呪術抗戦 呪霊殲滅ルート   作:ちぇんそー娘

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忙しかったので初投稿です。





泥中に咲く

 

 

 

 

 

 夏油傑が呪詛師として処刑対象になってから、私はそれを忘れる為に任務に没頭し続けた。

 毎日毎日、ひたすらに呪霊を祓って祓って祓って。呪詛師を倒してまた呪霊を祓って祓って祓って。

 

 なんでよりによって傑が。

 誰よりも非術師を守ることを大切にしていた傑が、なんで。しかもよりによって自分の両親すらも手にかけて。まだ五条悟が急に気まぐれで虐殺を行ったと言われた方が、信じられないけれど信じられる。

 

 考えれば考えるほど吐き気と無力感で死にたくなってくる。

 

 

『……知っているかい? この世から非術師()がいなくなれば、呪霊も居なくなるんだ』

 

 

 最後に会った時、去り際に傑が言った言葉が何度も脳内で繰り返される。

 傑は、なんて言ったんだろう。あの言葉にどんな意味を込めて私に伝えたというのだろうか? どうして彼は非術師を100人以上殺して────。

 

 

 …………あ。

 

 

 気付く。

 可能性に気が付く。星漿体暗殺の一件、理子ちゃんの件、後輩の死。点と点が繋がって見たくもない図が無理やり浮かび上がってくる。

 

 駄目だ考えるな。

 そんなことに気が付いたって、その果てに出した答えが虐殺だなんて絶対に間違えている。その先に生まれるのはまた祓いようのない負の感情だけだ。

 

 だから、それを肯定するのは間違っているんだ。

 

 

 

 本当に? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2007年、10月。

 

 ■■県■■村。

 

 

 

 

 

 

「────都子ちゃん? 大丈夫かい?」

 

「……え、はい? 大丈夫です……?」

 

「適当に答えただろう。話聞いていなかったのがバレバレだよ」

 

「すいません。久しぶりの天翔さんとの任務なんで浮かれちゃって」

 

「…………本当にそうなら、いいんだけどね。そうだとしても1級二人が派遣されるような任務だ。気を引き締め直して欲しい」

 

 久しぶりの天翔さんとの任務に浮かれているのは事実であったが、それ以外にも理由はあった。

 最近、何をやっても上の空と言うか何をしていても任務以外の時間が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()気が付いたら過ぎている。小説の描写する必要のない時間はたった数ページで終わるのに、一時間の逢瀬にその何倍も時間を使うような、奇妙な時間感覚。

 

「あんなことがあってからまだ時間が経ってないんだ。休みたくなったらいつでも言ってね、都子ちゃん」

 

 天翔さんは個人的な付き合いとして傑の何度かあっていて、その人柄というものをよく知っている。

 だからこそ、彼が呪詛師に堕ちたと聞いた時はまるで理解出来ないと言った感じの顔だった。

 

 私だって理解が出来ない。よりによってあの傑が……。

 

 

 

 本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に?本当に? 

 

 

 

 

「都子ちゃん、着いたよ?」

 

「は、え? え?」

 

「ここからはバスも無いし、山道は車で移動出来ない。まぁ、僕より肉体派の都子ちゃんにはいらない心配だろうけど少しキツい道程だからね」

 

 やっぱり何かおかしい。

 先程まで私達は任務の為の事前準備を家で行っていたはずなのに。出立した記憶も、バスに乗った記憶も降りた記憶も存在しない。ただ事実としてあたりの風景が何も無い田舎と言った感じになっていて、私の服装も山道を歩く為の物に変わっている。

 

 天翔さんの言う通り休んだ方がいいのだろうか? 

 

 

 それとも、もう手遅れなくらい私はおかしくなってしまっているのだろうか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………あ、こんにちは。

 

 いやですね、ちょっと飽きてきましたね。ここ最近はストレス値を増やす為にひたすら任務ばっかいれてるのでスキップ使いまくってます。都子ちゃんの日常とかどうでもいいんですよ。お前は呪霊を殲滅する兵器になるのだ! 頑張れ都子! もう少しでお前は完成に到れるぞ! 多分! 

