一回やる気出すとまぁまぁなペースで書けるのですが、一旦落ちるとしばらく手が付かない性格なもので...
ようやく編集ページに帰ってくる気になりましたホントにすいません
てなわけで久しぶりの最新話どうぞ!
「意外に綺麗だね」
「流石のリサさんでも今のは怒っていいスか?」
「あはは、ごめんてば。」
「まぁ最近片付けたばっかなんスけどね。あ、荷物その辺に置いといてください〜」
「ラジャっ。っていうかどう考えても一人暮らしの高校生男子の台所じゃないよこれ...」
リサさんが驚くのも無理はない。リビングに面した我が家の台所はかなりスペースを取ったシステムキッチンで調理器具から調味料までそのバリエーションはおおよそ男の一人暮らしでは考えられないレベルな自覚はある。ただ昔から料理が好きだったってことに加え今年からは喫茶店でバイトをしていることもありその創作意欲に完全に火がついてしまったわけである。
「1人じゃこんだけあっても持て余さない?」
「最初越して来た時はちょっと不安でしたねーただ俺基本的に外食ってしないから意外と使いこなせてますね。」
「すごすぎる...2人で使っても十分すぎるスペースだもんな〜」
キッチンを眺めながらほえ〜だのはヒョ〜だの言ってるリサさんの横で支度を始めると、
「あ、アタシも手伝う〜」
「え、ゆっくりしてていいですよ?お客さんなんだし。」
「あ、秋哉って自分の作業邪魔されたくないタイプ?」
「や、そういうわけじゃないっスけど...いいんスか?」
「ぜーんぜんっ。むしろそっちの方が性に合うって感じ?」
「じゃあお言葉に甘えて。」
「よし、じゃあ始めよっか☆」
手際良く髪を結んで俺の予備のエプロンを身にまとったリサさんはなんつーか・・・
「ん?なんかついてる?」
「リサさんってホントに俺と1歳違いですか?」
「どうしたの急に?!」
「既に完成された”お母さん”感が凄まじいんですが!」
「あはは、面白いこと言うね〜」
なんだろ、この前初めて喋ったとは思えない距離感。でもリサさん相手だとそこに不思議と違和感がない。
ちなみに羽沢珈琲から帰ってくる途中で今晩の買い出しも済ませて来たのでメニューに困ることもない。意外にもこのセンパイは和食が好みらしい。
「アタシの好みよく渋いって言われるんだよねー」
「まぁその見た目で”筑前煮が好き”って言われるとねぇ。」
「容赦ないね?!」
「ごめんなさいごめんなさい!」
「いやまぁ事実なんだけどね?」
「意外でしたけどなんか納得できる気もしますよ?」
「マジ?」
「マジ。」
あぁ、こういうのなんか悪くないかも。俺にお姉ちゃんがいたらこんな感じだったのかな。まぁ自分の家族とこんなやり取りしたことないから基準がわからないんだけど。
作業工程も終盤に差し掛かった頃、俺の携帯が震えた。
「誰だろこんな時間に...ってお前かい。もしもーs「あ、秋にぃ?!」うるせ。」
ブツっ
「え、切った?!今のあこだよね?!」
「え?あぁ、そうっすけど。」
「そうっすけど、じゃなくて!なんで切っちゃったの?!」
「この時間にアイツが電話かけてくる理由って多分1つしかないんすよ。」
「えっ?」
そう、あこが夕方切羽詰まって俺に電話をかけてくるってことは・・・
一方その頃宇田川家では
「あれ?切れた。うーんでもこのクエスト1人じゃ片付かないし...よしっ!」
「うお、どうしたあこ?!もうすぐ晩飯...」
「ちょっと秋にぃの家行ってくる!」
「はぁ?!...ったく、ありゃ多分連絡もせず飛び出しやがったな。一応言っとくか。」
再び福本家
「ん?今度は巴かよ。もしもーs「あ、秋哉か!今あこがそっちに!」うるせ。」
ブツっ
まったく、姉妹揃ってなんちゅうテンションでいやがる。
「えぇぇぇぇっ?!い、今の巴ちゃんでしょ?!」
「いや、客人招いてる時に幼馴染の相手だなんて失礼でしょう?」
「いやいや、なんか嬉しいようなからかわれてるような...なんかフクザツだなぁ。っていうか、アタシの聞き間違いじゃなきゃ、巴ちゃんさっき”あこがそっちに”って言ってた気がするんだけど...」
「私が責任を持って追い返します。」
「今日の秋哉なんかキャラ違う?!」
いやいや、あなたもだいぶキャラ変わってますが。
とはいえ、あこのやつもよほど手詰まりなんだろうな。いつもなら家に乗り込むようなかとはしないが・・・今回のクエストそんなに大事だったかな?
