呪術抗戦 呪霊殲滅ルート   作:ちぇんそー娘

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泥中に沈む/玉折

 

 

 

 

 

 

 あの事件以降、憎たらしいことに五条悟は『最強』になった。

 

 反転術式の習得、それに伴う術式反転、更には分家の当主である天翔さんすら知らなかった秘伝の奥義『虚式』の習得。

 私が血反吐を吐いて何とか擬似的に再現出来る程度だった領域展開すら、アイツはすぐにコツを掴んでモノにし始め、反転術式の治癒と併用した術式の常時発動。更には無限によって阻むモノのオート選択……もはやコイツに勝てるモノは存在しないであろうと思えるほどに強くなっていた。

 

 アイツは1人で任務に行くことが増えた。

 そりゃそうだ。アイツ1人いれば他の人なんてむしろ邪魔でしかない。今までコンビだった傑は、逆に私と組んで任務に当たることが増えてきた。

 

 私とて1級術師の端くれ。加えて傑はあの事件以降多くの呪霊を取り込んですぐに特級術師になった。

 任務に失敗するようなことは無い。ただ、生活の中で任務が占める時間がどんどんと増えていく。

 生きている時間よりも、殺している時間の方が増えていく。

 

 徐々に、歯車が軋んでいく。

 

 

 その年は忙しかった。

 頻発する呪霊被害により硝子は休みなく治療にあたり目の下に隈が出来ていて、五条悟は高専にいない時間の方が多くなっていた。

 

「今年は災害が多かったからね。多分、来年はこの影響でもっと忙しくなるよ」

 

 傑はそんなことを言いながらまた一匹呪霊を取り込む。

 いつも穏やかな彼の顔がその瞬間だけ、酷く歪む。人の負の感情が折り重なったモノ。一体どんな味なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリークリスマス! イェーイ! ほらほら、お前らテンション低いぞ! 主の生誕を祝え!」

 

 

 12月24日。

 任務を終えて寮の自分の部屋に帰ってきたら特級呪霊、ミニスカサンタ五条悟が居たのでとりあえず扉を閉めようとしたが、それよりも早く五条悟が私を術式を使って部屋の中に引き入れてきやがった。

 

「…………あのさ、もっとリアクションない? 五条悟が生足魅惑のサンタマーメイドだよ?」

 

「じゃあ言わせてもらうけどさ。何? 女装趣味なの? ガタイが良くて死ぬほど似合ってないからやめて欲しいんだけど。西川さんに謝ってこい」

 

 相も変わらず私の部屋なのにいつの間にか硝子と傑も居座っていて、クリスマスツリーが飾られて更に壁には以前頑張って消した『謹賀新年』の文字が再び描かれていた。クリスマスなのか謹賀新年なのかどっちなんだよ。

 

「ごめんね都子。ケーキは私が買ってきたんだけど、帰りが遅かったから悟が全部食べてしまった」

 

「テヘペロ☆」

 

「ワンホール食うとか信じられないわ。太れや」

 

「悟ちゃん 美少女だから 太んない☆」

 

「ははっ、季語どこだよ。ムカついたから五条をみんなで桃鉄でボコそうぜ」

 

 ぶん殴りたくなるようなやり取りはコイツら既に酔ってんのかと思ったが、冷静に考えると私達は未成年なのでまだ誰も酔っているわけが無い。なんか硝子が飲んでいるものは明らかにアルコールが入ってる感じの飲み物だったけど。

 

「て言うかいつまで1級なんてやってんだよ。さっさと特級になれや」

 

「アンタ達みたいに生まれつきおかしい人間じゃないの。……努力しても、全然足りないんだよ」

 

 近頃私は伸び悩んでいた。

 禪院甚爾との一件で領域展開こそ覚えたものの、結局結界術として閉じることが上手く出来ないまま、術式の効果の方も成長が打ち止め。間違いなく一つの壁にぶち当たっている。

 呪力による身体強化にも限界はある。どれだけ私が鍛えても悟や傑のいる場所や硝子のような替えのきかない唯一の存在に至れない。

 

 ──焦りが滲み出ていた。

 肩を並べて歩いていたみんなの背中が遠くなる。私は、何も出来ていないじゃないか。

 あの時だって────。

 

 

「うし。相撲すっか」

 

「…………しねぇよアホ」

 

「特級術師様自らが情けないクソザコ1級術師ちゃんに指導してやるんだぞ? 飛び跳ねて泣いて喜んでもいいぜ」

 

 

 五条悟と相撲ということはコイツに体を触られるということだろう? 

