シュレディンガーの猫   作:少佐

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新キャラ登場です。


第2話

ツインテールに巨乳、それに見た目は幼い。

つまりはロリ巨乳のうえに女神という属性過多なヘスティアはソファでくつろいでいる。

そんなヘスティアの現在の楽しみは夕食だ。

新入団員のベルに、いつも作ってくれているシュレディンガー、この二人の合作は想像だけでもヘスティアの舌を喜ばせる。

 

「どんなのだろうなぁ」

 

ふんふーん、と鼻をくすぐる良い香りから夕食を想像しながら鼻歌を歌う。

腹の虫は鳴きっぱなしで、それは最高のスパイスになること請け合いだろう。

そんなボクは早くにダンジョンに行ったモーゼ君が帰ってこないかと夢想する。

ご飯は出来たてが一番であるということはこの世の真理の一つだ。

そんなことを考えているとガチャりという音が聞こえる。

この地下の唯一の入口である階段の上からだ。

 

「あ、帰ってきた!」

 

ウキウキして入口の扉を見つめる。

階段の上の扉が開いたら次に開くのはこの扉である。

足音が近くなって、扉が開くのを目が捉える。

 

現れたのは焦げ茶色のトレンチコートに身を包んだ赤目の長身の男。

人狼(ヴェアヴォルフ)】とシュレディンガーが呼ぶ彼は常に何も喋らない。

表情も滅多に変えることがない。

 

「お帰り!モーゼ君!」

 

コクン、とモーゼ君は頷く。

彼はやはり何も話さずに着替えを取るとシャワーを浴びに行った。

 

「もうすぐご飯だよー!」

 

後ろ姿にそう呼びかけると振り返って頷いてそのまま行ってしまう。

いつもすぐに終わらせて上がってくるので問題はないと思うけれど何となくだ。

モーゼ君が座るからベッドに移動して本棚から本を取り出す。

シュレディンガー君が持ってきたまんが、というやつらしくて読んでみると面白かった。

これを読んで時間を潰すことにする。

 

「できましたよー!」

 

「座ってねー!」

 

シュレディンガー君とベル君の声、それに香ばしい香りが鼻を刺激する。

それにはモーゼ君もボクも反応せざるを得なかった。

死んだように活動を停止していたモーゼ君は目を開き、ボクはベッドから素早く食卓についた。

居間には二つのソファがあって、ベル君とモーゼ君が同じソファ、ボクとシュレディンガー君が同じソファに座って食卓を囲む。

 

「おお、美味しそうだ」

 

「ベルが手伝ってくれたからね」

 

「いやぁ、シュレディンガーさんがすごくてあまり手伝えてませんけど」

 

「大したものだよ。ボクはじゃが丸くんしか作れないからね」

 

シュレディンガー君とモーゼ君とベル君と囲む食卓。

お店のものもいいけれど、家で食べる料理は外とは違う感じだ。

可愛い子供が作ってくれた料理、それだけでも嬉しさと美味しさと、様々な感情が綯い交ぜになって胸がいっぱいになる。

モグモグと食べ進める度にその感情は膨れ上がっていって、まあ簡潔に言うならば美味しさに打ち震えているだけだろうか。

 

「あ、ヘスティアがボクの取った!」

 

「あ、ごめんよ!つい」

 

「ついって言って昨日も取ってたでしょ」

 

「いや、ほんとにゴメンよ」

 

「もー許さない!」

 

「あっちょ」

 

「えっ、お二人共!?」

 

楽しい毎日であることには変わりないし、これからもこんな日常が続いて欲しいとも思う。

シュレディンガー君のご飯まで食べてしまうのは絶対にやめなきゃいけないから、頑張らないとなぁ。

 

「むぐぐぐ」

 

「‥‥‥」

 

「明日埋め合わせするから、ね?」

 

「‥‥‥分かったよぅ」

 

「良かったぁ」

 

モーゼ君がシュレディンガーくんを押さえての下りもいつものことで、埋め合わせも毎日やっている気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕とシュレディンガーとモーゼさんでギルドを目指す。