「と、とにかく1人増えるならちょっと多めにご飯作らなきゃでしょ?」
「え、いいんすか?」
「大歓迎だよっ☆...ていうかアタシとあこは同じバンドなんだし。」
「まぁそれもそうか...なんか気ぃ遣わせてすんません。」
「へーきへーき。賑やかな方が楽しいでしょ?」
「リサさんかっけぇ...」
こういうお姉ちゃんが欲しかったと今本気で思ってる。今井家に養子縁組してもらおうかしら。
将来の夢:リサさんの弟になる。決まったね、うん。
「秋哉ー?何1人でニヤニヤしてんの?」
「え?!あ、いや気のせいじゃないですかねーハハハハ。そんなことより、アイツが到来する前にできるだけ準備しときますか。多分しばらく捕まっちゃうんで...」
「う、うん。ちなみになんでこうなったかっていうのは...」
「先輩NFOってご存知ですか?あことりんさんがドハマりしてるやつ。」
「あぁ、ゲームのことか〜そういえば秋哉とも夜な夜なやってるって聞いたかも。」
「そうそう、それッス。イベントが今日までで多分それの攻略助けてくれってことだと思うんですよねー」
「なるほどね。あ、でもゲームはやりすぎ注意だよ?」
「うぐ、耳が痛いッス...」
「こないだあこが紗夜にこっぴどく怒られてたからさー」
「うわぁ言いそうだなぁー...おっと、今のはナイショで。」
「まぁ言いつつ紗夜もハマってるみたいなんだけどね〜」
「は?」
「こないだRoseliaのみんなでやったんだよね〜。アタシにはちょっと難しくて大変だったんだけど、紗夜には結構刺さったみたい。」
「意外っ。リサさんの好物聞いた時より意外っ。絶対そういうの興味なさそうなのに。」
「しれーっといじられたような...なんか一応興味ないの装ってるんだけど...これが案外バレバレなんだよねぇ〜」
「い、一応キャラ崩壊は防ぎに行ってるんだ...」
「あっはは、そーれがまた面白くてさ〜」
と、再び会話が弾みかけたタイミングで
ピンポーン
「ホントに来やがったよ...はーい」
「あーきーにぃーーーーー!」
「バッ...時間考えろ!今開けっから!」
どうやらこれは魔王様のお怒りを買ったか・・・?
玄関を開けた先に立っていたのはいつもの幼馴染ではなく・・・半べそ状態の魔王様だった
うわぁーこりゃ相当まずいぞ
「秋にぃっ!なんで電話切っちゃうの!!」
「ちょ、待ってわかった話聞くから一旦中入れってここで喚くな!」
「あーあーあーどうしたのもう〜」
「え...リサ姉?なんで?」
「話せば長い。」
混乱して完全にフリーズしたあこを捕まえて落ち着かせにかかるリサさんのその後ろ姿がなんつーか、この人高校生なんだよな?(n度目)
「ねねね、なんでリサ姉が秋にぃの家にいるの?」
「ん〜なりゆき?」
その説明は誤解を生むって!・・・ってあこ相手ならそらないか。
「悪かったな、いきなり電話切って。」
「ほら、あこもちゃんと謝りな?」
「...ごめんなさい。」
「ん。PC立ち上げてあっからログインしときな。」
「いつの間に?!」
「ありがとー!!!」
「「切り替えはやっ」」
お礼を言うのとほぼ同時に作業部屋の扉を開くあこ。
「うわ、なにこの部屋?!秘密基地みたい!」
「え、リサ姉秋にぃの作業部屋まだ見てなかったの?」
「なんか勝手に開けるの申し訳なくって。」
「初見でこの部屋を”秘密基地”って形容するリサさんやっぱセンスありますね。」
「そうなの?」
「この部屋作った時の個人的なコンセプトなんすよ。気づいたのりんさんに続いて2人目。」
「ん?あこは?」
「ぜっんぜん気づかなかった!秋にぃ!入ったよー!あ、りんりんもオンラインだ!ラッキー」
「なにが”ラッキー”だよ。俺が頼んだんだよ。」
「「いつの間に?!」」
この人たち情緒大丈夫かな。
なんていうか、最近知り合った人たちの個性が強過ぎてついていけないんですよ。例えるなら両手にフランスパン握りしめてマジギレした沙綾くらい強い。うん。想像は推奨しないヨ。
『あこちゃん...準備できた?』
「オッケーだよ!」
「急な話だったのにすいません、ちょっとアシストしてやってください。」
『全然大丈夫ですよ。今回のクエスト、私は何周もできた方がありがたいので。』
「そっか、ならよかった。俺は今回の戦利品そんなに出番なさそうだったんで早めに撤退しちゃったんすけど...攻略ポイントとか掴めました?」
『一応は...大体1時間あればあこちゃんのノルマには到達できるかと。』
「「さっすが!」」
「3人の会話全くついていけないんだけど...てか、ゲームする時のモードの燐子ってやっぱ新鮮...」
『い、今井さん...?』
