珍しく今宵はネタ要素ゼロです
シリアスな展開になってきましたね・・・
「え、あこの様子が?」
「そうなんだ...それも、事情も何も話してくれなくて。」
「巴ちゃんにも話せないことって、よっぽどのことなんじゃ...」
「何か困ってるなら助けてやりたいのに...!」
ひとまず、巴のテンションが低い理由は解明できた。となると問題は・・・
「確かにあこのやつ、最近全然NFOにも顔出さないし気にはなってたんだ。ただ新学期で忙しいだけなんだとばかりに思ってたから俺もりんさんも深くは追求しなかったんだけど...」
「何かトラブルに巻き込まれたとじゃないといいけど...」
「そんなことになってるなら余計に放って置けない!」
「落ち着けって。とりあえずあこに聞いてみるか...って」
カランコロン
「あ、あこちゃんいらっしゃい!いつもの席でいい?」
「?あこ、どうかしたのか?」
「...」
おかしい。明らかにあこの様子が不自然だ。何より巴の呼びかけに一切答えないなんてことがありえない。
するとあこは険しい表情のままつかつかと俺の前に来た。え、まさか俺が元凶?!
「いらっしゃいい、いつものでいい?」
ここはあえて普段通り接することにしよう。つぐと巴が心配そうにこちらを見てくる。
やがてあこがようやく意を決したように口を開いた。
「秋にぃ、話があるんだ。」
「ん?どした改まって。」
え、まじで俺なんかやらかした?
「秋にぃ、さーやちゃんと喧嘩してるの?」
「えっ、沙綾?なんで急にそんな...」
これはまた予想の上をいく展開かも・・・そっか、こっちに帰ってきてからの沙綾とのことは現状つぐにしか話してないんだ。でもなんで喧嘩してるなんてことになってるんだ?
「アイツが俺と喧嘩してるって言ったのか...?」
「ううん、でもなんかさーやちゃん秋にぃのこと話したらすっごい嫌そうな顔して...」
「ッ!!!!」
だめだ、今これ以上聞いたら仕事に支障が出る。
「悪りぃあこ。今仕事中だからさ。閉店前にもっかい来てくれるかな。マスターに頼んで店開けといてもらうようにすっから。」
「...わかった。」
そうは言ったもののあこがいなくても仕事には身が入らなくなりかけた。つぐとイヴに何度もフォローさせてしまった。気づけば巴もいなくなっていた。あこの様子見に行ったのかな。
そんなふわふわしたままで閉店準備に取り掛かっていた。
「どうした秋哉君。らしくないじゃないか。疲れが出たかな?」
「すみませんマスター。」
「何かあったんだね?」
やはりマスターには全てお見通しか。仕事をクビになるわけにもいかないしここはちゃんと話した方が良さそうだ。
「そうか...やっぱり沙綾ちゃんも辛かったんだと思うよ。あれだけ普段一緒にいた人突然遠くに行ってしまうというのはなかなか受け入れるのも大変だろうしね。」
「あの、この後あこにここにくるように言ってあるんです。少し場所借りてもいいですか?片付けしとくんで。」
「あぁ、構わないよ。けど、あんまり遅くなりすぎないようにね。」
「ありがとうございます。」
ちょうどそこにあこがやってきた。
そのまま正面のカウンター席に座ってもらう。
「いらっしゃい。なんか飲む?」
黙ってあこは首を振るだけ。なんでここまであこが思い詰めるんだ?沙綾のやつがなんか言ったのか。
「最初に断っておくと俺と沙綾は喧嘩なんてしてないよ。」
「えっ」
「ただあいつが今も俺のことを幼馴染として見てるかは怪しい。」
「どういうこと...?」
「俺も詳しいことは知らん。ただ引っ越してきてすぐの頃一回アイツに会いに行った時...沙綾、めちゃくちゃ怒ってたんだ。」
「どうして?秋にぃに会えて嬉しくないわけないじゃん?秋にぃなんかしたの??」
あぁ、今だけはあこのこの屈託のなさが刺さる。
「なことわかってたら最初から会いになんか行かないよ...まして中学2年半費やして推薦取るなんてことだって。」
