俺の家が女子高生の溜まり場になっている件   作:かしら

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こんばんは、かしらです。

前回かなりいいとこで話を止めてしまったので前置きもそこそこに本編どうぞ!(書くことなくなっただけ)


#14 遅くなったけど

「いらっしゃいま...」

 

 

 あれ、マスターの声じゃない・・・というかこの声は。

 

 

「「え...」」

 

 

 巴の方を見ると”してやったり”って顔で私を見返してきた。

 

 

「わ、ちょ!」

 

 

 たまらず私は巴の手を引いて店の外に出る。

 

 

「話が違うよ巴!なんでここに秋哉がいるの!」

「なんでって...アイツここで働いてるからじゃないか?」

「とぼけたこと言わないでよ!巴が呼んだの?」

「違うんだってば!ホントにここでバイトしてんだって。」

「じゃあなんでここに連れてきたの?!あいつがここにいること、巴は知ってたってことでしょ?!」

 

 

 違う。これでは今の私はただの駄々をこねる子供だ。

 すると巴は何かを諦めたようにはぁっとため息をついて

 

 

「どうせ、秋哉が帰ってきてからもろくに話なんてしてないんだろ?」

「それはそうだけど...もう終わったことだし。」

「それは沙綾の都合だろ。」

「っ!」

「沙綾の中では終わったことでも、秋哉の方はまだ何も知らないんだぞ。きっと大変な思いしてこっちに帰ってきてくれただろうに、一番最初に迎え入れてやらなきゃいけないやつがどうしてこうもムキになって突っぱねるかな〜」

「だってもう...合わせる顔がないんだよ!私の方から一方的に突き放して、理不尽に八つ当たりして。」

 

 

 そう、私は決して秋哉が嫌いなわけではない。今も昔も。だけどもう面と向かって顔を合わせられるような関係にはなれないんだよ。私だってホントなら・・・

 

 

「やぁーっと本音吐いたか。ったく、そんなことで秋哉はへそ曲げたりしないだろ。」

「でもっ...もう迷惑かけたくないし。」

 

 

 苦し紛れの言い訳は瞬殺だった。

 

 

「迷惑なんてかけて当たり前だろ?()()()()()()()()()()()()()()。」

「っ!!!」

「八つ当たりしたっていいじゃないか。毒吐いたっていいじゃないか。その後きちんと”ごめん”って伝えりゃそれでいいんじゃないか?黙ってフェードアウトされるのが一番しんどいと思うぞ。お互いにな。」

「巴...」

「沙綾は秋哉のこと、嫌いじゃないんだろ?ならちゃんと話さなきゃ。ほら、いくぞ。」

 

 

 私は黙って巴の手に引かれることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃羽沢珈琲サイドはというと・・・

 

 

「ななななななななななんで沙綾が?!それもめちゃくちゃ険しい顔で!もう叩かれたくないっての!」

「ちょちょちょ秋哉くん!落ち着いて!」

 

 

 完全にパニックであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうしよう。こんなにテンパる秋哉くん見たことないよ・・・

 昔はずっと一緒にいた2人がこんな風になっちゃうのはやっぱり私も辛いけど、でもどうしたら・・・私がこんな時、秋哉くんなら———こうする。

 

 

「え、つぐ?」

 

 

 私は秋哉くんの頭にちょっと背伸びをしてぽんっと手を乗せる。そのままゆっくり撫でていると・・・あれ?秋哉くんなんか困ってる?もしかして違ったかな?!

 少なくとも私はちょっと疲れたなーって時秋哉くんにこうされると元気が出るんだけど・・・

 

 

「大丈夫だよ、秋哉くんなら。私のできることがあればなんでも協力するから!」

「...つぐ」

 

 

 そういって私は秋哉くんの両手を握る。べ、別に背伸びが大変だったからじゃありませんっ

 

 

「ごめん、嫌だったかな...?」

「ううん、ありがと。」

「何か私にもできること、あるかな?」

「俺の横にいて。なんかあったらすぐに止めてくれるかな?」

「わ、わかった。」

「よし、じゃあ行こう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つぐに励まされなんとか厨房に2人で戻ると、ちょうど巴たちも店に入ってきたところだった。

