグルドは仮面の奥でふっと笑った。
そして大剣を左手に持ち直して千翼の前に右手を差し出した。シグルドのその様子に千翼はハッとなると、シグルドの手を取ろう……いや、慌ててその手を引っ込めて服の後ろで拭いた後、これから自分と共に戦ってくれるという
「俺は泉千翼……こっちこそ宜しく頼むよ。シグルド、さん」
「シグルドでいい……此方も千翼と呼ばせてもらって良いか?」
「ああ、もちろん」
シグルドは改めて己のマスターとなる少年の顔を良く見た。ごく普通の顔立ちの――何処にでもいそうな少年そのものだ。他に気になる点としては左腕に巻かれた鷹の横顔を模した腕輪だが……当世風の
(ふむ…………)
だが、シグルドは感じていた。この少年の本質は魔術師ではない――間違いなく戦士だ、と。
揺れ動く湖水を思わせる蒼い瞳。その奥に湛えている光が強い。
仮にも英雄と呼ばれた自分に対して、この千翼という少年は変に自分を大きく見せようと横柄にならず、かといって気後れもせず自然体で接している。
(器が出来ている……という事なのか、この若さで)
どうやら英霊の座で感じた己の勘は正しかったようだ。良いマスターと巡り会えた。その確信を持てたシグルドであった。
「……何かが……こっちに来てる? ッ! みんなっ! 構えろ! イヤな気配が大量に近寄ってくる!!」
ゆっくり周囲を見回したかと思うと、千翼は弾かれた様に足元のバックからネオアマゾンズドライバーを取り上げて腰に巻き付けた。
『なんだって!? まだ周辺に反応は……ほ、本当だ! この周辺一帯にスケルトンとゴーストが確認出来るだけでも三十体接近中!」
「そ、そんなに!?」
「クッ! シグルド召喚の際に発生した莫大な魔力反応に引き寄せられたというの!? それにしてもなんて数……っ!」
「皆、落ち着いて円陣を組め。エネミーの掃討は主に当方が引き受けよう。盾の少女よ。見たところ、貴殿もサーヴァントとお見受けするが……」
「あっ!? ハイッ! マスター泉千翼のデミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトと申します。シグルドさん!」
「その意気や良し。マシュ……と呼ばせてもらおう。
貴殿には千翼ともう一人の少女の護衛を頼みたい」
「いや、俺も二人と一緒に戦うよ。数で押してくる敵に対抗するにはこっちも戦力が多い方が良いだろ?」
「何? しかし……」
流石に千翼のこの提案にはシグルドも顔を曇らせた。通常戦闘に於いてマスターとはサーヴァントを後方から指揮するのがセオリーだからだ。
しかし、千翼はシグルドの問いに答えず、ポケットからアマゾンズインジェクターを取り出すとスロットに装填。
スロットを斜め上に跳ね上げる。ドライバーから流れる待機音声。千翼は迷わずインジェクターのハンマーを押し込んだ。
ドライバー中央、ネオコンドラーコアが明滅。千翼の全身にアマゾン細胞を活性化させる特殊パルスが流される。
「……アマゾンッ!!」
-
千翼の力強い掛け声。そして
身体から湧き出すアマゾン細胞。まず全身をメタリックブルーのネオワイルダースキンが覆い、体を適度に締め付けて関節、筋肉を強化していく。更に身体各所にガンメタリックの装甲が形成されていく。胸部装甲ネオラングアーマーが鈍い輝きを放っていた。
頭部ヘルメット、眼部アマゾン・アイを黄色のバイザーが保護する様に覆う。そして、その両目が紅く瞬いた。
――千翼は再びアマゾンネオへと変身した。
シグルドは自分の認識を改める必要があると認めた。自分のマスターは心根が戦士だという訳では無かった。
彼は、我がマスター千翼は――
「フォーメーションを変えるぞ! 俺とシグルドが前面に出て敵を片付けるッ! マシュはオルガマリーの護衛を頼む。敵を近づかせるつもりはないが……飛び道具にだけは気を付けてくれ!」
「ハイッ! 任せてください。シグルドさん、先輩の事、お願いします!!」
「泉! 貴方の力を疑うつもりはないけど……それでもシグルドとはなるべく離れずにタッグで行動なさい!