ヘスティア様はバイトがあるらしくて見送ってくれた。

シュレディンガーには呼び捨てにしてと言われたので呼び捨てにすることにしている。

姿も言動も年下っぽいので割と早くに受け入れられた。

実際は僕よりも何倍も年上らしい。

シュレディンガーの言っていたことなのでいまいち信じられないけれど。

 

「着いたよー」

 

昨日にも見たギルド本部の建物。

夢いっぱいに訪れた昨日の自分を思い浮かべて、苦笑する。

シュレディンガーの快活さに救われているところもあるのだろうか。

モーゼさんに背中を任せているとこの上ない安心感があるのはおかしくないだろう。

 

「朝だけあって静かだねぇ」

 

「確かに、忙しい感じはないですね」

 

シュレディンガーが言っていたギルドが開く時間ぴったりに来たのだから当然とも言える。

それでも冒険者はまばらにいて、モーゼさんを見て萎縮しているように見える。

確かにこの人は威圧感が半端ないから、そんな反応になるだろう。

 

「さて、と。エイナに会いにいこー!」

 

「エイナさんですか?何でです?」

 

「ウチのファミリアの担当なんだよ」

 

「ああ、そういうことですか」

 

僕達は真っ直ぐに受付に向かうことにする。

モーゼさんは僕とダンジョンに潜るから、シュレディンガーはバイトが休みで暇だから、僕は冒険者登録のためである。

長い耳、緑の瞳、ギルドの制服に美人。

そんな要素を備えた受付嬢は都市に来て右も左も分からない僕に親切にしてくれたギルド職員のエイナ・チュールさんが見えてくる。

 

「エイナー!」

 

「エイナさーん!」

 

人がいないから、エイナさんの姿を認めるとシュレディンガーはどうしてか分からないけど、僕は興奮して駆ける。

 

「ベル君に、シュレディンガーちゃん」

 

「やっほー!」

 

「エイナさんっ!」

 

「ベル君、ファミリアに入れたんだね」

 

「はい!入れました!」

 

大声を出す僕にエイナさんは微笑んで祝福してくれる。

優しいなぁ、と昨日思った通りのことを思った。

 

「あと、不法侵入はやめてね。シュレディンガーちゃん」

 

「ヤダ〜」

 

「‥‥‥まったくもう。それで、今日はベル君の冒険者登録?」

 

エイナさんは落ち着いた様子で座り、要件を聞いてくる。

要件は言葉通りだ、肯定する。

 

「そうだよ」

 

「そうです!」

 

「だよね。じゃあこの紙に書くもの書いてね」

 

エイナさんは苦笑しながら用紙を机に置いて指示をする。

言われた通りにして、ペンを握って順番に沿って要項に記入していく。

 

「あ、モーゼ氏もいたんですか」

 

よろしく、と言っている気がする。

帽子を目深く被っている上にトレンチコートによってさらに表情は見えないが。

何となく雰囲気で読めるようになってきた。

 

「講習はやるの?」

 

そう聞いたのはシュレディンガーだ。

講習、というのはダンジョンについてのことだろう。

受けられるならば是非受けたいものである。

 

「ベル君が受けたいならかな」

 

「だってさ、どうする?」

 

「受けます」

 

勿論、受けることを選ぶ。

ダンジョンについて知れるならば生存確率が上がるだろうし、モーゼさんに迷惑をかけることも少なくなるだろう。

 

「分かった。準備はできてるけど、もうする?」

 

「お願いします!」

 

安請け合いは恐ろしいものだ。

そんな言葉が脳裏によぎる。

 

「じゃあボクは帰るね」

 

コクン、とモーゼさんは頷いてシュレディンガーと共にギルドの入口に向かっていく。

え、これそんなに時間かかる系なの。

そんなことを思ってエイナさんの方を振り返る。

 

「じゃあ行こっか」

 

なんだか、エイナさんの顔が悪魔に思えた。




モーゼさんの元キャラは分かる人には分かるはず。
名前の元はモーゼル銃からだぞ。
シュレディンガーの猫を理解するに至った作品から拝借したけど、まあクロスオーバーはしてないからね(震え声)
ダンまち見たんならHELLSINGも見れるっしょ。
見たらさらに理解度が上がるはずだな!
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