俺の家が女子高生の溜まり場になっている件   作:かしら

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お待たせしました、つぐみとデートです!
つぐみ視点にしてみました。

秋哉視点は書かないつもりですが気が向いたらスピンオフ的にいつかやるかもです


偏見だけど、つぐみって良くも悪くも突出したナニカがある訳じゃない分書きやすそうですよね←


#4 ホントノキモチハ

今日は秋哉くんとデートだ・・・

何着てこうかな・・・?あんまり気合い入ってます!みたいな感じだと引かれちゃうかな?

って!何で私こんな舞い上がってるの!ちょっと買い物行くだけじゃん?!

どうしてだろう、昨日から秋哉くんの事考えると体温がグッと上がるような・・・?

 

いつもよりずっと早く目が覚めたおかげで服装を考える時間はいっぱいあったはずなのに気づけばもう9時半じゃん?!

 

 

「...結局いつもとあんま変わらないなぁ。ってだから!」

「つぐみ!さっきから何1人で騒いでるの!」

「わわわわお母さん?!いつから?!」

「もうこんなに散らかして!」

「ごめん!帰ったら片づけるから!」

 

 

そう言い残して部屋を飛び出す。なんでこんなにテンパってるのー?!

洗面台の鏡を見ると、やけに赤い私の顔が見つめ返す。え、私こんな顔赤かったっけ?!秋哉くんが来るまでに元に戻ってればいいな・・・

あれがないこれがないと家中を行ったり来たりしているうちにあっという間に集合10分前。外で待ってようかな?

なんだか落ち着かないよ・・・そうだ、こんな時は

 

 

「お父さん、なんか手伝う?」

「出かけるんじゃないのか?」

「ちょ、ちょっと早く準備できたから!」

「そうか、そうは言っても本当に今は平気なんだ。まぁここにいるのは構わないよ。あ、でも」

「ん?」

「お、いたいた。ごめん待たせた?」

「あぁよかった、家の方に行っちゃったかと思ったんだけど。」

「あ、」

「もしかして行っちゃった?」

「そのもしかしてですねぇ」

「ごめん!!」

「あぁ平気平気どのみち約束してた時間より早めに着いちゃったし。じゃ行こっか?」

「う、うん!行って来ます!」

「じゃぁマスター、ちょっとつぐみ借りますね」

「あぁ、行ってらっしゃい。...なかなかお似合いじゃないか

「ん?お父さんなんか言った?」

「いやいや、行ってらっしゃい。」

「つぐみー?どした?」

「ううん!行こっか?」

 

 

うわぁ・・・ホントに2人きりだ。何か話さなきゃ!

っと、ふと秋哉くんの方を向くと・・・あれ?

 

 

「秋哉くん、身長伸びた?」

「あぁ、こっちにいた時よりは伸びてっかもな。」

「だよね!なんか顔遠いなーって今思った。」

「はは、確かにこっちいた頃はつぐみと目線の高さ変わんなかったかも。」

「中学行って一気に成長期って感じだね!私全然変わんないんだよなぁ」

「まぁ背が伸びるペースは人それぞれだから。つぐみもそのうち巴たち並になるさ。俺も引っ越す前は巴より小さかったし。」

「そういえばそうだったかも!今はさすがに秋哉くんの方が高そうだけど、巴ちゃんもまだ伸びてるって言ってたからなぁ。」

「マジかよ」

 

 

なんて事ない会話なのになんだろう、今、すごく楽しい。

でもさっきから何か引っかかるような?何が違和感なんだろ?確かに目線の位置が変わったのもあるけど・・・

何かが昔と違う気がする。そのうち慣れるのかな?

 

 

「っておーい、聞いてっかぁ?つぐみさーーん?」

「へ?!ご、ごめん!なんだっけ?」

「いや、こっから道わかんないから頼むね?って。」

「あ、うん!任せて!」

「おう、頼んだ。」

 

 

完全にテンパってるじゃん!何やってるんだよ私・・・

 

 

「ねぇホントに大丈夫?」

「...」

「え、調子悪いとかじゃないよね?え、無理して連れ出しちゃったのかなこれ...おーい、()()()

「ッ?!」

 

 

違和感の正体に気づいてしまったかもしれない。

そうだ。これだ。秋哉くんは私のこと『つぐみ』だなんて呼んでなかったんだよ。なんかやっと元の関係に戻った感じ・・・なのかな?

