本来なら実際の世界と本編の時系列をなるべく添わせてやりたかったんですがなんつーかその、取り返しのつかないレベルで時間離れちゃったんでどーしましょうかねw
番外編枠の誕生日ネタも結局巴以降動かずじまいですし、、、
本編と全く時間軸がずれてても番外編でクリスマスネタとかやれたらそれもまた面白いですかね。ご意見ご要望ございましたら是非コメントください。
本日のお話は!
ようやくあの子が立ち上がる、、、かも?
「ねねね、これならいけるんじゃない?!」
「好きな食べ物置いておびき寄せるとか。」
「「お前ら何の相談してんだ」」
「有咲ちゃん、すっかり秋哉くんとも仲良くなったね。」
「べ、別にそんなんじゃねーし!」
「そこまで拒否られるとちょっと傷つくかも。」
「や、だからその私は...ああああもう!どうしてこうなったぁぁぁぁーーーーーー!!!」
彼女の叫びは町中に轟いたとか。
簡単に状況を説明すると、香澄はどうしても沙綾とバンドが組みたいんだと。で、どうやったら沙綾を仲間にできるかの作戦会議を開くことになりコメンテーター枠で俺が
「悪かったな意味わかんなくて。つかお前、自分で自分のことコメンテーターって解説してんのかよ。」
「な、市ヶ谷貴様心の声が聞こえるのか?!」
「ダダ漏れだったんだよ!」
「あぁっあっきーだけ有咲と仲良くしててずるい!」
「「ちょ、抱きつくなっ!!!」」
ちなみに蔵にきて早30分。未だ解決の糸口は見つかっていない・・・というより20秒おきくらいに論点がワープしてる気がする。誰か会議の定義を教えてくれ。
「だーもうくっつくなっつの。...で、なんでそこまであいつにこだわんのさ。あいつがドラムやめた理由、CHiSPAの連中から聞いたんだろ?」
無駄にスキンシップの激しい香澄を
「うん、聞いたよ。でもそれとドラムが嫌いになる理由は違うと思う!」
「沙綾ちゃんのお母さんは沙綾ちゃんにドラム続けて欲しいって、そう言ってたんだけど...」
「まぁ本人がああも頑なだとな。」
「あいつ責任感は人一倍強ぇからな...ってか香澄、あいつドラム嫌いって言ってたんか?」
「言ってはない...けどすっごく嫌そうで。」
あの時と同じだ。俺が帰ってきてすぐの頃、あこの誘いを突っぱねていたようにきっと香澄にも似たようなことを返したのだろう。やはりあいつは、ドラムを
「それでもね、私はさーやと初めて会った時に感じたキラキラって感じが忘れられなくて...やっぱりさーやじゃないと違う気がするの!」
「うーん...聞けば聞くほど難しく思えてくるの俺だけか?」
「それに関しては私も同感。香澄の直感的な反応だけじゃ押しきれねーだろ。」
「でもでも!」
なんだかんだ有紗にくっついたままの香澄が涙目になりつつ反論に出る。が、
「わーってるってよ、これで諦めると思うなかれ。」
「ここから先どうするかってのがうちらの仕事なのは最初からわかってたっつーの。」
「有咲ちゃん、秋哉くんといるとなんだか急に頼もしくなるね?」
「さっきからりみもうるせー!」
「まあまあ落ち着けよ。とにかく沙綾がそこまでドラムから離れたがる理由、直接聞き出さないとだな。」
「明日学校で聞いて...いや、そんな簡単ならこうはならないか。」
「最近沙綾ちゃん、この話題になると急に会話に混ざらなくなったりしてるもんね...」
「じゃあ沙綾の家行く?」
「こないだそれでアイツめちゃめちゃ怒らせただろ...」
「そ、主に俺らが盗み聞きしたせいでな。」
「秋哉が行くっていうから。」
「俺だけかい!」
「私がおたえにツッコまなくていい世界線...ちょっと感動。」
「「実は寂しかったりして〜」」
「お前らそういうとこだけ息ぴったりなのやめろ!」
