Fortune Lover シリウスルート シナリオ風ノベル 作:Brahma
魔法省の一室で若い美しい女性と若い男性が話している。
若い女性の方が上司で若い男性が部下のようだった。
「部署長、どうやら、生徒会長のシリウス・ディークがカタリナ・クラエスとマリア・キャンベルを貶めるために闇の魔力を使っているようです。」
「彼は、本当のシリウスではないのではといわれています。というのは、シリウスは幼少時に瀕死の重病に冒されていたのに急に健康体になって生徒会長までになった。ほんとうにシリウスなのかということです。」
「影武者か、なりすましということか?」
「調査の必要があるようです。学園内と生徒会に諜報要員がいます。まかせてください。」
わたしマリア・キャンベルは、カタリナ・クラエスをはじめ、貴族令嬢たちが私に嫌がらせをするときに黒いもやのようなものがかかっていることがいつも気になっていた。
また生徒会室は唯一安らぐ場であったが、ときどき向けられる冷たい視線を感じることがあった。
しかし、生徒会室でわたしに反感を持つ人はいない。
メアリ様もソフィア様も親しくしていただいている。ジオルド様もアラン様、生徒会長のシリウス・ディーク様、副会長のニコル様も。キース・クラエス様は多くの女性と浮名を流すものの、私に接する時も特に悪意を感じることはない。だから気のせいだと思うことにした。
シリウス会長の淹れてくださる紅茶は美味しい。生徒会の皆さまは、ジオルド様がクラエス公爵令嬢からわたしをかばってくださって召し上がって以来、わたしのお菓子を喜んでくださり、美味しいといいながら笑顔で召し上がってくださる。
「シリウス会長の紅茶は優しい味がしますね。」
「そうかい?」
「はい。」
生徒会の仕事を終え、会長と二人きりになることがあった。
A-1(残って一緒に仕事をする。)
「キャンベルさん。」
「はい。」
「光の魔力をもつ君だから話そう。実は僕の母親は殺されたんだ。ほんとうは僕の名前はシリウスではない、」
「どういうことですか?」
「僕の母親を殺した闇の魔力で、シリウスの記憶を僕に移そうとしたんだ。ディーク公爵夫人を許すことができない。」
A-1A-2(復讐に協力しないが魔法省にしらせるように提案する)
「魔法省に知らせましょう。すべて明らかにするのです。」
「しかし、そうはいっても....。」
「わたしは、光の魔力を持っているので卒業後は入省するようにさそわれているのです。そのつてをたどりましょう。」
マリアに連れていかれたのは魔法省の魔法道具研究室だった。
「ラーナ様」
「おお、マリア・キャンベルか。そちらは生徒会長の仮名シリウス・ディークだな。」
「仮名?」
「最近、魔法省と魔法学園の敷地内で闇の魔力が使われている形跡があるから調べているところだ。その結果、生徒会長のシリウス君が実はそうではないのではないかという疑いが出てきた。しかし、心配しなくてもいい。シリウス君、君は被害者なのだろう。」
「どうしてそれを....」
「魔法省の調査能力をあなどってもらってはこまるな。魔法省は魔法が絡む犯罪についても警察権をもっているんだ。普通の犯罪とは違って魔法がからむために特殊な危険があるからだ。とくに闇の魔力については、通常の警察では対処できない。」
「ここに、シリウス・ディークの肖像画がある。ディーク公爵夫人が書かせたものだ。髪色、瞳の色、顔の造作、一見似ているがすべて君と異なっている。しかもシリウスは幼少時に瀕死の重病に冒されていたのに急に健康体になって生徒会長までになっているのはどうもおかしいということでな。闇の魔力が介在しているのではないかと捜査中だ。」
「しかもその闇の魔力を感じる場所は、魔法省と魔法学園の敷地内にあるディーク公爵家の建てた倉庫から強い反応がみられるのだ。それが偶然とはとても思えない。なにか心当たりがあるなら言ってほしい。」
シリウスは黙っている。
「話したくなければ話さなくてもいいが、じゃあこうしようか。はい、いいえで答えてくれ。君の母親を殺して、闇の魔法で、シリウスから君へ魂の記憶を移したと推察しているのだが、どうか?」
「そこまでご存じなのですか。」
「そうか、やはり君の母親は殺されたんだな。さてディーク公爵夫人とその一味が犯人ということでいいか?」
「はい。」
ラーナ様はにやりとほくそえむ。
「ありがとう。それでは悪の女幹部と魑魅魍魎をどうやっていぶしだすかな。」
一週間後、ジェフリー王子主催のお茶会が開かれた。
多くの貴族が呼ばれたが生徒会メンバーと魔法省のエージェントと思われる顔がちらほら見られる。
わたしとシリウス様には飲み物がやたらにお茶が勧められる。
お手洗いにいきたくなって、会場を離れ、お手洗いはどこかたずねると寂しい場所へ連れ出される。
「会長。あなたもですか。」
「ああ、なぜか連れてこられた。」
「ふふふ、あなた方の動きはつかんでいたわ。魔法省も嗅ぎまわっている。平民の小娘とともにやっておしまい。」
「ははつ。」
デイーク公爵夫人ととりまきがわたしと会長をつかまえようとする。
「待て!デイーク公爵夫人、キャサリン・ディーク・ウォルト殺害の容疑で逮捕する。」
「お前は....。」
「魔法省のラーナ・スミスだ。魔法省は、魔法が絡む犯罪については警察権がある。禁忌である闇の魔力を得るためにキャサリン・ディーク・ウォルトを殺害したことは、把握している。来ていただこう。」
「くっ。」
録り巻きたち公爵夫人は目配せし、部下たちは手を挙げて呪文を唱えようとするがなにやら思い通りにいかないことに気が付く。
「なに?効かない?まさかサイレンス?」
サイレンスはファンタジーRPGおなじみの魔法の詠唱を阻止する魔法である。
「そのとおりです、公爵夫人。魔法省をあなどってはこまる。われわれには魔法は効かない。さあ、お前たち逮捕だ。相手は公爵夫人だ。一応丁重にな。」
「はい、部署長。公爵夫人きていただこう。」
「ありがとう。君のおかげだ、マリア」
シリウスは頬を染める。
「いいえ、わたしはできることをしたまでです。ずっと会長のおそばにいさせてください。」
わたしは、少し頬にほてりを感じながらも笑顔で答えた。