大人四糸乃とファンタジア!   作:エクソダス

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第1話

 「………」

 

 

 ある墓の前で、祈るように手を合わせ、目を閉じている女性がいた。

 その女性は20代くらいで、青い綺麗な髪に緑の服を着ていて、その服のフードは耳のようなものがついている。

 

 

「………」

 

 

 何も喋らず、墓の花を入れ替えている彼女の名は四糸乃。

 この天宮市に住む住民の一人だ。

 

 

「……ふふっ」

 

 

 四糸乃は自分の手で墓を綺麗にすると、とても柔らかく、静かに微笑んだ。

 すると、彼女のポケットに入っている携帯がなり始める。

 

 

「……もしもし……。はい…はい、わかりました七罪さん。今、帰ります」

 

 

 彼女は応答したあと、そういって電話を切る。

 

 

「…帰ろう」

 

 

 四糸乃は近くにおいておいた買い物袋を手に取り、自分のバックを肩にかけた。

 そして、四糸乃の鼻に水が当たる。

 

「…すこし…、早足でいこう」

 

 

 雨の匂いを肌で感じながら四糸乃は、そそくさと早足で帰宅する。

 

 

───

 

──

 

 

 

「……少し休憩……したいな」

 

 

 雨に降られる中、四糸乃は少し走るのに疲れたので近くに雨宿りできる場所がないか見渡す。

 

 

「……!」

 

 

 いいところに雨宿り出来そうな神社があった。

 四糸乃は早足で神社の屋根まで避難する。

 

 

「……ほっ…。びちょびちょ…」

 

 

 自分の濡れた服を見ながら、四糸乃は苦笑いをした。バックに入れておいた『よしのん』はあまり濡れてないようだ。

 

 

「よしのんは……あまり…ぬれてない……よかった」

 

 

 四糸乃は安堵の息を漏らす。

 よしのんというパペットは四糸乃にとってはかけがえの無い物だ。

 よしのんをもう一度バックにしまうと、四糸乃はあることに気がつく。

 

 

「………」

 

 

 この場所は、自分の大切な人、初めて好きになった人と出会った場所であった。

 あの少年がいなければ、今の四糸乃はいないであろう。

 それほど大切な人だ。

 

───

 

──

 

 

 

「おっと…大丈夫か?」

 

 

 私が転びそうになった瞬間、助けてくれたのは青髪の男の人だった。

 

 

「……!」

「ああ……よかった。怪我はないか?」

 

 

 私はその時、怖くて怖くて、その男の人から離れて始まった。

 恐ろしくて恐ろしくて仕方がなかった。何かされるんじゃないかと、怖い人のなかまなんじゃないかと。

 

 

「……!こ、こない、で……ください……!」

「ええと……」

 

 

 少年は困るだけで、特に何もしてこなかった。

 

 

「……これ、君のか?」

 

 

 いつの間にか私の手からよしのんがいなくなっていて、少年が優しく持っていた。

 

 

───

 

──

 

 

 

「士道さん…いまどこに…いるんでしょう?」

 

 

 四糸乃を助けてくれた士道という男は、今は訳あってこの世界には存在しない。

 

 

「きっと……今この瞬間も…、誰かのために頑張っているんでしょうね……」

 

 

 そう言いながら、四糸乃は苦笑いを浮かべた。少し冷たい目で。

 

 

「……少し、寂しいです」

 

 

 士道という男は、四糸乃にとって初恋の人、告白もした。

 まぁ、まだ答えは貰っていないのだが。

 

 

「また……あえますよね…?士道さん……」

 

 

 彼女は誰にも聞き取れないであろう声で、優しくそう呟いた。

 まるで恋い焦がれる一人の女の子のように………。

 

───

 

──

 

 

「………?」

 

 四糸乃は、いつも道理家に帰ってきた…が、誰も姿が見当たらない。

 

 

「…十香…さん?琴里さん?」

 

 

 名前を読んでも全く返事がない。いつもだったら全員帰っている時間なので、少し妙だ。

 

 

「…どこか…いったのかな?」

 

 

 四糸乃は思考を巡らすが、全員どこに行ったのか皆目検討がつかない。

 仕方ないので、四糸乃は料理を作りながら待つことにした。

 

 

「………」

 

 

 キッチンの火の音しか聞こえない家で、すこし四糸乃は寂しさを覚えた。

 そんなときだ。

 

 

「……?」

 

 

 近くになにか赤く光る球体のような物が浮かんでいるのを見つけた。

 おもちゃだろうか…?

 

 

「なに…かな?」

 

 

 四糸乃は無意識にその球体に近づいていた。本当に無意識に………。

 

 

 

 

 刹那────

 

「っ?!」

 

 

 突然、その球体は強く光だし、四糸乃の視界を暗転させる。

 

 

───

 

──

 

 

 

「お姉……。お姉!」

 

 

 誰かの声が聞こえる。

 どこかで聞いたことのあるような、ないような声。

 そんな声に叩き起こされるかのように、四糸乃は目を冷ました。

 

 

「……?」

「あ、やっとおきた…。遅刻するよ?」

 

 

 四糸乃の目の前にいたのは、赤髪にジャージの中に青い学校の制服を着ている。女の子だった。歳は…中学か高校といったところだろう。

 

 

「……あなた…は?」

「……は?」

 

 

 私の言葉が想定外だったのか、目の前の女の子は素っ頓狂な声を上げる。

 

 

「何言ってんのさ、十四香(とよか)姉。まだ寝ぼけてんの?」

十四香(とよか)………姉?」

 

 

 一体何の冗談だろう?

 きちんと見渡すと、そこは完全に知らない別の家のリビングのような場所だ。

 そして、この少女…薄っすらとだが名前を覚えている…。

 

 

「…理乃?」

「そうだよ。やっと目が覚めた?」

「う、うん……、おかげさまで」

 

 

 彼女はやっと理解した。

 今起こってる出来事の可能性をやっとの思い出理解した。

 

 

 

 

 

 

(……異世界…召喚?)

 

 

 ラノベかよっ!

 とツッコミたいが、彼女は精霊なので…わりと召喚される経験は豊富なので、なんとも言えなかった。

 

 

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