俺の家が女子高生の溜まり場になっている件   作:かしら

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どうも、かしらです。

これが年内最後の投稿ですね。
なるべく長期間途切れることなく来年は新作をお届けできるように頑張っていきます!


さて本日は、
ついにあの子がステージに立ちます・・・!!


#24 復活の(とき)

「よーし、だいぶ仕上がってきたな。」

「ギュイーンて感じ!」

「「どんなだよ。」」

 

 

 今日は花女の文化祭前日。バイト終わりに駆けつけギリギリまで練習に付き合っていたのだ。

 

 

「あっきーがいてくれてホントによかったよ!!でも...」

「香澄の気持ちはよくわかる。ここにいるべきは俺じゃない。それを一番わかってるのは他でもないあいつのはずだからさ、もう少しアイツのこと待っててやってよ。」

「沙綾ちゃん、きてくれるよね?」

「きっとな。」

「それにしても秋哉君、中学の時と演奏の感じ変わった?」

「あ、さすがりみ。よく気づいたね。」

「大阪にいた頃はこんな感じじゃなかったの?」

「バンドメンバーのタイプがだいぶ違ったからなぁ。それに今回は俺本来のっていうよりは”沙綾ならどう叩くか”重視で合わせてるから余計にかも。」

「じゃあさーやがきてもこんな感じでできるってこと?」

「近いとは思うけど...俺もかれこれ3年近くあいつが叩いてるの見てないからな...自信はない、ごめんな。」

「謝るなよ。むしろこっちは大助かりだったんだ。色々わかんねーこともあったしな。」

「本番成功することを祈ってるよ。お前らなら上手くできるさ。」

「あっきーも見にきてくれるでしょ?」

「あぁ、そのつもりだよ。りみの勇姿、あいつらにも見せてやらねえとだし。」

「は、恥ずかしいな...」

「だいじょーぶだよ!今日のりみすっごくよかったもん!」

「そう...かな?」

「大丈夫、今日のりみは冴えてたよ。それにりみだっていつも俺らのことそうやって励ましてくれてたじゃないか。」

「秋哉君...」

「元々りみはセンスあるんだ。自信持ちなって。でないと真奈佳が怒るぞ?」

「ふふふ、そうやね、私頑張るよ!」

「よっしゃ、その調子や!」

「急に関西弁全開だなオイ。」

「りみと話してっと自然と戻っちゃうっつーかなんつーか。」

「わかる!うちも知らん間にしゃべってるもん。」

「うん、だいぶ緊張ほぐれたかな。なんか俺が送り出す側なの変な感じやな。」

「確かに、いつもは逆やったもんね。」

「いつか同じステージ立てたりしたらええな。」

「そうだね!」

「うんうん、私もあっきーと一緒にステージ立ちたい!」

「じゃあまずは明日成功させんとな。俺の仲間たちには追いつけんぞ。」

「頑張るぞぉーーー!」

「夜中に大きな声出すなっつーの。さ、今日のとこはこの辺にしとこーぜ。明日も朝早いんだから。」

「だな。じゃまた明日、健闘を祈るよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 迎えた当日。時刻は朝7時。俺は今やまぶきベーカリーにいる。

 

 

「すまんな秋哉君、休みの日に手伝ってもらっちゃって。」

「大丈夫だよ父さん、どうせ暇なんだから。」

「お前が言うとちょっと腹たつな。」

「でも事実だもんね?」

「とっとと学校行けよー。」

「ふふ、私の勝ち〜。」

「競ってねえよ...で、今日どうすんのさ。あいつらまだドラムの席空けてるぞ。4人でやらせるつもりか?」

「私には...関係ないよ。じゃあ後でね!配達頼んだよ〜」

「だ、おい!...ったく。」

「あの子のことだ、きっと大丈夫だよ。」

「ですね。」

「さ、僕らもそろそろ向かおうか。」

「あいつら驚くだろうなぁ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、さーやおはよう!これから準備始めるところだよ!」

「遅くなってごめんね!はじめよっか。」

「あれ、パンは?」

「私一人じゃ運べないから父さんとあk...父さんたちが後から届けてくれるよ。」

「おっけー!じゃあ残り全部終わらせちゃおう!」

「よーし、がんばろー!!」

 

 

 危ない危ない。秋哉がここで来ること伝えたらいけないんだった。ていうか、秋哉ちゃんと学校入れたのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやだから関係者ですって。」