 

 

「2人とも何か飲む?」

「あぁ、じゃあいつもの。」

「アイスコーヒーだね。沙綾ちゃんは?」

「じゃあ私も同じの...」

 

 

 ん?なんでこいつこんな萎れてんの?つぐも気が付いたみたいで思わず顔を見合わせてしまった。

 まぁ俺はいつも通り仕事をするだけだ。

 

 豆を挽きコーヒーメーカーの支度をしているのだが妙な違和感が・・・

 違和感の元と目が合ってしまった。

 

 

「な、なんだよ。毒なんか入れちゃいないよ。」

「秋哉がコーヒー淹れるの?」

「あぁ、最近は普通にお客さんにも出してる。」

「「えっ」」

「待て待て、沙綾はともかくなんで巴まで。」

「え、巴ちゃん気づいてなかったの?」

「え、おねーちゃん知らなかったの?」

「まっ、まさかそんなわけないだろ!いやぁー最近コーヒーおいしくなったなぁって思ってたんだよ!ハハハハハ」

((((知らなかったんだ...))))

「って、そんなことより、沙綾」

「うっ」

「言うことあんじゃないのか。」

「........秋哉」

 

 

 あれ、身体が動かない。アイツに背を向けたまま石にでもなっちゃったのかな。

 

 

「ごめん...なさい」

「えっ」

「いきなりきつく当たって。一方的に突っぱねて...それに思いっきり叩いちゃったし。」

「「え」」

「ホント、結構痛かったんだよ?」

「ごめん...」

「こっちこそ、いきなり押しかけるようなことして悪かったよ。だからその...ごめん。」

「...うん」

 

 

 やっと身体が解放された。振り返った先にはホッとした表情の巴と俯いたままの沙綾。

 

 

「まぁひとまず...コーヒー、入ったぞ。」

「なぁいつから秋哉が作ってたんだ?」

「そんなに前からじゃないよ?でもここ最近巴が飲んでたのは俺が淹れたやつ。」

「秋哉くん、お父さんの試験パスするのに相当苦労してたもんね。」

「まぁ人からお金取るわけだしね、下手なの出せないからさ。」

「十分美味いぞ!つぐのお父さんにも負けてないんじゃ...」

「いやいやぁ」

「...おいし」

「そりゃー秋にぃが作ったんだもん!」

「ハードル上げんなよなぁ...」

 

 

 あぁ、ようやく俺らの”いつも通り”な風景だ。()()()()()()()()()()

 すると、

 

 

 

ぐぅうううううううう

 

 

「ん?」

「今のはあこじゃない!」

「え?」

「秋哉っ」

 

 

 なんだか巴がニヤニヤしながら”こっちこっち”と指を刺している。その先にいたのは・・・

 

 

「お前かい」

「い、いやーなんか気が抜けちゃったのかな?」

「ふふ、沙綾ちゃん良かったね。」

「え?」

「ようやく沙綾ちゃんの笑ってるところ、見られたから。」

「どうする、なんか食べてくか?」

「え、でも」

「げっ」

「なんだよ巴」

 

 

 スマホをいじっていた巴が突然おかしな声をあげた。なになにどーした。

 なんか心なしかわなわな震えてね?まじで何があった、宇田川巴。

 

 

「な、なぁあこ。今日母さんたちいないの知ってたか...?」

「えっ」

「何よどしたの。」

「晩飯が...」

「ない...?」

 

 

 黙って頭を縦に振った巴。あちゃーこりゃあれか。難民ってやつか。

 つーことは、

 

 

「...食べてきます?」

「え、いいの?!」

 

 

 そう言わざるを得ないだろこの状況。

 

 