 普通に無理。多分吐く。絶対吐く。ついでに五条悟に触るのも無理。

 

「最初から負けるのが怖いってんなら、大人しく見学でいいけど? クソザコビビりの都子らしくて面白いし」

 

「術式切れよ? 箱入り息子のお坊ちゃんのポッキーみてぇな体へし折ってやっからな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ、当然というかなんというか。

 悟と傑にはボコボコにされた。唯一硝子には勝てたけど、基本的には非戦闘員である硝子にすら負けていたらここで呪術師を引退していた。

 

「五条悟はともかく、傑にまで負けるなんて……」

 

「私だって接近戦にはそれなりの自信がある。まず体格差の時点で私が都子に負ける理由はほとんど無い」

 

「そして体格でいえば俺が最強なわけよ。まぁ体格以外も最強だけど。そもそもクソチビ都子が俺に勝てるわけないしね」

 

 悔しいことに五条悟は普通に相撲も強いし、やたら気合いの入った土俵入りまで見せられて思わず吹き出してしまった。

 そう言えばコイツ、一応1000年続く名家のお坊ちゃんなんだよな……。シャーペンだと汚いけど毛筆だとやたら字が綺麗だったり、態度は悪いくせに所作は完璧だったり、そういう所で育ちの良さが垣間見えるのが逆に腹立つ。

 

「…………疲れた。寝る」

 

「おー、じゃあ寝てろ寝てろ。俺達はパーティー続けてっから」

 

「ここ私の部屋なんだから出てけって言ってんだよ常識不自由か?」

 

 そんなこと人間性ゼロのバカサングラスに言っても無駄なので、適当にベッドに転がって目を閉じる。

 任務の疲れからか、隣で五条悟がバカ騒ぎしていてもすぐに眠気がやってきた。天翔さんに見られたら男が居る場所で無防備に寝るなんて、と思われるかもしれないが五条悟と傑は私の部屋でエロ本の交換をするどころか悟に至っては私の部屋をエロ本の隠し場所にしてやがるので、2人の好みは確認している。

 私はそれから完全に外れているし、傑と硝子には悟と違って常識がある。ちゃんと後片付けもして帰ってくれるだろう。

 

 

「来年は、悟も傑もぶちのめすからな……」

 

「まずは来年まで死なないようにしろよ。都子、弱いんだから」

 

「腐っても1級だ。そう心配することは無いだろう」

 

「死んでなきゃ私がどうにかしてやるしね」

 

 

 目を瞑っていたせいでそう答えたみんながどんな顔をしていたかは分からなかった。

 返答に詰まり1秒、2秒と時間が経過していく。やがて面倒くさくなって私は眠ることにした。

 

 

 

 

 この選択を、私はほんのちょっとだけ後悔している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……あの子さ……」

「小さくて可愛らしいよね。誰かの妹かな?」

「でもやたら目付き悪くない? 人殺してそうだよ」

 

 季節は春。

 高専3年生に進学していた私は、姦しい女子中学生達の話し声を聞き流しながら、廉直女学院中等部の校門前である人物が来るのを待っていた。

 

 私の少し幼い容姿と高専の学ラン風の制服は相性が悪くてコスプレ感が強いらしいし、ついでに連日の任務による睡眠不足が原因の目付きの悪さもあってかかなり注目を集めている気がするが気にしない。

 元から私は天翔さん以外の人間とはあまり上手くコミュニケーションが取れない人間なのだ。

 

 ……傑や硝子は、なんか別。

 

 

「あ……都子、さん」

 

 

 目的の人物は思っていたよりも早く現れ、意外と早くこちらに気が付いた。

 以前は結んでいた髪の毛が後ろで軽く纏めただけになっていたのと、随分と雰囲気が変わっていたのとで一瞬気が付かなかったけれど、頭に着けていたヘアバンドのおかげで分かりやすかった。

 彼女は友人と思われる人達と別れると、小走りでこちらへと近づいてくる。

 

「えっと、久しぶりだね。理子ちゃん」

 

「はい。お久しぶりです。都子さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 星漿体護衛任務の後、私は一度理子ちゃんのお見舞いに行ったきりで以降は一度も彼女と会ってはいなかった。

 傑は何度か顔を見に行っていて、意外なことに悟も自主的に訪れていて元気そうであったことは聞いていたけれど、どうしても自分で会う踏ん切りがつかなかったのだ。

 

 ……結局、あの任務の時の私は足でまといでしか無かったから。術師殺しの手の甲の薄皮一枚剥いただけで何も出来なかった。簡単に言えば気まずかった。だって、私のせいで黒井さんは────。

 

 

「あの、聞いてますか?」

 

「え、あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてたかな」

 

「大丈夫ですか? 目の下のクマとか酷いですけど」

 

 

 あの一件から一年も経っていないというのに理子ちゃんは随分と大きくなっていた。

 もう星漿体じゃないからなのか、それとも単にやめたのか。私の前でもあののじゃのじゃした口調をやめてついでに背が随分と伸びたからか雰囲気も大人っぽくなっている。正直悔しい。私はもう完全に成長が止まったのに。

