俺の家が女子高生の溜まり場になっている件   作:かしら

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タイトルに特に意味はないです、ただ彼らのクリスマスがまともではないだろうということだけはなんか確信持てそうですよね

てなわけで、どうも万年クリぼっちかしらです(自分で打ってて悲しくはならんのか)

半年ぶりの番外編更新です。本日はクリスマス第一弾です。2夜連続でお届けしますよ〜!
時系列的には諸々のバンドが結成して迎える初のクリスマス、ということでポピパ世代が一年生の年でお送りします。本編に深く絡むようなネタバレはない(予定)ですので安心してご覧ください。


#2 Happy Marry…?

 時は12月23日。カレンダーのこの日が黒字になったことにようやく慣れ始めたこの頃の俺は在学しているのが私立の高校ということもあり既に冬休みだ。今日はバイトもなくせっかくの休暇なのでゆっくりと自宅でティータイム・・・とはいかないのがこの世の中である。

 

 

「うーん、もうちょい右?あーでも左にしてこの飾りを付け足しても...ねえ秋哉ならどうする?」

「休む。」

「真面目に答えないならお昼ご飯抜きだよ?」

「沙綾様の仰せのままに。」

 

 

 俺は今、山吹家で装飾の手伝いをしている。

 

 

「ハァ、せっかくのティータイムが...」

「ぼやいてないで早く仕上げてよ。」

「へいへい...ったく。」

 

 

 明日はここでポピパの面々がパーティーなんだって。で、山吹家の厨房アシスタントとして俺もなぜか召集が決まり前日から準備の手伝いという名目のもと一日幼馴染の下僕となったわけである。

 

 

「今なんか失礼なこと考えた?」

「え、お前も前世エスパーな感じ?」

「あ・き・や・?」

「ごめんなさいごめなさいなんでもないです」

「ていうかお前”も”って何なのさ。他にも同じ質問した人いるの?」

「2人くらい知ってる...」

 

 

 某長谷川真奈佳とか某美竹蘭とか

 

 

「じゃあ私が手を下すまでもないかー。」

「やられる前提じゃねえか!」

「ほらほら2人とも、盛り上がるのはいいけど作業進んでるのかい?もうすぐお昼だぞー。」

「「すぐ終わらせます!!」」

 

 

 

 

「せっかくの休みだったのにごめんね、秋哉君。」

「あーいえいえ、どうせ暇なんで。」

「あれだけ渋ってた人の返事とは思えないけど?」

「お前そゆとこ性格悪いよなー。」

「あ、あきにぃちゃーん!隣来てよ!!」

「はいはいそうはしゃぐなって。」

「なんで秋哉にはこんなに懐くんだろ?」

「人柄じゃね?」

「今すっごく殴りたい。」

「そゆとこやろ。」

「うぐ」

「そーいや、やまぶきベーカリーってクリスマス限定メニューとかあるの?」

「竜田サンドの具が期間限定で骨つきフライドチキンになる。」

「...食べにくくね?」

「雰囲気重視だからさ。」

「沙綾、それ本気でやるのかい...?」

「おじさんの許可降りてねえのかよ!」

 

 

 暴力的にも程がある会話のテンポである。クリスマス気分で高揚しているのは皆同じのようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 して、12月24日である。

 

 

「かんぱ〜い!」

「メリークリスマーース」

「おい人ん家であんまはしゃぐなっつの!」

「そう言う有咲も楽しそうじゃーん」

「うるせー!」

 

 

 うんうん盛り上がってるね。盛り上がってるのはいいんだ、非常にいいことなんだよ。けどさ・・・

 

 

「え、俺厨房出られない感じ?」

「秋哉ーご飯まだ?」

「え、あっきーいるの?!」

「「知らなかったのかよ!」」

「ほら秋哉君、オーダーだよ〜」

「おじさんまで?!」

「あっきーもこっち来なよ!」

「え、マジ?そんなどうしてもっていうなら仕方ないなぁ〜」

「「じゃあいい」」

「君たちに慈悲というものはないのかい。」

 

 

 そう言い残し俺は厨房業務に徹することとなった。

 

 

「ほらほら、秋哉君もみんなに混ざってきなさいな。」

「いやいや、今日は沙綾がこっち立てないからさ。アイツが俺のこと呼んだのって多分そういうことだし。それであいつが楽しめんならその方がいいんじゃないかな。むしろ俺があっち行っちゃうとこっち気になって仕方ないだろうからさ。ここから眺めてるだけでも楽しいよ?」

「相変わらず優しいのね。」

「優しい...かな。俺あいつのこと怒らせてばっかな気がするけど。」

 

 

 頭をかきながら苦笑いすると沙綾の母さんは優しく笑って答えた。俺の母さんには母さんからは見た事も・・・いや、こんな顔できるかすら怪しい。

 

 

「怒るってことは、それだけ秋哉君のためにエネルギー使ってるってことじゃない。沙綾にとっても大切な存在であることは変わらないのよ?ただあの子...素直じゃないから。」

「確かに。」

「もうっ、2人してそんなこと言わなくても。」

「あらやだ、聞いてたの?」

「盗み聞きか?」

「この距離じゃイヤでも聞こえるでしょ。」

「あきにーちゃん!あそぼ?」

「んーでも今は...」

「いいからいいから、行ってあげなさい。」

 

 

 おばさんに半ば押し出される形で台所を出る。

 

 