マシュとシグルドのマスターは貴方なの。霊体を現世に繋ぎ止める楔であるマスターが死ねばサーヴァントも道連れよ! それだけは肝に命じなさいっ!!」
「分かった! シグルド、行くぞ!!」
「承知。呼吸はマスターに合わせよう。――貴殿の実力、見せてもらう」
蒼き戦士と黒衣の
「うおおおおおぉぉぉぉ!」
前方に見えるのはスケルトン五体それぞれ手に剣、斧、槍が握られている。千翼、敵集団と接敵寸前に身を縮めると空中に跳躍。斧を振りかぶっていたスケルトンに打ち下ろしの右拳。頭骨を粉砕、全身の骨が飛散する。
敵集団中央に堂々と片膝を突き、着地したアマゾンネオを取り囲む四体のスケルトン。一斉に各々が持つ武器を振り下ろそうと……
「――遅い」
紅光が煌めいた。横薙ぎに振るわれた大剣がスケルトンを上下に
スケルトンは突貫してきた二人をターゲットに定めたか、ぐるっと取り囲むように動いていく。ゴーストはその後方から鬼火を両手に出現させて狙いを定めようとしている。
「よし、敵の目は後方のマシュ達じゃなく、俺達に全て向いてくれたな……!」
「肯定。戦術的に見て多勢で少数の相手を撃破するには四方から攻撃を浴びせた方が戦果を挙げられる。
――この場合、包囲殲滅という
だが、こちらの戦力を見極める前に行動を起こすべきではなかった」
狙い通りにいったと呟く千翼の背後へ静かに動くシグルド。
冷静に敵の戦術を分析。その問題点までも平坦な口調で告げていく。……それは過信ではない。自身とこのマスターとならば充分に可能だと判断したのだ。
マスターとサーヴァントは互いの背後を守る様に背中合わせで起っていた……。
『な、な、な、なんだアレはぁ~~~~っ!? えっ! ち、千翼くんがもしかしなくても『変身』したぁっ!!? しかもサーヴァントであるシグルドと共闘できるってどんだけっ!? おおっ! 一体何がどうなっているんだあっ!!』
「落ち着いてください、ドクター。あれは我がマスター泉千翼の戦闘形態『アマゾンネオ』です。この名称はオルガマリー所長が先程、決定したものです」
「……泉にも色々とあったのよ、ロマニ。さっきはカルデアの指示で精一杯で報告しそびれていたけど。
どうやら、この特異点の異常に私達、カルデア以外にも気付いていた勢力がいたみたいなの。泉がアマゾンネオに変身できるようになったのも、あの妙な形のバイクもその誰かの置き土産よ」
想像すらしていなかった事態に完全にパニックを起こすロマニに冷静になる様、半眼になって諭すマシュ。
頭が痛いと手を顔で覆いながらも、オルガマリーは千翼に起きた事情をロマニに簡潔に説明していく。
『そんなことが……しかし、その何者かは本当に信用できるのですか? つまり、千翼くんの身体に得体の知れない細胞が入っているのでしょう。現状、カルデアで唯一、サーヴァントを従えるマスター適正を持つ彼に何かあれば……』
「そんなの分かっているわよ!? でもね、ロマニ! 戦場で命張って私達を守ろうとしている泉に『それは間違ってる』なんて言うなど烏滸がましいにも程があるでしょうが!?
貴方が泉の代わりに細胞打って戦ってくれるっての!? 自分の身体がどうなってるか分からない恐怖に耐えながら泉は戦ってくれてるのよ!?」
オルガマリーは見ていた。千翼がマシュを救う為に細胞の入った注射器を打ち込む前に苦悩する姿を。
彼だってあんな細胞、身体に入れたくはなかった筈だ。当然だ、彼はついこの前まで、平和な日本で暮らしていた一般人だったのだから。
……そんな彼を致し方なかったとはいえ、あのような姿にして、戦う決意を固めさせてしまったのは……間違いなく自分達の不甲斐無さだ。
オルガマリーのその剣幕はロマニの心胆寒からしめたが……同時に自分の言葉が安全圏からの物言いでしかなかったと気付いた彼は猛省し、項垂れた。
「も、申し訳ありません、所長……。軽率な発言でした……」
「カルデア医療班代表、ロマニ・アーキマン。貴方に泉千翼の身体調査、及び件の細胞の解明をカルデア所長として命じます。
……せめて泉の身体を元に戻して、全てが終わったら故郷に帰してあげたいの。それが彼を戦わせている私達の責任よ」
「……承知しました。全霊を持ってあたります……ッ!」
「せ、先輩……わたしを助ける為に、そんな……」
オルガマリーの暗澹とした告解にロマニは今、自分に出せる最大限の誠意を持って返答した。
そしてマシュは千翼が自分を助ける為に何を捨ててしまったのか、今更ながらに理解してしまい、顔を蒼白にしていた。一緒に戦ってくれるという事実が嬉しくて、臆病な
「マシュ、顔を上げなさい。泉は貴女に、私達になんと言っていたかしら?」
「そ、それは……」
「泉は『自分で戦うと決めた』と言ったのよ? 貴女はそんな彼と一緒に戦うと決めたのでしょう? ……なら貴女がしなければいけないのは俯くことではないはずよ」
「ッ! ……ッッ! ハイ! マシュ・キリエライト、先輩から任された役目を全うします!!」
オルガマリーの発破に奮起したマシュは今一度、大盾をしっかり握り直すと全身に力を入れ直した。最前線で死闘する千翼――アマゾンネオとシグルドを見据えながら、何が起きてもいい様に身構えた。
せめて、先輩がなんの心配もなく戦えるようにオルガマリー所長は必ず自分が守ってみせる……!