 

「その、もう生活とか慣れた? あ、ごめんデリカシー無いよね、……ごめん」

 

 こうして喋ろうとしてみると、改めて自分の社交性のなさを痛感する。理子ちゃんは別に知らない相手でもないのに、久しぶりに話そうとすると上手く口が動かず表情もどんな風にすればいいか分からない。

 

「ぼちぼちですね。最初はやっぱ片腕がないと困ることが多かったですけど、なんだかんだ慣れちゃうものでした」

 

「そ、そう……。そうなんだ……」

 

「あと、腕のことはそんなに気にしていませんから気に病まないでくださいね。そもそも、皆さんがいなかったらこうして3年生になることも出来なかったんですから」

 

 

 そう言って貰えるのは、やっぱり少しだけ嬉しい。

 私は弱くて、五条悟や傑みたいに沢山の人を助けることは出来ないけれど、それでも確かに守れたものがあるということ。それを思い出すことが出来た。

 

「ありがとね、理子ちゃん」

 

「お礼を言うのはこちらですよ、都子さん。……あ、そうだ。この後どこかカフェにでも寄っていきませんか?」

 

「行きたいけど……この後任務があるからまた今度ね」

 

「はい。じゃあまた今度────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか知らんイベントが大量発生しとる……。

 

 なんでや! ミヤコちゃんのストレス値が爆速で回復してしまう! 楽しいクリスマスイベントにJCとデートとかコミュ障クソザコミヤコちゃんにはあまりにもハードルが高いイベントのはずなのに!? 

 

 くぉれはちょっとまずいですねぇ。

 ぶっちゃけミヤコちゃんにはもっと純粋に自分の弱さを自覚してもらいたいわけですよ。せっかく五条悟が『最強』になって格上の夏油傑とコンビを組むことが多くなって自己肯定感が爆下がりしてるんですから誰も認めないでくださいよ。世界の全てを以て、ミヤコちゃんを否定してくれ! 

 

 

 

 …………ま、心配しなくてももうルート確定はほとんどしてますからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────記録

 

 

 2007年6月。

 

 昨年の星漿体暗殺未遂事件での関与により解体された盤星教『時の器の会』の一般信者、飯沼 慶史により元星漿体、天内 理子が腹部を刺され意識不明の重体。

 その後、一命は取り留めるも出血多量により軽い麻痺等の後遺症が見られる。

 

 飯沼は呪術についての知識の殆どない一般人であったが、教団に心酔しており教団の解体を星漿体の仕業と思い込み錯乱状態であった。

 事件後、飯沼は逃亡。呪詛師との繋がりの見られない事件であったため、本件はそのまま警察に任せるものとする。

 

 ────追記

 

 事件から数日後、赤坂 都子1級術師が飯沼 慶史を術式を使って暴行。

 飯沼は呪詛師では無い一般人であったため、呪術規定に基づき無許可での一般人への術式使用を行った赤坂都子は2ヶ月の停学処分とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 久しぶりに訪れた高専は、なんだか空気が澱んでいて居るだけで吐きそうな気分になってしまった。

 

 事情を知っている夜蛾先生や天翔さんは何も言ってこなかったけど、正直に言ってしまえば私はこの処分について納得してなかったし、納得出来ない自分に嫌気が差していた。

 

 呪術師は非術師を守る為にある。

 そんな自分が非術師にその力を使って暴行を働いたのだ。たとえ相手が悪人だったとしても、あくまでそれを裁くのは法であり、それに則れば当然のように刑に処される相手だった。私のした事は間違いであり、感情の制御出来ない未熟者だということのアピールでしかない。

 

 

 じゃあなんだ? 

 星漿体なんてもののせいで生まれた時から他人の為に死ぬ事を強いられ、非術師の為に死ぬ運命を許容すれば今度は非術師に命を狙われ、生きることを望めば大切な家族と腕を奪われ、全てが終わり平穏に暮らそうとしてもそんな運命を乗り越えた彼女が逆恨みから非術師()に傷つけられたのを、笑って見逃せと? 

 

 それが正しい呪術師の在り方だ。呪いを祓う力の無い弱い人を助ける呪術師の、天翔さんの姿に私は憧れたんじゃないか。

 人を刺した人間は傷害罪やら何やらできちんと罰を受ける。それは呪術師の出る幕ではない。

 

 でも、飯沼は確かに呪ったのだ。

 理子ちゃんの死を望み、彼女の生を呪った多くの人間の一人なのだ。

 

 だからヤツは──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ! 赤坂さん! お勤めご苦労様です!」

 

「うえっ!?」

 

 

 考え事をしながら高専の廊下を歩いていると、突然前からとんでもない声量で声をかけられて思わずその場に尻餅をついてしまいそうになった。

 目の前にいつの間にか居たのは後輩である2年の……確か、灰原 雄だ。私は後輩とあまり接することは無いが、彼はその元気さからかよく記憶に残っている。

 

