ギアス世界に転生したら病弱な日本人女子だったんだが、俺はどうしたらいいだろうか   作:緑茶わいん

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評価者数千人突破ありがとうございます投稿。
……でも、思いつきで書いてみたら滅茶苦茶大変だったので手抜きをしました。

文章自体は自分で書いたので大丈夫じゃないかとは思うんですが、書式そのものがアウトとかありましたら修正しますのでご指摘いただけますと幸いです。


bripedia:リリィ・シュタットフェルト

リリィ・シュタットフェルト


出典: フリー百科事典『ブリペディア(bripedia)』


 「篠崎百合」「リリィ・アスプルンド」はこの項目へ転送されています。

 その他の「百合」「リリィ」については「百合 (曖昧さ回避)」「リリィ (曖昧さ回避)」をご覧ください。


 

リリィ・シュタットフェルトこと、篠崎百合(皇暦1998年6月9日 - 没年不明)は、神聖ブリタニア帝国の起業家、実業家。

神聖ブリタニア帝国の貴族「シュタットフェルト家」の養子であり、同帝国貴族「アスプルンド家」の「ロイド・アスプルンド」と婚姻後は「リリィ・アスプルンド」として伯爵夫人となる。

ブリタニア帝国からは国家技術賞、特別功労賞等の複数の章を授与されている。

 

彼女の没年については諸説あり、説によっては未だ存命だとされている。

 

略歴


皇暦1998年6月9日、武術道場や要人護衛を営む旧家篠崎家の次女として誕生。「百合」と命名される。

生まれつきのアルビノであり身体自体も弱かったため、両親の意向により家業には関わらず、政略結婚の材料としていわゆる花嫁修業を施されて育つ。

しかし、幼少期から知能が高く、十歳頃からは特に目覚ましい才覚を発揮。時には篠崎家当主である父に意見を述べることさえあった。このことから当時の日本の内閣総理大臣である枢木ゲンブら重鎮と引き合わされ、国政にもたびたび口を出していた。また、ゲンブの息子であり後の内閣総理大臣である枢木スザクとの婚約話が持ち上がったこともあった。

 

皇暦2010年、日本とブリタニアの関係が徐々に悪化する中、神聖ブリタニア帝国本土へと渡り、貴族家である「シュタットフェルト家」と養子縁組を行う。この際、「リリィ・シュタットフェルト」と改名。*1

同年、ブリタニアにて貴族位を持つ「アスプルンド家」の長男、ロイド・アスプルンドと婚約した。

 

皇暦2012年、名門である私立〇〇女学園の中等部へと入学、引き続き知性と教養の高さを発揮して高い成績を収めた。一年次の生徒会役員選挙では生徒会長候補からの要請を受けて書記として立候補し、会長候補ともども当選、二年次の選挙では生徒会長に当選・就任した。

この際、一年遅れで入学してきたミレイ・アッシュフォードと知り合っている。

 

皇暦2015年、ブリタニアとの戦争に敗北しエリア11となった日本へ両親ともども渡ると、アッシュフォード学園の創立メンバーとして高等部一年生から入学。学園の理事長であるルーベン・K・アッシュフォード直々の要請により初代生徒会長に就任し、二年次の生徒会役員選挙にて会長位をミレイに譲るまで二期に渡って生徒会の運営に尽力した。

また、ミレイの紹介によりルルーシュ・ランペルージおよびナナリー・ランペルージと知り合い、交友を深めるほか、両親からの経済的支援を受けてゲーム会社リリィソフトを設立した。

同年中には名誉ブリタニア人の承認を受けてアッシュフォード学園に入学してきた枢木スザクと再会、スザクの婚約者である皇神楽耶とも友人となっている。

 

皇暦2016年にリリィソフトの第一作『ポシェットモンスター』を発売、これをヒットさせ、シュタットフェルト家からの借金を完済。第二作の『ミッドナイト戦記』以降もヒットを連発し、瞬く間に事業規模を拡大。