-AMAZON SLASH-
千翼、ドライバー下部インジェクターを上下に可動。右腕《シェルスライサーグローブ》に据え付けられた三枚の刃「アームカッター」が電子音声と共に伸長される。
アマゾンネオ、半身で立ち、伸びたアームカッターを備えた右腕を後ろに引き絞る。左腕は敵に対する照準兼反動荷重として、緩やかに前方へと伸ばす。……槍を持ったスケルトンがアマゾンネオを一突きにしようと前に踏み込んできた、と同時に千翼は槍の間合いの内側へと更に疾く踏み込んでいた。
「――シィッ!」
右ストレートの要領でスケルトンの肋骨を、咄嗟に防ごうとした槍の柄ごとアームカッターで撫で斬る。
アマゾンネオ、更に踏み込み、奥にいた二体のスケルトンを今度はカッターをオーバーハンド気味のフックで振りぬくと二体まとめて搔き斬った。
一呼吸置くアマゾンネオ。そこへ仲間の残骸を踏み砕きながら斧を袈裟懸けに振り下ろしてくるスケルトン。右腕アームカッターを振り上げて斧を受けるアマゾンネオ。カチ合った斧から火花が散る。……斧の刃は欠けていた。
更に横からアマゾンネオに剣を突き刺そうと接近するスケルトンがいたが――
「させん」
ゴッ! と金属を叩く鈍い音が響く。スケルトンは高速で飛来した物体によって骨片を撒き散らして飛散した。千翼の背後を守りつつ、他のスケルトンを大剣で次々と屠っていたシグルドが後方に向けて中空に放った短剣を
正面には今まさにシグルドに両断されたスケルトンの姿。正面の敵から全く意識を反らさぬまま逐一、背後の千翼の様子も注視していたらしい。マスターを守るサーヴァントとして当然なのだろうが、それにしても目を見張る武技だ。
「助かった!」
「礼には及ばん。とはいえ油断をするな、マスター」
「ああ、分かってる!」
斧を押し返して一瞬浮かせる。その隙に旋風の如き回し蹴りを斧持ちに放ち、木っ端へと変える。と同時、身体を横にズラし、遠方からゴーストが放ってきた鬼火を回避する。
とうとう後方で様子を窺っていたゴーストが浮遊しながら鬼火を放ってきた。ほぼ全方向からアマゾンネオとシグルドに向けて鬼火が一斉に発射された。
「伏せろマスター……!」
「くっ……ならばコイツで!」
-CLAW LOADING-
シグルドの言葉に従いその場に伏せるアマゾンネオ。状況打破の為、インジェクターのハンマー部を叩いた。
しかしその時、千翼はネオアマゾンズドライバーから体内のアマゾン細胞を介して送られてくる機能の中に一つ、馴染みの無いものがある事に気付いた。
……『アマゾンネオスラスター』だと……?