秋哉くんはまた、私のこと『つぐ』って呼んでくれる。

たったそれだけのことなのに、なんだか急にすぅっと肩の荷が下りた気がした。

たったそれだけのことが、すっごく嬉しかった。このキモチって・・・?

 

 

 

「ホントに平気?しんどいなら引き返すよ?」

「ううん!違うの!なんか秋哉くんと2人で出かけるの久しぶりで、緊張してるみたいで...えへへ」

「なんだよそれー、前は普通に遊びに行ったり買い出し手伝ったりしてたじゃんか。」

「男の子と出かけることが久しぶりだから...かな?確かに買い出しはよく手伝ってもらってたね!あ、そこ左だよ。」

「ふーん...あ、見えてきたな。まぁ何より、つぐがなんともなさそうで何よりだよ。」

「ごめんね、もう平気だから!」

「うん。あ、そうだ...」

「どうかした?」

「ううん、なんでもない。あとでのお楽しみ。」

「えぇー何それー」

「よかった、ホントに元に戻ったみたいだね。」

「私そんなに変だった?!」

「かなり」

「えぇー...」

 

 

そんなにズバッと言われるとちょっと凹むよぉ。でも悪いの私だからなぁ・・・

切り替えるしかないよね!

やっとたどり着いた場所は江戸川楽器店。私たちもいつも必要なものはここで揃えてる、御用達店?でいいのかな?

 

 

「ほぉーなかなかの規模やな。」

「あ、関西弁。」

「え、出てた?ってか向こうでも標準語の方が多かったはずなんだけどなぁ」

「ふふ、それも新鮮で私は面白いよ?それで、何見にきたの?ドラムのものならあっちだけど...」

「からかうなよ...んで、今日の目当てはドラムのものじゃないんだよね。」

「え、違うの?」

「そ。今日はギターとベース。ひとまずギターから見よっかなぁ」

「ギター?それならこっち!秋哉くん1人でバンドでも組むの?!」

「いやいやそんなじゃ無いんだけどさ、向こうで色々あって始めることになってさ。」

「色々って?」

「いや、バンドでやる曲のアレンジとかを途中から俺が担当することになってさ、せっかくならドラム以外も一通り勉強しとこうかなって。」

「すごい...」

「まぁギターとベースは自前の楽器はまだないんだけどネ。」

「じゃぁ今日はそれを?」

「いやいや、実は向こうでバンド組んでた奴らが『俺らの身代わりや!』言うて別れ際に楽器押し付けてきてさ。その楽器置いとくスタンドが欲しいんだ。」

「すごい。素敵な仲間だね。私たちもそんな風になりたいなぁ。」

「つぐたちはそもそも誰か一人欠けるなんてことが起きないんじゃ...」

「はは、確かにそうだね。みんな追いかけてきちゃいそう。」

「やりそうだなぁ...お、あった。まぁまぁいい値段すんじゃねぇかよ。あいつら ホンマに請求書送り付けたろかな...」

 

 

やっぱり秋哉くんと話すの楽しいなぁ。音楽のこと話してる時の秋哉くんてすごくキラキラしてて、楽しそう。

でもやっぱり、ドラム叩いてる時が一番輝いてるしカッコいいかなぁ。巴ちゃんやあこちゃんや・・・沙綾ちゃんとドラム叩いてる時が。

そういえば、沙綾ちゃんとはもう会ったのかな?これ聞いていいやつかな?

 

 

「やっぱドラムのコーナーも見ておきたいかも...」

「おっけー!じゃぁこっちだよ。」

「うわ、今スティックってこんなあるんだ。」

「楽器屋さんとか普段行かないの?」

「ありがたいことに俺の楽器物持ちがいいみたいでさ。弦張る楽器じゃないしスティックも本番用はいつものあったからさ。」

「そっかぁー。巴ちゃんも結構色々試してるみたいだよ。」

「練習用に一つ俺も試そっかな...まぁうちのバンド今活動休止中だけど。」

「本番用はいいの?」

「うん。本番で使うのは決まってるから。」

「あ、もしかして...!」

「そ。あの時巴たちと交換したやつ。」

「そっか!巴ちゃんそれ聞いたらきっと喜ぶよ!巴ちゃんはいつも自分の部屋に飾ってたな。」

「俺も普段は自分の部屋に飾ってる。練習で使って折ったりしたら困るしね。」

「大事にしてるんだね。あ、そういえば沙綾ちゃんのとこには行ったの?」

「行ったよ。もっとも、歓迎ムードではなかったけどね。」

 