「保護者の方ならわかりますが...あなたは完全に部外者ですよね?」

 

 

 だからこの先輩苦手なんだよ。頭かてーなぁ。

 

 

「何か今失礼なことでも考えましたか?」

「イイエナニモ」

 

 

 参ったな、この人もエスパーの末裔かよ。

 俺は現在・・・氷川先輩に不法侵入の罪に問われている。ちなみに事前に学校側には申し入れてあるんだけどネ。

 

 

「だーかーらー、学校には言ってあるんですってば。従業員ですよ。」

「そうは言っても未成年ですし、本当に許可など取っているのですか?」

「なにがそんなに嫌なんすかもう。普段一緒にゲームしてるくせに。」

「ぐ、それとこれとは問題が...」

「あ、りんさんだ。おーい!」

「秋哉さんと山吹さんの入校証、頂いてきましたよ。今担当の先生が出られないとのことで、私が代わりに。」

「し、白金さん?!」

「お話は伺いました、山吹さんも秋哉さんもきちんと許可が降りているそうですよ。」

「と、いうわけなので。すいませんりんさんも、ありがとうございます。」

「いえ...たまたま通りかかっただけ...ですから。」

 

 

 お、笑った。この人いい表情できるじゃん。てか危なかったー。りんさんナイスプレーだね・・・なーんっちゃって。これたまたまでもなんでもないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 遡ること1時間前。沙綾が家を出る直前になって”風紀委員の氷川って先輩には気をつけろ”と言い残していったのだ。氷川先輩含めRoseliaともある程度親交があることを知っていた沙綾なりの『危険信号』だった。

 そんなわけで沙綾宅を出る前にりんさんに連絡をして氷川先輩に捕まった時の保険をかけといたってわけ。あの人の凄まじい正義感なら俺だけ入れないなんてことも普通にあり得ただろうしね。

 そんなわけでなんとか”番犬”を突破s「今何か?」「なんでついてきてんの?!」

 

 

 なんかいた。今後ろに絶対見ちゃいけない人いた。

 

 

「普段男子禁制の女子校なんです。何もしでかさないと言う確証のない人をそのまま放っておくわけがないでしょう?」

「あなた自分のクラスの出し物は?!」

「昨日のうちに全て支度は済ませてあります。私は校内の治安をこの2日間身を粉にして守る義務があるので。」

「そーですか。ごくろーさまでーす。」

「絵に描いたような棒読みね...」

「別に何もしないっすよ。配達済ましたら一旦帰りますから。後で客として来る時もちゃんと事前の申請はしてありますからね?」

「...」

「信用ないなぁ...普段あれだけ援護してあげてるのに。」

「それとこれとは!」

「はいはい別でしたね。」

 

 

 と、問答しつつ沙綾たちのクラスに到着。この間ニコニコするだけでするだけで一切の助け舟を出さなかった沙綾父が何よりの鬼なのは内緒である。

 教室に入る前にマスクをして帽子も先程より目深に被ってみる。

 

 

「何でそんな不審者のような格好を...」

「ほら僕好青年だから。下手に露出して女のコたち色めきだっちゃまずいでしょ?」

「...」

 

 

「お待たせ!焼き立てだよ〜」

「おじさんありがとー!」

「はい、こっちもお願いしますねー」

「あれ、こんな人お店にいたっけ...?」

「あぁ、新しい従業員さんだよ。」

「ふーん...って!」

「げ」

「あっきー?!」

「え、アキくん?!」

「バレたかー。」

「バレバレだったけどねー。」

「お前辛辣だなあ。」

「じゃ、また後でなー。」

「え、もう帰っちゃうの?」

「あそこですげえ怖い顔した先輩が見張ってるもんで。」

「うわ、やっぱり捕まったんだ。」

「一応対策はしてからきたんだけどねー」

「早く帰ったほうが良さそうだね...」

「そゆことだ、じゃまた後で。」

「あっきーばいばーい!」

「あとでねー!!」

 

 

 盛大に見送られて教室を出た俺にやはり氷川先輩はピッタリと張り付いている。

 

 

「ね?何もなかったじゃないですか。」

「...学校の敷地を出るまでは何があるかわかりませんから。」

「うひゃーきびし。先輩、あこたちにもそんな感じで接してるんですか?」

「だったらなんだというのですか?」

「いや、あいつら大変だなぁって。」

「私は然るべき役目を果たしているにすぎません。」

「そーですか。じゃ、お騒がせしましたー。」

 