香澄と2人で有咲をいじりにかかったところで再び脱線していることに気づく。いかんいかん。
「ちなみにさ、いつまでに仲間にしたいとかあったりすんの?」
「文化祭だな。」
「文化祭て...来週じゃねぇか!」
「なんで知ってんの?!」
「え?!あ...あぁあのイヴからこないだバイトで。」
「あーそっか、イヴって羽沢珈琲で働いてんのか。」
いけないいけない。うっかり
「てか、来週なのにメンバーも揃ってないって...練習とかどうしてんだよ。」
「今のところはドラムを抜いた状態でやってるんだ。リズム隊が私1人だと...ちょっと心細いね。秋哉くんとか真奈佳ちゃんがいてくれたらって、ちょっと思っちゃった。」
「真奈佳はともかく、俺でいいなら手伝うけど。」
「ホント?!」
「ま、どうしてもあいつがやらないって言い張って聞かなかったらな。」
「あっきーありがとーーーぐへっ」
「男にそんな簡単に抱きつくんじゃねぇ!」
「こらこら、香澄窒息しちゃうから。」
「あはは、なんか昔に戻ったみたいやね?」
「こいつら見てるとあの2人思い出すよな。」
「だね...」
頷きながらどこか寂しげな目を見せたりみにふとあることを思い出す。こいつもしかしてまだ・・・
「夏休みにでも、みんなで遊びに行くか。」
「え?」
「ゴールデンウィークには帰れなかったしな。たまにはアイツに顔見せてやれって。
「ちょっ!!」
こいつのこういうとこ結構可愛いよな。なんて言ったら殺されるかな。
固有名詞は一つも出てこないのにお互い誰の話をしてるのかはわかってる。こういう間柄ってやっぱ楽だしいいよな。
ー数時間後ー
「結局何も決まんなかったな。」
「まぁあの頻度で脱線してたらな。」
「でも楽しかったよ?」
「...」
「なんだよその”お前がツッコめば?”みたいな顔は!」
「だってさっき仕事とられたみたいな顔してたから。」
「なこたねーよ!」
なんだろう、この数時間で一気に打ち解けたねこの娘。素のキャラ晒したら急に距離詰まった感じ。
「とりあえず、各々それとなーく聞き出せるようなら聞いてみな。無理に話向ける必要はないと思う。」
「だな。」
「あっきー、明日蔵練だけど来る?」
「くら...なんて?」
「蔵で練習、略して蔵練!」
「あーね、ってお前らここで練習してんだ。」
「案外遮音性高いんだよ。蔵舐めんな。」
「なんでちょっと喧嘩腰なんだよ。まぁ明日ならバイトないし...いいよ。」
「ふふ、秋哉くんとまた一緒にできるんやね。」
「ホント、びっくりだよ。」
なんてやりとりを交わしその日は市ヶ谷家を後にした。
して、翌日。
予定の時間に間に合うように家を出たちょうどその時、りみから電話があった。
「秋哉くん、今どこ?」
「ちょうど家出たとこ。市ヶ谷ん家までだと15分くらい。」
「今から沙綾ちゃんの家来れる?」
「え?沙綾?なんで...」
「沙綾ちゃんが...」
そこでりみが言葉を詰まらせた。よく聞くと
「ちょ、おい、何が...っ。一旦落ち着いてりみ。何があったのか説明してくれっ」
「沙綾ちゃんが...いなくなっちゃった...!」
「いなく...なった?」
「学校出てみんなで練習するから来ないって誘いに行くことにして...沙綾ちゃんの家に行ったらもういなくて...っ!秋哉くん、うち、どうしたら!」
「ひとまずその場を離れるな。戻ってくるかもしれないから。」
「秋哉くんは?」
「1箇所だけ心当たりがある。」
「私も!」
「いや、1人で行くよ。もし俺の思う場所にアイツがいるのなら...あそこには俺1人で行くべきなんだ。」
「でもっ」
「ごめんそれは譲れないんだ。それが沙綾との”約束”だから。」