 

 

 そう言えば天翔くんの術式について説明とかしてませんでしたね。

 どうせ五条悟の圧倒的下位互換のパッとしない術式なんでざっくり説明すると収束する螺旋を生み出す術式ですね。強そうに聞こえますが、使い勝手が死ぬほど悪いです。相手の攻撃を逸らすバリアを使えますが、収束する性質上出すタイミングを間違えると自分に確定命中する軌道にしてしまう為使い勝手悪いし、攻撃に使おうにも標準の精度が悪くここまで五条悟の下位互換感を出すと逆に芸術的なレベルです。

 

 まぁどうでもいいですね。さっさと都子ちゃんには呪霊殲滅マシーンになってもらいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今時バスが通ってない村とかあるんですね……」

 

「意外と多いものさ。特に、因習の蔓延る村では閉鎖的な環境が公的機関への対抗心に繋がる。……現代における土蜘蛛のようなものだ」

 

 土蜘蛛。

 かつて朝廷と敵対したまつろわぬ民達の総称であり、元々それは呪いと人の混血だったのか、それともそれらへの畏れがそれを産んだのかは分からないが特級仮想怨霊『土蜘蛛』として高専でも警戒されている。

 

 天翔さんのその例えは言い得て妙だった。

 

 この村は『呪いの気配』が非常に濃い。

 古いしきたりへの執着、排他的な精神、余所者への嫌悪。そういうものが村全体の空気を淀ませて呪霊の餌となっている。

 

「今回の任務は宿泊が出来ないからね。早く現場に行って確かめよう」

 

「……まったく。自分達から助けを求めておいて『よそもんを泊める宿はない』なんて酷いものですね」

 

 

 今回の任務の概要は、頻発する行方不明事件の捜査。

 この村の近隣の山で行方不明になった人間の数は、村の人間13名、外の人間8名。更に捜索隊から11名。計32人もの人間が行方不明になり、捜索隊の1人は正気と片目と片足を失った状態で発見されていた。

 高専は直ちに警察より捜査権を引き継ぎ、最低でも1級案件として私達に任じてきたのだ。

 

 

「確かに酷い態度であったが……それは仕方ないさ。なんて言ったって、彼らは非術師。呪霊を認識することが出来ないからね」

 

「呪霊が見えないことが、あの酷い態度とどう繋がるんですか?」

 

 

 なら呪霊の見えない人間なんてみんなクズの集まりなのですか? 

 

 

 

「彼らは見えないんだ。自らを脅かす恐怖の姿が。だからこそ、()()()()()モノの全てを拒絶して自らを守ろうとする。強くないからこそ、初めから何も懐に入れないことで懐を守る。生命としての本能だ。だからこそ、僕達がその不安を排除してやればきっと……期待するだけ無駄かもしれないが、多少は態度も軟化する、はずだよ」

 

 

 でも呪霊は非術師の恐怖から生まれるものですよ? 

 守ってやってる私達に向けた恐怖からも呪霊が生まれるなら、永遠に呪霊はこの世から居なくならないじゃないですか? 

 だいたい、なんで天翔さんがあんなクズ共の尻拭いをしなくちゃいけないんですか? 

 私は、あんな奴らを守りたいと思わない。もっと大切なものを守りたい。

 

 

「でも……やっぱりあの人達おかしかったですよ。いくら排他的って言っても限度があります」

 

 事情聴取の為に村の家を回ってみた時はそれはもう酷かった。

 一言目には帰れだの消えろだの、まともに話してくれた人間は1人も居らず暴力を振るってくる人間までいた始末だ。

 一番酷かったのは、息子が行方不明になったという高齢の女性の言葉だった。

 

 

『あの山は神の住まう神聖な場所だ! 余所者が軽々しく足を踏み入れるなぞ万死に値する! 必ずや我らが神が裁きを下してくださる!』

『息子は神の生贄に選ばれた。それはとても光栄なことであり、余所者にとやかく言われるような筋合いは無い!』

 

 同じ人間なのにここまで価値観が違う者がいるのかと、あっけに取られて言葉も出なかった。

 自分の息子が、家族が行方不明になったのをまるで喜んでいるかのようなその狂気的な笑みは心の底から私に嫌悪感というものを抱かせた。

 

 

「えーっと、都子ちゃんは、あの村の人間が嫌いかい? 守るに値しないと思うかい?」

 

 心を見透かしてきたかのような天翔さんの言葉に、心臓が口から飛出てしまうんじゃないかと思った。

 

「……分かりません。好悪でいえば間違いなく嫌いな存在です。でも、私は呪術師で、非術師を守ることがその責務。守るに値しない人なんて、この世に存在しないと────」

 

 否定の言葉がどうしても口から出てこない。

 その言葉そのものが自身の本心の否定になってしまうことを何となく直感で理解してしまった。

 最悪の本性を、天翔さんに垣間見せてしまった。恥ずかしさと申し訳なさがごちゃごちゃになってその場に立ち止まり、前を向けなくなる。

 このまま地面に埋まって消えてしまいたい。そんなことを考えていた私へ、天翔さんはこう声をかけた。

 

 

「じゃあさ、バックレちゃおうか。任務」

 

「…………え? え、え、えぇ!?」

 

 

 天翔さんは責任感の強い人だ。

 誰よりも彼の背中を見て、その背中に追いつこうと努力してきた私が言うのだから間違いない。

 私の知ってる呪術師の中で、天翔さんほど非術師(弱者)を守る事に心血を注いでいる人は居ない。

 