 

 と、さりげなく入校証を先輩に押し付け車に乗りこんだ。

 

 

 

 

 

 

「秋哉君は相変わらず人気者だね。ついに追っかけまで出て来るとは。」

「それガチで言ってます?」

 

 

 この人たまにアホみてえに天然だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家に着くと純と紗南が待っていたがその表情がどこか暗い。そういや、こいつらも配達行くってギリまでごねてたっけ。仕方ない、文化祭始まるまで相手しててやるか。

 

 

「ただいま、配達行ってきたぞ。後でにぃちゃんと一緒に見にいこな。」

「母さんが...」

「へ?」

「お母さん、また具合が良くなさそうで...」

 

 

 なんとも予想の斜め上できやがった。これはまずい。確かに今朝のおばさん顔色良くなかったような。

 と、ちょうど車を駐車し(とめ)ておじさんが戻ってきた。

 

 

「おい、どうした。そんなに配達行けないのが嫌だったのか?」

「違うんだおじさん。おばさんまた調子悪いみたい。」

「なんだって?!」

 

 

 すると奥からおばさんが出てきた。が、その姿はあまりに弱々しい。

 

 

「そんな大袈裟な...ことじゃないですよ。」

 

 

 と言いつつも絶え間なく咳き込んでしたり足元もふらついていておぼつかない。

 

 

「おじさんとりあえず病院連れてってあげて。純と紗南は俺が見とくから。」

「わかった。沙綾には...」

「あの子には...言わなくていいから。今日くらい...何も考えず楽しませて...」

 

 

 しかし最後まで言い切ることなく意識が遠のいてしまったようだ。

 

 

「アカン、救急車呼んで!」

「あ、ああ。僕は病院まで付き添う。秋哉君、悪いんだが2人を任せてもいいかい。」

「もちろんだよ。」

「僕も行く!」

「紗南も!!」

「だーめ。2人はここで俺と待ってるんだ。」

「でも!」

「ダメなものはダメだよ。これ以上言うとにぃちゃん怒るぞ。それともねーちゃんに頼んで叱ってもらうか?」

 

 

 意外にもこれが効果抜群だったようでそれからは大人しくなってくれた。てかあいつどんだけ怖いんだよ。

 

 

 搬送されたおばさんたちを見送ってひとまず純たちを落ち着かせる。まずは・・・

 

 

「とりあえず沙綾に連絡しといてやっか...ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は数十分前に遡る

 

 

 胸が不自然にざわついた。なんだろ、この感じ。何かすごく良くないことが起きそうな気がする。

 クラスのみんな・・・には心配かけられないな。こういう時なら・・・あ、そうか今なら、

 

 

「もしもし、秋哉?」

「ちょうどよかった、今こっちからかけようと思ってたんだわ。」

「え、やっぱ何かあったの...?」

「お前のその危機察知能力...時々いらんおせっかいになるかもな。」

「何かあったんだね?!ねえ秋哉!」

「落ち着け。おばさんが体調崩してさっき搬送された。」

「え...」

「おーちーつーけっ!貧血こじらせただけだ、命に別状はないよ。念の為病院行ってもらったってだけ。何も伝えないまま取りかいいかと思ったんだが、やっぱ余計なお世話だったかな。」

「ううん、ごめん。そんなことないよ、ありがとう。搬送先の病院、教えてくれるかな?文化祭終わったら様子見に行くから。」

「おま、文化祭って今日夜までだろ?」

「ステージ立つ人はね。でもステージ演目って参加自由だから。」

「アホか、逃げんなよ。」

「逃げてなんか!」

「逃げてるよ。そうやって家族のことダシにして、自分に自信ないのを繕ってるんだろ。そんなの、誰よりもおばさんが許さないだろ!」

「でも...もう私は誰にも迷惑かけられないんだよ。私のせいで...誰かが辛い思いするようなことは...!」

「俺は今の沙綾の方が見てて辛いんだけどな。」

「っ?!」

「本当の自分隠して、自分にも周りにも嘘ついて、そんなんでいいのかよ!そんなの、俺の知ってる沙綾じゃねえよ!!」

「秋哉...」

 

 

 電話越しから飛んでくる幼馴染の怒号が、真っ直ぐに私の心臓に突き刺さって離れない。

 

 

