なんやかんやつぐみとデートして以来あまりちゃんとしたデート回書いてないんですよね。久しぶりのことでちょっと書き方覚えてるか怪しいですがあたたかーい目で読んでいただければ幸いです。
「ほんじゃ、また明日なー」
冬と別れて駅ビルに向かう。えっと、お目当ての場所は・・・
「5階か。」
欲しいのは文房具なんだけど、こういう時はついでにいい出会いも求めたいってことでよく本屋に行く。実は結構本読むの好きなんだよね。
「ひとまず買うもん確保してっと。」
ノート類のコーナーで補充用のルーズリーフを手にしてあとは文庫コーナーへ直行である。俺マンガはほとんど読まないのよ。
「あ、いけね新刊出てんじゃん。」
普段チェックしてる作家の最新作が出ていた。いかん、この人のはいつも発売日に買ってたのに。まぁ最近やたら忙しかったしな。と、目当ての本に手を伸ばしたところで横にいた人と手が当たってしまった。
「あ、すいませ...ってあれ?」
「あ、福本君...だっけ?奇遇だねぇ〜」
まさかの相手はあこが加入したというバンドのベーシスト、今井リサ先輩だった。彼女の俺の中での第一印象は・・・コミュ力お化け。いやそれ以外表しようなくね?別にこの手のタイプの人ニガテじゃないしなんなら俺の周りそーゆー人のが多いんだけどさ。なんか群を抜いてるっていうかアタマ7つ分くらい出てますよーって感じ。知らんけど。にしても・・・
「センパイ、こーゆーの読むんスか...?」
「あ、今”イメージと違う”とか思ったでしょ。」
「い、いえ!」
「まぁーよく言われるからいいんだけどさっ。アタシの方からしてみれば、君もそのジャンルはちょっと意外かなって思うんだけど?」
「いやぁーよく言われますぅー」
ちなみに俺ら2人が手に取ろうとした小説は・・・バチバチのラブコメである。おい誰だイメージ崩れるとか言ったやつ。お兄さん怒らないから正直に出てきなさい。
「この作家さんデビューしたての頃からすごい好きで...チェックしてた新刊、買いそびれちゃってたんスよ。」
「デビュー当時から追っかけてるって...よっぽど好きなんだね〜アタシこの人の作品こないだドラマ化してたやつしか読んでないんだけど...なんかいいのある?」
「あぁーあれかぁ...うーん個人的にはあれそこまでアタリって感じしなかったんですよねー今井センパイって他はどんな感じの読むんですか?」
「うーんアタシ基本的に恋愛モノしか読まないんだけどーあっ、この作家さん好きなんだー」
「あぁーこういう系か...なら、これとかおすすめッスね。これヒットするならデビュー作もいってもいいかも。」
「へぇ〜じゃあ今日は福本君の助言に従うとしよっかな☆」
「あ、秋哉でいいですよ。俺あんま苗字で呼ばれることないから慣れなくて...」
「オッケー。アタシのこともリサって呼んでくれていいよ?」
「い、いやーと先輩相手にそれはちょっと...」
「うーん...でもアタシも”今井先輩”ってなかなか言われないからな〜」
「じゃ、じゃあリサ...さんで。」
「あはは、秋哉って結構可愛いとこあるね?」
「かっ?!」
「ねね、立ち話もあれだしせっかくだからどっか座って話そうよ!なんかアタシたち、趣味合いそうだしさっ☆」
「い、いいですけど...」
ん?待てよ...なんかこれってまるで・・・
「やった☆秋哉とデートだねっ」
おいおいおいおいおいおいヤベェだろそれ。いくら年がら年中オンの俺でもこの人とサシで会話持たせる自信はねぇよ。なんかナチュラルにOK出しちゃったけどこれまずくねーか?