また、ユーロピア共和国連合の脳科学者ソフィ・ランドルと協力関係を築き、彼女を社に招くと共にその研究を支援、後のブレイン・レイド・システム(BRS)完成に大きく貢献すると共に、後年にはBRSを利用した世界初の脳波コントロール型体感ゲームマシンの開発に成功。

婚約者であるロイドの要請を受けてブリタニア貴族のパーティに出席しシュナイゼル・エル・ブリタニアと対面、宴席の雑談に紛れてエリア11総督府腐敗を密かに進言、帝国宰相から信頼を勝ち取り、リリィソフトへの資金援助を得た。

 

皇暦2018年、いち学生として身分を隠し入学したユーフェミア・リ・ブリタニアの相談役・案内役を任され、彼女とも交流を持った。

この縁によりユーフェミアとランペルージ兄妹が再会する手引きを行い、また、アッシュフォード学園にテロリストが潜入した際にはユーフェミアとルルーシュを庇って被弾、二人の窮地を救った。この件ではコーネリア・リ・ブリタニアやクロヴィス・ラ・ブリタニアからは直接感謝の言葉を受けた。

ルルーシュ、スザクらによる日本再興にも陰ながら協力していたとされており、その一方でブリタニアの特別派遣嚮導技術部(特派)の依頼によりリリィソフトにて新型軍用シミュレータの開発を手掛け、中華連邦から技師のラクシャータ・チャウラーを招聘し社に迎えた。

ユーフェミアの護衛を務めていたジノ・ヴァインベルグに代わってアーニャ・アールストレイムがエリア11へと来訪すると彼女ともゲームを通じて友人となり、テロリスト率いるKMF部隊がエリア11を襲撃した際にはアーニャの庇護を受けて総督府まで避難した。

クロヴィス・ラ・ブリタニア率いる総督府が枢木スザクらの新生日本国と共同でブリタニア本国との敵対を表明すると、これに賛同。リリィソフトの人員を動員して新規KMFのデザイン・開発に関わった。また、本国軍との決戦時にはKMF・白百合に自ら搭乗して戦場に出たとされている。

反乱軍が本国軍に勝利し、シュナイゼルの主導によりブリタニアが再編された以後は特別功労賞を授与され、一層知名度を上げることとなった。

 

皇暦2019年にはロイド・アスプルンドと結婚、正式に伯爵夫人となると、特派の技術開発主任として忙しく働く夫に代わって家の差配に関わった。一方で社長業も継続し、リリィソフトはブリタニアだけでなく日本にも販路を広げた。

 

皇暦2020年、蒋麗華に招かれ中華連邦を訪れると内乱に巻き込まれた。日本およびブリタニアの支援を受け、麗華の協力を取り付けて内乱を鎮圧した以後は麗華と公的・私的共に親交を持つこととなった。

これをきっかけとし、シュナイゼルの発案により麗華、皇神楽耶、ユーフェミア、ナナリー、アーニャの五人と共に世界初の多国籍VIPアイドルユニット「リリュアーナ」としてデビューした。

 

皇暦2021年にはロイドとの間に女児を出産し──。


 

 

「……またですか」

 

 文字列を追うのがだるくなってきた俺はため息を吐いてバイザー型脳波コントロールデバイスを終了させた。

 最初期はゲーセンの筐体並みに大きかった機械が今やヘッドフォンなんかと変わらないサイズ。いやはや、技術の進歩は恐ろしいものである。まあ、ロイドがおじいちゃんになるくらいの時間が経っているんだから不思議はないといえばないんだが。

 それよりも問題はwikiの方である。

 

「たまに消してるんですけど、すぐに復活するんですよね」

「学校の授業で調べものをしようとした時、ページが消えていて困ったんですが……百合様のなさったことだったんですね」

「それは、ええと、失礼しました。消すのはただのテロ行為だとあらためて認識しました」

 

 しかし、自分の経歴についてつらつら詳細に書かれていたら恥ずかしくなるのは仕方がない。

 今度からは運営元にお金を投げつけつつ抗議してみようかと思っていると、俺からギアスを与えられ、護衛から次期コードユーザー候補に昇格した咲世子の孫娘が困ったように首を傾げた。