「沙綾はどうすんの?」

「私は帰らなきゃ...」

「あ、それなら心配いらないぞ。さっきおじさんに今日沙綾晩飯いらんかもって言ってあるから。」

「巴?!」

「じゃあつぐ、マスターに晩飯難民救うから厨房借りますって言っといてくれるか。」

「う、うんわかった!」

「わーい!」

「何食べる?」

「言いつつ準備始めてんじゃないかよ。」

「あ、これは沙綾のオーダーね。」

「え、私まだ何も言ってないよ?!」

「あなたは聞くまでもないと思ったんだけど...知らんうちに宗派変えちゃった?」

「あ!ううん、変わってないよ。」

「え、今ので通じんのかよ?!」

「幼馴染だからな。で?」

「んーじゃああこはオムライス!」

「あいよ。巴は?流石に豚骨はないけど...」

「わかってるって!じゃあアタシもオムライスで。」

「オッケー」

「え、さーやちゃんのは結局なんなの?」

「ふっふっふ、その正体を解き放つのはまだ先さ。いきなり答え合わせなどつまらんだろ?」

 

 

 と、ちょうど戻ってきたつぐが

 

 

「あ、ペペロンチーノ出すんだね!」

「ちょ」

「すごい、ペペロンチーノなの?!」

「あれ、私なんかまずいことしちゃった?!」

「ううん、問題ないよ。つぐもこっちで食べる?」

「うん、お父さんがいいよって。」

「おっけ。つぐは何にする?」

「んー私もペペロンチーノかなぁ。」

「了解、食べ飽きた味かもしれんけど。」

「どういうこと?」

「今回のペペロンチーノ、秋哉くんが考案したやつなんだ。」

「つぐたちにはここんとこずっと味見してもらってて。これで最終チェック通ればマスターにも自信持って推せるな。」

「沙綾ちゃんがオッケー出してくれれば大丈夫だよね!」

「...なんか食べる前からハードル上がってない?」

 

 

 そう、沙綾はペペロンチーノが大の好物。こいつにゃこれ食わしときゃなんとかなるってわけ。

 

 

「つぐー麺のタイマーみといてー」

「わかったよ!」

 

 

 で、その間にちゃちゃっとチキンライスに取り掛かる。俺もオムライス食べよーっと。あ、オムライスやるってことは・・・

 

 

「そろそろパスタ上がるよ!」

「了解、完璧だね。」

「秋哉とつぐの連携すげぇな。」

「そりゃまあこんだけ一緒に仕事してりゃな。まーいつもフォローされっぱなしだけど。」

 

 

 苦笑いしつつ茹で上がったパスタの湯切りを済ませフライパンに。ここで下ごしらえをした今宵の主役を・・・

 

 

「あ、春キャベツか!」

「お前そこで種明かしはつまらんじゃろ。」

「いやーさすが秋哉、わかってるね。」

「だろ」

「うわ、秋にぃすごいドヤ顔。」

「うわってなんだうわって。」

 

 

 言いつつ手早くパスタを和えたら次は、

 

 

「っしゃ、卵いくか。」

「あ、おねーちゃん見てて見てて!!」

「え?...わ、片手で!」

「いやぁな?風の噂に聞いたんだけどな、どっかのドラマーがこれやろうとして...」

「あ、ちょお前それは...っ!」

「そのまま握りつぶして殻ごと木っ端微塵にしたとかしないとか。」

「だだだだ誰だろーな!そんなことするやつ!」

((やっちゃったんだ...))

「え、巴卵片手で割れないの?」

「さ、沙綾まで!」

「ふふ、なんかおかしい。」

「え?」

「ほら、私たちの中じゃ巴ちゃんてなかなかイジられ?的な位置にはならないから。」

「あぁー確かに。」

 

 

 誰とは言わんが全員想像がついてしまうあたりやはり幼馴染だ。

 

 

「あれから一応練習はしてるんだけど...」

 

 

 練習してんのかよ!

 

 

「コツがあるんだよ。こう、こんな感じでさ。」

「さ、できたぞー」

「わーーーい!!って秋にぃ、なんか玉子小さくない?」

「まぁまぁそう焦らなさんなって。」

 

 

 あこの横からスッとナイフとフォークを出してそのまま玉子を縦に裂くと・・・

 

 

「わわわわわーーー!!!」

「どんなもんよ!」

「秋にぃすごい!いっただっきまーす!!」

 

 

 とろーっと中で半熟状態になっていた黄身がチキンライスを包む。これぞ醍醐味よ。

 

 

