マジンカイザーVS真ゲッターロボ!   作:元ゴリラ

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プロローグ

 遠い宇宙の彼方にて、一台の円盤がソラを駆けていた。その蒼く、そして黒い円盤が向かっているのは太陽系第3惑星。円盤に乗る男の顔は、フルフェイスのヘルメットに隠されていて伺えない。しかし、その眉間に寄る皺と険しい目は、男が焦りと、苛立ちを感じていることが見て取れる。

 

「急がなければ……」

 

 男の名前は、デューク・フリード。地球人としての名前を宇門大介という。男は10年前、故郷フリード星をベガ星連合軍に滅ぼされ……そして落ち延びた先・地球を守るためにフリード星の守り神・グレンダイザーを駆り地球の仲間達と共にベガ星連合軍や、地球を脅かす敵と戦った。

 そして、全てが解決した後フリード星を復興するために地球から旅立った。

 それから、10年。デューク・フリードが第2の故郷である地球へ向かうのは、ただの里帰りではない。

 

「既に、進化が始まっているかもしれない……」

 

 宇宙を滅ぼすモノが、彼の故郷・地球で生まれようとしている。グレンダイザーが、告げている。そしてそれは、デューク・フリードも知っているものだった。いや、友であると言ってもいい。

 

「リョウ君、ハヤト君、ムサシ君……」

 

 かつて、地球で共に戦った仲間・ゲッターチーム。彼らの乗るスーパーロボット・ゲッタードラゴンが、世界を……宇宙を滅ぼす悪魔になる。そして、それを阻止するべく宇宙の彼方……次元の彼方より、地球に新たな脅威が迫っている。

 

「僕は……!」

 

 グレンダイザーは、告げている。ゲッターロボは危険だと。しかし遠い故郷の友が、ベガ大王のような宇宙を滅ぼす悪魔になるなど信じられない。

 

「急がなければ…………」

 

 暗く、冷たい宇宙のソラを円盤スペイザー……グレンダイザーの円盤航空形態は急ぎ、走る。地球は、もう目前に迫っている。スペイザーが加速すると共に、1時間もせずに青い星が肉眼で確認できるまで迫っていた。

 

「地球だ…………」

 

 地球。青く美しい自然に囲まれた緑の星。デューク・フリードが、宇門大介が愛した星。彼の愛する友が暮らし……今まさに宇宙のガン細胞となろうとしている星。その美しさに見惚れたくなるが、しかしデューク・フリードは急がなければならなかった。地球の青が、やがてデュークの眼前に広がっていく。

 あれから10年。みんなどうしているだろう。そんな感慨に耽りたくなる。しかし……。

 

「ッ!? 来たか……」

 

 重力振。無重力の宇宙空間に、巨大な振動とデュークを抑え付けるような重力場が発生する。それは、フリード星で感じたものと同じだ。

 

「お前も、地球に辿り着いたか…………百鬼帝国!」

 

 百鬼帝国。かつて、世界征服の野望を燃やし地球の各地で破壊活動を行なった敵。その本拠地とも言える宇宙要塞が、グレンダイザーの眼前に現れたのだ。

 その百鬼帝国の宇宙要塞から、通信が入る。

 

「貴様も……地球に来たか。グレンダイザーよ」

 

「ブライ大帝……!」

 

 モニタに映る百鬼帝国のブライ大帝は、体の殆どが機械に繋がれ一つになっている。どのような原理かはわからないが、ゲッターとの戦いで滅んだ肉体をその力で再生させているのだろう。

 

「デューク・フリードよ……我らの目的は同じ。共に戦おうではないか!」

 

「断る! 僕は、友を貴様のような悪魔にさせないために来たんだ!」

 

 円盤形態から人型の魔神……グレンダイザーへと機体を変形させ、デューク・フリードは百鬼帝国と対峙する。しかし、百鬼帝国から放たれた無数の百鬼獣に瞬く間に取り囲まれてしまう。

 

「スクリュークラッシャーパンチ!」

 

 グレンダイザーの腕が飛び、その質量で百鬼獣を貫いた。その隙を突くように別の百鬼獣がグレンダイザーの懐に飛び込む。

 

「反重力ストーム!」

 

 しかし、グレンダイザーの胸部から放たれた反重力光線が百鬼獣を焼く。さらなる百鬼獣がグレンダイザーに迫るも、スクリュークラッシャーパンチが再び腕部に戻ると同時、肩に格納されている二刀の刃が、百鬼獣を切り裂いた。

 

「ダブルハーケン!」

 

 グレンダイザーは、百鬼獣を相手に一騎当千の戦いを繰り広げていた。しかし、次第に数を前に押されていく。

 

「フフフ、どうした。もう終わりかねデューク・フリード?」

 

「グレンダイザーをなめるな! 貴様らなど……」

 

 しかし、グレンダイザーがダブルハーケンを構え百鬼要塞へと飛び込んでいく。それを塞ごうと立ちはだかる百鬼獣を蹴散らしてその中へと侵入していくグレンダイザー。そして…………。

 

 

 

…………

…………

…………

 

 

 

 異常な重力振を感知し、統合軍は緊急事態体制を取っていた。剣鉄也も、その最前線にいる。

 彼とその愛機・グレートマジンガーは、半年前の「ゴラーゴン事件」の功労者でもある。本来ならば一線を引いてもいい。しかし、彼の愛機グレートマジンガーを操るに相応しい操縦技術と正しい正義感を持つ後継者が現れない限り、彼は現役の戦士で居続けるつもりだった。

 

「何が起きているのかわからんのか?」

 

 鉄也は、現在岩国基地に駐留している光子力空母・剣蔵の格納庫内で出撃の時を待っていた。無策で飛び出すわけにはいかない。現在、情報を光子力研究所と早乙女研究所が全力で観測している。その答えが出次第、鉄也はグレートマジンガーで出撃することになっていた。そして、すぐにその答えはやってくる。グレートマジンガーのコクピットでもある戦闘機・ブレーンコンドルに早乙女研究所から通信が入る。

 

「鉄也君!」

 

「早乙女博士、何かわかりましたか?」

 

 ゲッター線研究の第一人者であり、ゲッターロボの開発者でもある早乙女博士だ。彼は心なしか顔色が青く、それは決して良くないことが起きていることを物語っていた。

 

「ああ。これを見てくれ……」

 

 そう言うと、早乙女博士はブレーンコンドルに一枚の写真を転送する。そこに映されていたものを見て、普段冷静な鉄也は思わず叫び声を上げた。

 

「そんな……バカな!」

 

 百鬼要塞。直に見るのは初めてだが、資料で見たものとそれはよく似ている。鉄也も何度か戦ったことのある百鬼帝国の百鬼獣がその要塞に傅くように展開されていた。それだけでも驚嘆すべきことだが、既に鉄也は「死んだはずの敵」であるドクターヘルとの戦いを経験したばかりである。鉄也が驚愕していたのは、その百鬼要塞の中央部にある。

 

「グレンダイザーが……デューク・フリードが……負けた?」

 

 そこには。

 十字架に架けられた聖者のように磔にされた、友の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

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