 

「でも、百合様? 書かれている内容は事実なんですよね?」

「ええ、まあ、おおむね事実ですが、箇条書きマジックのせいで私が物凄い重要人物のようになってしまっているのが不満といいますか……」

「百合様は十分に重要人物だと思います」

「ありがとうございます」

 

 素直で真面目な後継者に俺は目を細める。

 咲世子に先立たれ、昔馴染みもぽつぽつ亡くなり始めた昨今、俺のところに顔を出すのはこの子とこの子の兄以外殆ど居なくなってしまった。

 なので、修行という名目で週の半分、ここに泊まってくれるこの子の存在は俺にとっての癒しだ。

 咲世子は普通の電子ゲームがあまり好きではなかったし、やらせたらやらせたで馬鹿みたいな反射神経を見せるので、孫娘のこの子のように「えいっ」とか「やあっ」とか可愛い声を上げながら俺といい勝負をしてくれる人材は本当に貴重だ。

 そりゃまあ、大政略のネット対戦で無双するのも楽しいんだけど、同じ部屋で知り合いとわいわい遊ぶのはまた違った楽しさがある。ネット対戦はネット対戦で時たま娘とマッチして「何をやってるんですかお母様」とか言われたりするから気を抜けないし。あの子ときたらここぞとばかりにKMFのアクションゲームに誘ってきて、そのくせ手加減無しで叩き潰しに来るから大人気ない。まあ、大政略では俺が日本使って蹂躙するけど。

 

「というか、アイドルユニット云々まで書かなくてもいいと思いません?」

「事実ですし、歴史の重要事項なので書かないわけにも……」

「うう。ネットに流れてるライブ動画なんかも全然消えてくれないんですよね……」

 

 権利関係がアレなので仕方ないんだが。

 ゲームのプレイ動画とかならリリィソフトが権利を持ってるから削除依頼が簡単なものの、アイドルユニット関連となると複数者が権利を分割している。まず、リリィソフト社長を経て独立したミレイの立ち上げたイベント企画会社。あと日本国。それから神聖ブリタニア帝国と中華連邦。どこかが勝手に動こうものなら他が文句をつけてくる可能性があるため迂闊に動けるわけがない。

 それに、俺は一応、公的には「死んだんじゃない?」ということになっているので、リリィソフトに連絡入れて「削除依頼出しておいてー」とか言うのも難しかったりする。

 

 いや、もう、さっさとコード移譲して隠居したい。

 とはいえ、歳が違いすぎる上に神様扱いされている俺相手に表向きだけでも普通に話してくれる後継者に「もっと頑張れ」とも言いづらい。

 この子が駄目だったら他の候補者を探す覚悟もしないといけないし、しばらくは神様を続けるつもりでいた方がよさそうだ。

 

「まあ、ギアスとコード関連の記載がないだけマシですよね……」

「むしろ、あった場合はどうなさるんですか?」

「……ええと、まあ、消すしかないですよね」

 

 具体的には、この子の兄に頼んで、書いた奴の記憶を抹消する。

 記憶を消すギアスなんて手元にはないので、記憶媒体……つまり脳をさくっと破壊することになってしまうだろうか。ちょっと、というか滅茶苦茶可哀そうではあるが、ギアス関連の情報をwikiに書き込むなんていうアホは平和のために消えてもらうしかない。

 俺はもう、ギアスもコードも私欲のために使わせる気はない。

 

「ブリタニア皇帝の記憶を操作するだけで世界戦争くらい起こせちゃいますし」

「……百合様を求める方が増えたら大変ですものね」

 

 それがわかっているなら大したものだ。

 真面目な顔で言う姉の孫娘の頭を撫でてやりながら、俺は微笑んだ。

 

「ゲームの大会がニュースになるくらい、世界は平和な方がいいんですよ」

 

 でもやっぱりこのwikiはどうにかして欲しい。

*1
表向きは孤児からの養子縁組と説明されていたものの、手続き自体は国の承認により正式な形で行われている。


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