「その言い方、誰から学んだの?」

 

「家入さんです! 赤坂さんに会ったらそう言ってやれって言われました!」

 

 呪術師としてやっていくにはあまりにも人を疑わなさ過ぎる純粋さ。見ていると心配にはなるが逆に癒しにもなる。故に、五条悟や硝子が面白半分であることないこと吹き込むせいでこんなことになってしまったが。

 

「灰原。もう少し疑う事を覚えた方がいい。皆が善意で生きてるわけじゃないんだから」

 

「……? ありがとうございます! でも、人を見る目には自信があるので大丈夫です! そう言えば停学になっていたと聞きましたけど、何があったんですか?」

 

 純粋さの塊。

 本当にこれで呪術師をやって行けるのだろうか? 喋る言葉の何処にも悪意や裏というものを感じることが出来ない。それ故の割とデリカシーのない質問。

 だが、この程度のストレートな質問では、常に五条悟のようなクソ野郎に絡まれている私のメンタルに響くことは無い。

 

「一般人を術式を使って殴ったんだよ。ほら、暴行罪の前科ありの先輩に殴られたくなかったらさっさとどっか行きな」

 

「え、本当なんですか!? 赤坂さんがそんな悪いことをするようには思えません!」

 

「思えなくても、それが事実なんだよ」

 

 私が一般人を殴って、『赤縛』で動けなくしてからゆっくりと全身の至る所を浅く切りつけたのは事実だ。

 殺すつもりはなかったが、死ぬ程の恐怖を与えようとはした。我ながら最低だ。

 

 

「うーん……でも何か事情があったんですよね? だって、赤坂さんは悪い人じゃありませんからね!」

 

 

 だと言うのに、灰原は笑顔でそんなことを言っていた。

 私は間違いなく悪人だ。本気で非術師共の不幸を望み、それだけでは耐えきれず実際にこの手で暴力まで振るってしまった。

 そんな相手を悪い人じゃない、とは。人を見る目がないし、本当に呪術師に向いているとは思えないほど真っ直ぐだ。

 

 ……でも。

 

 

「灰原、君はそのままでいてくれ。あと七海にも君の有り余る元気さを分けてやってくれ」

 

「……? わかりました! あ、そう言えば明日任務で遠くに行くんですが、お土産甘いのとしょっぱいのどっちがいいですか!?」

 

「どうせあの五条悟(バカ)が大半食うだろうし、甘いのでいいよ」

 

 

 元気だが廊下は走らず歩いて行く灰原の背中を見送り、再び歩き出すとまた目の前に人影が現れた。

 

 

「……傑か。久しぶり」

 

「あぁ、久しぶりだね都子」

 

 

 久しぶりに会った傑は、なんだか元気がないように見えた。

 先程まで元気の擬人化のような灰原と話していたせいもあるかもしれないが、それにしたって明らかにやつれているし顔に生気がない。

 

「疲れてるみたいだけど大丈夫?」

 

「最近任務が多くてね。加えて、どこかの1級術師が問題行動で停学になってたせいで、その分の任務がこっちに来てね」

 

「あー……ごめん。今日からまた頑張るから」

 

「頼むよ。……私は少し疲れたからね」

 

「うん。少し休みなよ。と言うか、そんなに今年は呪霊多いのか。いっその事この世から呪霊が居なくなるスイッチみたいなのがあればいいのに」

 

 何となく呟いた冗談。

 傑が去年言っていた通り、今年は呪霊被害の報告が増えていて天翔さんもなんだか疲れていたし、五条悟は忙しくてそこらじゅう飛び回っていると聞いていた。

 だから、冗談とはいえそれは本音だった。いつものように笑い飛ばして、そんなものがあったら苦労しないと言って貰える程度のものだと思った。

 

「────うん。そうだね。じゃあ私もこの後任務だから」

 

 傑は笑い飛ばしたりせず、噛み締めるように頷いただけだった。

 

 

 

 

「……知っているかい? この世から非術師()がいなくなれば、呪霊も居なくなるんだ」

 

 

 

 

 去り際のその言葉に、もっと耳を傾けるべきだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────記録

 

 2007年 8月。

 

 任務に派遣された高専1年生2名の内、1名が死亡。

 後任に高専3年、五条悟があたり呪霊は無事討伐。

 

 

 

 2007年 9月。

 ■■県■■市(旧■■村)にて呪霊被害を確認。

 高専はこれに高専3年、夏油傑を派遣。その五日後、旧■■村の住民112名の死亡が確認される。

 現場に残された残穢から夏油傑の呪霊操術と断定。

 

 

 夏油傑は逃走。

 呪術規定に基づき処刑対象となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、もう何が正しくて何を信じればいいのか分からなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

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