そう言い残して一方的に電話を切った俺は、スマホをポケットに突っ込むなり走り出した。
「あれ、秋哉くん!切れちゃった...」
「秋哉と話してたのか。」
「あ、有咲ちゃん...でも秋哉くん、なんか心当たりあるみたいだったよ。」
「ホントか?!じゃあすぐに...」
「あ、待って有咲ちゃん!」
「え?」
そう言って私を引き止めたりみの目は、何処か強い意志がこもっているようなそんな気がした。
「秋哉くんが、そこには1人で行かせてほしいって。」
「...あっそ。じゃあうちらは香澄とおたえ呼び戻しとくか。」
「うん、ありがとう。」
「別にっ、感謝されるほどのことじゃねーよ。」
なんか
「...ったく、頼んだぞ。
「ん?なんか言った?」
「なんも言ってねーよ。ほら、さっさと行くぞ。」
一方その頃秋哉は
「ヘックション!え、何風邪?」
とても行方不明の幼馴染を探しているとは思えない呑気っぷりである。居場所をおおよそ推測できて尚且つそこに確信に近いものがあったからだろう。
「ま、ここはアイツらが知らなくても無理ないよな。俺も辿り着けるか怪しかったし...」
今秋哉の目の前には、 ひどく廃れたがまだなんとかそれとわかる形を残した鳥居がある。いつだか行こうと思いながら行けずにいたこの場所。この街に来て初めてできた友達と見つけたとっておきの隠れ家だった。
「この場所、誰にも教えちゃダメだよ?」
「うん!2人だけの秘密!」
なんてやりとりをしていた当時の自分がちょっとむず痒くて、苦笑いをしながら境内に向かう階段にゆっくりと足をかけた。
もうバンドはやらない。ドラムは叩かないと、そう決めていた。なのに・・・
気づいたらこの場所に来ていた。家に帰るなり、妙な胸騒ぎを覚えたから。いつだかと違って今日は店も定休日で仕事を投げ出す心配もない。本当は仕込みとかあるんだけど・・・
「はぁーあ、何やってんだろ。また逃げてばっかだよ...」
1人小さくため息をついた時、階段を登ってくる足音が聞こえた。こんな時間にこの場所に来る人なんているわけ・・・あぁ、そうか。今ならあるかも。
予想通りの人の登場に私は驚くこともなかった。幸い1人での来訪のようだ。もしかして、あの時にした約束覚えてたり・・・なんて。
階段を登り切っても私には目もくれず淡々とお参りをしに行く。この光景を私はこれまで何度見たのだろう。そして、あと何度こうしていられるのだろう。
少々長いお願い(これもいつものことだ)を済ませて振り返ってようやく私と目が合う。
「やっぱバレちゃったか。」
「こゆときお前がいる場所、ここしかないだろ?」
「ふふ、まぁ座りなよ。」
「自分の家みたく言うなよな...っと。」
「もうここ半分私たちの家みたいなもんじゃない?他に人来てるとこ見たことないし。」
「間違いないな。」
「なんだかんだ、秋哉が帰ってきたから2人でここにはまだ来てなかったね。」
「なんならこっち戻って来て初めてここ来た。」
「え、そうだったの?」
「なんか怖くてさ。ああも怒られると。」
「...ごめん。」
「謝るなって。沙綾のせいじゃないよ。」
「でも私がもっとしっかりしてたら!母さんの様子に気付けてたらって...思わないわけにはいかないよ。私は秋哉みたいになんでも1人で完璧にはできないし。」
「俺だって別に何でもかんでもできるわけじゃないさ。学生やりながら自分以外の家族の分まで面倒見てってのは...俺じゃ無理だな。」
「秋哉って面倒見悪いもんね。」
「めんどくさがりだからな。」
「私...香澄たちから逃げてばっかり。どうしたらいいんだろ。」
「もしさ、家のこととか家族のこととかぜーーんぶ無視していいって言われたら、あいつらの誘い乗る?」
「乗りたい...けどブランク長すぎて足引っ張っちゃったらって。」
