(女性関係)さっぱりさせようぜぇ!!   作:胡椒こしょこしょ

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同じ部屋回です。


何の因果か…組まされる事になるなんてなぁ.....

「このラインから右は私の領域ですわ。決してこのラインを超えないこと!分かりまして!?」

 

「同胞たるルームメイトの領域を侵す愚は犯さない....可能な限りなぁ?」

 

セシリアと同じ部屋だと分かって数分経った。

色々ごたごたがあったものの、取り敢えず落ち着いた俺たちはお互いのプライバシーの領域には踏み込まないように話を付けようとしていた。

 

それにしても、相変わらず翻訳機君はあらぶっておられるようですね。

たった3文字がなんでここまで長くなるのか不思議である。

セシリアは未だ、こちらを警戒するような視線を向けてくる。

まぁ、あんだけ噛み付いたんだ。

その態度が当然だろう。

美少女に睨まれるってのは気持ちいいっすよね....いや、気持ちよくはない!(本音)

さっそくヒロイン候補の一人に嫌われてて笑えるんだよね。

 

「分かれば良いんですわ。...食堂では確かに食事を共にしましたが、私は貴方と....いや、貴方がたと馴れ合うつもりはありませんわ!分かりまして!?」

 

セシリアはプンプンと怒りながらも指をこちらに突きつける。

そりゃそうだ。

セシリアが現状クソコテしているのは、代表候補生としての慢心もあるかもしれないが一番は彼女の家の事情という物が多分にある。

 

すると、セシリアは俺に視線を向ける。

その目は俺の動向を事細かに観察し、どのような行動を取ってもすぐさま対応できるように身構えているように俺には見える。

 

「...それに、貴方が一番信用できませんわ。た...確かに?私に対してわ..さび?なる物を事前に教えてくれたのはありがたいと思いはしますわ?それでも.....貴方は、初めて会ったのに...私を知っていた。一体なぜか聞いてもはぐらかされるし...だからこの部屋においても私は貴方とは一定の距離を保つことに致しましたわ!!」

 

あっ、わさびのアレは感謝してくれているのか。

そう考えると、あの一瞬だけもはや見たくないレベルにトラウマと化したすだちうどんも悪くはなかったと...いや、やっぱダメだな。

だって飯食ってる時もずっと他の知らん子たちも俺の真似してたもん。

俺なんか悪い事した??

 

セシリアが言うように、俺は原作知識からセシリアの背後の風景を知っている。

家庭環境とかは流石に翻訳されるとまずいので考えないようにするが、確か両親が死んだことで残された遺産を狙う金の亡者どもから守る為にも彼女は今もここで操縦者として尽力している。

そして、俺は初対面の彼女を確かお嬢様呼ばわりしていた。

つまりは金の亡者と彼女が警戒している人間と繋がっている可能性も考えられるのだ。

そりゃ警戒もするはずである。

 

「そりゃビビっちまうよなぁ?」

 

俺の口は笑みを浮かべながら、挑発的に言葉を紡ぐ。

あのさぁ、勝手に考えている事出力するのマジでやめてくれない?

またコイツ煽っているし....。

これでまだマシなレベルなのマジで草も生えないだろ。

 

「び、ビビる!?私が貴方に怯えていると!?このエリートにしてイギリス国家代表候補生であるセシリア・オルコットが貴方に!?そんなことあり得ませんわ!あなた、専用機はお持ち!?」

 

やっぱり危惧していた通り嫌われてるじゃないか....

まぁセシリア、几帳面そうだし俺みたいなのそりゃ合わないに決まっている。

計画が壊れてるんだよなぁ.....翻訳のせいでYO!!

なんていうか、それにしても...ここまでの慌てようから見て俺に怯えていたのだろうか?

そりゃ手が出ちまいそう...とか言う奴と同じ部屋だったら身構えるわな。

ごめんよ...俺はそんなつもりなかったのに、翻訳の馬鹿が....。

 

専用機があるか聞いてくるセシリア。

そんなもの現時点であるわけないんだよなぁ....。

...いや、まぁもしかしたら国連が機体テストの一環として変なの送り付けてくる可能性あるけどさ。

 

「おいおい、専用機があるかどうかで優位を取ろうってのか?なら答えてやるよ....ないんだよなぁこれが!!」

 

急に叫ぶの止めろよ。

セシリアは驚いたのか一瞬肩をびくつかせてるだろ。

そんでもって気まずそうにこちらを一瞥して、気を取り直すように咳をする彼女。

お前、ホンマ可愛いな....。

クソコテ時代でこの可愛さなら、ヒロイン時代ではどれだけ可愛いのだろう。

チョロインとか言われてるけど、俺はお前のこと好きだぞ!!

 

「こほん....であれば、残念でしたわね。恨むのなら私に楯突いた自分の浅はかさを恨みなさいな!」

 

そう言って勝ちを確信しながらもしたり顔でセシリアは言ってくる。

しかし、その確信は間違いであると言える。

だって俺IS適正Sだし....。

特典とかいう卑怯な手段で獲得したものではあるが、それでも持っているのは事実なのだ。

それに、試合で使う訓練機の『打鉄』と『ラファール・リヴァイブ』は所謂量産機。

国連のテストなどで量産型には腐るほど乗って来た。

正直、今の俺にとって量産機は親の顔より見た機体なのだ。

俺も、負ける気はしない。

 

「勝ち誇っているみたいだけど、そいつぁ早計なんじゃないの?こちらも負ける気はないんでねぇ...。」

 

俺の口は好戦的に歪み、セシリアの目を真っ直ぐに見つめてそう口にする。

正直、また内心を勝手に翻訳しやがったのかとキレそうになるが、今回は訳がおとなしめなので許してやろう!

