Fortune Lover シリウスルート シナリオ風ノベル   作:Brahma

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B-1 シリウス会長の独白

生徒会の仕事を終え、会長と二人きりになることがあった。

B-1(そのまますぐ帰る)

マリアは、

「今日は帰ります。」

と言った。シリウスは

「お疲れ様。」

と微笑んで言った。

 

マリアに母のことを話そうと決心していたが彼女は帰ってしまった。

 

僕の本当の名はラファエル・ウォルトというが現在はシリウス・ディークを名乗っている。

それには悲しい理由がある。それは、僕が九歳になった年の春、わすれもしない夕暮れ時、見知らぬ男たちが現れ、僕と母を連れ去り、母が殺され、ディーク侯爵夫人の指示で、母を殺して得た闇の魔力でシリウスの人格や意識が僕自身にうつされたことによって僕はシリウス・ディークとして生きていくことになった。シリウスの意識を僕に移したはずの黒いローブの男は、呪詛の言葉をはきながらディーク侯爵夫人の手の者に殺された。しかし実際にはシリウスの人格は僕に移されず、シリウスの記憶と早く楽になりたいというシリウスのかすかな意識のみが映されただけだった。しかしそのことが知れると僕は殺されてしまう。だから母を殺した憎いディーク侯爵夫人を母と呼び、ディーク家に復讐するため、僕はシリウス・ディークとして生きていくことになった。

しばらくして自分が人の心が読める、人を操ることができることに気が付いた。闇の魔力の影響だった。僕はその力を復讐のために使おうと考えた。

僕は努力を重ね、魔法学園に入学するや、もともと備わっていた風の魔力も伸ばし、ニコルを抑えて成績もすべてトップだったので生徒会長になった。デイーク家の屋敷の皆は僕をほめそやすくらいだった。

ニコルとは幼馴染でいつも寂しそうな顔をしていて親近感をもっていた。

しかし、ニコルと僕が2年になったとき、彼は明るい表情をみせるようになった。

その少女の名は、マリア・キャンベル。1学年2位の少女、平民で光の魔力をもつという二重に稀有な存在だ。ほとんど貴族ばっかりだった魔法学園はそれがゆえに逆にマリアが平民だからと言って減点する理由などまったくもたなかった。それどころか光の魔力をもつ稀有な存在を正当に評価した。

しかし僕にとっては、復讐の邪魔にならなければどうでもいいことで優秀で穏やかな生徒会長を演じるのみだった。

「会長の淹れるお茶は優しい味がしますね。」

とマリア・キャンベルはいい、僕はひどく動揺した。

長年「着けていた」穏やかな「仮面」が外れてしまうのではないかと感じた。

ほかの生徒会メンバーは、「おいしい」と言ってくれたが、「優しい味だ」と言ったのは、人生の中で立った一人、実の母親のみだったからだ。

そしてマリア・キャンベルの穏やかな笑顔は母のそれによく似ていて胸がざわざわする感覚を覚えた。

それ以来、僕はマリア・キャンベルに接するたびに、ひどく心が乱れて仕方なかった。

母が殺されたあの日以来。復讐を誓ってそのために生きてきたようなものだった。

穏やかで優しく優秀な生徒会長を演じ、裏では闇の魔力を使って、資金をあつめ、罪をねつ造し、後ろ暗いことにも手を染めて、僕ら母子の幸せを奪った連中に仕返しできる目前まで準備をすすめてきた。しかし、マリア・キャンベルの青い優しげな瞳に見つめられ、屈託のない笑顔を向けられるたびに気持ちがひどくざわつくようになってしまった。

ニコルも、ジオルドも、アランも、キースも、そして女性であるメアリやソフィアも幸せそうに見えた。

マリアに心を乱されるたびに、もう一人の僕が『あんなやつにかまうな。復讐の準備に集中しろ。』と叫ぶ。しかしマリア・キャンベルを無視し続けるのはもはや僕にとっては無理な相談になっていた。

マリア・キャンベルがいやがらせを受けているのを知ったのはほんの偶然だった。カタリナ・クラエスと取り巻きの令嬢たちにとり囲まれていた。生徒会長シリウス・ディークとして止めに行かないわけにいかなかった。

「そこで何をされているのですか?」

「この女が平民のくせに...。」

「ここは、魔法の研鑽のための学び舎です。貴女がいくら貴族でも個人の感情で気に入らない平民がいるからと彼女を害していい理由にはならないですよ。」

令嬢たちは、「今に見てらっしゃい。」と捨て台詞を残して去っていった。

「大丈夫がい?」

「ありがとうございます。大丈夫です。」

とマリアは微笑み、そのけなげさに僕の気持ちは乱される。

 

今日話して楽になろうと思ったが帰ってしまった。

マリアは光の魔力をもっている。この少女は魔法省に入る人材だろうし、魔法省も目をつけている。そんなマリアに犯罪まがいのいやがらせを繰り返すとは愚かな令嬢たちだ。しかし、マリアも復讐のじゃまだ。

そうだ、闇の魔力でおびきだしてやろう。

 

カタリナ・クラエスをはじめ令嬢たちをたきつけておいて記憶を消す。

「平民のくせに、わたしの弟にからんで公爵家をうばおうとする泥棒猫め!」

「いやカタリナ様、金色毛虫です。」

「そうね。この女に自分の立場を思い知らせなさい。」

そのときだった。

 

B-1A-2(巨大な土人形が現れた)

B-1B-2(ジオルド王子が現れた)

 

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