「あ、秋哉君ご苦労様!ありがとうね〜」

「やっほ〜」

「おうよ、沙綾楽しんでそう?」

「うん、すっごく楽しそうだよ。」

「よかったよかった。」

「保護者か!」

「まぁ保護者みたいなもん...いでっ!」

「違います。」

「ちょま、鉄拳制裁かよ...」

「まぁいつものことやから。」

「普段からこんなんなのかよ!」

「今日もキレてるねー市ヶ谷。」

「うるせー」

「ねーあきにぃちゃん!」

「あー悪りぃ悪りぃ、今行くよ〜。じゃ、あいつらの相手してっから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弟たちの相手に興じる幼馴染をぼんやり眺めているとふと隣に有咲がやってきた。

 

 

「あいつ、精神年齢バグってねーか?」

「まぁ香澄とかはぐみと普通に馴染めちゃうタイプだからねー。」

「の割に頭良かったり生活スキル高かったり楽器めっちゃできたりスポーツ万能ってさ、ちょっとやりすぎじゃね?」

「まー秋哉は家庭環境が特殊だからなぁ。私や有咲じゃあり得ないことも秋哉ならあり得ちゃうんだよ。なんかマンガの主人公みたいだよね。」

「ホント、化け物以外の何者でもねーよ。」

「でも有咲も結構馴染んできてるじゃん。割と秋哉みたいなの、タイプだったりして。」

「なっ?!」

「まーでも、有咲なら案外...いやでも敵が多すぎるか...」

「な、何をさっきからブツブツと...」

「いやぁさ、なぜだか知らないんだけど私の周りに秋哉のこと狙ってる子がそこそこいてさ。」

「そ、そうなのか。あいつそんなモテそうな感じしない...けどな。」

「あれ、動揺してる?」

「し、してねーよ!!」

「びっくりしたぁ。有咲おねーちゃんさっきからどしたのー?」

「おうよ、どうした有咲おねーちゃん。」

「お、お前は同い年だろ!ていうかお前らには関係ねーし。あっちいってろよ。」

「えっ」

「...だってさ。ほら純、戻ろ戻ろー。」

 

 

 うわーこれは完全に地雷踏んじゃったね。後処理大変なんだから〜

 

 

「あ、秋哉怒らせちゃったね。」

「は?今の一瞬でか?別に私はあいつには何も...」

「長く一緒にいるとさ、そういうのわかっちゃうんだよね。多分なんで怒ってるかも。」

 

 

 確かに有咲は()()()()()()()()()()()。でもね、秋哉は自分のことには無頓着でも誰かのためには怒れる人なんだよ。

 

 

「なんでなんだよ?」

「それは自分で聞かなきゃ面白くないでしょ?」

「沙綾ってさ、」

「ん?」

「ときどきすげー性格悪い時あるよな。」

「わ、それ秋哉にも言われんだよなぁ...まさか有咲にまでそう思われてたなんて...」

「ありさーなんかあった?」

「...別に。」

「もー、不貞腐れないのっ。」

 

 

 それから有咲は無視を決め込んだのかこの話題には一切乗らなくなった。ちゃんと仲直り...してね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、明日は昔のお友達とパーティーなんでしょ?何か作って行ったりとか...」

「あぁ、そこは問題ないよ。なんせ会場羽沢珈琲だから。」

「あぁ、確かにいつも集まる時はあそこだったわね。沙綾も行くのよね?」

「うん、その予定。」

「じゃあ明日はちゃんと2人揃って楽しんでいらっしゃいね。」

「今日だって十分楽しかったよ。やっぱさ、一人暮らしじゃこういうのできないから。」

「秋哉君...ふふ、うちなんかでよければ、いつでも遊びにいらっしゃい?」

「ありがとおばさん。」

「私の気遣いに感謝してね?」

「気遣いとは遠くかけ離れてたような...ごめんなさいなんでもないです。」

「秋哉君が完全に手のひらで踊らされてる...」

「な、なあ秋哉。」

「うん?おう、どした。」

「さっきはその...なんか怒らせちゃったみたいで。」

「沙綾になんか言われた?」

「え?」

「あんまり市ヶ谷いじめんなよ?沙綾。」

「でも本当に怒ってたじゃん。」

「そらまあ、ありゃ純にほぼ八つ当たりだからな。ま、純には俺からちゃんと話してあるから安心しな。何より、どっかのお姉ちゃんも似たようなことで誰かさんに怒られてるわけだし?」

「そ、それを言われると...」

「あぁ、そんな事もあったな。あれからもう一年近く経つのか...色々変わったな。」

「あぁ、前にここにいた時とはまるで違う。それでいて今までと変わらないとこもちゃんとある。ホントに良いとこだよ。」

「そんなに愛着ある場所だったのか。」

「この街が歴代最長記録だな。両親が転勤族なのは話したろ?」

「そうだったん...だな。わ、私もここは割と...悪くないなって...思うからさ。」

「そっか。じゃ、気をつけて帰れよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ秋哉、やっぱちょっとからかいすぎたかな...」

「市ヶ谷も怒ってなかったし良いんじゃね?むしろあそこまでテンパってた理由のが気になるんだけど。」

「それはヒミツ。」

「なんだよ、言えねぇのかよ。」

「言えないかなぁー」

「あれか、金貸してくれとかそういう?あいたっ」

「そんなわけないでしょ。」

 

 

 

 

 

 

 相変わらず幼馴染は容赦ってものを知らない。サンタさん僕に・・・というより僕の幼馴染にどうか俺への慈悲をプレゼントしてはもらえませんかね・・・?




クリスマス番外編第1夜、いかがだったでしょうか?

明日は第2夜、幼馴染大集合です!
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