「あ、いたいた!さーや!!あれ、誰と話してたの?」

「ん?ううん、ちょっと。」

「さーや、大丈夫...?」

「ちょっとごめん、体調悪いから帰るね。先生に伝えておいてくれるかな?」

「え...でもライブが...」

「ごめん、誰か他の子見つけてよ。私なんかじゃなくて、もっとすごい人。それこそ秋哉でもいいんじゃないかな...ごめんね、香澄。」

「さーや...」

 

 

 そう言い残して、私は香澄をその場に残して学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、お帰りなさい。おばさん、様子どう?」

「うん、しばらく安静にしてれば問題ないよ。点滴もしてもらってるしすぐに元気になると思うよ。」

「「「よかったー...」」」

 

 

 おばさんの付き添いから帰ってきたおじさんからの報告を聞いてようやく強張っていた体からフッと力が抜けた。

 

 

「あ、沙綾に連絡しておかなきゃ...あれ、電源切れてる。まだライブの時間じゃないよな...?」

 

 

 あいつまさか・・・

 不安になって慌てて他のメンバーに連絡を取る。

 

 

「あ、もしもし香澄か?」

「あ、あっきー...ねえさーやが!」

「あいつがどうした!」

「帰っちゃったの。体調悪いからって...」

「帰った...?あいつ今家にはいないぞ。」

「えっ...」

「あのやろ...わかった、ありがと香澄。ライブまでにはあいつ学校返すから待っとけ!」

「え、ちょっとあっきー!」

「それと香澄!」

「え?......うん、わかった!」

「おじさん、純たち頼んだ!」

「え、秋にぃちゃん!」

 

 

 俺は夢中で山吹家を飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、沙綾!どうしてここに...」

「ごめんね、すぐ来れなくて。調子どう?必要なものあったら買って来るけど。」

「沙綾...学校はどうしたの?せっかくの文化祭でしょ?」

「ううん、平気。だからほら、」

「沙綾、今ならまだ間に合うから。学校、戻りなさい。」

「もういいんだってば!もうこれ以上、家族に迷惑かけられないんだよ!」

「何言ってるの!学生が学校生活もまともに送れてないことの方が親としてはよっぽど辛いわよ!ましてそれが、私のせいなんだとしたら...」

「母さん...」

「お願い沙綾、あなたの好きなこと、好きなだけしてちょうだい。私のことはその後でも十分だから。」

「でも...」

「早く!でないと母さん怒るわよ。ほらほら、病人に過度なエネルギー使わせないの。」

 

 

 

 私はそれから何も言い返すことができなかった。母さんは、私の思ってる以上に強くて優しい人だって、ようやく気づいた。

 

 

 病院を出てすぐに秋哉から着信があった。

 

 

「もしもし?」

「今、病院だな?」

「流石、伊達に幼馴染やってないね。」

「今すぐ学校行け」

「もう間に合わないよ。」

「大丈夫、まだ間に合うぞ。香澄たちに頼んでポピパの時間後ろ倒しにしてもらってある。おかげで大トリだけどな。」

「え...でも私、道具も何も...」

「大丈夫だから早く行け!学校で落ちあうぞ。」

 

 

 一方的に言い残されて電話が切れた。どうやら、選択肢は残されてなさそうだ。私は滲む視界を振り切って走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校に先に着いたのはどうやら俺の方だった。りんさんに根回しをしておいたおかげで来場者受付はすでに終わっていた。

 

 

「りんさんサンキューです!今度何かお礼しますから!」

「いえ...お役に立てて何よりです。」

 

 

 校舎内を駆け回り体育館の脇に着いたところで沙綾が追いついた。

 

 

「あきやっ!」

「なんとかアイツら繋いでるから、1曲でも多く叩いてこい。譜面は持ってたんだろ?」

「知ってたんだね。でもうまくできるかな...練習1回しかしてないし。」

「お前山吹沙綾なめすぎ。もっと自分のこと信じてやれって。沙綾には沙綾にしかできないことがあるから。ほら、これ持ってけ。」

「これ...っ!」

「これなら扱い慣れてるでしょ。」

「そう...だね。よし、行ってくるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして幼馴染は、見事復活を遂げた。

 

 

「それじゃあ最後の曲、STAR BEAT!!!!!!!」

 




はい!ということでみなさん良いお年を!

改まった挨拶は活動報告にでもします。

来年も何卒秋哉たちをよろしくお願いします!!!!




それでは。
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