「ほいじゃあ次は巴のね...っと」

「おわわわわ、すげぇ...」

「ほんでペペロンチーノが2人分、ほい。」

「うわ、なんかまた進化してない?」

「秋哉くんお疲れ様!」

「おいしーっさっすが秋にぃだね!」

「お前もう高校行かなくていいんじゃないか?」

「前の時よりおいしくなってるよ!やっぱりすごいなぁ...」

 

 

 みんな嬉しいなぁ。何より美味しそうに食べてくれるのが1番の評価に他ならない。

 で、肝心の審査員はというと・・・

 

 

「どうした、さっきっから下向きっぱなしじゃ...」

「...ずるいよ。」

「え?」

「こんなの出されたらもう怒れないよ...」

「てことは合格...?」

「悔しいけどね。」

 

 

 思わずガッツポーズが出てしまった。

 

 

「よかったね秋哉くん!」

「頑張った甲斐があったな。」

 

 

 ようやく安心して俺も胃に食事を送り込める。ちゃちゃっと玉子を割って中を開く。

 

 

「え、そんなあっという間にできちゃうもんなのかよそれ。」

「あぁ、さっきのはパフォーマンスようだよ...って、夢のない話させんな。」

「いやいや、今のは秋哉が悪いでしょ。」

「腹減ったんだもん。」

 

 

 あぁ言えばこう言う。対して中身の無い、だけどそれが何より楽しいっていうことはこんなにも幸せなことなのかと改めて実感する。

 

 

「ごちそうさまー!!!」

「ふぅー美味かったぁ。」

「わざわざありがとね、秋哉。」

「なんのなんの。気に入った?」

「うーん、90点かな。」

「え、あとの10点は...」

 

 

 恐る恐る聞くと・・・

 

 

「もっと早くこれを私に出さなかったこと。かな?」

 

 

 悪戯っぽく笑う幼馴染に、俺はぐぅの音も出なかった。

 

 

「片付け、私も手伝うよ。」

「あ、あこも!」

「おう、みんなでちゃちゃっとやっちゃおうぜ!」

「3人ともありがと。よしじゃあ沙綾と巴とつぐで食器周り。俺とあこはフロアの掃除と片付けやるぞー」

「任せとけ!」

「オッケー」

「バーンっとやっちゃおう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、一時はどうなるかと思ったけど。」

「つぐも巴もほんとごめんね。」

「ううん、2人が仲直りしてくれてよかったな。」

「なあ沙綾。」

「何?」

「お前秋哉のこと叩いたのか?」

「げ。そ、それはその...」

「あ、もしかして平手打ち...?」

「え、なんでつぐ知ってんの?」

「前に秋哉くんから聞いちゃったんだ。」

「そりゃ秋哉の方だって距離置きたくもなるだろ...」

「自分で言うのもあれだけど、結構しっかり入っちゃってさ...」

「アイツも災難だったな...」

「あ、そう言えばつぐ。」

 

 

 片付けの途中で沙綾ちゃんが耳元で突然私に爆弾を投げてきた。

 ”違ったらごめんね”と前置いた後に

 

 

「つぐってさ、秋哉のこと好きでしょ。」

「ヒャえ?!」

「しっ!」

 

 

 自分でもびっくりするような間の抜けた声が飛び出てしまった。顔から火が出てるみたいに熱い。

 流石に秋哉くんたちにも聞こえてしまったようだ。

 

 

「ん?どした?なんかいたか?」

「あぁ、ごめんごめんなんでもないよー」

 

「ど、どうして...?」

「お、ということはズバリなんだね?」

「あ」

 

 

 ど、どうしよう。自分で墓穴掘っちゃったよ?!