まっ、どーせ今日だけだろ。
「え、秋哉もバンドやってたの?」
「はい。」
「やっぱりドラム?」
「えぇ。」
あれ、なんか会話になってなくね?心なしかリサさんもつまんなそうだし・・・ってそりゃそーだろ。これじゃあ完全に相槌製造機だよ。
「...さては緊張してる?」
「そりゃしますって!」
「ホント?アタシてっきりこーゆーのには慣れてる人なのかと思ってたんだけど...いきなり誘ったの、迷惑だったかな?」
「あいやその、迷惑ってこたないんですけど...なんつーか、俺異性の人って普段勝手知ったる幼馴染しか関わらないから...イマイチ接し方がわかんないっていうか...スイマセン。」
「秋哉の幼馴染って...あこ?」
「あこもそうですし、他にも何人か...」
「そ〜なんだ。でもそのキモチはわからなくないかも。こう見えてアタシも今結構攻めあぐねてるよ?」
「え、」
「いやーアタシの方から男子に声かけるとか初めてしたからね〜それも年下。結構勇気出したよ?」
「めちゃくちゃ申し訳ないけどリサさんはそんなふうには見えないっスよ...?」
「あははーよく言われるんだけど、私も基本幼馴染としかいないから。」
「それってもしかして...?」
「そ、友希那のこと。」
「あああっ!」
「えっ、どしたの?!」
「わかったんですよ、こないだの答え!」
「え?ますますイミわかんないよ?」
「リサさんこないだ言ってたじゃないですか、”前にどっかで会わなかったか”って。」
「え?...あぁーそういえば。え、いついつ?」
「こっち越してきてすぐだから...3月の半ばくらいっスかね。俺リサさんと湊先輩とすれ違って。そんときやけに印象に残って。」
「どういうこと?」
「いやなんていうか...同業者の匂いっていうんスかね。めちゃくちゃオーラ感じたんですよ。お二人から。」
「え、友希那じゃなくって?」
「そりゃ湊先輩も威圧感バリバリでしたけど。」
「だよねぇ。」
「でもリサさんからもなんていうか...この前ちゃんと話した時になんとなく感じるものがあったというか。」
「なんだろーそれ。すっごい気になる。」
「俺も一応ベースできるんですよ。だからその辺かなって勝手に思ってるんですけど。」
「え、ベースもできるの?」
「ちょっとだけですけどね。」
あれ、気づいたら会話弾んでんじゃん。
っていうかやっぱあの時の勘は間違ってなかったか。ごめん沙綾、人違いじゃなかった。
「ごめん、すっかり話し込んじゃったね。」
「あ、全然平気っすよ。おかげでいい息抜きになりましたんで。」
「ならよかった☆ねね、また一緒に本屋さん行こうよ。今度はアタシのおすすめ紹介するからさ!」
ん?待て待て
まぁ断る理由はないし・・・
「俺でいいなら...」
「やった☆あじゃあ次会う時までにさっきの本、読んでおくね。感想とか話したいし!」
ってことはまたこのコースだよな。
「したらまた来週、同じ時間でどうっすか?俺バイトキッツキツで...」
「オッケー☆でもなんでそんな働き詰めなの?」
「あ、俺一人暮らしなんスよ。」
「えっ、そうなの?!」
「両親とも仕事が好きすぎちゃって...いつまでもあの人たちに着いてくの疲れたんで俺だけこっち帰ってきたって感じで。」
「そうだったんだ〜あ、アタシん家ここだからっ」
「じゃあまた、まあ感想だけ先に言いに来たかったら羽沢珈琲来てくれても構わないんで。」
「あ、そうだね。秋哉のコーヒー、また飲みにいこっと☆」
この人さては相当俺のこと観察してる・・・?
「じゃ、まったね〜」
「...リサ、遅かったじゃない。」
「あれ、どしたの友希那?」
「今度作る新曲について、聞きたいことがあったのだけれど。邪魔だったかしら?」
うわ、これ絶対いちゃまずいやつじゃないっすかね。言葉とは裏腹にアナタのその視線からは”お前邪魔や”ってメッセージが見えますよええ。
「あ、あのそれじゃ、失礼しまーす。」
「あ、じゃあねー!」
「今のって...?」
「こないだ会った子だよ。ほら、あこの幼馴染の。」
「随分と余裕ね。」
「別に、たまたま帰りが一緒になっただけだよ。」
なんだか面倒なことになっちゃったかな・・・友希那にはしばらく黙っとこうかと思ったのに。まさか真っ先にバレるとは。これも幼馴染だから、なのかな。
っていうかアタシ、秋哉の連絡先聞いてないじゃん!
「リサ、聞いてるの?」
「え?あぁーゴメンゴメン。」
「だから私情を持ち込まれ流のはイヤなのよ。あなた、さっきからずっと上の空じゃない。」
「だからごめんってば。」
そうは言ったものの、どうしても頭の中には彼の笑顔が浮かんでしまう。あれこれもしかして・・・いやいや、流石に会ってまだ1週間も経ってない人にそこまでなんてことないない。
「リサっ!」
「うわ!びっくりした...」
「もう帰るわ。ちょっと頭を冷やしなさい。どうせ、さっきの人が気になってるんでしょ?」
「ご、ごめん。」
「彼、なんて名前だったかしら?」
「え?」
「私も...彼には興味があるのよ。」
「えぇっ?!」
「何よ。」
「え、友希那が異性に興味持つなんて...」
「別に、ただ話を聞いてみたいだけよ。あこの話だと、彼バンドの中の楽器は全てこなせるらしいから。」
「え、ベースだけじゃないの?!」
あの子どこまですごいの?!
でもなんだろう、友希那が秋哉に興味を持ってることは意外なんだけど、それ以上の何かがアタシの中で引っかかってる気がする。このキモチって一体・・・
さあ、いよいよ本格的な対抗馬が出てきましたね。現段階ではまだ誰がメインヒロインになるかはまったくの未定である、とだけお伝えしておきます笑
それではまた次回。