「その辺は心配ないと思うけどなー。までもお前変なトコ完璧主義だしなぁ。」
「褒めてないよねそれ。」
「あ、バレた?」
「もう、せっかく人が真面目に話してるのに。」
「真面目に考えすぎてオーバーヒートしてんだろが。」
「それは...そう言われると否定できないんだけどさ。」
秋哉って妙に相手の痛いとこ突くのが上手い。その性格故か昔は周囲からは距離を置かれることも多かった。どこか大人びたようなその性格と物言いは、当時の小学生には羨ましい反面煙たい存在ともなり得たのだ。私は最初から馬の合う方だった。何より秋哉と私は境遇が近かったし。
「じゃあたまには俺も真面目に話してやるよ。沙綾は本気出しゃあっという間に昔のレベルまで戻せると思う。何よりあんだけ強烈に俺のこと引っぱたけたわけだし。」
「今の話のどこが”真面目”だったのか、詳しく説明してくれるかな?」
「うぐ。」
にしても、と前置いてベンチから立ち上がり大きく伸びをした秋哉が振り向きざまに意地悪っぽく笑った。そんなに露骨に話逸らす人私見たことないんですけど。
「ほんっとここ人来ないのな。」
「ほんっとにいないよ。秋哉が大阪にいる間は私以外使ってなかったんじゃないかな?ってくらい。」
「やば。そらここも寂しかったろーな。」
「私じゃなくて?」
とちょっと意地悪返し。
「え?んーまぁじゃあ沙綾も?」
「何そのすっごい”ついで感”は。」
「ごめんて。でも...1人で来て正解だったな。」
「え?」
「誰か連れてきちゃったら、約束破ることになっちゃうもんな。」
「覚えてたんだ、それ...」
「そりゃあまぁな。」
「そっか。」
と、突然
グゥぅぅぅぅぅぅぅ
あ。
「なんやお前、また腹なっとるやんか。」
「なんか安心して...ってこれも前に言ったような。」
「聞いたような。」
「ふふふ...あははは、やっぱ秋哉といるのが一番落ち着くのかもね。」
「そら光栄なことで。んじゃちょっと...あ、もしもし?」
あれ、急に電話なんかしてどうしたんだろ・・・って、この展開には覚えがある。
「よし、と。晩飯行くぞー。」
「え?!急に言われても私今お金そんな持ってないしそれに家に...」
「安心しな。」
あぁやっぱり。となればさっきの電話の相手は私の家族か。
「俺が作ってやっから。」
「それ、秋哉ん家じゃん。」
そうだった。私が落ち込んでここに来た時、大抵秋哉が追いかけてきていつも夜ご飯作ってくれて。そんな些細なやりとりまできちんと覚えてくれてて、空白の時間もなかったことのように元通りにしてくれる。これが”幼馴染”ってやつなんだ。
「ほら、行くぞ。」
だからその時の私は、差し伸べられたその幼馴染の手を黙って取ることしかできなかった。
なんでしょう、沙綾回となるといつもいいとこで話止めてません?(作者の裁量だろ)
この後二人で晩御飯なんでしょうね。ほんでしれっと市ヶ谷ちゃん心開き始めてますね。またライバルが増える、、、かも?
りみだけが最初のキャラ紹介の時点で”ヒロイン候補”としていなかった理由、この日の伏線だったんです。記憶が曖昧な方や未読の方はぜひ一番最初のお話のところをもう一度見てみましょう。これは咄嗟の思いつきでもなんでもなく最初からそうするつもりでした。話の流れからしてお相手は・・・
そしてそして
なんと気がつけばお気に入りが300件を超えていまして、、、ほんっとにありがとうございます!!!
今後ともゆるくやって参りますので気長にお楽しみください笑
こんなネタで書いて欲しい!このキャラともっと絡んで欲しい等リクエストやご意見も随時受け付けていますのでぜひコメントもお待ちしております!
それではまた次回。