 

笑ってごまかしてるけど私にはわかるよ。これ、ゼッタイ聞いちゃいけなかったやつだよ。今、秋哉くんすっごく悲しそうな目してる・・・どうしよ。

 

 

「ごめん。聞かれたくなかったかな?」

「ううん、別にへーき。まさか平手打ちが飛んでくるとは思わなかったけどな。」

「えっ!沙綾ちゃんてそんなキャラだったっけ...」

「俺もびっくりよ。ふっつーに痛かったし。あの後つぐに声かけてもらわなかったら間違いなく部屋引き払って大阪帰ってた。」

「あ、それであの時あんなだったんだ!」

「え、そんな不自然だった?」

「かなり」

「お前...さては根に持ってる?」

「...そんなことないよ?」

「ごめんて」

「ふふ、相変わらず面白いなぁ」

「それ褒めてんの?まぁいいや、支払いしてこよ。」

 

 

そう言ってそそくさとレジに行ってしまう。うまくやり過ごせたかな・・・?

 

 

「これでよし、と。つぐは何も見なくてよかったの?」

「うん、私は平気。」

「りょーかい。この後まだ時間ある?」

「あるけど?」

「昼飯どうかなって。奢るよ、案内料ってことで。」

「えぇ、いいの?!」

 

 

こんな展開もあるかなぁと淡く期待はして私もちょっとお財布潤わせてきたけど、まさかの予想を超えるパターン?!

 

 

「つぐの行きたいとこでいいよ。あ、常識の範囲内でね?」

「わかってるよ!でも本当にいいの?」

「ほら、俺の気が変わらないうちにいきたいとこ決めちゃいな〜」

「ちょ!うーん...じゃぁ」

 

 

色々悩んで結局いつものファミレスに来てしまった。秋哉くんは「こんなんでいいの?」って聞いてくれたけど、あんまりいいとこすぎてもきっと緊張しちゃうしね。

それに、ここは私にとってはバンド結成をするってみんなと決めた思い出の場所だし。

 

 

「へぇ、Afterglowって言うんだ。いやぁつぐたちがバンドねぇ。お兄さん嬉しいよ」

「褒めてる...のかな?って言うか私たち同い年!」

「あはは、褒めてる褒めてる。仲間と一つの作品を作るってとってもいいことだと思うよ。1人じゃ見えないものも見えるようになるしね。」

「まだまだ全然だけどね」

「つぐたちならきっといいバンドになるって。にしても、つぐと巴はなんとなくどの楽器かわかるけど、後の3人は楽器からっきしだったよな?」

「蘭ちゃんがギターヴォーカルでモカちゃんがリードギター、ひまりちゃんがベースだよ。確かにみんな初めてだったけど、かなり上達したと思うよ!今じゃ私の方が追いかける側だよ。」

「まぁ確かに習い事のピアノとバンドのキーボードじゃまるで勝手が違うかもな。」

「そうなの!鍵盤以外にも操作しなきゃいけないことがいっぱいあったりして大変。」

「蘭とモカがギタリストか...絵に描いたようなストイック人間と感覚で全部突破しちゃうようなやつじゃあっという間に腕あげるのも納得だよなぁ。」

「ホント、あの2人すごいよ。あ、ひまりちゃんもすごいからね!」

「ほほうー、あの三日坊主日本代表が?」

「それ本人の前で絶対言っちゃダメだからね?!」

「...ってことは投げ出す寸前まではいってるんだな?」

「大変なんだからー。モカちゃんはニヤニヤ煽るし蘭ちゃんは怒るしひまりちゃん泣き出すし。」

「つぐと巴の苦労が手に取るようにわかるぞ...」

「秋哉くんたちのバンドはどんな感じだったの?」

「うちはなかなか面白いバンドだったんじゃないかなぁ。なんなら俺最初ドラムじゃないしね。」

「そうなの?!」

「そう。もともとドラマーはいてね。ベースヴォーカルとギタリストも揃っててピアニストがいなくてそっち回されたんだよ。つぐのおかげでピアノ少しやってたし。」

「すごいねぇ。あれ、でも巴ちゃんたちのスティック使ってたって。」

「途中でドラムにコンバートしたんだ。ベースの先輩が途中で引っ越しちゃってさ。ドラム叩いてたやつがベースに回って。もともとその先輩のこと慕っててベース習ってたんだってさ。で、楽曲アレンジとかの仕事を俺がその先輩から引き継いで今の形になったってわけ。」