 そんな人が堂々と、事もなさげに突然任務の放棄を言い出すのだ。これだけ思考が追いつかないのは、禪院甚爾が当たり前のように水面を走っていたところを目撃した時以来かもしれない。

 

「だって都子ちゃん、正直やりたくないだろう? あんな人達を守る為に自分の力を使いたくないって思ってるだろう?」

 

 私の本心がそっくりそのまま吐露される。

 心が軽くなるけど、同時に死にたくなる。大好きな人にだけは自分のこの醜い思考を悟られたくなかったのに。幻滅されるに決まっているし、もしかしたら破門なんてことも有り得るかもしれない。

 

「だって正直、僕も嫌だもん。あんなトゲトゲした感じの人達守るの。勝手に死んでどうぞって感じだよ」

 

 いや、この人本当に天翔さんか? 臭いとか顔立ちとか歩き方からして間違いないかもしれないけど、普段と比べてあまりにもぶっちゃけ過ぎている。一体何故急にこんな……。

 

「でも、僕は彼らの全てを知らない。都子ちゃん。僕は昔、君の両親を救うことが間に合わなかった。僕が殺した訳では無いけれど、僕の力不足が助けられる命を救えなかった。そんなことが何度もあって、あの頃は本気で呪術師をやめようと思っていたんだ。……そんな時だったんだ。君と出会ったのは。と言っても、都子ちゃんはそんな昔のこと覚えてないかな」

 

 あの日のことを忘れるわけが無い。

 私はあの時、本当は死ぬはずだったんだ。何もわからないまま呪霊に殺されるはずだった私を助けてくれたのが天翔さんだ。

 

「確かに救うに値しない人間はいるかもしれない。でも、誰がそんな人間かなんて判断出来るほど僕は優れた人間じゃない。だから僕は全部を救う。いつか、誰かを救って良かったと思える日が1度でも来ればそれは僕のやった事に意味があったってことだからね」

 

「意味、ですか……?」

 

「そう、意味だ。都子ちゃんも自分の行動の意味を探すんだ。嫌な事から逃げても良い。守りたくない人間を守る必要なんてない。それでも最終的に都子ちゃんが自分の人生に意味があったと誇れるなら、それが一番だからね」

 

 ほんの少し、ほんの少しだけ心が軽くなった気がした。

 呪術師だから、という枷に囚われていたモノが解放されて、吸い込む空気が普段よりも新鮮なものに感じる。

 天翔さんはいつも私を救ってくれる。どんな時も、この人だけは私を助けてくれる。まだ子供である私には意味なんて大層なものは分からないけれど、もしもあるとしたならば────。

 

 

 この人を守り続けることを、私の意味にしていきたい。そう思える程に、私はその穏やかな笑みに心を奪われてしまっていた。

 

 

 

「今回、本当に嫌なら別の人に変わってもらうから安心して! 冥冥さんか……二宮さんあたりと後日来ることにするよ」

 

「いえ。普通に頑張るんで気にしないでください」

 

 

 なんでよりによってその二人、私よりも大人の魅力に溢れた女性を選ぶんだ。そう言われてしまっては、どれだけ嫌でも引き下がることはできなくなってしまうだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────口頭記録。■■村での行方不明事件の原因の究明……完了」

 

 血を流し過ぎてふらつく頭で何とか思考を繰り返し、万が一このまま死亡したときのためにレコーダーに自分の状況を記すことにした。

 

「過去、禁足地とされていた敷地内にて……私達は原因と思われる呪霊に遭遇」

 

 此度の事件の原因の呪霊は……一言で纏めてしまえば神だった。

 かつて凶悪な呪霊を外法によりこの地に縛り付け、生贄を対価に利益を得ていた悪習の成れの果て。

 捧げられたモノ達の苦痛と縛られていた呪霊の怒り。そして神への畏れを受けたその呪霊は当然ながら元の姿とは全く違う存在に変化していた。

 

 名付けるならば『特級過畏神霊』。

 神として祀られた呪霊が変じた、醜悪の権化のような呪い。

 封印が緩んだのか、呪霊が力を蓄えすぎたのか。どんな理由にせよその呪霊は力を拡大し周囲の人間を取り込み、怨嗟のままに虐殺を始めようとしていたのだ。

 

「……禁足地全域は特級過畏神霊の領域内と化しており、私達はそこに閉じ込められて攻撃を受けた。私、赤坂 都子は不意打ちで頭部を強打し意識が混迷。戦闘時は仮の領域展開を行い、同伴術師の清岡 天翔が交戦」

 

 私は情けないことに領域に踏み込んだ瞬間に必中の攻撃を受けてまともに立てなくなってしまい、不完全な領域展開を行って天翔さんを必中の攻撃から守ることしか出来なかった。