...これで大人しいとかヤバい時はどれだけヤバいんですかね.....。

嫌になりますよ~俺もなぁ。

 

その視線を受けて、オルコットは顔を逸らす。

 

「ふんっ、その自信が果たしてどこまで続くか....当日が楽しみですわね!!」

 

そう言い残すとセシリアは立ち上がってバスルームの方へと向かう。

風呂に入るつもりだろうか。

目の前で金髪英国美人がお風呂に入る。

前の俺だったら興奮するシチュエーションではあるが、今は何も感じない。

身体が女になっているからか、そもそもこの身体は失敗作とはいえあのブリュンヒルデの再現を試みた者でもあるし、そんな戦闘にはなんの役にも立たない邪魔なものは感じないようにされているのかもしれない。

正直、俺的にはなんか後者臭く感じているのだが....まぁ、それも俺の一夏と誰か一人ヒロインをくっつける計画においては別段なんの問題もない。

であれば、まぁオッケーだ。

 

「失敗作には性的欲求も不要ってか?まぁ構いやしないけどなぁ...。」

 

どうしたお前....、急に落ち着くのやめろよ。

部屋の中のこれまた高級そうな時計を見れば今や遅い時間だ。

翻訳機君もお眠なのかな?

だとしたら散々人の平穏を乱しておいていい身分である。

 

明日は二日目。

イベントとしては、お姉ちゃんの話題になって箒ちゃんキレるんだっけ?

そして一夏は箒ちゃんによる剣道場で打ちあいという名の扱きを受けるんだったか?

セシリアに絡まれて、幼馴染にボコられるなんてなんて可哀想な子なんだろうか....

まぁ、なんにせよ俺がやるべきなのは全体的に箒ちゃんのケアだな。

正直、彼女の姉である篠ノ之束が妹を一夏とくっつけようとしている以上は一番くっつけるのが簡単なのは箒ちゃんの気がする。

だって、箒ちゃんが素直になったら多分終わるもん。

だからこそ、今の内暴力系ヒロインや情緒不安定といった印象を与える要素を潰しておくに限るのだ。

 

大丈夫だよモッピー。

君はすだちうどんの件で僕の期待を完膚なきまでに裏切ってくれたけど、俺はお前の味方だぞ?

俺が必ずお前の恋愛を成就させてやるからなぁ.....。

....正直、他のヒロインも応援してるからそこまで肩入れは出来ないけど。

 

明日の事を考えながらも、セシリアが風呂から上がって来るのをただ待っているのだった。

 

 

IS学園は日本の威信を賭けているだけあって、入浴設備も高級ホテルのような様相であった。

生前だったら滅多に泊まれないような良い設備の風呂をこれから毎日使えるなんて嬉しい物である。

 

「す、すげぇ....!!...試供品だが..その辺の洗顔料と一緒にしないでくれ!派手にやっちゃうかぁ!!」

 

『...お風呂くらい静かに入れませんの?』

 

お風呂に入って数分、髪も洗い終えた俺は顔を洗っていた。

いつものように翻訳機があらぶっていると、背後の扉の方から鈴を転がしたかのような可愛らしい声がする。

ドアの向こう側でセシリアが声を掛けてきたのだろう。

 

静かに入れるなら俺も静かに入りたいが、如何せん口が言う事を聞かない。

俺は風呂場でも騒ぐことを、強いられているんだ!!

本当に勘弁してよ...リラックスもクソもないんだけど......。

 

「嫌になって来るねぇ....だが、強いられているんだなぁこれが!!!」

 

『よく分かりませんけど、私今から復習致しますの。ちょっとボリューム落してくださらない?』

 

どうやら彼女の勉強の邪魔をしていたらしい。

そりゃ同じ部屋でこんな風呂に入りながら喚き散らしている奴が居たら集中できないだろう。

それは悪い事をした。

だが、動作の度に俺の中のゾルタン訳が一日の最後だからとばっかりに主張してくるのである。

逆に誰かなんとかしてくれよ....。

 

「悪いな、わざとじゃないんだ。」

 

『そ、それならまぁ構いませんわ。』

 

俺が素直に謝罪したのが予想外だったのか、彼女は戸惑いながらもその場から去っていく。

俺も予想外だった。

なんだ翻訳機、お前やれば出来るんじゃん!

これからはそのくらいの穏便さで頼むよ~。

 

そう考えながらも、シャワーを手に取る。

そして洗顔料を洗い流そうとする。

 

「さっぱりさせようぜぇ!!!」

 

『やっぱりわざとやっていますわね!!!』

 

セシリアが再度扉の向こう側からクレームを言う。

まぁそりゃ悪いとか謝っておきながら、その直後に叫んだら誰でもそうなるわな。

どうやら翻訳機君は褒められると真逆の事がしたくなる子らしい。

天邪鬼じゃん...幼稚園児かよ。

流石に、これはちゃんと謝ろう....。

 

「わりぃわりぃ、次からは気を付けるさぁ....。」

 

「貴方と言う人はぁ~~~!!ふざけていらっしゃって!!?」

 

ちゃんと謝るって言ったよね?

お前、ホンマ許さんからな。

そうして、扉の向こうに居るセシリアを宥めることに難航しつつも翻訳機に対して恨みを募らせるのだった。




同じ部屋にこんなやべぇのが居たらセシリアの胃が壊るる^~
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