俺は沙綾とまた直接話がしたい一心だった。だが当の沙綾は俺を歓迎すらしてくれなかった。
「それにさーやちゃん、ドラムもやめちゃったみたいなんだ...」
「は?なんで?」
「わかんない...あこはただ、せっかく秋にぃが帰ってきたからまた4人でドラムやろうって言っただけなのに、なんだかさーやちゃんすっごく怖い顔して...」
「あこ...」
「でもなんだかさーやちゃん苦しそうだった...無理矢理秋にぃのこともドラムのことも嫌いになろうとしてるみたいで...」
「嫌いになろうとしてる...か。」
詳しい事情はわからない。けど、沙綾の中で何かが変化して、その変化の中に俺やドラムは必要なくなってしまったってことなのかな。
「沙綾...」
「いらっしゃいませ!って巴か。」
「おう、ちょっと時間いいか?」
「?うん、構わないよ。」
なんだろう、巴の目が笑ってない気がする。さっきのことあこから聞いたのかな・・・
「さっきはあこが迷惑かけたみたいで...ごめんな。」
「ううん、こちらこそ...であってるかな。」
「あこの元気がないとアタシも調子狂っちゃうからさ。何があったか教えてくれないか?」
「それは...」
それは今から数日前に遡る。
「いらっしゃい!あ、あこ!お使い?」
「ううん、今日はさーやちゃんに話があるの!」
「え、私?」
「ねぇ、またみんなでドラムやらない?せっかく秋にぃも帰ってきたしさ!」
「え...?」
頭が追いつかない。どういうこと?
「待ってよ、秋哉が帰ってきたってどういうこと?春休みの間だけ遊びに来てたんじゃないの?」
「え、さーやちゃん秋にぃから何も聞いてないの?!秋にぃこっちの高校通うためにって1人でこっち帰ってきたんだよ!」
「こっちの...高校...?」
「...さーやちゃん?」
「ごめん、最近家の手伝い忙しくて手が離せないんだ。また今度ね。」
「うん...わかった!また今度ね!」
この返事が失敗だった。
それから毎日のように私の前に現れるあこに、私は限界が来てしまった。
それが先程のことだった
「ごめん!私もう、ドラムやってないんだ。だから、あこの頼みは聞けない。他の人をあたってくれるかな?」
「え...ドラム、やめちゃったの?」
「...」
確かにあこには悪いことをしてしまった。だけどもうできればドラムとは関わりを持ちたくなかった。
「沙綾...何でドラム辞めちゃったんだよ。」
「それは...」
「言いたくないのならいい。ただ、誤解は解いておいた方がいいんじゃないか?」
「え?」
「あこのやつは秋哉と沙綾が喧嘩してるんじゃないかって心配してるんだ。ドラムのことも嫌いになっちゃったんじゃないかって。」
「それは...確かにあこには申し訳ないけど...」
「よし!じゃあ決まりだな!」
「え?!何が?!」
「おじさーん!」
「おう、巴ちゃんじゃないか。いらっしゃい。」
「ちょっと沙綾借りてもいいですか?」
「え、巴?!」
「大事な用があって...」
「あぁ、構わないよ。店の片付けは僕がやっておくから。」
「え、そんな...って巴!」
巴に半ば強引に店を引き摺り出された私が連れられてきたのは何故か羽沢珈琲店。
「え、なんでつぐの家?」
「あこがここで待ってるんだ。」
なんて準備のいいことか。と言うことは巴は最初からこれが目的・・・?
「アタシの妹から元気を奪った罪は重いぞー?」
「...わかったよ」
巴ってホント姉バカだと思う。私も周りにはそう言う風に見えてるのかな・・・
どうにかこうにかしてあこの機嫌を取り戻そうとつぐとあれやこれやしているとドアが勢いよく開いた。あ、迎えかな・・・
「いらっしゃいま...」
俺は目を疑った。巴の後ろにもう1人
「「えっ...」」
さぁこの後の2人の運命はどうなっていくのでしょうか・・・!
そろそろ前がきと後書きに書くことがなくなってきてしまって困っています笑
次回、仲直りなるか・・・?