 

 

「で、でも...秋哉くんには沙綾ちゃんがいるから...」

「え?あぁーはいはい」

 

 

 沙綾ちゃんは1人でなにかに納得したように頷いている。

 

 

「私たち、別に付き合ってたわけじゃないんだよ、()()()()()。」

「えぇっ」

「んーなりゆきって言えばいいのかな?周りが茶化してうるさかったからなんとなくそういうことにしてたっていうか...」

「え、じゃああれは全部演技?!」

「それもまた語弊があって...途中からは真剣に付き合ってもいたんだけど。」

「じゃあっ」

「でもね、私たち別に肩書き変わったってそんなにやること変わらないんだ。というより私に秋哉の彼女は多分無理だから。」

「そんなことっ」

「あるよ。私と秋哉は幼馴染ってだけでそれ以上でも以下でもない。そういう関係がいいんだよ。だからつぐのことは応援してるよっ」

「無理だよ私なんか...」

「そうかな?さっき2人で厨房に並んで立ってた姿は結構お似合いだったと思うけど?」

「そ、そうかな...」

「おーい、こっち終わったぞー」

「じゃ、そういうことだよ...はいはーいこっちももう終わるよー」

 

 

 そう言って沙綾ちゃんは私にウインクして片付けに戻ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスターごめんなさい、結局長居しちゃって。」

「大丈夫だよ。それより、ちゃんと仲直りできたかい?」

「おかげさまで。」

「それなら何よりだよ。また明日からたっぷり働いてもらうからね!」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 すっかり遅くなってしまったがようやく羽沢珈琲店を後にし(帰り際のつぐの様子が・・・・あれ、これ前にもなかったか?)

 時間も時間なのでみんなを送って帰ることにしたのだが・・・

 

 

「なんで沙綾までこっち来てんの?」

「え、だめ?」

「いーじゃんいーじゃん!せっかくみんなまた揃ったんだもん!」

「それもそうだな!」

 

 

 なんていう割にはあこの表情はどこか浮かないままだ。

 

 

「あこ、どした?」

「沙綾ちゃん...ほんとにドラム辞めちゃったの?」

「あ、そういやそんな話してたな。ほんとのとこどーなのよ。」

 

 

 あこを突っぱねるための嘘だったと信じたかった。でも心のどこかで答えはわかっていた。

 

 

「ごめん...ほんとにもうやってないんだ。でも!それは秋哉たちのせいじゃないから。私のせいだから...」

「そっか。」

「え、怒らないの...?」

「怒ればまたスティック握んの?」

「それは...」

「沙綾がそんだけ覚悟して決めたんなら俺は別に止めないよ。残念ではあるけど。」

「ごめん...」

「謝んなって。こっちが後味悪くなるからさ。」

「うん...」

「おいおい、通り過ぎてっぞ。」

「あ!えへへ、じゃあまたねー!」

「悪いことしちゃったかな...」

「あこにもいつかわかる日が来るよ。」

「巴...」

「巴の言う通りだよ。」

「じゃあまたな。」

「あ、巴!」

「ん?どした。」

「さっきの話、()()()()()()()?」

「は?」

「両親、どこにも行ってないだろ。」

「さ、さぁなんの話だかなー!んじゃ、おやすみっ」

 

 

 そそくさと逃げ帰られた。だがやっぱりそうだ。沙綾のお父さんに沙綾の晩飯のこと根回ししてたのも、親がいないなんて演技までしたのも全部俺らのために巴がしてくれたことなんだ。それだけ心配かけたってことだよな・・・

 

 

「なーんかずいぶん難しい顔してるじゃん。」

「いや、なんか申し訳ないなーって。」

「それはそうだけど。なんかこっち帰ってきたからみんなに迷惑かけてばっかだなーって。」

「いいんじゃない?それが幼馴染、ってやつなんじゃないかな。」

「えっ...」

「ってまぁ、私もさっき巴に同じこと言われてようやく目が覚めたんだけどね...」

「そっか。」

 

 

 それからはなんだかお互い気恥ずかしくて特に何を喋るでもなく沙綾の家まで辿り着いてしまった。けど名残惜しくなんてない。これからはきっと、いつだって会える。

 すると玄関を開けかけた沙綾がくるりとこちらを振り返って———ああ、ようやくその笑顔が見られた。

 

 

「ちょっと遅くなっちゃったけど...おかえりなさい、秋哉っ」

「ッ!!あぁ...ただいま、沙綾。」




いや、ようやく仲直りしましたね。これでよーーーーーやく物語が本格始動できそうですね。


今後の展開はどうなるのか・・・










次回、つぐみにライバル現る・・・??
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