「魔剣解放」
シグルドはその右手に持つ大剣――『
「けぇぇぇぇえいッ!!」
もはや、剣というよりも光条そのものと化したそれをシグルドは雄叫びと共に縦横無尽に振るい、飛ばされてくる鬼火、その悉くを叩き落としていく。その余波は不用意に近寄ろうとしたスケルトンをも余燼と化していく。
グラム。太陽の属性を持ちながら、魔剣として成立した希有な宝具。元はシグルドの父、シグムンド王の剣であったが、折れたソレをシグルドが自ら鍛え直して新生させた魔剣。
『破滅の黎明』と呼ばれ、この世にある魔剣の中でも最高峰に位置する一振りである。
セイバーとして召喚されたシグルドはこれを通常武装として装備していた。
シグルド、契約を結んだマスターとサーヴァントの間にある魔力的繋がり――レイラインを通した念話で千翼に話しかける。
(マスター、後方上空に位置するゴーストの殲滅は当方が行う。暫く地上の敵の相手を頼めるか? 貴殿にも何か手があるようだが……心の中で応えてくれるだけでいい)
(……ああ、俺も周りの敵を一気に薙ぎ払う武器を用意した所だ。地上の敵は任せてくれ)
(フッ……頼もしい限りだ。……では参るぞ!)
念話で各自の担当を決めた千翼とシグルド。ゴーストの鬼火がグラムでの迎撃に戸惑いを隠せないのか、一瞬、止んだ。
「原初のルーン、起動。敵、高度算出。飛翔のルーン、発動」
北欧の魔術刻印によるルーン魔術を発動。自らの脚の発条と合わせて高空に向け、一気に翔け上がる。全ゴーストの頭を抑える高度で制止。自身の周囲に多数の短剣をも展開する。……照準良し。
「その命、断たせてもらう」
その場で鋭く旋回すると同時に全ての短剣を両の拳で撃ち出した。
紅光を尾に引く流星群が空を彩る。そして全てのゴーストは撃ち墜とされ、虚空へと還っていった……。
右腕シェルスライサーグローブ、ポジションチェンジ、腕部装甲が一部展開されそこから湧き出したアマゾン細胞が蒸気を上げて武装を形成していく。『アマゾンネオクロー』鋭い鉤爪を先端に持つワイヤーショット機構を持つブレードに次ぐアマゾンネオの武装だ。
アマゾンネオ、正面に立つスケルトン目掛けてクローを射出。スケルトンが砕けて散った。鉤爪を繋ぐワイヤーを腕力に任せて振り回す。アマゾンネオの驚異的な腕力によって旋転するクローは竜巻の暴威の如く周囲のスケルトンを悉く粉砕していく。
シグルドが地上に着地した時、地上に残存していたスケルトンは完全に殲滅された後だった……。
「よし。マスター、無事で何よりだ。貴殿の武、見事であった」
「いや、シグルドには全然、及ばないよ。……まだ、余力たっぷり残してるんだろ? やはり昔、活躍した英雄ってマシュ達が言う様に凄いんだな……」
「貴殿とてその若さでそこまで戦えるのであれば今後、鍛錬次第で更に強くなれるであろう。
正直、実力次第では後方に下がるよう、提案するつもりであったのだ。成長を焦らないことだ、千翼」
「……うん、ありがとう。シグルド」
嘘偽りの無いシグルドの真っ直ぐな物言い。それを感じ取った千翼は素直に頷いた。
「マスター! シグルドさん! お二人とも、怪我はありませんでしたか!?」
「エネミーの殲滅、ご苦労様。二人とも初めての戦闘にしてはコンビネーションばっちりだったじゃないの」
「フォウ! フォーウ!」
戦闘終了を悟ったマシュとオルガマリー、フォウがこちらに小走りでやってきた。苦戦している様子が見られなかった為か、二人には笑顔が浮かんでいた。……しかし千翼にはまだ変身を解除する訳にはいかない理由があった。
「いや……まだだ。そこの木の上からこっちを見ている奴! 出てこい! さっきからずっと俺達を見張っていたな!?」
千翼はここからそれなりに距離の離れた所にある木々に黄色のバイザー越しに鋭い目を向けると大声で呼ばわった。シグルドが即座に前に出て皆の壁になる様にグラムを構える。マシュ、オルガマリーも千翼の声にハッとすると警戒態勢に入った。ややあって……
「……やれやれ恐ろしく勘の良い奴がいるみたいだな。なんでバレるんだよ……ああ、俺は敵じゃない。今、そっちに行くから安心してくれよ」
そして、木の上から杖を携えた魔術師風の男が降りてきた。
事態はここから更に進展していくのであった……。
仮面ライダーと仮面セイバーの共闘いかがだったでしょうか?
今回は雑魚散らしになってしまいましたが、次回こそは……!