「すごいねぇ。なんでもできちゃうじゃん。」

「なんでもってこたぁないけど、幅広がったなぁとは思うな。面白かったよ、曲によってメンバーの楽器交換したりしてさ。」

「今度私もピアノ教えてもらおうかな...」

「いやいや、さすがにつぐの方ができるでしょー」

 

 

いやいや、多分だけど秋哉くんの方ができるよ?いつか秋哉くんと一緒に演奏とかできたらいいなぁ。

 

そろそろ帰ろっか、って秋哉くんに言われて初めて自分が夢中になって話していたことに気がつく。

楽しい時間って、どうしてこんなにもあっという間に過ぎてしまうんだろう?

って言うか、本当に奢ってもらっちゃった・・・今度お返ししなきゃだよね。

 

 

帰り道は行きの何倍も早く感じて、さみしいなんて思ってる自分に驚く。

 

 

「わざわざ送ってまでくれてありがとね。」

「なんのなんの。ってかちょっとここにも用事があってね。」

 

 

なんだろ、用事って。ただコーヒー飲みに来たって感じじゃなさそう。

 

 

「お帰りなさい。もう少しゆっくりしてくるかと思ってたんだけど。」

「ちょっとお父さん!」

「あーあの、ここにも用があったんで。マスター、折り入って相談が...」

「どうした、改まって。娘ならやらんぞ。」

「えぇぇッ?!」

「やっぱマsゴホンゴホン。いや、あのそれはも少しちゃんとした感じでやりますって」

「ちょっと秋哉くん?!」

「そうか。まぁせめて高校卒業してからに...」

「2人ともなんの話してるの?!」

「おっと失礼、話がだいぶ逸れましたが。あのぉマスター、ここで働かせてもらえませんか?」

「アルバイトがしたいってことかい?」

「そういうことになりますね。一応親から仕送りはしてもらってますけど、自分でも生活費助けられるならその方がいいかなって。コーヒー淹れる修行もできていいかなって思ったんですけど...」

「え...え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ?!」

「うわ、びっくりした。え、なんか問題ある?」

「僕は大歓迎だよ。一応、履歴書は書いて来てほしいかな。」

「あ、わかりました。じゃぁ明日にでも持って来ます。てことで、明日からよろしくな、つぐ。」

「え、あ!うん!」

 

 

そう言い残して颯爽と秋哉くんは帰って行ってしまった。

ちょっと、状況がわからないんだけど!!

 

 

「秋哉くんならいい戦力になってくれるかもな。つぐみ、明日から指導役、頼むぞ。」

「え、私?!だって私コーヒー淹れられないよ?!」

「いきなり厨房に立たせるわけじゃないよ。まずはホールの仕事を勉強してもらわないとね。」

「わ、わかった。」

「いつかはうちの店を継ぐ存在に...」

「え、お父さん?!」

 

 

よくわかんないけど、多分、すごく嬉しい。

秋哉くんと一緒に仕事ができるんだ。もっとずっと、秋哉くんといられる。

 

ずっとモヤモヤしてた気持ち、違うと目を背けてはいたけれど、これってきっとそうだよね?

 

 

人はこれを、恋と呼ぶ。

これが、誰かを好きになるってことなんだよね。

早く、明日が来ないかな。




デート回いかがだったでしょうか?
果たしてつぐみちゃんの恋は叶うのか?!


次回からじゃんじゃんキャラクター登場します!多分!

っていうかここに来てまなさんがもともとベーシストじゃなかったという新事実が判明しました。この人達何者なんでしょうね、書いてる僕もよくわかんないんですよ。大人しくしていてほしいものですね(は?)


早く秋哉くんの家を”溜まり場”にしたい()
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