 そして、相手は特級呪霊で天翔さんは1級呪術師。元々『領域展開』内では術式の必中化以外にも環境要因による能力の向上も存在する。

 簡単に言ってしまえば、勝てるはずがなかった。逃げ出すために私が更に『領域展開』に意識を割けば、その瞬間に私の体が抉られる。戦い続ければどの道ジリ貧。どう足掻いても2人ともここで死ぬ……はずだった。

 

「……清岡天翔は、ぁ……ぅ、あ、────ぁ」

 

 

 

 

 

 

『こんな形でしか君を救うことの出来ない、僕の弱さを許して欲しい。……あぁ、僕に、悟のような力があったなら、こんな辛い選択を君にさせることも無かったのに』

 

 このままでは2人とも死ぬ。だからその選択はとても合理的で、とても優しくて、この世で最も残酷なものだった。

 

『ちゃんとご飯を食べること。僕が居なくなったからって拗ねて高専をサボらない事。後は……』

 

 この人はそういう人だと誰よりも知っている。

 それでもやめてくれと叫んだ。ここで2人で死んだ方がマシだと、最悪なことすら口走って、命乞いをするように叫んだ。

 

 

 

『────どうか、君の生きたい人生を歩んで欲しい』

 

 

 

 

 

 

 

「っ、ぅぁ、清岡、天翔は。自らの命を代償に、術式を強化し、特級過畏神霊を討伐……」

 

 今背負っている遺体は天翔さんのものでは無い。

 写真で確認した、この村の住人の一人の遺体だ。比較的形を保っていたこの遺体だけでも遺族の元に届けてくれと天翔さんはそう言い残して────呪霊の作り出した領域と共に、遺体ごと消滅した。

 

 

 もう取り繕う必要は無い。

 元々全て天翔さんの為に取り繕っていたのだから、本音を隠す理由は存在しない。

 

 こんなどうでもいい腐った肉片よりも、私は天翔さんの体だけでも持ち帰りたかった。けれど、最後の彼の願いを踏み躙ることは私には絶対に出来ない。それでも、それでも! 

 

 感情と本能と理性がぐちゃぐちゃになり、その度に頭痛が増していく。流れ出る血液と共に大切なモノが少しずつどこかへと消えていってしまっているかのような喪失感。

 

 

 それでも、この遺体を届けることが出来れば。

 まだ私は呪術師でいられる。まだ天翔さんと同じ道を歩いて行ける。

 

 

 

 

 

『なんて罰当たりな! 神に捧げられた体を持ち帰るなんて!』

 

 

 息子の亡骸を目にしたその女は、一言目に私を罵倒した。

 

 

『この……この罰当たり者が! 疫病神が! 余所者のくせに私達の事情に踏み込んで、私達の平穏を荒らすのがそんなに楽しいか!?』

 

 

 天翔さんは、お前を信じていたんだぞ? 

 救う価値のない、畜生のようなお前のミソッカスのような善性に寄り添い、その命を救う為に、この遺体を持ち帰らせるために、自らの命まで捧げたんだぞ? 

 

 

『■■■■!! ■■■■、■■■■■■■!!!』

 

 

 同じ人間の言葉と思えない。

 意味の無い咆哮か鳴き声と思わなければ精神がイカれてしまいそうになる。

 

 なんだ、本当になんなんだコイツらは。

 

 

 もう無理だ。

 

 

 

 

 

 私は────

 

 

 

 

 

 

「────呪術師を、引退する。口頭記録終了」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???

 ミヤコちゃん!? ミヤコちゃん!! 違う、そうじゃない! クソ! 予定通りかと思ったらとんだじゃじゃ馬だぜ!

 しかし問題ない。想定内の最悪は引きましたがあくまで想定内。次回、遂にミヤコちゃんの精神がぶっ壊れます。……多分。

 

 

 

 

 

 

 








清岡天翔は呪術師としては才能のある方の凡才です。
命を懸けて、都子ちゃんに手伝ってもらって、そこまでしても本当なら特級呪霊を祓うことなんて出来ませんでした。
ただ彼が心の底から都子ちゃんに生きて欲しいと願ったからか、それともただの偶然か。彼の命を代償にした一撃は黒い火花を巻き起こしました。

彼の術式は術式順転・蒼を小規模で精度を低くして再現出来るような術式でしたが、その一瞬だけは彼はこの時の五条悟に……届いたなんてことはありません。強大な呪霊でしたが、五条悟が来ていれば誰も犠牲を出さずに終わっていました。

都子ちゃんは彼に対して恋心を抱いていましたが、彼自身はそれを親代わりに対しての親愛だと最期まで思っていました。
そもそも、彼は以前に婚約者の呪術師自分のミスで目の前でミンチにされているため、もしも都子ちゃんがインモラルな押しかけをしたとしても、キッパリと断っていました。





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