「あーちょっと事情があってリサさんも我が家におりまして...」
「そうだったん...ですね...あこちゃん、いこっか?」
「あははー、驚かせちゃったかな?あ、ベースだ。ギターもある...ホントになんでもできるんだね。」
「まだまだ勉強中っすよ。きっとベースはリサさんのが上手いですよ。」
「アタシだってブランクあるから今は結構勉強中なんだ。ねね、後でちょっと弾いてよ。」
「ギターでいいっs...何でもないです。」
「よろしい。」
ニコニコ笑顔だけ張り付けて無言でこちらを見つめないでください圧がすごいです。
この人結構油断ならないぞ。でも味方につけたらすっごく心強いかも・・・
ー1時間後ー
「秋にぃーー!終わったよー!」
「おうよーって、きっかり1時間...りんさんすごすぎる...」
『いえ、あこちゃんの手際が良かったおかげ...です。それに、途中からは助っ人も来てくれたので...』
「助っ人?でもうちのクランってこの3人だけじゃ...」
『すみません、周回中にオンラインだったのを見て、招待してしまいました...共通の知り合いなので大丈夫かと...』
助っ人って誰だ?俺らの共通の知人・・・って、
「「まさか...?」」
「じゃじゃーん!紗夜さんでーす!」
『ちょ、ちょっと宇多川さん!』
おいマジかよ。俺この人とはまともに話したことないぞ。それも割と第一印象良くなかったし。とりあえずリサさんに目線だけで”どうする?”って訴えてみる。
「どうするってったって...」
「わ、通じた。リサさんやっぱすげぇ。」
「いや今の視線はどう考えてもっ!」
『い、今井さん?!』
「「あ」」
知られたくなかったかな。
「やっほー」
『何がどうなって...も、もう抜けてもいいですか?!約束の時間はとっくに、、!』
「あ、氷川先輩っすか?福本ですー。」
『え、あ、その...』
え、俺なんかした?
「珍しい、紗夜がオーバーヒートしてる。」
「珍しがってないで助けてくれます?!」
『な、何か用ですかっ』
「いや、ここのクラン入ったんなら今後は俺とも仲間な訳だから一応挨拶の一つくらいはと...」
『別に私はまだ入るとは...!...!』
「え、そーなんすか。じゃあ何でもないです。」
『そうですか。では私はこれで。』
「あ、抜けちゃった。なな、氷川先輩って強いの?」
「最近は結構いい感じだよ!」
『おそらく...相当勉強されてるかと...』
((ホントにハマってるんだ...))
その後軽いやり取りをしてりんさんとも別れてようやくの晩飯タイム。前座長すぎ。
「それでね!そこから紗夜さんが紗夜さんがババーって来て!」
「わかったわかったから、ちと落ち着けって。」
「やっぱ保護者だ...」
「リサさんには敵わないっすよ〜」
そんな他愛もないやり取り。この空気感、大阪にいた頃にちょっと近いな。なんの気兼ねもなく、くだらないことで何時間も笑い合えて・・・そんなだから、不意にこぼれ落ちてしまったのかもしれない。
「なんか、久々に幸せかも。」
「えっ?」
秋哉の口からこぼれた言葉は、きっと意識して口にした言葉じゃないんだろう。側から見てもそれがわかるくらい小さくこぼれ落ちた言葉。なのに偶然にもアタシは完璧に聞き取れてしまった。これも何かの運命だったりして。
「秋哉、今なんか言った?」
「へ?いや何も?」
「あれ?アタシの気のせいか。」
その場はそれで終わってしまったがアタシの頭の中ではその時の言葉と、何より静かに微笑んだ秋哉のその表情がくっきり焼き付いて離れない。”幸せかも”なんて呟きながらそんな表情するなんて、ちょっと反則じゃないかな。
なんとなく上の空で片付けを手伝いながら気づいたら秋哉に自宅まで送り届けられていた。あれ、記憶全然ないんだけど。アタシちゃんと受け答えできてたのかな。よくわかんないや。いまのアタシがわかることはただ一つ。自分に生まれて初めて”好きな人”ができたってことだ。
一度意識してしまうとなんだか自分の気持ちが止められないっていうか・・・なんか不思議な気分だ。少なくとも、このときのアタシは相当舞い上がっていたと思う。秋哉にベース弾いてもらうの忘れて帰ってくるくらいには。
ホントにホントにお待たせしました!!!
詐欺師になりたくないのであえてここでもう投稿頻度や次回いつ出るかなどは明言しません。
ちょっとリサ姉落とすの早いかなぁとも思いましたが秋哉クンとは絶妙にお互いの認識がズレてることも考えるとこりゃしばらくくっつかないですね()リサちゃんって意外と奥手そうですけど実際のとこどうなんでしょうかね。今後にご期待!
久しぶりの投稿はこれにて。次回またお会いしましょう。